最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
女王の霧たる少年は、圧倒的な力で藍色のアルコバレーノに敗北を突きつけた。
※マーモンが完全に厄災を一身に受ける描写になります。
※マーモンが可哀想なことになります。
“人間道”の発動により能力が向上された骸の力は圧倒的としか言いようがなかった。
“修羅道”を使用していた時以上に物理的な攻撃は苛烈になり、マーモンはひたすらそれを叩き込まれ続ける。
アルコバレーノであり、なおかつ暗殺者としての経験により、時には幻術を発動させて抵抗する様子も見せるが、マーモンが幻術を発動すると同時に骸が一瞬にしてその幻術を自身の幻術により打ち消し、知覚の支配権を全くと言っていい程に明け渡すことがなかった。
骸自身が幻術を発動する際には、幻覚に潜ませるように物理的な礫を紛れ込ませたり、幻覚に意識を取られていたマーモンの死角からの痛烈な一撃を喰らわせ、マーモンが使うサイキック能力を全て封じていく。
最初のうちは、骸のやり方にマーモンも声を張り上げる様子を見せていたが、何度も何度も抵抗のために使用した幻術を一瞬にして塗り替えられ、主導権を奪われ、一方的な物理による攻撃のダメージを負わせられ、次第に声を張り上げることができなくなり始めていた。
きっと、そろそろマーモンも気づいただろう。自身は全力で幻術を使用していると言うのに、骸は全くと言っていい程に本気を出しておらず、同時に、自身が幻術を発動するタイミングを全て骸にコントロールされてしまっていることに。
自身はただ、弄ばれ、なぶられるだけのフィールドに引き摺り出されてしまっていることに。
骸が使う幻術の効能の強化に関しては、わたしの知識も関係しているかもしれない。“人間道”による攻撃を行いながら、時折一瞬だが霧属性の炎を骸は灯すようになっている。
それにより発動される幻術は、明らかに
術士ではなかったわたしが、霧属性の炎を利用することにより幻術を使用し、炎の使用量によって
唯一の疑問は、骸が手にしている槍に、死ぬ気の炎に耐え得る程の強固さがあるか・・・・・・だが、話に聞くと、霧の炎はわたしが持ち合わせている大空の炎どころか、他の炎に比べても火力は弱いとのことのため、もしかしたら、その分、彼の槍でも耐久できるのかもしれない。
冷静に骸の動きや攻撃方法に関して分析しながら、わたしは少しだけ考える。
骸は、人間道が嫌いだと言った。わたしと言う人間に巡り会えたことにより、少しはマシだと思えるようになったが、根本的な嫌悪感は変わらないのはわかりきっている。
その上彼は、マフィアを嫌い、マフィアを憎む存在だ。そんな彼の前に、最も醜いと称することができる“人間道”を思い切り使用することが可能なフィールドが発生し、同時に、自身が殲滅したいと望み、遠慮なくその感情をぶつけることができるマフィアが現れたらどうなるか・・・・・・目の前に広がる景色が、その答えなのだろう。
「・・・・・・マフィアに対するマイナスの感情を、一身に向けられる気分はどうなのでしょうね。まぁ、知りたくもありませんが。」
とりあえず、凪に今の骸を見せたらダメだなと思い、自身の胸元に顔を押し付け、両耳を塞ぎながら言葉を紡ぐ。
あまりにも苛烈過ぎるため、純粋無垢そのままである凪には少しばかり刺激が強い。
わたしに強く抱きしめられたからか、凪が混乱したように声を漏らし、顔を赤くしているが、すぐにわたしは彼女の耳元に口を寄せ、“今の骸は少しばかり凪が見ていい状態じゃないから我慢して”と静かに告げる。
一瞬、凪はビックリしたように肩を震わせたが、すぐに小さく頷いて、わたしの背中に手を回してきた。
「な、奈月さん・・・・・・。骸の奴・・・・・・かなりヤバいことになってないっスか?」
「相手のチビ、下手したら死ぬんじゃ・・・・・・」
「な、何が起こって・・・・・・どうなっているのだ・・・・・・?」
骸の一方的な優勢を見て、隼人達が言葉を紡ぐ。先程まで幻覚を立て続けに浴び過ぎて、不調を引き起こしていたはずだが、今の骸の姿を見て、その酔いすら凌駕する程の困惑が出てきたらしい。
少しだけ視線を彼らに向けてみれば、わずかな恐怖すら感じ取ることができる。
当然だ。わたしや犬、千種や、マフィアの深部の方まで足を踏み入れているメンバー以外は全員が一般人かチンピラの域を脱していない人間だ。
例外的に、恭弥さんだけはなんとも思っていないのか、平然としているが、それ以外には、今の骸に萎縮してしまうのも無理はない。
「・・・・・・そうですね。君達にとって、今の骸は恐怖の対象になるでしょう。ですが、これが、六道骸という1人の子供が持ち合わせているもう一つの側面です。
彼は、かつてマフィアに苦しめられた。属していたファミリーに余計な置き土産を残された結果、被害者としか言いようがない自分自身まで、ロクデナシとされ、迫害され続けた。
だからこそ彼は、マフィアを消してしまいたいと望んでいるのですよ。被害者でしかない自分まで加害者として扱われ、沢山の痛みと苦しみをその身に浴び、何度も死に目に遭わされそうになり、人生を滅茶苦茶にされたのですから。」
淡々と紡いだ骸が抱く感情の話に、隼人達が息を呑む。
しかし、すぐに彼の怒りを、憎しみを、その目に焼き付けるように、向き合うようにフィールドを見つめ始めた。
その姿を確認したわたしは、離れた位置にいるベルとXANXUSさんへと視線を向ける。
XANXUSさんは、ベクトルは違えど怒りを抱く者だからか、真っ直ぐとただ骸を見つめているようだが、対するベルは完全に骸のヤバさを感じ取っているのか言葉を失って顔を青くしている。
まぁ、まさか、わたしの陣営にバーサーカー飛び越えて完全なるアヴェンジャーが混ざっているとは思わなかっただろうし、その反応も仕方ないと言えるだろう。
─────・・・・・・正直言って、骸を止める義理なんて全くないし、マフィアを憎んでいる理由も知ってるし、マフィアを殲滅したいと望む彼の気持ちもよくわかる。
─────・・・・・・わたしが彼の記憶を知り、そのまま受け止め、最終的には精神が混ざり合う程に深く繋がりを得てしまったことから刻まれた彼の感情もあるから、止める気すら起きないわけだけど・・・・・・。
そこまで考えて、わたしは静かに隼人達に視線を向ける。六道骸という1人の子供が、どれだけの怒りと憎しみをマフィアに向けているかを知り、マフィアを取り締まるマフィアと言うわたしの目標に協力してもらいやすくするにはちょうどいい教材だと思っていたが、次第に彼らの表情にも恐怖による不調が見え始めているため、そろそろ止め時かもしれない。
「・・・・・・骸。そろそろ本来の目的であるハーフボンゴレリングの奪取をお願いできますか?そのアルコバレーノが再起不能になるくらいに絞めても構わないので。
だって面倒くさいでしょう?嵐の守護者戦のように、相手に粘られると言うのもね。」
「「「「!!?」」」」
しばらくの間思案して、とりあえず出した答えを骸に告げれば、隼人達から驚いたような表情を向けられる。
普段のわたしからしたら、あり得ない言葉だったからだろう。もちろん、それに関しての自覚はある。
だが、わたしの精神は、骸の精神と軽く混ざっている。さらに言うと、今回は骸が出るからと言う理由で、わたしはDさんに精神の保護をお願いしていないため、骸との繋がりは強いままだ。
その分わたしには、ダイレクトに彼の感情が流れ込んでくる。幻覚酔いの心配がないくらいに凪の知覚が安定したことを確認した際、凪に対する精神の保護を取り下げていたため、それらが凪に流入しないように堰き止め、自身だけが彼の感情を浴びるようにしておいたこともあり、彼女に余計な感情を流すことは防げたけど。
「クフフフ・・・・・・それもそうですね。では、虫の息になりつつあるアルコバレーノからリングをいただくとしましょうか。
もちろん、念入りに抵抗できなくなるように痛めつけた上で・・・・・・ね。」
そんなことを思いながら、骸に必要なオーダーを告げれば、彼はいつも通りの笑い声をもらしながら、息も絶え絶えになっている状態のマーモンへとゆっくりと歩みを進める。
「ヒュッ・・・・・・!?あ゛・・・・・・く、くる・・・・・・な・・・・・・っ・・・・・・来るなぁああああああああ!!」
それに気づいたらしいマーモンは、その表情に恐怖を浮かべながら、骸に近寄るなと力を振り絞って怒鳴りつける。
・・・・・・幻術を使用する様子はない。骸の猛攻にずっとその身を晒され続けたからか、かなりの出血と、激痛により、幻術を使用するために必要な頭が上手く回らなくなっているようだ。
まぁ、貧血にもなるかと思いながら、わたしは倉庫の床を染める赤を見つめる。
・・・・・・大丈夫かなこれ?完全に事故物件なんだけど。血液って簡単に掃除できないよね?
「おやおや・・・・・・まだそれだけ叫べる元気があるのですね。流石は暗殺部隊・・・・・・いえ、アルコバレーノと言ったところでしょうか?」
呑気に血液の掃除方法を考えていると、恐怖に駆られ、完全に心が折れかけている様子のマーモンの叫びに対して、骸がわざとらしく驚きながら話しかける声が聞こえて来る。
視線を血液から骸へと戻してみれば、彼は口元に笑みを浮かべたまま、一歩、また一歩とマーモンとの距離を詰めている姿が確認できた。
対するマーモンは、少しずつ距離を詰めて来る骸から離れようとして後退りをしている。
敗者は始末するがモットーのXANXUSさんの目があるにも関わらず、逃げに徹するとは、相当、骸の姿に参っているようだ。
「リ・・・・・・リ、リ、リングならお前に渡す!!渡すから!!こ、これ以上は・・・・・・っ」
自身の首に下がっていたハーフボンゴレリングを取り出し、骸に交渉を図るマーモン。
その姿を見て、マーモンとの距離を完全に短くした骸は、そのリングを受け取るように手を伸ばす・・・・・・幻覚をその場に残し、マーモンの背後からその背中を容赦なく踏みつけて地面に押さえつけた。
そして、もう片方の足をリングを差し出していた細い腕の上に持っていき、一切の容赦もためらいもない勢いで振り落とした。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
「僕は言ったはずですよ。リングは念入りに痛めつけた上で奪い取るとね。聞こえませんでしたか?」
バキリと言う音と同時に、マーモンの叫び声が倉庫内にこだまする。
完全に骨を折ったことがわかってしまい、あーあ・・・・・・とマーモンに対しての同情を抱いた。
念入りに痛めつけるってこう言うこと?咄嗟に凪の耳を塞いでよかったと安堵する。
流石に凪には色んな意味でセンシティブ過ぎる光景だ。まぁ、これがマフィアの世界の常であると言うのだから、なんとも言えない気分である。
「クフフフ・・・・・・アルコバレーノであってもこのように叫ぶのですね。もう少し大人しいかと思いましたが、そうでもないらしい。」
腕の骨を折られ、走る激痛に声を荒げるマーモンを見下ろしながら、骸はその手元からリングを奪い取る。
そして、邪魔なチェーンをしっかりと外して、自身が首から下げていたリングの片割れと合わせたあと、用済みだと言わんばかりにマーモンを片手で鷲掴み、放り投げたかと思えば、的確に鳩尾へと槍の柄を叩き込み、ボールを打ち返すかのような勢いで殴り飛ばした。
その際にも何かが折れる音が聞こえたが、肋骨あたりでもやったのだろうか?
マーモンは完全に動かなくなる。
命を奪うまでには至らなくとも、意識は完全に奪われてしまったようだ。
「リングはこちらに。これで構わないのでしょう?」
動かなくなったマーモンを一瞥した骸は、チェルベッロに自身が手にしたボンゴレリングを提示する。
一連の動きを見て固まっていたチェルベッロは、その姿にハッとしたように意識を戻し、マーモンの安否と、骸の手元をしっかりと確認した。
「は・・・・・・はい・・・・・・。」
「・・・・・・マーモンの戦闘不能を確認しました。霧のリングは、六道骸のものとなります・・・・・・。」
物理的にも精神的にも鉄仮面だったチェルベッロの2人が、完全に恐怖を抱いている声音で言葉を紡ぐ。
それを確認した骸は、口元に笑みを浮かべてその場で踵を返した。
沢田 奈月
骸の精神と自分の精神がわずかながらに混ざっている結果、骸の猛攻を止める気すら起きていなかった貝の女王。
しかし、本来の目的のこともあり、あまりにも長引くのはと判断し、再起不能になるまで絞めて構わないから指輪を奪えと口にした。
冷酷な言葉が出てきた原因は、凪に骸の感情が流れないようにと自身の中で彼の感情を堰き止めた結果である。
六道 骸
女王陣営の中で最も彼女に影響を及ぼしてしまう状況にある女王の霧の守護者。
繋がりを通して、彼女に自身の感情が流入してしまうことは理解しているが、自身の一つ一つの感情や行動が必然的にシンクロしていく姿を見ることができているため、(余程のものでなければ)どのような感情を抱こうともその繋がりを止めることはしない。
女王陣営
自分達の女王が明らかに冷酷としか言いようがない様子を見せてかなりビビっていた女王陣営。
のちに骸(もしくはD・スペード)のせいでその変質が起こってしまうことを知ることになるが、今は知らない。
マーモン
骸の手により完全に敗北するどころか、ほぼ精神的にも物理的にもバキバキに追い詰められた憤怒の霧たるアルコバレーノ。
今回のことが、完全にトラウマになってしまっているのは言うまでもない。
ヴァリアー陣営
マーモンに対する容赦のなさや、冷酷な女王としての奈月の覚醒(骸との繋がりのせい)を見ることになり、割りかし引いていた暗殺部隊。
アルコバレーノにすら圧勝してしまった女王の霧を見て、やっぱり女王がが関わると向こう側はヤバい奴らになると言う認識を刻まれる。
ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・
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骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
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リ「別にいらねーんじゃねーか?」
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雲「どっちでもいい。」