最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 自身がプリーモファミリーと繋がりがある理由を話すX。
 Ⅸと彼に追従する者達、そして、二つの組織は、その話を静かに聞いていた。



Ⅸからの依頼

 有幻覚により出現させたDさん以外のプリーモファミリーを背後に控えながら、わたしは自身の特異性の一つを口にする。

 

 生まれた時は全くと言っていい程に霊感はなかったが、中学一年の夏、どう言うわけか霊感が後天的に発現してしまったこと。

 最初に聞いたのはジョットさんの声で、彼の指導の元、自ら死ぬ気の炎を灯す方法を身につけたこと。

 その後、ジョットさんが自分でもよくわからないが、どうもわたしに憑いてしまったと教えてくれたこと。

 中一の体育祭の時、ジョットさんの出現により連鎖的に他の初代ファミリーがこの世に現れるようになったこと。

 ジョットさんの次に接触して来たのはアラウディさんで、わたしの戦闘能力に興味を示したのち、彼に指導されるカタチで総合的な戦闘技術を学ぶことになったこと。

 のちにGさんが合流し、遠距離攻撃を指導し始め、次にランポウ君が合流し、言語関係を教えるようになり、その後、雨月さんが合流し、剣術や舞を教えてくれるようになり、最後にナックルさんが合流し、相手の懐に入り込んでスピードで翻弄する戦い方を教えるようになったことを話した。

 

 わたしの話を聞いた9代目ファミリーと、父さんを含めた門外顧問、そして、ディーノさんを含めたキャバッローネファミリーは、唖然とした表情でわたしの話を聞いていた。

 

「・・・・・・なるほど。奈月ちゃんの成長には、彼らの影響も含まれていたのだな。一体、何が原因で君がこのような状態になってしまったのかは、私でも判断しかねるが、納得のいく理由だ。」

 

 9代目の言葉に、わたしの事情を初めて知った人達が同意するように頷く。

 そんなみんなを見ながら、9代目は静かに視線をプリーモファミリーから離れた位置へと向ける。

 そこにいるのは、現界することなくこの場にいるDさんがいる方角で、彼はかなり迷惑そうな苦い表情を見せる。

 

「・・・・・・奈月ちゃんが使用する幻術は、誰が教えたのかな?」

 

 それは、Dさんから教えられたのではないのかと言う確認が含まれた言葉だった。

 やはり、9代目はわたしの成長に彼が最も関わっていることを把握しているようだ。

 しかし、わたしは少しだけ考え込んだのち、もう1人の術士のことを脳裏に浮かべる。

 確かに、Dさんが幻術に関する知識をほとんど教えて来た。だが、裏切り者・・・・・・“裏切りの幻霧”(アストゥート・ネッビア)とすら呼ばれてしまっている術士である彼のことを教えるのはいささか抵抗がある。

 

「幻術に関しては骸が教えてくれました。私が一時的に並盛から離れていた時に、私にも幻術を使う術士としての力があることに気づいたようで、どのようにすれば使えるかを彼が丁寧に教えてくれたのです。」

 

 それならと、わたしは自身に幻術を教えたのは骸であることを伝える。

 “並盛から離れていた時”と言う言葉に、9代目ファミリーも、キャバッローネファミリーも、門外顧問の面々も、表情を曇らせる。

 ただ、9代目だけは、わたしの真偽を探るような視線を向けたのち、話したくないと言う理由を汲んでくれたのか小さく頷いた。

 

「そうか。奈月ちゃんがそう言うのであれば、そうなのだろう。では、次の質問だが、私とXANXUSの関係を教えたのは誰かな?」

 

「それはジョットさんとGさんからの提供ですね。有幻覚を使用していない時は、私にしか視えない状態ですので、誰かに知られることなく把握することが可能でした。

 争奪戦が執り行われる前、一時的にプリーモファミリーが私の周りからいなくなったことがありまして、その時に情報を集めてもらったのですよ。

 その後、ヴァリアーの襲撃に伴い、プリーモファミリーがこれまで以上に訓練をつけるようになりました。

 ついでとばかりにリボーンも参戦するようになってしまいましたが。」

 

 すぐにDさんではなく、ジョットさんとGさんがわたしに情報を提供して来たことを口にする。

 わたしの意図に気づいたジョットさんとGさんは、すぐに小さく頷き、わたしの話に同意する。

 

「Ⅸ世には申し訳なく思ったが、どうもXANXUSからはボンゴレ特有の気配を感じなかったのでな。

 Gと一緒に調べてみたら、血縁がないことが発覚した。それを奈月には知らせさせてもらったと言うわけだ。」

 

 そして、特に裏で合わせたわけでもなく、わたしが情報を知っていた理由をその場で作り上げ、9代目達に説明する。

 血縁がない・・・・・・その話を聞いた一部の人間が驚いたような表情をして見せたが、9代目ファミリーは知っていたためか、納得したような様子を見せていた。

 9代目だけは、一瞬Dさんがいる方角へと視線を向けたが、すぐにその場で頷く。

 

「そうか・・・・・・。うむ。その通りだ。私とXANXUSの間には血縁が存在しておらず、本来ならば、ボンゴレファミリーを継承する資格を持ち合わせていない。

 だが、私がそのことをずっと黙っていたことにより、今回の暴走の一つの要因としてしまった。

 彼は、資料からボンゴレファミリーの歴史や、継承するための条件を知ってしまい、その結果、今の状況にある。

 XANXUSは、8年前に一度、大規模なクーデターの首謀者となり、我々の前に立ちはだかった。

 その時は、我々とボンゴレの精鋭の力を以て収束させ、XANXUSも厳重な監視下に置くことができたのだが、こちらの考えに対して反感を抱いていた者達が目覚めさせてしまった。

 今のあの子は、8年間の間、蓄積された怒りと憎しみをその内に渦巻かせた状態になっている。」

 

 そこまで口にした9代目は、静かにわたしに視線を戻しては、真剣な目で真っ直ぐと見据えて来た。

 

「奈月ちゃん。このようなことを頼むのは、本当に申し訳ないと思っている。

 だが、もはや今は、これしか最善の手がないとしか言いようがない。

 ・・・・・・XANXUSを・・・・・・私の息子を、どうか止めてくれ!!」

 

 ハッキリとした声音による懇願の声に、わたしは一瞬目を見開く。

 しかし、すぐにその声音に含まれているXANXUSさんが指輪を手にした場合に起こることに対する確信と、それを防ぐための力を貸してほしいと言う望みを感じ取り、わたしは静かに頷いた。

 

「わかりました。必ずXANXUSさんを止めます。私自身、後味の悪い結末になるのだけはごめんなので。

 それに、今回の戦闘に関しては、私自身と、私の周りにいる大切な人達を守るために必要なことだと思っていますから。」

 

 その懇願に対する答えを出したわたしは、すぐにそれを9代目に伝える。

 わたしの言葉を聞いた9代目は、申し訳なさそうに、しかし、穏やかな笑みを浮かべながら、頷き返して来た。

 

「ありがとう。もし、我々にできることがあればいくらでも言ってほしい。あの子を止めるためならば、どんなことでも協力しよう。」

 

 まさかの9代目からの申し出に、わたしは一瞬目を丸くする。

 しかし、すぐにその言葉に対して、少しだけ考え込んだのち、静かに首を左右に振った。

 

「XANXUSさんや、XANXUSさん側の人間に、9代目から贔屓されたと思われかねないので、その申し出はありがたいものではありますが、辞退させていただきます。

 ただ、強いて望みを言うとしたら、今回の争奪戦にルールを一つ追加してほしいとは思います。」

 

「ルールの追加か・・・・・・いいだろう。どのようなルールをつけておくべきだろうか?」

 

 9代目からの問いかけに、わたしは自身が望むルールを伝える。

 それは、わたしのファミリーと、ヴァリアー陣営すべての参加者の命を守るためのルールだ。

 もし、ヴァリアー側のルールが適用されていたとしたら、きっと、みんなの命が危ぶまれる物となっていた。

 だが、こっちを主体にある程度進ませるのであれば、その危険性はかなり少なくすることができる。

 とは言え、本気の争いになる以上、危険があるのは必須。だが、少しでもルールの厳しさを軽くすることができるのであれば、それを防ぐために動きやすくなる。

 

「・・・・・・わかった。その話を引き受けよう。ただ、XANXUS側の守護者には、奈月ちゃんの守護者達に施したような治療を施すことなく、軽い手当のみと言う状況のままにする。

 これは、ボンゴレファミリーのボスの命を狙った上、その罪をなすりつけようとした向こう側に対する罰則だ。

 本来ならば、猶予すら与えられない状況であるが、奈月ちゃんの意思を汲み、周りにその実力を知らしめる舞台でもあるからな。

 ならば、最初に奈月ちゃん側に強いていた、命すらも失いかねないハンデを、今度は向こう側に課すのが筋というものだ。」

 

「・・・・・・わかりました。そう言うことであれば、承諾いたします。」

 

 XANXUSさんが自身で招いた現状からして、それは仕方ないと判断し、向こう側に課す罰に頷く。

 こればかりは、納得することしかできない。

 

「理解してくれてありがとう。先日も言った通り、奈月ちゃんの優しさは否定するつもりもないし、その優しさがあるからこそ、ボンゴレファミリーを任せようと私も思ったのだ。

 だが、それでも時にはボスとしてのケジメも必要になる。叛逆した人間にまで優しくし過ぎては、そこに付け入る隙を生じさせ、逆に自分自身が危険になってしまうからな。

 厳しいことを言っていることはもちろん承知の上だ。しかし、これは君を守るための判断でもある。いいね?」

 

 9代目からの問いかけに静かに頷けば、彼は安心したように笑みを浮かべた。

 

「・・・・・・堅苦しい話をしてしまったのう。折角パンケーキを食べていたと言うのに、すまなかったな。」

 

「いいえ。大事なお話であることはわかっていたので問題はありません。」

 

 ふ・・・・・・と張り詰めていた空気がその場で霧散する。

 現役のボスとしての9代目と、次代のボスとしてのわたしによる話だったため、少なからず緊張してしまっていたようだ。

 

「さて、家光。何やら言いたいことがありそうじゃが、どうかしたのかの?」

 

 不意に、9代目が父さんに向かって問いかける。

 9代目に話しかけられるとは思わなかったのか、父さんはびっくりしたような反応を見せた後、少しだけ苦笑いをこぼした。

 

「いやぁ・・・・・・自分の娘が、自身の知らない場所でドンナらしく成長してしまってるものですから、嬉しいような寂しいような・・・・・・って、複雑な気持ちになってしまって。」

 

「ははは。確かにのう。ワシも、まさかあの時の小さなお姫様がここまで成長しておるとは思わなかったよ。

 嬉しいような、どこか申し訳ないような、そんな気持ちになっておる。」

 

 2人の会話を聞き、遠くにいるDさんが「私が育てました!」と言わんばかりの反応を見せ、リボーンとプリーモファミリーが揃ってジト目を向ける。

 お前だけが育てたわけじゃないだろと言う意味合いと、絶対に認めねーからなと言う感情が伝わってしまい、苦笑いをこぼしてしまった。

 

「奈月ちゃんならば、ボンゴレファミリーを任せられる・・・・・・やはり、ワシの直感は間違いではなかったようじゃな。

 普通の生活を奪ってしまったことに変わりはないため、複雑な気持ちではあるがの。」

 

 9代目の言葉に、9代目ファミリー全員が頷く。未だに見定められているような感覚があったが、どうやら、今回のこのやり取りにより、9代目ファミリーの中核は、全員、わたしを認める流れになったようだ。

 そのことに何度か瞬きを繰り返せば、わたしの側に歩み寄って来たジョットさんが、優しく頭を撫でる。

 

「どうやら、Ⅸ世達はナツキを認めてくれるようだな。」

 

 ジョットさんの言葉に、わたしは静かに頷く。同時に、喜ばしいことではあるが、もう後戻りはできないと言う現実を目の当たりにして、少しだけ複雑な気持ちも抱く。

 でも、これは全てわたし自身が向き合うと決めたことだ。例え辛く、悲しい思いや、痛い思いをしようとも、引き受けると決めた以上、責任を以てやり遂げてみせる。

 

「至らないところは沢山あると思いますが、先達として、ご指導の方をお願いいたします、9代目。」

 

「ああ。その時が来たら、こちらからも君に色々と教えよう。じゃが、今はまだ、完全に奈月ちゃんが継承したわけではないからの。

 学生の間は沢山のことを学び、多くの人々としっかりと交流し、子供としての責務を果たしなさい。

 具体的に言えば、沢山遊び、沢山笑い、時には沢山泣き、沢山甘えることじゃ。

 リボーンも、家光も、ディーノも、みんな揃って頭を抱えておったぞ?奈月ちゃんが甘えようとしないとな。

 家光など、娘に任せっきりにしたせいで甘えさせてやれなかったから、甘えられない子供にさせてしまったと嘆いておったしな。」

 

「き、9代目!!それは言わない約束でしょう!?」

 

「はて、そうだったかの?最近は年のせいか、物忘れがひどくてなぁ。」

 

 9代目の言葉に、その場にいる全員が笑い声を漏らす。

 唯一、父さんだけが「嘘を仰らないでください!!現役でしょう!?」と顔を真っ赤にしたまま言っており、さらに笑い声が広がる原因となっていた。

 

 その姿にわたしも思わず笑い声を漏らす。父さんが狼狽える姿は、とても珍しく、面白かったのだ。

 わたしが笑い声を漏らし、その場で笑顔を見せていると、「ナツまで笑うなよ〜・・・・・・!!」と軽く涙声になった父さんの声が聞こえて来た。

 

 ここまで穏やかに笑えたのはいつぶりだろうか・・・・・・そんな疑問を脳裏に浮かべながら、わたしは口元に笑みを浮かべる。

 そして、この穏やかな居場所を守るためにも、今日の争奪戦に負けるわけにはいかないと決意するのだった。

 

 

 




 沢田 奈月
 9代目からXANXUSを止めてほしいと頼まれた貝の女王。
 今回、自身とプリーモファミリーの関係を9代目を含め、キャバッローネと門外顧問に教えた。
 Dのことに気づかれていると把握しながらも、話すことはしなかった。

 9代目
 奈月にXANXUSを止めてほしいと頼んだボンゴレⅨ世。
 彼女の飛躍的な成長の原因がプリーモファミリーにあることを知り、納得した様子を見せる。
 奈月の優しさは否定しないが、時にはケジメも必要であることを彼女に告げる。
 やろうと思えば、XANXUS側にかなり不利な状況を課すこともできるが、彼女からそれでは自身が贔屓されていると判断されかねないと告げられ、それならばと彼女が提示したルール、および、叛逆を起こした者への罰として、XANXUS側の治療をほとんどしないしないと言うルールを争奪戦に組み込むことを口にした。

 プリーモファミリー
 奈月の意図を汲み、Dがもたらした情報源は、自分達側にあることを告げ、XANXUSと9代目に血縁がないことを明かした。
 Dがナツキは自分が育てましたと言わんばかりの表情を見せたので、やかましいとジト目を向ける。

 D・スペード
 9代目が直感で自身がいることに気づいていることにかなり不満を抱いていた始まりの霧。
 ナツキの成長に一番関わったのは自分だと胸を張るが、プリーモファミリーとリボーンから黙れと言わんばかりの視線を向けられた。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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