最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
全ては自身の企みを遂行するために。
有幻覚と雷の炎の効果により、一先ずの安全地帯を確保したわたしは、リボーン、骸、Dさんの3人に一度だけ目配せをする。
こちらの会話を向こうに悟らせるわけにはいかない・・・・・・そのように判断したために。
唯一の懸念はチェルベッロだが、彼女達の様子を見るに、今回のこの状況に関して口出しをするつもりはないようで、ただ、ひたすら無言を貫いているようだった。
きっと、彼女達もこの状況は想定済みで、見極める者として、この状況を止めようと思っていないのがわかる。
それならばと考えた目配せは、正しく彼らに伝わったようで、すかさず幻術により作り上げたシェルターを一時的に曇りガラスのような見た目にしてくれた。
「奈月。向こう側に声が漏れないようにシェルターに手を加えておきました。」
『情報の共有なら今のうちに。ヴァリアーとXANXUSの狙いを教えておきましょう。』
骸とDさんの言葉に静かに頷いたわたしは、隼人達に視線を向ける。彼らはすぐにわたしの意図を汲み、幻術と雷の炎によるシェルターを作るわたしの前に静かに立ち塞がってくれた。
それならばと曇りガラスのような見た目のシェルターを、なんの細工もできない透明の・・・・・・と言っても、雷の炎が使用されている状態のため、緑色のシェルターになっているが、なんとか話をすることができそうな状態を作り上げることができた。
「ヴァリアーのXANXUSがボス候補として挙げられた理由はただ一つ。9代目のやり方に対して不満を抱いている過激派な老人連中による根回しです。
9代目は歴代のボスの中でも穏健派思想であると言われており、マフィアと呼ばれる存在である割には、かなり穏やかな方です。」
それを確認したわたしは、ボンゴレファミリーの9代目のボスであるティモッティオさんの人柄を説明する。
手紙によるやり取りを行い、こちらが困っている時に手を貸してくれたことを脳裏に浮かべながら、自分がどれだけ彼にお世話になっているのかを。
「マフィアランドの一件以来、私の手元には沢山のファミリーのボスと右腕に当たる方々の連絡を持ち合わせるようになりました。
そんな私のために、9代目は携帯電話を用意してくださいましたし、何より、抱え過ぎてしまい、動けなくなっていた私の相談も、真摯に聞いてくだいました。
それ以来、私は9代目とは連絡を取るようになったのです。文通や、私と、9代目、および、9代目ファミリーの指輪の保持者たる中核に当たる方々のみの連絡網となる携帯などを駆使してね。
だから、私はこう見えて、9代目とは個人的に繋がりを持ち合わせていたのですよ。」
「「「んな!?」」」
「何と!?極限にそれは本当のことか、奈月!?」
“9代目とは個人的に繋がりがあり、個別の連絡網もある”と口にしたわたしに、隼人、武、了平さん、バジル君の4人が大きく反応を示す。
まさかの事実に、恭弥さんや凪、犬と千種も目を見開いて固まる。唯一、9代目との繋がりを知っていた、リボーンと骸、ディーノさんとプリーモファミリーは、無言でわたしに視線を向けている。
「まごうことなき事実です。そのため、争奪戦の話が出てくる前まで、ずっと彼とは連絡を取っていました。
ですが、ヴァリアーの襲撃以降、9代目とは連絡がつかなくなり、最初のうちは、本当に9代目が息子にボンゴレを託そうとしているのかと疑問にも思いました。」
当然だ・・・・・・と言わんばかりの空気が流れ、一部のメンバーがわずかな苛立ちと殺気を見せる。
まぁ、彼らからしたら、そこまで気にかけていた存在を裏切るような真似をするのかと言う怒りが湧き上がってきてもおかしくはない状況だ。
そのような感情を表に見せても、仕方ないと言えるだろう。
「ですが、それはすぐに否定できる懸念と言えるでしょう。9代目は、私のことを本当の孫のように思ってくれているようで、定期的に私の調子が悪くなっていないだろうか、ストレスは溜め込み過ぎてはいないだろうかなど、気にかけてくださっていました。
しかし、ヴァリアーが襲来してくる直前、彼からはあるメッセージを受け取ることになりました。」
そこまで話して、わたしは自身の服の中に突っ込んでいた携帯電話・・・・・・9代目と、その中核達が隠し持っている連絡先に繋がるそれを取り出す。
プライベート用、シェルディアグループ用、マフィア関係者用、9代目ファミリーの隠し端末用と四つも持ち合わすことになってしまったことに関して思うところがないと言えば嘘になるが、立場上仕方ないと諦めるしかなさそうだ。
「これを見てください。」
内心で深く溜め息を吐きながらも、わたしは自身の携帯電話をみんなに見せる。
隼人達はすぐに、わたしの手元から携帯電話を受け取った。
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すまない、奈月ちゃん。しばらくの間、連絡
を取ることが難しくなりそうじゃ。
懸念していた出来事が起きてしまった。動き
出してしまった。定期的に連絡を取りたいと
思っていたが、この携帯電話の存在を知られ
るわけにはいかない。
安全を確保することができたら、連絡をしよ
うとは思っているが、いつになるかがわから
ない。
奈月ちゃんの話もあり、事前に準備はしてい
たが、落ち着くまでは時間がかかってしまう
じゃろう。
心から申し訳ないと思っている。じゃが、こ
ちらが連絡を安全に取れるようになるまで、
奈月ちゃんの力を貸して欲しい。
酷なことを頼むことになるが、しばらくの間
、耐えてくれ。
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「「「「「・・・・・・・・・・・・。」」」」」
わたしが見せたメッセージを見て、周りがしんと静まり返る。
メッセージを見た時のみんなの表情は、驚きと困惑を抱きながらも、状況を飲み込むために真剣だった。
「そして、これが、つい最近届いたメッセージです。」
そんな彼らの姿を見ながら、わたしは預けていた携帯電話を取り上げ、一つのメッセージを開く。
それは、9代目ではなく、9代目の右腕であるコヨーテさんからつい最近受け取ったものだった。
「向こうでも一悶着あったと聞いていたので、警戒として9代目ではなく、9代目の嵐の守護者であり、9代目の右腕を務めているコヨーテさんの端末を通してこちらに送られて来ました。」
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ようやく準備が整った。奈月様が手を回して
くれていたおかげで9代目の安全を確保するこ
とができたよ。
ありがとう。
あとは奈月様の思うままに。我々は全員、い
つでも手札として切れるようにしてある。
お疲れ様。あと少しの辛抱だ。
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9代目の嵐の守護者からの連絡まであるとは思わなかったのか、隼人達どころか、ディーノさんまでも目を見開く。
しかし、すぐにその表情は真剣なものへと変わり、彼らはわたしの話に耳を傾ける。
「今から行うことは一つの反撃のためのシナリオです。ただし、シナリオを始めるにはまず、皆さんには把握しておいてほしいことがあります。」
そこまで口にしたわたしは、携帯電話をポケットに入れたあと、持ち込んでいたメモ帳を取り出した。
そのメモ帳に記されているのは、モスカに対する機密事項。Dさんに探ってもらい、引っこ抜いて来た大事な情報だ。
「どうも裏で旧イタリア軍の兵器開発所が買い取られていたようで、それが、ボンゴレが所有する城の一つの地下に隠されていたらしいのですよ。
争奪戦の裏で、潜入が得意な方にお願いして調べてもらったら出て来ました。
そこで作られていた兵器の一つがモスカです。研究所内部にはそのプロトタイプと思わしきものがあったようで、ついでに破壊して来たようです。」
“まぁ、製造方法は記憶してそうだけどこの人”・・・・・・と少しだけ思いながらDさんへと視線を向ければ、彼はわたしの方に一度視線を返したあと意味深に笑う。
背後からランポウ君の『うっわ・・・・・・絶対ただ壊すだけですませてないものね』・・・・・・と言う言葉が聞こえてきたため、内心で使うような事態にならないことを祈りながらも、言葉の続きを口にする。
「情報を抜いてきてくれた人曰く、9代目は城の部屋で過ごしていたようですが、接触する機会を見て関わってみたところ、それは影として身を置いていた人物であることがわかったようです。
同時に、その影となっていた人が首謀者の核の一つであることも把握できています。
まぁ、彼らの狙いに関しては、こちらの先手により最初から破綻してしまっているのですがね。」
最初から向こうの企みは破綻していると言う言葉に、隼人達は首を傾げる。
その姿を確認したわたしは、真っ直ぐと視界にあるモスカを見据える。先程までは全体的に攻撃を放っているようだったが、今のモスカはこちらをひたすら攻撃している。
モスカの構造上、生命エネルギーとも言われている死ぬ気の炎に反応しているのだろう。
まぁ、わたし達が現在使っている死ぬ気の炎は半分が死んだはずの人のものだが、これに関しての疑問は、今気にするべきものじゃない。
「向こうに提供されたモスカは旧軍がもみ消そうとしていた人道に反する兵器です。
プロトタイプの仕組み以上に厄介なもので、人の命を喰らい、動力源としていくものです。
しかも、その喰らい尽くす人の命とは、死ぬ気の炎・・・・・・。つまり、あのデカブツの中に、死ぬ気の炎を使役することができる人間を閉じ込め、兵器を動かすためのガソリンにすると言うことです。」
「「「「「!!!?」」」」」
わたしが告げた言葉に周りが目を見開いて言葉を失う。
情報を抜いてきたDさん以外のプリーモファミリーも目を見開いて固まっており、完全に口から音が紡がれなくなってしまった。
「じ、じゃあ、あのモスカの中には!?」
わたしの言葉に、ディーノさんは嫌な予感を抱いたのか、慌てて視線をそちらへと向ける。
隼人達も彼に倣うようにして、視線を暴走するモスカへと視線を向けた。
・・・・・・実際のところ、不安なんてものは抱く必要はないのだが、説明の内容からしたら仕方ない反応か。
だが、忘れないでもらいたい。初めから向こうの計画はわたしの先手により破綻している計画であると言う言葉を。
「まぁ、本来ならば人が入ってますね。しかも、死ぬ気の炎を扱うことができる人・・・・・・わたしや父が健全なのは知っての通りですので、誰が放り込まれる可能性があるのか、予測はつくのでは?」
わたしの問いかけに、ディーノさんとバジル君、ラウルさんが目を見開く。
考えられる可能性・・・・・・誰が、動力源として利用されてしまうのか理解できたのだろう。
「まぁ、予想がついたところで、
そんなことを思いながら、わたしはさっきからこちらが口にしている言葉をディーノさん達に伝える。
それにより彼らの焦りの表情はハッとしたものへと変わり、視線はこちらに集まった。
「まずは向こうの思惑に乗ってあげましょう。彼らに待ち受けているのは、一つの計画の破綻と、絶望に過ぎませんがね。
これまで向こうには散々身内に大怪我を負わせられたわけですし、嫌がらせを返されても文句は言えないでしょう?」
口元に笑みを浮かべながら、わたしは自分なりの仕返しを向こうに行うことを伝える。
自身の精神に結びつく二つの繋がりから、これでもかと言う程の強い好意的な感情と、軽い困惑と苛立ってるな・・・・・・と言いたげな感情が流れ込む。
どちらがどちらの感情なのかすぐに把握できたが、仮にも長く身を置いていた組織に対して完全に報復してやる気満々になっているのに、わたしを評価するのかこの人・・・・・・。
「まずはモスカの暴走を止めましょう。まぁ、すぐにモスカは止められると思いますがね。所詮は機械仕掛けのおもちゃに過ぎませんから。」
そこまで告げたわたしは、リボーンとDさんと骸に視線を向ける。
こちらの意図をすぐに汲み取ってくれたようで、3人は小さく頷いた。
「皆さんは有幻覚の中で待機を。あれを止めるのはわたしだけで十分可能です。
向こうはわたしをはめることを目的としているのは目に見えているので、お望み通りはめられてきます。
まぁ、最終的にはめられることになるのは、向こう側に過ぎませんがね。」
そこまで口にしたわたしは、自身の足に力を加える。
同時に、骸達が一瞬だけ幻術を解除してくれたため、その一瞬に合わせて地面を蹴り飛ばす。
わたしが幻術の外に出た瞬間、XANXUSさんは口元に笑みを浮かべた。
狙い通りだと思ったのだろう。ああ、本当にこの人は・・・・・・
─────・・・・・・ボンゴレの血を、引いてないんだね。
─────・・・・・・彼の血が流れていれば、もっとわたしに対して策を練ることだって可能だったのにな。
そんなことを思いながら、わたしは手にしている鎌を強く握りしめる。
目の前にいる憤怒の化身のシナリオを全て壊すために。
・・・・・・XANXUSさんは、能力としては問題ないどころか、ボスとしての在り方であれば、彼の方が正しい在り方だ。
弱い力の持ち主を切り捨て、強くあれる存在で組織を固めることにより、負け知らずの組織を生み出せる。
わたしは彼のように明確な冷酷さを持ち合わすことはできない。大切な人達を切り捨てることなどできない。
わたしを心から想ってくれる人に対して、弱いからいらないなどと言えるはずはなく、弱くてもいいから側にいてほしいと望み、離れないでほしいと渇愛する。
わたしもみんなを大切にするから、みんなもわたしを愛してほしいと手を伸ばし、一度手を伸ばし返されたら、それを掴んで離せなくなる。
例え能力が低くても、大切な身内だと判断した人はどれだけ失敗しても仕方ないと思ってしまうし、わたしが好きだと思った人には、同じようにわたしを好きになってほしい。
自身の精神を安定させるためにも、自身を見てもらうためにも。
結局のところ、わたしは自身が好ましいと思い、愛しいと想い、わたし自身にも愛を向けてほしいと、好意を向けてほしいと思った人は、どう足掻いても手放せない甘さがある。
少しでもいい・・・・・・誰かに向けるための愛情をわたしにも向けてくれるならと突き放すことができないのだから。
だからきっと、わたしはXANXUSさんのようにはなれないし、マフィアとして正しい在り方をしていけるとは限らない。
確かに、敵意を向けられたら敵意を返すし、自分には必要ないと思った人ならば、切り捨てることもできるだろう。
わたしが道を歩くために、邪魔だと思い、いらないと思った相手には、それ相応の感情をぶつけることも厭わない。
でも、大切だと思ってしまった人は、好きだと思ってしまった人は、例え足手纏いでも、自身の道を歩くために、一緒に連れて行ってしまう。
XANXUSさんとの一番の違いは、きっと自身の好意によっては例え弱くても、能力が低くても、切り捨てることができないという甘さだろう。
これが、マフィアとして正しくないことは理解している。でも、わたしは好意や愛情に関しては欲張りだ。
自身が愛せると想った人で、愛し返してくれると思った人は、何があっても切り捨てたくないし、切り捨てるなんてできやしない。
そして、そんな人達を壊すというのであれば・・・・・・
─────・・・・・・本当に、あなたがボンゴレの血を引いていないのが残念です。
─────・・・・・・あなたが血を引いていれば、大切な人達を壊そうとしなければ、わたしは、大切な人達と過ごせるなら構わないと、身を引くこともしていたのに。
だけど、あなたはわたしの大切な人達を壊そうとしている。だからこそ、この場で負けるわけにはいかないし、使える手は全て使っていく。
例え、それがあなたの想いを踏み躙り、絶望へと叩き落とす行動になろうとも・・・・・・!!
「狭いところでの戦闘は、あまりやりたくないので、一旦この場から追い出しますか。」
自身が持ち合わせている大空の炎・・・・・・その勢いを利用した高速移動により、一瞬にしてモスカとの距離を詰める。
自身に向けられる殺戮兵器のアイセンサーを片手で掴み、そのまま倉庫の外へと殴り飛ばす。
壁が壊れてしまう勢い・・・・・・でも、この場の中にいるよりは、外に出した方が楽だった。
「そちらから仕掛けてきたのですから、これは正当防衛です。さっさと済ませましょうか。」
“あなたの企みを破壊するシナリオを・・・・・・!!”
沢田 奈月
暴走するモスカを容赦なく殴り飛ばした貝の女王。
マフィアのボスとしての在り方ならば、XANXUSの方が正しいと思っているが、自身が大切にし、愛している存在を壊そうとするならばと敵意に敵意を容赦なく返した。
XANXUS
女王の霧や、他の守護者達の活躍により、リングの奪取を勝ち越された憤怒の王。
彼は笑う。自身の計画が正しく機能していると。彼は知らない。自身の計画は、すでに女王の手により破綻していることに。
女王陣営
穏やかでありながらも容赦なき女王の姿に驚きながらも展開を見守る女王の臣下。
彼女が綴るシナリオを見届けるために、警戒しながらも彼女を見据える。
ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・
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骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
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リ「別にいらねーんじゃねーか?」
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雲「どっちでもいい。」