最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 とうとう開始された雨の守護者対決。
 女王達は、2人の剣士の戦いを見守る。



VS. 雨の守護者 Ⅰ

「とばすぜぇ!!!」

 

 開始の合図と共に真っ先に動いたのはスクアーロさんだった。

 彼は水浸しの大地を蹴り飛ばし、一瞬にして武に詰め寄り、手につけている剣を一閃する。

 スクアーロさんの動きをしっかりと見ていた武は、すぐにその一閃を躱して見せるが、スクアーロさんが手にしている剣に仕組まれている火薬が勢いよく刀身から放たれ、武の方へと襲いかかった。

 だが、武は持ち前の動体視力、及び、わたしがスクアーロさんと対峙した際に見ていたことによりもたらすことができた情報を基に、その火薬も全て回避する。

 

「ほう!よけたか!!」

 

「ナツから教えてもらっていたからな。ナツってすごいんだぜ?何通りも行動パターンをすぐに考えて、それを教えてくれたんだ。」

 

「!?また沢田奈月か・・・・・・!!」

 

「そ。オレ達のリーダーは、誰よりも強いからな。」

 

 余計なことを話すんじゃない・・・・・・と少しだけ思ってしまったが、スクアーロさんの動きにしっかりとついていけている武の姿に少しだけ安堵する。

 武は教えたらしっかりと身につけてくれるタイプの人だから、予測できる限りの行動パターンを教えておいて正解だったようだ。

 

「だったら、こいつも躱してみろ!!」

 

 そんなことを思っていると、スクアーロさんが武に挑戦状を叩きつけるように声をかけ、その場から一瞬にして姿を消す。

 それを見た武は、一瞬だけ目を見開いたが、すぐに自身の背後に視線を向け、手にしていた竹刀を振り上げる。

 だが、スクアーロさんの方が一歩早かったのか、武めがけて剣を振り下ろした。

 同時に放たれる仕込み火薬。あの距離ではまずいと周りが感じる中、モニター内では大きめの爆発が発生した。

 

「「山本!?」」

 

 了平さんと隼人の声が重なり、武の名前を呼ぶ。

 

「・・・・・・さっすが、お嬢。スクアーロがするであろう行動の一つ一つが大当たりだ。」

 

「・・・・・・剣と火薬を合わせて使うならば、確実に食らわしに行くため至近距離で放つ可能性は十分過ぎる程にありますからね。

 武には、しっかりと気配の感じ方を教えておきましたから、咄嗟の対処力はかなり高いものに引き上げられていますし、そう簡単にダメージを与えられるとは思わないでいただきたいですね。」

 

 対するわたしとラウルさんは、武が無事であることを把握しているため、冷静に会話を行なっていた。

 これに対して反応したのは、側にいる骸だった。

 

「おや。やはり奈月はS・スクアーロの動きを把握しているのですね。」

 

「つい最近、対峙した相手の能力を模倣できるスキルが目覚めたからだよ。どうしてか、相手の攻撃を見れば見るだけ、自分なりに工夫してすかさず使用できるようになったから。」

 

 スクアーロさんの動きを把握しているのかという問いかけに、いつのまにか開花してしまった自身が持ち合わす観察眼と分析力、超直感を合わせて使用することにより可能になった、対峙した相手の技術を盗むことが可能になる能力のことを骸に伝える。

 すると、わたしの斜め前に立っていた恭弥さんが反応を示し、わたしの方へと視線を向けてきた。

 

「確かそれ、僕が奈月にトンファーをあげた時から持っていた力じゃなかったっけ?」

 

「恭弥さんから手合わせをふっかけられていた時は、まだ完全に覚醒してませんでしたよ。

 だからか模倣するまでかなり時間がかかりました。何度も繰り返し手合わせをした結果、恭弥さんの動きに関しては完璧にトレースしてますし、何より、連度はかなり上がってます。

 対するこっちは、繰り返しというよりは、数回の確認で動きを把握することができるようになっています。

 自身の中にある先祖の血に含まれている遺伝する能力を使用しながらになりますが、どのような動きをしているのか直感でわかるんですよ。

 それで、そこから自分に合わせた動きに調節し、模倣する形で使用可能にする・・・・・・と言った感じですね。」

 

 彼の疑問は、わたしが風紀委員会の役員として活動し始めた中一の時から持ち合わせていなかったかというものだった。

 確かに、あの時もわたしは恭弥さんの技術を見て、自身の力へと昇華させることができた。

 ただ、あの時と今は、明確に能力の精度が上がっているため、あの時と今とじゃかなり能力が向上されていることを教える。

 

「奈月、人間辞めてね?」

 

「・・・・・・言わないでもらえるかな犬?最近覚えたリボーンの動きでフルボッコにするよ?」

 

「物騒びょん!!」

 

 犬からないようにしていたことを指摘されてしまい、少しだけ無言になったわたしは、図星を突かれたことに対する誤魔化しと言うには、若干恭弥さんの口癖である「咬み殺すよ」と同等のアレな発言ではあるが、骸の影響もあるのか、犬に対してこのような対応をしてしまう。

 骸も度々犬の頭殴ってたしね・・・・・・犬が骸の頭をパイナップルとか言ったりするから。

 

「人間離れに関しては否定しないんだ。」

 

 そんなことを思っていると、千種から人間離れに関しては否定しないのかと言われる。

 何度か瞬きを繰り返したわたしは、その場で肩をすくめた。

 

「逆に聞くけど、否定できると思うの、千種?」

 

「・・・・・・少し難しいかな。まぁ、あまり無理しないでよ。骸様はもちろんだけど、オレと犬も奈月のことが心配になるから。無茶してるんじゃないかって。」

 

「・・・・・・うん。」

 

 千種から告げられた言葉に少しだけ驚いてしまったが、心からそう思っているのだとわかったため、素直に頷き返す。

 わたしが千種の言葉に頷いたことを見た骸と犬は、少しだけ安心したような表情を見せ、千種は小さく口元に笑みを浮かべた。

 しかし、すぐに意識はモニターへと戻される。武を中心にして発生していた爆風が、独特な形を描いたために。

 

「あれは・・・・・・」

 

「ああ。山本が抜いたみてーだな。あいつの手元を見てみろ。」

 

 リボーンの言葉に従い、爆風が晴れたことにより見えた武へと視線を向けてみると、彼は片手に刀を握り、スクアーロさんを真っ直ぐと見据えていた。

 

「あれが、時雨蒼燕流の守式・七の型、蘩吹き雨だよ。」

 

 ラウルさんから告げられた言葉に、わたしはしばらく無言で武を見つめたあと、視線をラウルさんへと戻す。

 

「守式・・・・・・ですか?」

 

 守式・・・・・・あまり聞きなれない言葉だったため、疑問としてラウルさんに聞いてみれば、彼は小さく頷いたあと、静かに口を開いた。

 

「山本君から聞いたんだけど、どうやら時雨蒼燕流は攻式と守式の2種類があり、それぞれ状況に応じて使用できる四つの型、計八つの型があるみたいなんだ。」

 

「そうなんですね。時雨蒼燕流・・・・・・ちょっと興味深いな・・・・・・。」

 

「・・・・・・無理をするなと言った側から何やら不穏な言葉が聞こえてきた気がするのですが?」

 

「・・・・・・えーっと・・・・・・・・・。」

 

「「「奈月?」」」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 骸達から咎めるような視線を感じ取りながらも、わたしは静かに武へと視線を戻す。

 教えられた技術を身につけて、付け焼き刃とは言え、実戦で使えるようになったことに関しては、流石の器用さだ。

 ・・・・・・ただ、了平さん同様、武は一般の人間・・・・・・さらにいうと、彼の場合は了平さんや恭弥さんのように、戦闘というフィールドで戦うような人じゃない。

 本格的な戦闘をあまりしてこなかった彼が、すぐに相手に刃を向けて戦えるかと言われたら、微妙なところがある。

 

 ─────・・・・・・これが、ただの遊びじゃなくて、命の危険に晒される世界での戦いであることを、彼が理解しているといいのだけど。

 

 

 

 

 

 

          ❀

 

 

 

 

 

 ・・・・・・貝の女王と憤怒の王、両陣営が真っ直ぐとモニターを見据える中、山本は目の前にいる決闘相手に視線を固定する。

 自身が一番大切だと思っている1人の少女からもたらされたいくつもの情報。

 それは彼女の使用人のような役割を担っていると告げてきた、キャバッローネファミリーの幹部を務める青年を経由し、確かな山本の力となっていた。

 

「う゛お゛ぉい!!!図に乗るなあ!!!ヒヨッ子があっ!!!」

 

 勢いよく大地を蹴り上げ、再び距離を詰めてくる決闘相手、S・スクアーロ。

 剣先を水につけながらも、かなりの速さで近寄ってくる彼を見据えながら、刀を構えていると、切り上げと同時に再び火薬が飛ばされてくる。

 

 ─────・・・・・・スクアーロさんは、自身の剣の中に仕込み火薬を装填した状態で、鋭い剣技を使用してくる。

 

 ─────・・・・・・火薬が仕込まれているのは、割と一定の距離で、ある意味わかりやすい位置。だけど、同時に複数の火薬を弾幕のようにして放ってくるから、躱し切ろうとしたら、一緒に放たれた剣技を喰らいかねない。

 

 不意に、山本は大切な少女から告げられた言葉を思い出す。

 彼女は、スクアーロと言う男と初めて対峙した時、真っ向からその凶刃に立ち向かい、彼女を攫っていた1人の少年から教わったのであろう槍術や、自身の腰に携えていた拳銃、槍と共に持ち合わせていた鎌を手にして、その刃を、弾丸を、相手に叩き込み続けていた。

 あれはもはや遊びの域ではなく、本当の命のやり取り。今、この場で対峙している相手は、その時に彼女が命を奪われまいと命懸けで押さえ込んでいた存在であり、確実に自身の命を狙ってきている存在。

 仮に身につけた技術を振るったとして、明確な反撃をしなければ、自身の命が奪われる戦場であると、彼はひしひしと感じていた。

 

 ─────・・・・・・スクアーロさんは、間違いなく武の命を奪いにくる。だから、仮にいくつもの攻撃を防いだところで、反撃をしないまま、勝負に出るのは危険過ぎる。

 

 ─────・・・・・・でもね、わたしは、武に人の命を奪えとまでは言いたくないんだよね。だって、そんなことを君にさせたら、わたしも、君も、もう2度と後戻りができなくなってしまう。

 

 同時に、彼は、大切な少女がどこまでも自分の逃げ道を作ってくれていることを知っていた。

 彼女から告げられた、前夜の言葉が、その優しさの象徴だった。

 

 ─────・・・・・・銃を人に撃っている以上、わたしはすでにアウト。だけど、わたしも命までは奪ったことはない。だから・・・・・・

 

 山本は手の中にある刀を構える。

 彼女に言われたことを守るために。自身の命を守るために。

 

 ─────・・・・・・トドメを指す時は峰打ちで構わない。わたしも、基本的に銃を使う時は、相手の武装解除か、隙を作る時だけだからね。

 

 ─────・・・・・・だから、武も相手の隙を作るため、自身の攻撃を、峰打ちを通しやすくするために、その刃を相手に振るってほしい。

 

 ─────・・・・・・確かに、相手に怪我をさせてしまうかもしれないけど、今回の相手はそれ以上に、わたし達の命を狙ってくるからね。

 

 “時雨蒼燕流 守式 二の型 逆巻く雨”

 

 足元に広がる水を使い、壁を張るようにその場で水を巻き上げる。同時にその場で一時的にしゃがみ込むと同時に、彼の頭上は鋭い斬撃が通過した。

 それを確認するなり、山本は再び刀を握りしめる。時雨蒼燕流を使用したことによって、剥き出しとなった刀身を、しっかりと相手の懐目掛けて振り抜いた。

 刃物と刃物がぶつかり合う無機質な音が発生すると同時に、山本はスクアーロの刀を払いのけるようにして刀を振い、頭の中で大切な少女や、引き継ぐようにして剣技を教えてくれたラウルのように、身躱しを使いながら斬撃を放つ。

 少しでも相手を()()()()()()()()

 

 彼の素早い動きにより、攻撃を放たれたスクアーロは、一時的に崩されたバランスをすかさず立て直してその場から飛び退く。

 彼の長い銀髪の先に、鈍色の刃が触れそうになったのはそれと同時だった。

 

 

 




 沢田 奈月
 自身が武器を振い、敵対者に容赦なく弾丸を撃ち込むことが、本来ならばどれだけやってはいけないことかを理解しているが、それ以上に自分の置かれている状況を把握しているために、敵対者に容赦なく力を振るう貝の女王。
 一般の出である山本に、人の命をを奪うようなことをしてほしくはない、だけど、命を守るためには常に峰打ちは厳しいと言う考えから、刃を放つことによる武装解除だけは、身につけてほしいと伝えていた。

 山本 武
 奈月とラウルが教えてくれた技術をしっかりと吸収していた女王の雨の守護者。
 彼女がスクアーロと対峙した際、命の奪い合いを目の前で繰り広げられていたこともあり、自身が置かれた現実を受け止めていた。
 人の命は奪いたくない・・・・・・その気持ちを汲んだ奈月から、身を守るためにも武装解除を目的で刃を振るってほしいが、トドメは峰打ちでも構わないと告げられ、それを実行するために暗殺者と対峙する。

 S・スクアーロ
 付け焼き刃の素人のはずが、容赦なく刀を振るう上、斬りつけるために刃を振るってきた山本を見て、少なからず驚いていた憤怒の雨。
 ここでも奈月の名が出てきたため、どこまでファミリーの中心になっているんだとその力に戦慄する。

 女王陣営
 山本が刀を素直に振ったことに軽く驚いていた女王陣営。
 相変わらず無茶しがちで好奇心と知識欲が旺盛な女王には少し呆れている。

 ヴァリアー陣営
 またまた“ボンゴレの女王”(クイーン・オブ・ボンゴレ)からのかなりの影響を受けたものが現れ、警戒心が引き上がる。
 あの女王、どこまでもファミリーにブーストをかけてくるな。


ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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