最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 周りからの愛情表現に困惑しながらも過ごした貝の女王。
 彼女が学校から帰る時、校門前に外車が止まっているのを見かける。
 そこから姿を現したのは、現在の貝の王だった。



Xを迎えに来た貝の王

 久々の学校を過ごし、少しのリフレッシュを行うことができたわたしは、恭弥さんから今日は風紀委員会の仕事はないから帰って夜に備えるように指示を出され、みんなと同じ時間に帰路につく。

 中学一年生の夏までは、こんなに大人数に囲まれて帰ることになるとは思わなかったけど、今では京ちゃんや花。凪や犬、千種。隼人や武、了平さんと、大人数で行動をとるのが当たり前で、今回の戦いに負け、この穏やかな日々を失わなうようなことになるのだけは絶対に嫌だと、負けないことを決意しながら、ゆっくりとした足取りで校門まで向かう。

 

「あれって外車?」

 

「すげぇ・・・・・・絶対高いよな・・・・・・?」

 

「誰かのお迎え?」

 

「誰かって・・・・・・奈月ちゃんしか思いつかないんだけど・・・・・・」

 

「あそこにいるのって奈月ちゃんの彼氏さんだよね?ほら、朝にキスしてた・・・・・・」

 

「困惑してね?沢田の彼氏。」

 

「ん?」

 

 そんな中聞こえて来た生徒達の会話と、わたしの名前を口にする声に足を止め、みんなが注目している方角へと視線を向けてみると、そこには明らかに9代目ファミリーに身を置いている嵐の守護者であるコヨーテさんと、雷の守護者であるガナッシュさんの2人が寄り添うように立っている一台の外車があった。

 そして、おそらくわたしを迎えに来たらしいリボーンが正門前に止まってる外車と外車を囲むようにして立っている9代目ファミリーを困惑した表情で見つめている姿もある。

 

「・・・・・・あれぇ・・・・・・・・・?気のせいかな?9代目ファミリーの姿が見える気がするんだけど?」

 

「気のせいじゃないね。」

 

「気のせいじゃないぴょん。」

 

「気のせいじゃない・・・」

 

「リボーンの奴、困惑してねーか?」

 

「そりゃ困惑するだろ。9代目ファミリーがなんの変哲もない学校の正門前に陣取ってんだぞ。」

 

「極限にオレも困惑しているな。と言うか、全員困惑しているのではないか?」

 

 この場にいる全員で了平さんの言葉に対して素直に頷く。

 いや、本当に、なんで9代目ファミリーが正門前にいるのさ・・・・・・!!

 あと、一部の生徒!!誰がわたしの彼氏だ!!いや、確かに思っくそ唇にチューされてましたけど!!

 言い逃れできませんねコンチクショー!!!!

 

「こんにちは、奈月ちゃん。リボーンと奈月ちゃんのお友達も、急に驚かせて悪かったね。」

 

 そんなことを思っていると、ガナッシュさんがわたしの姿に気づくなり、笑顔でヒラヒラと手を振った後、後部座席のドアを開ける。

 そこから姿を現したのは、言わずもがな9代目で、彼は穏やかな笑顔を見せながら、わたしとリボーン、それと、隼人達に声をかけてきた。

 

「き・・・・・・お祖父様。いきなり学校に来られると驚いてしまいますよ?」

 

 すかさず9代目に対して返事をするが、9代目と呼ぶわけにもいかず、咄嗟に彼のことをお祖父様と呼ぶ。

 わたしの発言に、ガナッシュさんはプルプルと震えており、コヨーテさんは仕方ないと言わんばかりの表情をして溜め息を吐いた。

 何となくだが、コヨーテさんは9代目に行かない方がいいと告げたのだろうと察する。

 そんなわたし達のことなど気にしていないのか、9代目は一瞬だけキョトンとしたのち、笑顔を浮かべた。

 

「いやはや、すまんのう。折角日本まで足を運んだからな。学校を終えた孫の顔でも見ようと思ってなぁ。

 それに、ワシは基本的にイタリアで過ごしておるからの。こうして日本にいる間は、孫との時間を過ごしたいのじゃよ。」

 

 わたしの意図を汲んでくれたようで、9代目は孫を迎えに来た祖父として対応を始める。

 ガナッシュさんがとうとう吹き出してしまったが、すぐにそれに気づいたコヨーテさんに肘で思い切り小突かれてしまい、「いってぇ!?」と痛みに声を張り上げる。

 

「確かに、お祖父様はイタリアに暮らしていますが、流石にその車で部下の方々を引き連れてくると言うのは困惑以外の何物でもありませんよ。よく父さんがわたしのお迎えを許可しましたね・・・・・・」

 

「家光には内緒にして来たからの。」

 

「・・・・・・それ、お父さんが混乱しません?大丈夫でした?」

 

「まぁ、問題はなかろうよ。家光もワシがどこに行ったのか把握しておるじゃろうしな。」

 

 わかっていても大混乱間違いなしだろと思わず呆れながら、9代目の元に歩み寄れば、彼は穏やかに笑ってわたしのことを見つめる。

 

「数日間は日本にいられるが、ワシも仕事できておるからな。少しばかり時間がある今のうちに、孫の話を聞きたいのじゃよ。

 家光もあとで合流する手筈になっておるし、どうじゃ。久々に夕飯でも一緒に食べないか?」

 

 “あなたと食事をとった記憶ほとんどありませんが”・・・・・・と内心でツッコミながらも、わたしは隼人達に視線を向ける。

 隼人達は、わたしと9代目と平然と離れで暮らしていた祖父と孫のように振舞っている様子に目を見開いて固まっており、周りにいる生徒達は、わたしと9代目が祖父と孫の関係であると完全に思い込み始めているのか、「やっぱ沢田って金持ち?」「そうとしか言えないだろ。」「イタリアにじいちゃんがいるとか沢田やべーな」などと言う会話を交わしていた。

 

「積もる話もあるし、今回は()()の話もある。どうじゃろう?」

 

「!」

 

 9代目が口にした()()と言う言葉に、わたしは一瞬目を見開く。

 しかし、すぐに頭を切り替えては、その場で静かに頷いた。

 

「わかりました。隼人。武。凪。京ちゃん。花。了平さん。犬。千種。みんなは、先に帰っていてください。わたしは、お祖父様と()()の話を含めて、これまでのことを伝えて帰ります。」

 

「!わかりました。では、()()!」

 

「オッケー。そう言うことなら先に帰るぜ!()()()!」

 

「うん・・・。わかった・・・。()()()()()・・・・・・。」

 

「まぁ、奈月がそう言うなら先に帰っとくびょん。()()()。」

 

「わかった。()()()()()。」

 

「うむ!そう言うことならば仕方ないな!()()()!奈月!」

 

「うん!また明日、なっちゃん!」

 

「そっか。まぁ、イタリアに住んでるおじいちゃんが折角仕事の合間に会いに来てくれてんだもんね。

 じゃあ、また明日、ナツ。病み上がりなんだから、しっかり休みなさいよ。」

 

 わたしの言葉に、それぞれ挨拶を口にしながら、正門前から次々とみんなが帰っていく。

 ()()()と言う言葉に含まれている本当の意味は、この場にいる生徒達には全くわからないだろうけど、この話は一般の人間が触れていいものではないためそれでいい。

 

「・・・・・・リボーンも、一緒に食事を摂らないか?積もる話もあるじゃろう。」

 

「・・・・・・ああ。そうさせてもらう。」

 

 8人が帰路につき、この場から立ち去るのを確認した9代目。

 彼から声をかけられたリボーンは、すぐにその場で小さく頷き、わたしの側によって来た。

 

「じゃあ、姫さんはこっちに座ってくれ。」

 

「ガナッシュ。奈月様にその態度はどうなんだ?」

 

「え〜?でも、姫さんはこれでも構わないって言ってましたけど〜?」

 

 どこか軽い調子で言葉を紡ぎながら車のドアを開けるガナッシュさんに、コヨーテさんは深く溜め息を吐く。

 その表情には呆れしかなく、もう少し節度を持った対応をしろと言いたげな様子を見せていた。

 

「・・・・・・申し訳ありません、奈月様。ガナッシュには後でキツく言っておきます。」

 

「あ、はは・・・・・・。」

 

 コヨーテさんからマジトーンの謝罪をされ苦笑いをこぼす。

 9代目とはXANXUSさんを罠に嵌めたあの夜、実家ではなく、9代目に過ごしてもらっていたお屋敷の方へと戻った時に、全員と初めて顔を合わせて言葉を交わし、その際に、わたしはまだ10代目の候補に過ぎないからと言う理由から、堅く対応しなくてもいいと告げたため、ガナッシュさんの緩さは別に気にしていないのだが・・・・・・。

 

「と言うかガナッシュさん。人目がかなりある場所で姫さん呼びは勘弁してください。」

 

「ん?でも、割とこっちでは奈月ちゃんはそれで通ってるんだけど・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 思わず真偽を確かめるためにコヨーテさんに視線を向ける。

 わたしの視線の意図に気づいたコヨーテさんは、少しだけわたしを見つめたのち、静かにその場で頷いて来た。

 

「・・・・・・誰が広めたんだその呼び方。」

 

「十中八九、家光かディーノだろうな。」

 

 サラッと返された姫さん呼びの元凶に当たる存在の名前に、わたしは頭を抱えたくなる。

 どうしてわたしの周りには、わたしを姫君扱いか女王様扱いをしようとする連中が集まるのか・・・・・・。

 

「まだ、ラウルさんのお嬢呼びの方がマシな気がして来た・・・・・・」

 

「その呼び方だと間違いなく筋者扱いだが?」

 

「うっさい!!」

 

 リボーンの指摘にすかさず言い返せば、ガナッシュさんがくっくっと喉を鳴らすような笑い声を漏らす。

 対するコヨーテさんは、色々と申し訳なさそうな表情をしながらも、リボーンへと視線を向けた。

 

「車の中へ。話は、そこでも十分することができますから。」

 

 コヨーテさんからの指示に、わたしとリボーンは静かに頷き、いそいそと車の中へと入っていく。

 ディーノさんが迎えに来た時もかなりの車だったが、今回の車はあの時の車以上に高級感溢れるものだったようだ。

 しかも、明らかに防衛に長けている車な上、大人が4人、子供が1人座っても、問題ない程の広さがあった。

 

「・・・・・・広くないですか、この車?」

 

「そうか?」

 

「奈月ちゃんには馴染みがないかもしれんのう。」

 

「でも、姫さん。今のうちに慣れといた方がいいぞ?姫さんがボンゴレを継いだら、間違いなく姫さん用のこれが用意されるしな。」

 

「ええ・・・・・・?」

 

「ボンゴレファミリーのボスと言う立場に身を置くのであれば、これくらいの堅牢さは間違いなく用意されることになります。

 ガナッシュの言う通り、今のうちにこう言った車両に乗ることを学んでいた方が、戸惑いは少なくなるはずですよ。」

 

「そ、そうですか・・・・・・」

 

 車に関しては、コヨーテさんもリボーン達と同じ意見らしい。

 あまり落ちつかないんだけど・・・・・・と軽くソワソワしていれば、スッと目の前にペットボトルを差し出される。

 

「姫さん用の冷蔵庫の中にジュース入れていたから、よかったら飲みな。」

 

「小腹が空いた場合はいつでも言ってください。焼き菓子なども用意してあるので。」

 

「奈月ちゃんのことは、確認も兼ねて端から迎えにくる予定だったのでな。14歳の女性がどのような菓子をよく口にするのかわからず、複数の種類を用意しておいたのじゃよ。好きなのをお食べ。夕飯がちゃんと入る程度にな。」

 

 ・・・・・・何やら親戚の子供を可愛がるおじいちゃんムーブとおじさんムーブをかまされているような気がして何度か瞬きを繰り返す。

 そして、戸惑いながらもリボーンへと視線を向け、どうすればいいか目だけで問いかける。

 

「折角用意してくれてるんだ。もらっとけもらっとけ。」

 

 すると、リボーンはすぐに用意してくれているのだから遠慮なくもらっても大丈夫だと口にする。

 そのことに瞬きを繰り返したのち、わたしはガナッシュさんからジュースを受け取り、一緒にマドレーヌを二つ程手に取る。

 

「えっと・・・・・・食べていい・・・・・・んだよね?」

 

「ん?ああ、ちょっと待ってろ。」

 

 わたしの問いかけの意図に気づいたらしく、リボーンはすぐに一言口にして、わたしが持っていたジュースと二つのマドレーヌを手に取る。

 そして、どれも二口ずつ口にしたのち、わたしの方へと返して来た。

 

「・・・・・・あれ?もしかして毒味された?」

 

「されたようだな。」

 

「ははは。話には聞いていたが、これはしっかりと教育されておるようじゃのう。」

 

 わたしとリボーンのやり取りが何を意味するものか把握したガナッシュさんは困惑を浮かべ、9代目とコヨーテさんは口元に笑みを浮かべる。

 

「すみません・・・・・・。信じていないわけではないのですが、どうも反射的に・・・・・・。

 ディーノさんからも、出された物を口にする際の注意事項を聞かされていまして、念の為に毒味ができる人間がいる場合は毒味してもらえと。

 リボーンは、その役割を買ってくれてるんです。自分は職業柄、毒に対して耐性があるからと。」

 

「ええ・・・・・・?」

 

「なるほど。確かに奈月様の考えは間違いありません。例え同じ派閥の人間から渡された物であっても、どこからスパイが入り込むかわからないのがこちらの世界ですから。」

 

「そうじゃな。本来ならば、そのような世界に奈月ちゃんが関わる予定はなかったのじゃが、こちら側に関わるようになってしまった以上、その懸念や警戒は持ち合わせた方が良い。」

 

 わたしの警戒心に関して、9代目とコヨーテさんは大きく評価する。

 一方、ガナッシュさんは「それはそうだけど、なんか複雑・・・・・・」と苦笑いをこぼしながら言葉を紡ぐ。

 いや、本当にすみません。ディーノさんだけじゃなくDさんやGさんからもこれらに関しては口酸っぱく言われてるんです・・・・・・。

 

「さて、では向かうとするかの。家光にも同じ場所に来るように指示をしておるからな。」

 

 そんなことを思いながら、リボーンから返却されたジュースとマドレーヌに口をつければ、9代目が目的の場所へと向かおうと口にする。

 その瞬間、わたし達が乗っていた車はゆっくりと動き始め、次第に次々と景色を追い越し始めた。

 

 

 




 沢田 奈月
 DとGによる教育の賜物か、出された飲食物に口をつける前にワンクッション入れることをしっかりと教え込まれていた貝の女王。
 9代目が迎えに来るとは思わなかったが、話がしたいことを悟り、彼からの晩餐会の誘いを引き受けた。

 リボーン
 月の炎により、霧の炎を使わなくても、夜と同じように呪解ができるようになったヒットマン。
 マフィアのボスと言う立場上、どこで命を狙われるかわからないと言う理由から、出された飲食物にはすぐに手をつけるなと言われている奈月のために、毒味役を買っている。
 9代目が並盛中学校の正門前に車をつけていたのを見て、珍しく困惑して固まっていた。

 9代目
 奈月と争奪戦に関しての話や、確認したいことを話すために、守護者を連れて迎えに来たドン・ボンゴレ。
 奈月が咄嗟に9代目ではなく、お祖父様と自身のことを呼ぶようになったため、その意図を汲み、遠く離れた祖父と孫を演じた。

 ガナッシュ・Ⅲ
 9代目ファミリーの中で、唯一奈月に畏まった対応をせず、度々コヨーテにより怒られている9代目の雷の守護者。
 毒なんて盛るつもりないのに、サラッと手渡したジュースとお菓子を毒味し始める姫君の姿にちょっとショックを受けた。
 (マイナー過ぎていろいろ捏造してますが、原作で緊張しまくりなツナをニヤニヤ見ていたり、ツナが9代目をおじいちゃんと呼んでしまったのを見て笑っていた様子から、Dr.シャマルや大人ランボの雰囲気に寄せた話し方にしております。)

 コヨーテ・ヌガー
 9代目ファミリーから手渡されたにも関わらず、しっかりと毒味されている様子の女王を見て、思わず感心してしまった9代目の嵐の守護者。
 奈月のことを様付けで呼んだり、畏まった態度で対応しているため、軽い調子で対応するガナッシュをよく怒ってる。
 (こちらもマイナー過ぎて捏造していますが、おとなしくなった獄寺をイメージしております。)


ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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