最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 圧倒的な力により、相手に逆らう気力すら与える間も無く女王の霧は勝利を収める。
 リングの保有は女王の勝ち越し、だが、憤怒の王には何かの企てがあるようで・・・・・・



終幕、VS. 霧の守護・・・・・・者・・・・・・?

 マーモンを文字通りボロ雑巾と言ってしまいたくなるレベルになるまで痛めつけた骸が、こちらに近寄って来るのを確認したわたしは、チェルベッロに視線を向ける。もう動いても構わないかと問いかけるように。

 わたしの視線の意図に気づいたらしいチェルベッロは、顔を青くしたまま静かに頷いた。

 それを確認したわたしは、抱きしめていた凪を離し、小走りで骸に近寄る。

 

「骸。大丈夫?」

 

「クフフフ・・・・・・ええ。問題はありませんよ。少しばかり、彼らには引かれてしまっていますがねぇ。」

 

 静かに問いかけた、何かしらの異常をきたしていないかと言う質問に、骸は落ち着いた声音で静かに頷いた。

 禍々しいオーラは見えたままだが、表情は非常に穏やかで、感じ取れる感情から、いつもの骸であるとわたしはすぐに把握する。

 そのことに安堵しながらも、骸が示した隼人達へと視線を向けてみれば、彼らは恐怖とドン引きの狭間に晒されている上、様子がおかしい骸にかなりの警戒をしているようだった。

 

 まぁ、こればかりは骸の感情がわかるかどうかにより感じ方が違うため、仕方ないと言えるだろう。

 わたしは骸の感情を把握することができるけど、隼人達は未だにバーサーカー状態にある骸と対峙しているような状態にあるのだから。

 

「こちらをどうぞ。あなたの命令通り、しっかりと霧のリングを奪還してまいりました。」

 

 そんなことを考えていると、骸が自身の手元にある霧のボンゴレリングをわたしの方へと差し出して来る。

 すぐにそれを受け取ったわたしは、持ち物に潜ませていたリングボックスを取り出し、霧のハーフボンゴレリングが収まっていた場所にそれを片付けた。

 

「骸。こっちに来て。」

 

「はい?どうかなさいまし・・・・・・!?」

 

「「「んな!?」」」

 

「ひゅ〜。お嬢ってば大胆だなぁ。」

 

 それを再び持ち物の中に片付けたわたしは、未だに禍々しい色に染まり、五の文字が刻まれた状態の瞳を宿している骸に自分のところへと来るように声をかける。

 そして、わたしの言葉の意図を確かめるために、不思議そうな様子を見せながら寄ってきた骸の首に自身の腕を回し、大空としての自分の炎を額に灯しながら、その唇に自身の唇を重ねた。

 

 まさか、わたしから唇にキスをされるとは思っていなかったのか、繋がりを通して感じ取れた骸の感情は、一気に驚きへと塗り潰される。

 しかし、そのあとすぐに彼の感情は愛しさと恋慕に満ち溢れ、頼もしい腕は、わたしを逃すまいと背中へと回された。

 

 啄むような軽い口付けを繰り返し、次第にそれは深くなる。繋がりを通して、わたしがどれだけの行為を許すつもりでいるのかを骸にだけ伝えれば、我慢などどこに行ったのか、背中に回された腕にはかなりの力が加えられ、後頭部には離れることを拒むように大きく広い掌が添えられた。

 

 しばらくして自身の唇に、熱を持つ舌の先が軽く触れる。それに応えるようにして、静かに唇の隙間を開ければ、そのまま舌を口内へと滑り込まされた。

 互いの舌が触れ合うたびに、鼓膜には唾液が交わる水音が響く。普段ならば恥ずかしいと思ってしまう行為ではあるけど、彼の状態をしっかりとリセットするために、それを大人しく受け入れた。

 

 ・・・・・・自身の陣営から、これでもかと言うくらいに嫉妬が向けられ、背中にグサグサと視線が突き刺さるが、今回ばかりは許してほしい。

 “人間道”の使用、および、現在抱えている彼の地雷が踏み荒らされてしまった此度の争いは、その精神状態を軽く不安定にしてしまっているのだから。

 

 そんなことを考えていると、ずるりと口内から舌を引き抜かれる。

 散々こちらの口内を荒らしてくれたせいか、溜まりすぎた唾液は顎を伝い、絡まり合わさっていた舌を繋げるように、透明の架け橋が糸を引く。

 長々と互いを味わうようにキスを続けていたせいで、少しばかり酸欠気味になってしまい、少しだけ呼吸が乱れてしまったが、瞼を開けたことにより視界に入り込んだ骸の右目は、六の文字が刻まれた黄昏色に戻っていた。

 まとっていた禍々しい黒色のオーラも、完全に鎮静化されている。

 

「ん・・・・・・落ち着いた?」

 

「・・・・・・ええ。物足りないと感じてはいますが、いつも通りの僕に戻れました。ありがとうございます、奈月。」

 

 それを確認して骸に問いかければ、彼はいつもの愛しいものを見つめる穏やかな瞳をわたしに向け、優しく体を抱きしめてきた。

 肩に軽く顔を埋めてくれているおかげで、普段より近くなった藍色の髪を、少しだけ見つめたわたしは、届く位置にあるその頭を優しく緩やかに撫で付ける。

 骸は、それに心地良さを感じているのか、頭を撫でられている時のわたしのように、頭を撫でる手に軽く擦り寄った。

 

「・・・・・・たまに、骸の行動に既視感を覚えるんだけど?わたしがしてる奴じゃない、それ?」

 

「クフフフ・・・・・・そうですね。あなたと僕は片割れ同士ですので、自然と行動が似てしまうのでしょう。

 ねぇ、奈月。もう少し僕を抱きしめて、そのまま頭を撫でてください。久々に力をかなり使ったので、少しばかり疲れてしまいましたから。」

 

「ん。わかったよ。」

 

 骸の要望に応えるように、自分より大きな体を抱きしめ、頭を撫でる手を止めることなく動かす。

 骸から甘えて来るような言動をするのもなかなか珍しいことではあるが、力を貸してくれた骸には感謝しているし、これくらいは構わないか。

 

「さて・・・・・・リングはこれでこちら側が四つ。XANXUSさんの先日の言動を当てはめればこちらが勝ち越しとなり、そちらは継承権の破棄を行うとの話でしたが、念のためにチェルベッロ機関に問います。」

 

 そんなことを思いながら、わたしは静かにチェルベッロ機関に問いかける。

 今回のリングの争奪戦・・・・・・それは、ここで切り上げてもいいものであるのか否かを。

 そして、彼の企みが何かを確かめるために。

 

「XANXUSさん自身が破棄すると言えば終わりと判断していいのか、冷静に考えて少しだけ疑問が残ります。

 なぜなら後継者問題が発生した当初は私に継承権をと主張していたにも関わらず、9代目は急遽XANXUSさんを推薦すると言う話をするようになった・・・・・・。

 もし、何かしらの理由があり、そのような話になったのだとしたら、9代目はXANXUSさんがやめると言う言葉をそのまま通すのでしょうか?

 念のため、9代目の意向を聞く必要が・・・!?骸!!」

 

「わかりました。」

 

 しかし、その問いかけが口に出る前に、わたしは一つの異音に気づき、急いで骸に声をかける。

 わたしの声を聞いた骸は、すぐにわたし達の前に出て、手にしていた槍へと霧属性の炎を宿し、勢いよく地面へとその柄を打ち付ける。

 わたしはわたしで、腰のフォルダーに収めていたスティックのうち、Dさんから手渡されていた大鎌の方へと手を伸ばし、霧の炎をまとわせると同時に、骸と同じタイミングで地面へと大鎌の柄の先にある刃を打ちつけた。

 

 その瞬間、発生するのは2人の幻術により発動した有幻覚の壁。

 大地から競り上がるように発生したそれは、真正面から何かを受け止めた。

 急な幻術の展開による防御に、隼人達が驚く中、競り上がった防壁を向こう側が見えにくいものから透明なものへと変化させる。

 骸が全く同じタイミングで同じような壁を作り上げたのは流石ではあるが、今はその感心を抱く場面ではない。

 

「・・・・・・何のつもりですか?」

 

 そんなことを思いながら、わたしはXANXUSさんに問いかける。

 場外戦闘などは許可されておらず、本来ならば、向こう側は失格の騒ぎとなる。

 しかし、XANXUSさんはそのことを気にしていないのか、口元に笑みを浮かべたまま、側に控えていたモスカに視線を向けた。

 

「ああ・・・・・・こいつは済まねーことをしたな?オレは継承権を破棄するつもりだったんだが、モスカが負けることに我慢ならなかったらしい。」

 

 そう言って彼は座っていた姿勢をやめ、その場で立ち上がり、モスカの方へと足を運ぶ。

 だが、彼がモスカにたどり着く前に、無差別な攻撃が放たれ始めた。

 

「「「んな!?」」」

 

「チッ・・・・・・!!最初からXANXUSの野郎はこれが狙いか!!ナツ!!」

 

 明らかに暴走状態に移行していることがわかり、すかさず防壁を展開して放たれた攻撃をすべて防いでいく。

 その際リボーンから名前を呼ばれ、こちらに片手を伸ばした彼の手にある“灯火宿しの器”(フランム・リュミエール)へと霧属性の炎を灯せば、骸とDさんの手もほぼ同時にリボーンのそれに触れ、同じように霧属性の炎を宿した。

 それを確認するなり、リボーンは『武器を相手から奪う方法』をアラウディさんから叩き込まれているわたしですら見ることができない速さでわたしの腰にあった槍を取り、“灯火宿しの器”(フランム・リュミエール)がハマった手へと持ち替えては、地面にその柄を叩きつける。

 その瞬間、わたしと骸が作り上げた防壁の有幻覚の防壁にさらに幻覚を重ねがけすることで強化を図った。

 流石は最強の1人として名を連ねたヒットマンか、幻術の展開の速度も現実感(リアリティ)も文句なしのものだった。

 

 強度も上がり、モスカから放たれた攻撃を全て受け止める。一瞬の隙により、防壁からシェルターへと有幻覚の形を移行させれば、骸とわたし、それと、わたしの手元に手を伸ばしたDさんの霧の炎が合わさったことにより、有幻覚はより一層強固なものへと変質した。

 

「き、極限に何を考えておるのだ相手は!?」

 

「明らかにこれ、向こう側の反則技っスよね奈月さん!?」

 

「自暴自棄になり過ぎだろ!?」

 

 有幻覚によるシェルターにより、一時的に安全を確保すると、隼人達がすかさず声をかけてくる。

 負けるからと言って自暴自棄になり過ぎ・・・・・・確かに、武達から見たらそのような姿に見えるだろう。

 でも、わたしはDさんと言う内通者を向こう側には差し向けていた。念の為に探ってもらっていたおかげで、この流れに関しては正直、読めていた流れだったのである。

 

「XANXUSさんは、もともとこの手を使うつもりだったんだよ。わたしには情報を集めるのが得意な人がついてるからね。訓練の合間に調べ上げてもらっていた。

 それによりわかったことは、XANXUSさん側に雲の守護者はおらず、その代わりに厄介な兵器を入手していた。

 それが、向こう側の雲の守護者として組み込まれていたモスカだ。」

 

「「「「!!?」」」」

 

 シェルターに衝突する攻撃音に消されないようにと、なるべく大きな声で突きつける持ち合わせていた情報に、隼人達だけでなく、ディーノさんも驚きの表情を浮かべる。

 

「・・・・・・これ、少しだけ硬さが足りないかな。防げないこともないけど、長くは持たない気がする。」

 

「そうですね。いくら有幻覚を自身が持ち合わせている属性でさらに強化できるとはいえ、所詮は幻覚による紛い物。

 ある程度は防げたとしても、長く持つかと言われたら微妙なところです。」

 

『・・・・・・ふむ・・・・・・ランポウ。君の炎を貸してください。それならば硬化による恩恵を得られますから。』

 

『オッケー。そう言うことならば、オレ様も協力するものね。』

 

 彼らに説明をするためには、あまりにも今の状況はジリ貧だと思い、どうするべきか考えていると、Dさんがランポウ君に声をかける。

 言われてみれば、ディーノさんと初めて会った時、エンツィオ大暴走が起こった際にランポウ君が防いでくれていたな・・・・・・と思いながら視線を彼に向けてみれば、ランポウ君はわたしの手元にある鎌に手を伸ばした。

 

『ちょっとピリッとするけど、死ぬ気の炎の触媒に使えるように作られてる武器だから、オレ様の炎を同時に流すこともできるはず。ナツはそのまま幻術に集中するものね。』

 

「・・・・・・うん。ありがとう。お願いね。」

 

『任せて欲しいものね。』

 

 ランポウ君の言葉に感謝の言葉を告げれば、ランポウ君は口元に笑みを浮かべてわたしの手元にある鎌の柄を握りしめる。

 同時に彼は、骸とDさんへと視線を向けた。

 

『Dとえーと・・・・・・ムクロ、だっけ?多分、オレ様がナツの武器に炎を流したら、ナツがビックリして集中力が一時的に下がると思うから、フォローしてあげてほしいものね。』

 

「・・・・・・仕方ありませんね。奈月以外に従うのは心底不愉快ですが、今回ばかりは協力しましょう。」

 

『言われなくとも、ナツキの幻術のフォローはしますよ。なんなら、ナツキには武器を持ったまま、雷の炎だけを触媒から流してもらっても問題はありません。

 幻術に関しては、私と六道骸の方が専門ですしね。』

 

 Dさんから告げられた、幻術に関しては自分と骸の方が専門家であると言う言葉に、ランポウ君は一瞬、キョトンとしたような表情を見せる。

 しかし、すぐに納得したような様子を見せては、ジョットさんへと視線を向けた。

 

『なら、そっちは防壁に集中してもらって、オレ様がナツと一緒に硬化を担当って方がいいかも。どう思う?プリーモ。』

 

『そうだな・・・・・・確かに、その方が安全を確保することができるだろうし、話をするにはちょうどいい空間になるはずだ。

 ナツキも、新たな一手を打つためには、ある程度情報を共有しておきたいのだろう?』

 

「うん。」

 

『ならば、ランポウの炎を流すため、ナツキが一時的に雷の守護者の炎を使用するための触媒となり、Dと骸、それと、霧の炎を一時的に使える状態にあるリボーンが幻術を担う要となったほうがいい。

 あとは、ナツキが描いている通りのシナリオを繋げていくんだ。』

 

 ジョットさんの言葉に静かに頷き、リボーン、骸、Dさん、ランポウ君の4人へと目配せを行う。

 その瞬間、4人は静かに頷いた後、自分達がこなすべき事柄を行うため、その力を一気に振り翳した。

 

 一瞬の眩い煌めきにより、藍色の霧がその場に広がる。

 その輝きに飲まれることなく放たれた緑色の閃光は、一瞬の痺れをわたしの体に発生させたが、すぐにそれは落ち着き、手元の鎌には雷にも似たような質感を持つ緑色の炎をまとっていた。

 

「「「うお!?」」」

 

「な、奈月さん!?なんか鎌が雷まとってますけど大丈夫なんスか!?」

 

「これくらいは平気だよ。確かにちょっと痺れたけど、ほんの少しだけだから。」

 

 心配そうな様子を見せる隼人に問題ないことを告げたわたしは、ランポウ君へと視線を向ける。

 彼は、わたしの視線に気づくなり小さく頷き、リボーンと骸、それとDさんが幻術で維持しているシェルターを補強するように緑の炎を一気に広げ、強力な硬化を施した。

 

「・・・・・・さっきの話だけど、今から、訓練の合間に向こう側を探ってくれた内通者から教えられた情報を教える。

 モスカの仕組み、向こうの狙い・・・・・・全部を話すつもりはないけど、把握していてほしいことはいくつかある。

 向こうの“秘蔵の弾丸”(シークレットバレット)が、どのようなものであり、それが発動した時はどうなる予定だったのか・・・・・・そして、今、わたしの中にある一つのシナリオが何かをね。」

 

 これなら十分過ぎる強度による防御が可能になると判断したわたしは、口元に笑みを浮かべたまま、言葉を紡ぐ。

 片手で服の中にある、携帯電話を操作しながら。

 

 

 




 女王陣営
 女王の機転、および、彼女の元にいる始まりの大空達の機転により、一つの企みを行なっている陣営。
 訓練の合間に、内通者として動いていた始まりの霧により、XANXUSの企みを暴くつもりでいる。

 モスカ
 敗北を悟り、暴走したと思わしき憤怒の雲。
 女王陣営を排除しようと動く。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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