最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 完全とまではいかなくとも、ある程度回復した貝の女王は、幻月の屋敷からいつもの屋敷へと戻る。
 屋敷に戻った彼女を出迎えたのは、彼女の絶対的な味方であると語る女王の霧だった。



霧は女王と過ごしたい

 プリーモファミリーと共に、一時的にいつもの屋敷から別の屋敷での休息を終わらせたわたしは、だいぶマシになったからと、いつもの訓練を行っている屋敷へと戻った。

 

「奈月。」

 

「!骸!」

 

 すると、そこにはリボーンに案内されたのか、それともわたしとの繋がりを通して逆探知をしてきたのか、わたしの霧の守護者である骸が立っていた。

 まさかの人物の登場に、かなり驚いてしまったが、すぐにわたしは目の前にいる彼の元に走り寄る。

 わたしが自分の姿を見れば走り寄ってくることを把握していたらしい骸は、口元に穏やかな笑みを浮かべ、青天と黄昏の瞳を緩やかに細めながら両腕を広げた。

 真っ直ぐと広げられる彼の胸元に勢いよく抱きつけば、骸は走ってきたわたしの勢いなどものともせず、そのまま優しく抱き止めて腕の中へと閉じ込める。

 

「おはようございます、奈月。昨夜は大変でしたね・・・・・・。」

 

「おはよう、骸。うん。本当に大変だった。流石のわたしも、師匠(せんせー)のフォローがあっても見ているのが辛かったよ・・・・・・。」

 

「そうでしょうね。僕の記憶の有無など関係なしに、人を大切にすることを信条としている奈月には、かなり厳しいものだったでしょう。本当に、お疲れ様でした。」

 

 グリグリと骸の胸元に頭を押し付けながら、昨日のことを口にすれば、穏やかな声音で骸にあやされる。

 どこか甘い、砂糖菓子とも花とも取れる匂いが鼻腔へと流れ込む中、ぎゅうぎゅうと彼に抱きついていれば、後頭部に優しく手を添えられた。

 緩やかに頭を撫でてくる大きな手。その感触を感じるように目を閉じていると、そっと顔を上に向かされ、そのまま唇へとキスを落とされる。

 

「クフフフ・・・・・・相変わらず奈月は、僕に対して警戒心がありませんね。」

 

「ん〜・・・・・・骸を警戒する理由ないもん。骸はわたしの味方なんだし。」

 

「おやおや・・・・・・。そんなことを言って、僕に無防備にくっついていると、パクッと食べてしまいますよ?」

 

 そう言って骸は、くっついたままのわたしの耳元に唇を寄せ、軽く耳に息を吹きかけてきた。

 不意打ちのそれに体をビクッと震わせれば、彼は面白いものを見たと言わんばかりに笑い声を漏らす。

 

「・・・・・・おいお前ら。会うたびにオレの目の前でイチャつくんじゃねーぞ。」

 

「クフフフ・・・・・・無理なことを言いますね、アルコバレーノ。折角奈月から積極的に甘えてくださっていると言うのに、それに応えないなどできるわけないでしょう?」

 

 すると、側で見ていたリボーンが苦言を漏らす。今日はまだ、霧属性の炎を持ち合わせていない状態のため、赤ん坊の姿のままで、表情は少しわかり難いが、声音から明らかに拗ねているのがわかってしまった。

 

「・・・・・・全く・・・・・・相変わらず、奈月が関わると人間味が増しますね、君は。」

 

 そんなリボーンのことなど骸は気にしていないのか、やれやれと言わんばかりの様子を見せながらも、わたしの体を軽々と横抱きにして持ち上げた。

 急な浮遊感にビックリして、骸に思い切りしがみついてしまったが、骸はわたしがくっついてきたことが嬉しいのか、小さな笑い声を漏らし、急に走り出したわたしに対して驚いていたのであろうプリーモファミリーへと視線を向ける。

 

「・・・・・・それにしても、奈月の目を通して知ってはいましたが、本当に始まりのボンゴレファミリーが現世(うつしよ)で生活しているのですね。

 まさか、霧属性の炎による幻術により生み出された有幻覚の器の中に、その魂を憑依させることで行動を可能にするとは。

 ですが、高精度の幻術を使用することができる術士であれば、可能な技術でもありますね。

 もっとも、これら全てを持ち合わせた上で、憑依するための技術を身につけておかなくては不可能な技術でもありますが。」

 

 “流石は始まりの霧と、歴代最強と謳われし始まりの大空達と言ったところでしょうか”・・・・・・と、現界しているプリーモファミリーに、骸はいつもと変わらない笑みと穏やかさを以て話しかける。

 しかし、彼の声音には、明確な苛立ちと嫌悪感が含まれており、マフィアの道を歩む原因となった彼らを、軽蔑しているような冷たさのある瞳を向けていた。

 骸の目を見て、ジョットさん達が少しだけ気まずそうに視線を逸らす。唯一、Dさんだけは、真っ直ぐと骸を見据えていた。

 

「そう言えば、何で骸がここに?」

 

 なんか、始まりと10代目の霧同士の間に火花が散る錯覚を覚え、一旦止めようと思い、骸にここにいる理由を問いかける。

 すると、骸はわたしの方に視線を向けたのち、優しい笑みを浮かべ、額へと唇を落とす。

 額へのキスに反射的に目を閉じれば、それ幸いと言わんばかりに、唇同士も優しく重なる。

 

「アルコバレーノに教えてもらったのですよ。昨夜のあなたの様子から、精神的な負担を感じているのは明らかでしたので、少しでもその辛さを紛らわせることができればと思いまして。

 まぁ、どうやら昨夜はあのあと、始まりの霧であるD・スペードのケアもあって、多少なりとも精神の回復を見込めたようですがね。」

 

 “僕だって甘やかせるのに、なぜ彼に甘えるのか”・・・・・・と、声に出されていない骸の本音を、精神の繋がりを通して把握しながらも心配してくれた彼に小さく微笑む。

 そして、目の前にある唇に、わたしの方から軽くキスを返せば、骸は驚いたように目を丸くした。

 しかし、すぐに青天と黄昏の瞳に、甘く穏やかな恋慕の光を宿しながら、彼は唇へとキスを落としてくる。

 キスをされたからとキスを返したら、さらに向こうからキスを返されるとは・・・・・・でも、彼とのスキンシップと愛情表現の一環として、当たり前のようにしているせいか、もはや抵抗など抱くことすらなくなっていた。

 

「ありがとう、骸。わたしのことを心配してくれて。」

 

「クフフフ・・・・・・何を当たり前なことを言っているのか。自身が心の底から愛しいと思っている人を心配しない人間などどこにいると言うのですか?

 僕が奈月のことを心配するのは当然です。誰よりも愛おしい、僕の桜の花なのですから。」

 

 互いの額をくっつけながら、その場で小さく笑い合う。

 ・・・・・・ものすごく下の方や向かい側から物言いたげな眼差しを向けられているような気がしてならないが、骸とはこれがデフォルトになりつつあるため諦めて欲しい。

 

「骸はこのあとどうするの?」

 

 そんなことを思いながら、わたしは骸にこれからどうするのかを問いかけた。

 自由奔放に動き回っている上、わたしの元に足を運んだりもしているが、一応、門外顧問C.E.D.E.F.とキャバッローネファミリー、そして、メテオライトさんと“復讐者”(ヴィンディチェ)から特別監視対象認定を受けているのが今の骸だ。

 こんなところで自由に過ごしてもいいのだろうか?そんな疑問を浮かべながら、青天と黄昏の双眸へと琥珀色を重ねる。

 

「そうですね・・・・・・折角ですから奈月の側にいましょうか。今回の争奪戦が終わったら、僕はまたイタリアへと逆戻りですからね。

 何でも、霧の守護者と言う立場を与えられているとは言え、これまでの罪状から、奈月が正式にボンゴレファミリーを継承するまでは自由にしてはいけないらしく、あなたがボンゴレファミリーの正式なボスになると同時に、僕の監視命令は消されることになっているようでして・・・・・・」

 

「まぁ、強盗、脱獄、犯罪教唆、マフィアのボスの誘拐、および監禁などなど、沢山の罪状が重なってるもんね。

 さらに言うと、かなりの人数の殺害もしているし・・・・・・」

 

「全て生きるためには必要なことでしたが、こうして並べられるとなかなか僕もやらかしていますね。

 まぁ、反省も後悔も全くと言っていい程にしておりませんが。」

 

 “それはそう”、と内心で彼の境遇を思い出しながら同意する。

 確かに骸がしたことは全て犯罪だ。でも、そのような状況に追い詰められてしまう程に、彼は辛い経験を重ねてきた。

 理解することは難しく、本当の意味で理解できたなど言えるはずもない過去を、彼は生き抜いてきた。

 まぁ、だからと言って人をコロコロしちゃうのはどうかと思うけど、その思考に行き着くレベルのことをされた彼の境遇を考えると、何とも言えないものである。

 

「早く骸を自由にしてあげたいところだけど、こればかりはまだ時期が来てないから何とも言えないんだよなぁ・・・・・・」

 

 骸は被害者なんだけど・・・・・・なんてことを思いながら、ぴとっとくっつけば、彼の癖のある笑い声が鼓膜を揺らす。

 その声に反応して顔を上げてみれば、とても穏やかな感情が、凪いだ水面のようにゆらめいている、青天と黄昏の双眸がわたしを見つめていた。

 

「僕のことを早く自由にしたい・・・・・・そのように思っていただけるだけで、こんなにも穏やかな気持ちになれるのですね。

 ・・・・・・ありがとうございます、奈月。僕のことをそのように想ってくれて。」

 

 触れるだけのキスを落としながら、感謝を述べてくる骸を、わたしは少しだけ見つめ返す。

 程なくして小さく口元に笑みを浮かべたわたしは、骸の頬に自身の頬を軽く触れさせ、優しく擦り寄る。

 

「骸はわたしの大切な精神の片割れだもん。早く自由になってほしいと思うのは当然だよ。」

 

 そして、どうして早く自由にしてあげたいと思っているのかを素直に告げて、くっつけていた頬をそっと離した。

 わたしの言葉を聞いた骸は、一瞬だけキョトンとした後、ふわりと嬉しそうな笑顔を見せ、何度目かわからない口付けをしてきた。

 

「はいはい。イチャイチャタイムはそこまでです。今日もやることがあるのですから、ナツキも六道骸もそこまでにしなさい。」

 

 骸とくっつきながら過ごしていると、辺りに手を叩く音が響き渡る。

 同時に聞こえてきたのは、苛立ちを帯びたDさんの声で、わたしと骸は、Dさんの方へと同時に視線を動かした。

 そこには、いつもの彼とは違い、不敵な笑みを完全に消し、明確な嫉妬を表情からも伝えてきているDさんの姿があった。

 

「全く・・・・・・争奪戦が繰り広げられていると言うのに、2人して緊張感がない。」

 

 イライラを隠すことなく、緊張感が足りないことを文句垂れるDさん。

 わたしと骸は、同時に互いの顔を見合わせたのち、口元に緩やかな弧を描く。

 

「僕が例のアルコバレーノに負けるとでも?あり得るはずがないでしょう?」

 

「骸なら絶対にマーモンに勝ってくれるから、今から緊張しなくてもいいんだよ。だって、わたしの骸はめちゃくちゃ強いんだから。」

 

「クフフフ・・・・・・ええ。僕の奈月のためならば、いくらでも力を振るいましょう。アルコバレーノであろうとも、必ずあなたのために確かな勝利を捧げます。」

 

 Dさんの文句に対して、わたしと骸が声を揃えて勝利を確信しているから問題はないと言い返す。

 Dさんは、わたしと骸が仲良く言葉を口にしたからか、その端正な顔に、わずかながらに青筋を浮かべた。

 

「そんなことより、Dさん。今日の訓練内容を教えてほしいな。」

 

 そんなDさんの姿に、骸が優越感を抱いていることを感じ取りながらも、わたしは今日の訓練内容をDさんに問いかける。

 わたしから質問されたDさんは、少しの間無言になったあと、深く溜め息を吐いては、今日のスケジュールを見せてくれた。

 ・・・・・・うん。あまり変わり映えはしない。でも、繰り返しの訓練が必要なのは確かだし、今回もしっかりとこなしていきますか。

 

「おや。意外ときっちりと訓練と休憩を組み込んでいるのですね。」

 

「ええ。ナツキにはこれくらいがちょうどいいと判断しましたからね。無理をさせるつもりはありません。」

 

「ほう?あれだけ前までは教育を強いていたと言うのに、随分と優しくなったではありませんか、D・スペード。

 それとも、“裏切りの幻霧”(アストゥート・ネッビア)とお呼びした方がよろしいですか?」

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・。」」

 

 ・・・・・・えーっと、うん。なんか、わたしに対して色々とオープンな霧コンビ、水と油だな・・・・・・・・・。

 

「・・・・・・とりあえず、屋敷の中入ろう。」

 

 やりたいこと、早く済ませたいし・・・・・・。

 

 

 

 




 沢田 奈月
 始まりと自身の霧があまりにも相性が悪いので、かなり困惑していた貝の女王。
 湿度高いなー・・・・・・誰か除湿器持ってきてー・・・・・・。

 六道 骸
 リボーンの情報提供により、奈月が訓練する屋敷にまで足を運び、彼女とのスキンシップをベタベタにしていた女王の霧。
 マフィア全体にマイナスな感情を持ち合わせているため、プリーモファミリーに対しても嫌味ったらしくなるが、特にD・スペードが大嫌い。
 奈月からさっさと離れてくれませんかね、マフィアの亡霊は邪魔でしかないのですが・・・・・・。

 D・スペード
 奈月をいつも過ごす屋敷に連れて帰ったら、彼女の霧である骸と鉢合わせることとなった始まりの霧。
 目の前で現在の最愛にちょっかいを出す骸に、かなりの苛立ちを見せており、嫌悪する。
 邪魔なのは君の方ですよ、六道骸。私のナツキから離れなさい。

 リボーン
 目の前で古き霧と新しき霧に挟まれている奈月を見て、こいつら、奈月のことになったらガキっぽくなるなと思っていた最強ヒットマン。
 いや、あなたもかなりガキっぽくなりますからね?

 プリーモファミリー
 奈月にマフィアの道を残してしまったことを骸から軽蔑され、気まずさを感じてしまった始まりの大空達。
 せめてもの罪滅ぼしに、彼女が生きている限りその道筋を支えることを決めている。


ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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