最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
そんな彼女が案内したお寿司屋さんは、自身についてくる雨の守護者の父親がやっている寿司屋だった。
※隠し弾①収録ストーリー、『コロシヤクエスト』を元にしております。
オードトワレと呼ばれるフレグランスを香らせるには、何時間おきにフレグランスを付け直せばいいのか、や、フレグランスの香りを強過ぎない程度に抑えるにはどのようにすればいいのか、など、フレグランスの付け方を教えてもらいながらも、ベルと回った並盛町。
「お?寿司屋発見。ここにすっか。」
大分時間が経ったな、なんて夜空を見上げながら考えていると、ベルが足を止める。
寿司屋を見つけたと言う彼の言葉に嫌な予感を覚えながらも、目の前にあるお寿司屋さんに視線を向けてみれば、そこにはやはりと言うか、竹寿司の店舗があり、「あ〜・・・・・・こう来るか〜・・・・・・」なんて少しだけ引き攣った笑みを浮かべそうになる。
しかし、ベルはもうここに寄る気満々のようで、別のお店にしないかと言う問いかけはできそうにない。
そもそもわたしも、竹寿司以外の美味しいお寿司屋さんを知らないのである。
「へい、らっしゃい!・・・・・・って、奈月ちゃんじゃねーか!なんだ?今日は別の友達と一緒かい?」
「こんばんは、おじさん。ええ。そんな感じです。彼、普段は海外に住んでいるのですが、今回、日本に来日していたようで。
“折角日本に来たから、日本の寿司を食べてみたいと言われたので、案内したんですよ。おじさんが作るお寿司はとても美味しいので。」
息子の友人であり、意中の相手(自分で言うと恥ずかしいけど)が来たら、そりゃおじさんなら話しかけて来るよね・・・・・・と思いながらも、目配せでベルに話を合わせるように伝えれば、ベルは少しだけ不満そうな様子を見せる。
“王子のこと友人扱いかよ。しょっぼ。”
“何言ってんの。当たり前でしょ。”
“友人はフレグランスなんか渡さねーっつの。
“それくらいはわかってるけど、友人で話を合わせて。”
すると、わたしの意図が届いたらしいベルから口パクで文句を言われた。
それに口パクで言葉を返せば、さらに口パクで言葉を返される。気にせずとにかく話を合わせろと伝えれば、渋々頷いてくれた。
「ははは!そいつぁ嬉しいねぇ!」
おじさんはと言うと、わたしとベルの口パク合戦は見えていなかったのか、おじさんが握るお寿司以外で美味しいお寿司は知らないと言うわたしの言葉に、笑顔を見せていた。
たまに、おじさんって本当に普通の人なのかな?と思うことがあったため、スルーされただけの可能性もあるが、それは考えないことにしよう・・・・・・。
「折角海外から遊びに来てくれた奈月ちゃんの友人だ。おじさんもちょいと張り切ってみっか!」
そんなことを思っていると、おじさんはケースの中にあった新鮮なタコを手に取り、一瞬にしてそれを刺身にスライスした上、そのまま小さな木の船に綺麗に盛り付ける。
「・・・・・・へ?」
「・・・・・・!!」
油断していたせいで見えなかった動きに思わずポカンとしてしまう。え?ちょっと待って?おじさん、いつもそんな感じじゃないよね!?
いや、武から時雨蒼燕流はおじさんから教えてもらったって聞いていたけど!!は!?おじさん、本当に何者なの!?
まさかの状況に混乱してポカンとしていると、おじさんはわたしに目を向けては、武によく似た・・・・・・と言うよりは、武にしっかり遺伝したのであろう笑顔を見せて来た。
「遠路遥々、よく日本にまで来たな兄ちゃん。ま、うまい魚でも食って、明日からの観光用の体力もつけていけよ!」
「体力つきそうなの、お肉のような気もしますけどね。」
「奈月ちゃ〜ん・・・・・・言いてーことはわかるが、ここ、海鮮専門な?」
なんとなくわたしがポツリと言った言葉に、おじさんは苦笑いをしながらもツッコミを入れて来る。
海鮮専門なのはわかってるけど、つい、思ったことを言ってしまった。うん。普段ならこんなにボケたりしないから、相当混乱してしまったらしい。
「・・・・・・ベル?」
マフィアのボスが予期せぬことに混乱してどうする・・・・・・と自分自身の間抜けさに少しだけ自己的にツッコんでいると、隣にいるベルが無言でおじさんを見つめる。
しかし、すぐに何を思ったのか、いつも持ち歩いているナイフをその場で取り出し、わずかに構えようとし始める。
「お、いいの持ってんな兄ちゃん!しっかり手入れされてんじゃねーの!」
すかさず止めようと動こうとしたが、それより先におじさんが動き、笑顔で手元にある包丁を構えて見せる。
え、怖・・・・・・。
「お、おじさん・・・・・・?やっぱ普通のお寿司屋さんの大将さんじゃなくないですか・・・・・・?」
「はっはは!何言ってんだ奈月ちゃん!おいちゃんは見ての通り寿司屋の大将をやってる冴えないおっちゃんだぜ?」
“どこがだ!!”と声を大にしてツッコミそうになる。明らかに動きに隙がなさ過ぎると言うのに、冴えない寿司屋のおっちゃんは無理があるだろう!?
─────・・・・・・あ〜・・・・・・リボーン達もわたしに対してこんな感じになってんのかなぁ・・・・・・?て言うか、本当におじさん何者なんだ!!
お寿司屋さんの大将をしているおじさんと言う割には、時雨蒼燕流なんて剣技の型を身につけているし、油断した上混乱していたとは言え、わたしですら見えなかったスライスの瞬間とその動き。
死ぬ気モードであり、尚且つ冷静なままであれば、きっとあれは見えていたのだろうが、素の動体視力では確認できないなんて・・・・・・。
─────・・・・・・いや、リボーンやジョットさん達の攻撃も、死ぬ気モードならはっきり見えるけど、素じゃあまり見えないな?
とは言え、あのとんでもヒットマン、および原点にして頂点とも言える初代組の動きと同等の動きと隙のなさができるおじさんって・・・・・・?
何が何だかわからなくなり、おじさんの方を見ていると、ベルがナイフを手にしたまま木の船に盛り付けられているタコ刺しに視線を落とす。
倣うようにして、わたしもお刺身に視線を落した。
・・・・・・一瞬でスライスされていたのに、めちゃくちゃ綺麗な切り口でした。
え?頭上に投げただけだよね?いや、ブレ過ぎて見え難かったけど、斬撃を放って・・・・・・?は?
「ええ・・・?なんでおじさん、こんなことできちゃうんですか・・・?」
「そりゃ長く寿司屋やってりゃあなぁ。慣れて来るってもんよ!」
「慣れどころじゃないと思いますけど・・・・・・?」
え?本当に武のお父さんなんなの・・・・・・?まさか、わたしの父さんと同じで実は裏の世界の方だった・・・・・・?
いやいやいやいや、おじさんに限ってそれは・・・・・・ないこともないのか・・・・・・?
ぐるぐると思考回路を回しながら固まっていると、ムッとした表情を一瞬見せたベルが、ネタ入れの中にあるタコに視線を向ける。
「えっと・・・・・・とりあえず、ウェットティッシュ使う?」
「サンキュー、姫。」
そっと取り出したウェットティッシュを受け取り、その場でささっと手を綺麗に拭いたベル。
次の瞬間、彼はネタ入れの中に入っていた別のタコに手を伸ばしては、手元にあるナイフで、先程のおじさん同様にタコを綺麗にタコ刺しへと変えてしまう。
「ちょ!?いきなり何やってんのベル!?」
「お?すげぇな兄ちゃん!!」
「当然じゃん。だってオレ、王子だもん。」
「多分それは関係ないかな!?」
“勝手に捌いちゃダメでしょうが!!”と流石に注意するが、おじさんは楽しげに笑いながらベルを褒める。
おじさんに褒められたベルはドヤ顔をしながら楽しげに笑っている。そんなベルを見て、おじさんは楽しげな笑みを浮かべたまま、どこか、鋭さのある眼光を宿した瞳をベルに向けていた。
「じゃあ、これはどうだい?」
“いつものおじさんじゃないんですけど!?”とまさかの状況に表情が引き攣る。
しかし、おじさんはそんなわたしのことなど気にすることなく、青くて細い魚を手に取って、一瞬にしてお刺身にしてしまった。
それを見たベルも同じ魚を掴み、おじさんがやったことと全く同じことをやってのける。
「ほう!こりゃすげぇや!兄ちゃんが学校を卒業したらウチで働いてもらいてぇぐらいだな。こいつはどうだ!」
すると、またおじさんは魚を手に取り、一瞬で刺身に変え、それを見たベルが、また同じく一瞬で刺身を完成させていく。
これ、何かのゲームのミニゲーム・・・・・・?もはや何が起こっているのかよくわからなくなって来てしまい、わたしは思考を放棄する。
・・・・・・しばらく終わりそうにないけど、帰っていいかな?
『帰らない方がいいと思いますよ?ベルフェゴールからめんどくさい反応をされる未来しか見えませんし。』
「ソッカー・・・・・・ソウデスヨネー・・・・・・」
本能的に帰りたくなるが、すかさず自身の隣にインディゴの霧のような死ぬ気の炎が立ち上がり、そこから姿を現したDさんからめんどくさいことにしかならないから帰るなと言われ、思わず遠い目をする。
どうしてこうなんのかなぁ・・・・・・。
「・・・・・・うっわ、めっちゃ野次馬がいる。」
『鮮やかな手口で次々と刺身が出来上がっていますからね。観客が増えても仕方ないかと。』
「もはやベルとおじさんがリズムゲームやってるようにしか見えないんだけど、わたしだけかな?」
『ナツキがその系統のゲームをたまにしているのを見かけますが、確かにそれにしか見えませんね。
この流れだと、山本武の父親が手本で、ベルフェゴールがプレイヤーでしょうか。』
“数世紀前の人間がリズムゲームの知識を入れるんじゃない”と内心でツッコミながらも、わたしは目の前で繰り広げられているパフォーマンスを眺め続ける。
・・・・・・本当、武のお父さんってなんなんだろう?元殺し屋だったりする?
❀
あれからどんどん観客が増えていき、竹寿司での食事は大繁盛としか言いようのない状態の中で食べることになった。
ベルとおじさんが次々と魚を刺身に変えてしまったため、ネタを切る頻度が少なくなったおじさんは、ひたすら笑顔でお寿司を握っていた。
わたしとベルはと言うと、2人で座れる席に座って、そこでお寿司を食べた。
・・・・・・そう言えば、しれっと混ざり込むようにプリーモファミリーも来店していたな。
雨月さんとジョットさんの2人が、久々のお寿司だったからか、めちゃくちゃ目をキラキラさせながら食べていて、他のメンバーが若干引いていた気がする。
食べ方はめちゃくちゃ上品だったし、プリーモファミリーも全体的にかなり食べてたけど。
お金は大丈夫だったのだろうか?まぁ、一応わたしから彼らが使えるお金は支給してあるし、問題はないと思うけど。
「上機嫌だね、ベル。」
そんなことを考えながら、隣を歩くベルに声をかける。今にも鼻歌でも歌いそうな様子だったベルは、わたしの声に反応して、こっちに視線を向けて来た。
「当たり前じゃん。あのおっさん、めちゃくちゃ隙がなくて手は出せなかったけど、魚をスライスすんのは楽しかったし、寿司もめちゃくちゃ美味かったからさ。
剛だっけ?なんか見た感じ、姫んとこの雨の守護者に似てたけど、あいつと対決すんのかなり楽しかったぜ?」
「おじさんは武のお父さんだから似てるのは当然だよ。・・・・・・少しはいい暇潰しになったみたいでよかったよ。ベルがナイフ取り出した時は正直言ってかなり正気を疑ったけど。」
「ひっでぇ〜。」
ヘラヘラと笑いながら、言葉を紡ぐベルに肩をすくめるだけで答えたわたしは、暗くなった空を静かに見上げる。
『ジョット。お前寿司食い過ぎだろ。』
『雨月もすごく食べてたものね。』
『仕方ないだろう?オレは日本のものが好きなんだから。』
『知ってるよそれくらい。』
『私はつい、久しぶりに寿司を食べたゆえ、少しばかり手が止まらなかったでござる。』
『雨月は日本出身だからな。故郷のものを久しぶりに食べると手が止まらなくなる気持ち、究極によくわかるぞ。』
『まぁ、雨月は故郷であるため、気持ちは分からなくもないですが、プリーモは一体、何がどうしてこれ程までの日本バカになったのやら・・・・・・』
そこにはプリーモファミリーがたむろっており、のんびりと7人で会話をしていた。
・・・・・・度々思うが、Dさんはプリーモファミリーと仲違いを起こした割に、普通にのんびりと会話をするくらいには親密性が上がっている。
最初のうちはひたすら火花を散らしていたが、最近はあまりそう言う様子を見せていない。
わたしが間に入ることで、かつての蟠りが少しだけ後回しになるようになったのだろうか?
まぁ、何にせよ、わたしに物事を教えてくれる人が、火花を散らしまくらないようになったのは、よかったような気もする。
そんなことを思いながらも、わたしは静かに視線を進行方向へと戻した。
『よかった・・・・・・。少しでも、彼が穏やかに過ごせているようで。ありがとう、プリーモの子孫さん。』
「!?」
不意に、背後から聞こえて来た穏やかな声に驚き、わたしは背後に視線を向ける。
しかし、そこに人影は一つもなく、ただ、夜風だけが吹き抜けていた。
「姫?なんかあった?」
「・・・・・・いや、なんでもないよ。ただ、少しだけ風が出て来たなって思っただけ。」
急に背後を振り向いたからか、ベルが不思議そうに話しかけて来た。
そのことに対してなんでもないと口にしたわたしは、少しだけ空に視線を向ける。
ジョットさん達は相変わらずのんびり話しており、わたしの方に視線を向けていない。
Dさんがわたしに施している繋がりを通じても、彼の感情に変化はない。ジョットさんに対する呆れはあるが、何かに気づいている様子もない。
上手く感情を隠している様子もなく、筒抜けになっている彼の感情に、感じたことない感情は含まれていなかった。
「・・・・・・姫、たまに変なとこ見てっけど、なんで?」
「いやぁ・・・・・・視えるんだよね・・・・・・幽霊。」
「マジ?」
「うん、大真面目に。」
「道理で色んな意味で度胸あるってわけね。じゃあ、墓とか行ったらヤバいんじゃね?」
「確かに、時期によっては大量の幽霊を視る羽目になるよ。実際、今年の夏、知り合いと行った肝試しで大量に幽霊がいたの視たしね。
親族からされたお供物のお酒を飲んだのか完全に酔っ払いになってる幽霊とか、自分の好物がお供えされていたのか泣きながら食べてる幽霊とか、酔っ払って別の幽霊にダル絡みしてる様子の幽霊とか、そんな幽霊をウザがって押さえつけてる幽霊とか、苛立ちのままに絡んできた幽霊を気絶させる幽霊とか、容赦なく幽霊を絞め落とす幽霊とか。」
「ししし!なんだよそれ!カオス過ぎじゃん!!」
「いや、本当にCHAOSだよ。なんなのあの墓場・・・・・・。中には生者を道連れにしようとしてる悪霊とかもいたし、なんでよりによって霊感が後天的に発現したし、わたし・・・・・・。」
気づいていないのだろうか・・・・・・と首を傾げながらも、空を見上げていると、ベルから変なところを見てることがあることについて言及される。
こう見えて霊感があるのだと伝えれば、楽しげな笑い声を上げる。
・・・・・・夜風に攫われていくように、聞こえて来た視えない誰かの声。
ただ、攫われたその声は、何よりも優しくて、穏やかな女性の声だったことだけは、ハッキリと記憶に残るのだった。
沢田 奈月
ベルが見つけた寿司屋がまさかの自分の雨の守護者こと山本武のご実家だったので遠い目をした貝の女王。
武のお父さん、なんで時雨蒼燕流を知ってたり、隙がなかったりするの・・・・・・?女王陛下は混乱した。
ベルフェゴール
奈月に香水も渡せたし、本来のメイン目的の寿司屋行こ〜って見つけた寿司屋入ったらなんかすげーおっちゃんいたし、勝負もした憤怒の嵐。
寿司美味かったし、勝負も楽しかったし、姫も独占できたしで、王子はにっこりした。
山本 剛
息子の想い人が来店したかと思えば外国から来たらしい男友達が一緒にいたのでかなりビックリしたし、まさか奈月ちゃん、彼氏いたのか?武フラれた?と一瞬固まったが、ただの友人だったらしいのでちょっとホッとした。(息子を応援してるからな!)
金髪のメカクレ兄ちゃんと刺身対決をしたが、いやぁ次々真似してくるからビックリしたぜぃ!
プリーモファミリー
奈月が間に入った途端、普通に仲良くお話しし始めるわ、様々な感情が飛び交うわでお前ら因縁どうした?な始まりの大空達。
最近は1人が抜け駆けして教えるのではなく、全員で教えられることを平等に教えているからか、あまり衝突をしていない。
なお、マウント合戦は相変わらず発生する模様。みんな女王様から影響を受けています。
????
そっと始まりと今を見守っていた穏やかな女性。
また、みんなが穏やかな心で過ごせているようでよかったと微笑んだ。
あら?この子、私の声が聞こえるのね。いつか、ちゃんとお話できたらいいな・・・・・・。
ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・
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骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
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リ「別にいらねーんじゃねーか?」
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雲「どっちでもいい。」