最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
自身が咲かせるべき美しき桜の、確かな糧とするために。
棘付きの蔦により体を縛られてしまったマーモン。その姿を見つめながら、骸は口元に笑みを浮かべる。
「アルコバレーノと呼ばれているのですから、この程度で終わるはずありませんよね?
僕としては、もう少し術士になりたての2人の女性に幻術による戦闘をレクチャーしたかったのですが、まさか、お勉強の教材にすらならないだなんて残念な結果になるとか言いませんよね?」
術士同士の戦闘を、まさか、凪だけでなくわたしにも学ばせようとしているとは思わず、うっかり苦笑いをこぼしてしまう。
しかし、彼の言う通り、確かにわたしも術士になりたての人間であることに間違いはない。
なぜならわたしも、術士としての技術を身につけたのはほんの1年前と最近だ。
幻術の使い方を学び、実践に活用することが可能にはなっているが、基本的に一方的な初見殺しとしてしか使っておらず、術士同士のぶつかり合いと言うのはあまり見たことがない。
そのため、今回の術士同士のぶつかり合いには、学ぶところがありそうだと思っていた。
まぁ、骸の場合、幻術だけを使用するわけではなく、畜生道と修羅道を合わせる形で戦っているが、メインはもっぱら幻術だ。
それにしても、わたしの片割れ、アルコバレーノ相手にも生き生きとして挑発するな・・・・・・。
安定と言うか、予想通りと言うか、本気でマフィアには嫌悪感しかないらしい。
「ムッ・・・・・・グゥ・・・・・・ッ!!調子に乗るなよ!!」
そんなことを思っていると、マーモンが再びおしゃぶりを光らせ、骸に仕掛けられた幻術を打ち破る。
同時にその場で複数の分身を作り上げ、骸に一斉に襲いかかった。
しかし・・・・・・
「急に子どもレベルの幻術を使うのやめてもらえませんかね。惰弱としか言いようがありませんよ。」
その分身を軽く一瞥した骸は、溜め息を吐きながら修羅道を発動させ、一瞬にしてそれを蹴散らした。
マーモンは驚いているようだ。幻術に幻術を返すのではなく、幻術に物理で対抗してきたからだろう。
「相変わらず骸が格闘
「確かに、奈月が使うと能力の強化率は下がりますね。ですが、慣れたらあなたも同じくらいの強化はできると思いますよ。
まぁ、あなたの場合は本来の属性を使用する方が相性はいい気がしますけどね。」
「それはそう。」
軽く野次を飛ばすノリで、自身と骸の修羅道による強化率を口にすれば、彼からごもっともな意見が返ってきた。
確かにわたしは、修羅道を骸から借りるよりも、自分自身が扱う大空の死ぬ気の炎を使用する方が強化率は高い。
それは否定できない事実だ。ただ、たまに幻術を扱いながら戦闘する必要性が出てきた時はどうしたものかと考えてしまうことがあったりするのである。
「格闘
「『はい?』」
「僕が知る限り、格闘が可能な術士はそれなりにいるので邪道だとは思いませんがね。」
マーモンの言葉に対して、わたしとDさんと骸はツッコむ。普通に格闘可能な術士が複数いることを知っているせいで、マーモンの邪道発言に対して疑問が出てしまうのである。
わたしとDさんが揃って同じ反応をしているからか、少しだけ骸がイラッとしている様子があるが、今は気にしないでおこう。
「術士なら術士らしく、幻術で勝負してきたらどうだ!?」
わたしと骸の反応が気に入らなかったのか、マーモンが幻術を展開する。
その瞬間、最初に骸がやった倉庫が崩れて行く幻覚とは比べ物にならない幻覚により、辺りの景色が一気に歪み始める。
どことなく某運命の物語の2部7章のフィールド選択を彷彿とさせるような景色だな、なんて思いながら、本能的に自身の知覚を霧属性の能力を用いて保護し、骸やDさんがわたしにしてくれた自分の感じているものを共有する技術で凪の知覚をカバーすれば、凪がびっくりしたような表情を見せた。
「うお!?」
「ど、どうなって・・・・・・!?」
「床が曲がって行く!?」
背後からは隼人達の慌てるような声が聞こえてくる。
視線を少しだけ自分の陣営に向けてみれば、隼人、武、了平さん、恭弥さん、ディーノさん、バジル君、犬、千種の8人は完全に表情に焦りを浮かべていた。
恭弥さんすら表情を崩すレベルかぁ・・・・・・なんて思いながら、今度はリボーンとコロネロに目を向ける。
「バイパーの奴、力全開だぜ。」
「CHAOSだな。あれだけ骸に散々コケにされるどころか、挑発を交えながら次々幻術を返されていたんだ。
流石にパイパーでもキレるだろ?馬鹿にされまくってんだぞ?」
「それもそうか。ところで、だ。なんでナツは平然としてやがんだ、コラ。」
「ナツも術士だからだな。骸と、ナツの秘密の友人から幻術の使い方やメカニズムをしっかり叩き込まれてるみてーだからな。
幻術に対して、こっち側にいるメンツの中で最も耐性を持ち合わせてる術士だと言えるだろうな。」
「・・・・・・相変わらずナツは規格外すぎるぜ、コラ。」
“そりゃプリーモファミリーが家庭教師な上、ついていけるんだから規格外でしょーよ”・・・・・・なんて、コロネロの言葉に内心でツッコミながらも、アルコバレーノ組は流石に耐性強いか、何て考える。
・・・・・・そろそろ、耐性がないメンバーは異常を感じる頃だろう。わたしと凪も、どれだけこれに耐えることができるか・・・・・・。
「術士なら術士らしく幻術で・・・・・・ときましたか。まぁ、いいでしょう。どうせ君が僕に敵うことはありませんからね。」
そんな中、術士らしく勝負しろと言われた骸は、曲がりに曲がって自身を捻り潰そうとしているかのような迫り来る景色に、手元にある槍を横にすることでぶつける。
同時に発生するのはもはやどこから噴き出しているのかわからないレベルの無数の溶岩の柱。
あっつ・・・・・・と急に上がった温度にウンザリしていると、側から呻き声が聞こえてくる。
「・・・・・・あ〜・・・・・・予想はしていましたが・・・・・・やっぱり始まりましたか。」
すぐ視線を声の方へと向けてみれば、隼人達が次々と顔を青くして体調不良を訴え始めていた。
ふらつく、眩暈がする、吐き気がする、気分が悪い・・・・・・間違いなく幻覚による知覚の汚染が発生している。
「幻覚汚染が始まってるぜ、コラ。」
「これだけ脳に直接作用する大規模な幻覚を立て続けに食らってりゃ、汚染されるのも仕方ねーだろ。」
「だが、ナツは平然としてるぜ、コラ。」
「さっきも言ったように、ナツは術士としてはひよっこだが、耐性はすでに出来上がっているんだ。
ついでに言うと、ナツの場合は本能的に自身の知覚を自身の力でカバーしてるぞ。
平然としていられるのも当然だ。術士としての才覚をすでに開花させちまってる分、対処方法がわかってるってわけだな。」
リボーンの言葉を聞き、コロネロがわたしの方に視線を向けてくる。
物言いたげな様子を見せているが、わたしはそんな彼をスルーして、骸の戦いに視線を戻した。
「ムッ!? これほどの幻術能力・・・・・・!!お前どこで!?」
軽く幻術を返されてしまったからか、骸を相手にしているマーモンが焦りの表情を見せる。
向こう側からするとかなり全力で力を発揮していると言うのに、骸は本気を一向に出していないため、その差に驚愕しているようだ。
「どこで・・・・・・ですか。そうですね。輪廻を巡る中で流れ着いたことがある地獄道にてとしか言いようがありませんが・・・・・・」
「ふざけるなっ!!輪廻なんてものがあるはずがない!!!」
返ってきた言葉にマーモンは怒鳴りながら様々な方角から立ち上がっていた溶岩の柱を凍らせてしまう。
「人間は何度も同じ人生を無限に繰り返す!!輪廻の果てに変わるなんてただの世迷言でしかないでまかせだ!!
だから僕は集めるんだよ、金をね!!同じ人生を無限に繰り返すだけならば、潤沢な資金を集めておく方が時間の無駄にはならないのさ!!」
なんで幻術でサウナ体験をさせられなくてはならないんだと、いい加減凪と自分のだけは完全に解除してやろうかなんて考えていると、マーモンは輪廻はまやかしであり、人間は同じ人生を繰り返すだけで変わることはないと言う持論を持ち出してきた。
その話を聞き、わたしは軽く肩をすくめる。同じ人生を繰り返すだけだと言うのであれば、前世ではあり得なかった今の生活を送り、全く違う道を歩み始めているわたしはなんなのか。
「クハハハ!強欲のアルコバレーノと来ましたか!ええ、欲を抱くのが人間ですから、それもまた一つの答えでしょうとも!」
そんなことを思っていると、骸がマーモンの持論に対して、それもまた考えの一つであると笑い飛ばす。
しかし、すぐにその表情からは笑みが抜け落ち、自身の右目に片手を近づけた。
「ですが、同じ人生を無限に繰り返すだけであると言う言葉は聞き捨てなりませんし、真っ向から否定させていただきましょう。
僕以外にも輪廻を知り、巡り巡って変われることを知り、その道を歩む人がいますからね。
その言葉は、その人の全てを否定する言葉です。変わらない人生を無限に繰り返す?馬鹿馬鹿しいにも程がある!!」
骸が軽く怒鳴りつけるようにその場に勢いよく槍を突きつける。
その瞬間、広がっていた凍てついた炎は一瞬にして砕け散り、無数の氷柱となってマーモンに襲いかかった。
「この程度の幻覚なんて・・・・・・!!」
「・・・・・・誰が、幻覚だけだと言いましたか?」
「な!?お前、いつのまに・・・・・・ぐあ!?」
マーモンはすぐにそれを躱したが、無数の氷柱の幻術に紛れ、彼に距離を詰めていた骸が有幻覚により作り上げていたらしい剣で容赦無くマーモンに斬撃を放った。
幻覚に意識を取られていたマーモンは、その攻撃をまともに食らってしまい、鮮血の飛沫をあげながら地面の方に叩きつけられる。
マーモンを斬りつけた骸は、明らかに普段の彼とは違う雰囲気を纏っており、黒いオーラを揺らしている。
「・・・・・・人・・・間、道・・・・・・・・・。」
それの状態が何か一瞬にして把握したわたしは、小さくその
しかし、骸にはわたしの声が届いたようで、静かにこちらへと視線を向けてきた。
「よくわかりましたね、奈月。ええ。今使っているのが、僕が持つ
他の
床に思い切り叩きつけられ、痛みに苦悶の声を漏らしている様子のマーモンに近寄りながら、骸は“人間道”がどのような力であるのかを説明する。
その口調はあまりにも淡々としており、どことなく冷めたような印象を強く彼から感じ取ることができた。
「本来ならば、これを使用する必要など全くと言っていい程になかったのですが、このアルコバレーノが口にした言葉があまりにも気に入らなかったもので、いっそのこと使用して、そのまま捻り潰すことにしました。
輪廻を否定することは、もちろん、答えとしてはありですし、別に構わないです。
ですが、それはそれとして、死してなお、無限に同じ人生を繰り返すだけであると言う言葉だけは、僕にとっての最大の地雷ですから。」
よろよろと起きあがろうとするマーモンを、骸は勢いよく蹴り飛ばす。
短い悲鳴をあげながら、蹴り飛ばされたマーモンは再び地面に転がされてしまった。
「変わろうとしている人がいて、変わるための一歩を踏み出し、歩んでいる人がいる。
同じ人生を無限に繰り返すと言うアルコバレーノの言葉は、それを否定する言葉であり、何より、今の僕がもっとも嫌っているものです。」
静かに紡がれた骸の言葉は、全てわたしに対する確かな愛情が含まれているものだった。
・・・・・・沢田奈月と言う子どもとして生まれ落ちたにもかかわらず、新たな人生ではなく、元の自分自身と同じ、他人の理想を体現するだけの人生を歩もうとしていた、小鳥遊桜奈と言う1人の女の新たな旅路と、今を守るための言葉だった。
沢田 奈月
骸から
同じ人生を無限に繰り返すだけと言うマーモンの言葉に、それなら今の自分はなんなんだと思っていたところ、ガチギレしたらしい骸が、あまり使いたくないと言った
同時に、自身に向けられる確かな愛情と、今の自分を否定させたりしないと言う骸の強い想いを感じ取った。
六道 骸
「同じ人生を無限に繰り返すだけ」と言う言葉が地雷となっていた女王の霧。
かつては、前世と同じく利用されるだけ利用され、他人のためだけに生きようとしていたが、変わるきっかけを得ることにより、変わるための新たな道を走り出していた奈月を否定される言葉には我慢ならなかった。
人間道は確かに嫌いな世界であり嫌いな
マーモン
骸の地雷を無意識に踏んでしまい、色々と確定してしまったアルコバレーノ。
この子の未来やいかに・・・・・・
女王陣営&ヴァリアー陣営
女王の霧がブチギレている様子に気づき、血の気が引いた。
ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・
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骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
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リ「別にいらねーんじゃねーか?」
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雲「どっちでもいい。」