最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

341 / 385
 現在の王より依頼された女王は、憤怒の主と向き合う。
 蒼穹の光は憤怒を切り裂くのか、それとも憤怒が光を焼き尽くすのか。



蒼穹の女王は憤怒と衝突する

「ナツ〜。今からどっか行くの〜?」

 

「うん。ランボが顔を合わせた顔の濃いおじさん達と最後の勝負をすることになったからね。ランボはすぐにバズーカを撃ったから、しっかり覚えていないかもだけど。」

 

「あ、あの気持ち悪い奴だもんね!オレっち覚えてる!ナツ、アイツと戦うの?」

 

「正確にはおっかない顔をしてるおじさんとかな。気持ち悪い奴以外にも目つきが怖い羽の飾りをつけてるおじさんいたでしょ?」

 

「確かにいたもんね!ナツ、無理しちゃダメだよ?オレも頑張るから!」

 

「うん。無理をしない範囲でなんとかするよ。」

 

 9代目と夕食を済ませ、わたしはランボと凪、それと、犬と千種の4人を引き連れて、決戦の場となるいつもの場所へと移動する。

 できることならば、ランボは連れて行きたくなかったけど、守護者は全員連れて行かないといけないため、留守番をさせるわけにも行かなかったのだ。

 

「9代目・・・・・・なかなかめんどいことを指示してきたね。」

 

「なんでこんなチビガキを9代目は参加させろって言ったんらよ。ぜってー戦力にならねーびょん!」

 

「なんだとー!?オレっちは強いランボ様だじょー!!ナツのことだって守ってみせるやい!!」

 

「はぁ〜〜〜〜!?無理に決まってんだろ!!お前みたいなチビガキ、一瞬にして焼肉にされるに決まってるびょん!!」

 

「ムキー!!ランボさん怒ったもんね!!お前なんかコテンパンにしてやる!!」

 

「・・・・・・やかましいぞガキども。遊びに行くわけじゃねーんだ黙ってろ。」

 

 言い争いをし始めてしまったランボと犬に、リボーンが顔を顰めながら苦言を申す。

 彼の言葉を聞いたランボと犬は、しばらくの間睨み合ったあと、フンッと思い切り顔を背け合った。

 

「・・・やっと静かになった。」

 

「うん・・・。少しうるさかったからよかった・・・」

 

 2人が黙り込んだのを見て、凪と千種が呆れたように言葉を紡ぐ。

 どうやら、2人も、ランボと犬に対してうるさいと思っていたようだ。

 まぁ、わたしも正直言って賑やか過ぎるなと思っていたから、黙ってくれるのは助かったけど。

 

「ナツ!待ってたぜ!」

 

「リボーンさんもお待ちしてました!おいアホ牛。奈月さんに迷惑かけてねーだろうな!?」

 

「さっきまで、犬と喧嘩してた・・・」

 

「はぁ!?オレは正論しか言ってねーっつーの!!こんなガキンチョを戦力に加えんのおかしいだろうが!!」

 

「ランボさん弱くないもん!!」

 

「うるさいよ2人とも。静かにしなさい。」

 

「むぅ・・・・・・ごめんなさーい・・・・・・」

 

「ケッ・・・・・・」

 

 再び言い争いを始めそうになったランボと犬に静かに注意すれば、すぐに2人とも大人しくしてくれた。

 その様子に、隼人は物言いたげな様子を見せたが、わたしが注意したからか、彼が言葉を口にすることはなかった。

 

「あとは、六道とヒバリだけだな!極限に燃えてきたぞ!!」

 

「あの、了平さん。これ、普通に下手したら死ぬんで、しっかりしてくださいね?」

 

「うむ!極限にわかっているさ!なんたって頂上決戦だからな!!」

 

「本当にわかってんのかな・・・・・・。遊びじゃないって。」

 

「流石にわかってるだろ。」

 

 いつもの調子の了平さんに対して少しだけ引いていると、背後から覆い被さるように誰かが抱きついてきた。

 その気配は明らかに骸のもので、すぐにわたしは視線を彼の方へと向ける。

 

「やっほー、骸。急にどしたの?」

 

「・・・・・・犬と千種までズルいです。僕だって奈月と一つ屋根の下で過ごしたいのに。」

 

「Oh・・・・・・」

 

 どうやら、犬と千種まで凪と同じようにわたしの家に転がり込んでしまったがために、仲間外れにされたとかなりショックを受けたようだ。

 でも、骸の場合は仕方ないと言うか・・・・・・うん。

 

「・・・・・・色々とツケが回ってきたねぇ・・・・・・・・・。」

 

「自業自得なのはわかってますよ。でも寂しいのは仕方ないでしょう・・・・・・。僕だけ奈月と一緒に過ごせないじゃないですか・・・・・・。」

 

 ものすごく拗ねていらっしゃる・・・・・・と思わず苦笑いをこぼしてしまう。

 ただ、これまで骸がやって来たことを考えると、ある意味ちょうどいい罰になっているのかもしれない。

 まぁ、周りからしたらそんな罰生ぬるいと思ってしまうのだろうが、彼の場合、わたしと会えない、一緒に過ごせない、わたしと離れ離れと言うのはかなりの死活問題であり、独房に放り込まれるよりも辛いものとなるためなんとも言えない・・・・・・。

 

「・・・・・・ある意味でちょうどいい罰になってんなこいつには。」

 

「あ、やっぱリボーンも同じこと思ってるんだ。」

 

「まぁな。独房に放り込まれたり、脱出不可能な場所に放り込まれるよりも、ナツに会えない。ナツと過ごせない。ナツと離れ離れ。自分の身内はナツと同棲・・・・・・となると、骸にとっちゃかなりのダメージになる。

 こいつにとってナツは何よりも変え難い春の陽だまりで、自身を暖かく包んでくれる桜の花なんだろ?

 黒曜どころか、エストラーネオファミリーにいた時から従属していた部下2人と、ナツと一緒になって助けた女1人がナツと一緒に過ごせてるってのに、自分だけは仲間外れにされた上、ナツが正式にボンゴレを継承するまで離れたところで監視されながら過ごさねーといけねーとなると、精神的に致命傷にもなるだろ。」

 

 リボーンの言葉全てに同意である。

 骸からどれだけ深く愛されており、心の拠り所とされているかを知っている分、余計に同じことを思ってしまう。

 ある意味、独房に放り込まれる方が精神的にダメージは軽かったかもな、この子。

 独房は完全に閉鎖されている世界だから仕方ないけど、独房に入れられてないし、かなり自由に過ごせる状態にあると言うのに、わたしとの接触禁止命令を出されているのだから。

 

「・・・・・・ちょっと、何奈月に抱きついてんの、六道骸。離れないと咬み殺すよ。」

 

「雲雀恭弥・・・・・・。別にいいじゃないですか。君はいつでも奈月に会えるのですから。

 僕はこの争奪戦が終わったら奈月と会えなくなるのですよ?彼女が完全にボンゴレを継がない限り。

 少しくらい譲りなさい。僕は君と違ってずっと彼女と一緒にいられないのですから。」

 

 そんな中現れた恭弥さんに、骸は不満を隠すことなく文句を口にする。

 しかし、恭弥さんはわたしが他の男に抱きつかれていることが気に食わないようで、苛立ちをその場で見せ始めた。

 

「・・・・・・骸。離れてください。9代目ファミリーとキャバッローネファミリー、それと、門外顧問がもう直合流します。」

 

 どうしたもんかと思いながら、恭弥さんと骸に挟まれていると、9代目達の気配がこちら側に近づいて来ていることに気がつく。

 助かった・・・・・・と少しだけ思いながらも、骸に離してほしいことを伝えれば、彼は少しだけ拗ねながらも、渋々わたしから離れた。

 

「・・・・・・お待ちしていました、9代目。キャバッローネファミリーと門外顧問も、先程の晩餐会以来ですね。」

 

「うむ。みんな、しっかりと集まっているようじゃな。」

 

「よ、ナツ。なかなか大所帯になったな。」

 

「全員、体調は問題ねーな?」

 

 9代目、ディーノさん、父さんの順で話しかけられ、わたし達はその場で静かに頷く。

 体調は問題ないし、全員、万全な状態で決戦に臨めるため、それをしっかりと教えておく。

 

「ならばよろしい。では、すぐに向かうとしよう。奈月ちゃんの力を示すため・・・・・・そして、XANXUSを止めるためにな。」

 

 それを聞いた9代目は、静かにその場で頷いたのち、決戦の場へと向かおうと口にする。

 この場にいる人間の中で、最も権力を持ち合わせているのは9枚目であるため、全員、異議を唱えることなく指示に従う。

 さぁ、XANXUSさん達と顔を合わせをするとしようか。

 

 

 

 

 

           ❀

 

 

 

 

 しばらくの間、かなりの人数を引き連れていつもの場所へと足を運べば、XANXUSさんとベル、そして、チェルベッロがすでに集まっていた。

 わたし達が姿を見せるなり、XANXUSさんは渋い顔をして、ベルはわたしの守護者を全員見ては唖然とした表情を見せた。

 

「・・・・・・は?姫んとこの守護者、骨折れたりしてたじゃん。なんでもう治ってるわけ?」

 

 どうやら、わたしの守護者全員が全快になっていることに、彼は驚いたようだ。

 まぁ、死ぬ気の炎の効能を知るなんて、炎を使って戦わない人間は知るはずもないため、当然の反応と言えるだろう。

 

「これは私の意向だ。XANXUSは、私に反旗を翻すどころか、命を奪うことを企て、尚且つ、沢田奈月にその罪をなすりつけようとしていた・・・・・・これらの行動は重罪だ。

 だからこそ、他の争奪戦の時のように、沢田奈月側に強いていた不利な状況を、重罪の清算として、お前達に対する罰と言うカタチで課すことにした。

 長くこちらの世界に身を置いていたんだ。これくらいの罰が課せられるのもわかりきっているだろう?

 なぁ、XANXUSや。むしろ、これくらいの罰で済んだことが奇跡であることも、理解しているな?」

 

「っ・・・・・・・・・!!」

 

 ベルの問いかけに9代目が淡々と答えれば、XANXUSさんが歯を食いしばる。その瞳には確かな怒りが浮かんでおり、今にも殺しにかかって来そうなほどの鬼面だった。

 一方、質問をしたベルはと言うと、9代目が口にした言葉が正論であるためか、苦虫を噛み潰したように表情を歪め、こちらへと視線を向けていた。

 

「昨夜も言った通り、ここからはボンゴレの9代目である私が仕切らせてもらう。わかったな?」

 

「「はい、承知しました、9代目。」」

 

 9代目から一言告げられた、チェルベッロ機関は、潔くその場で頭を下げ、自分達は関わらない意思を見せて待機する。

 完全に、この場は9代目の総括となってしまったからか、XANXUSさんの苛立ちと憎悪は明らかに膨れ上がっているようだった。

 

「奈月ちゃん。リングを収める箱と、守護者全員の指輪をこちらに渡してもらえるかな?」

 

「わかりました。みんな、完成したリングを収めて。」

 

「「わかりました。」」

 

「オッケー。」

 

「わかったもんね!」

 

「うむ!承知した!」

 

「僕、完成したリング、持ってないんだけど?」

 

「片割れは回収しているので、こちらを合わせて収めてください。」

 

「そう。わかったよ。」

 

 わたしの言葉を聞き、次々と獲得したボンゴレリングを箱に収める守護者達。

 最後に、雲の守護者のリングを完成させて、箱に戻されるのを確認したわたしは、その全てを9代目に手渡した。

 

「うむ。確かに確認した。・・・・・・コヨーテ。」

 

「はい、9代目。」

 

 それを確認した9代目は、コヨーテさんに持っていた箱を手渡す。

 9代目から箱を受け取ったコヨーテさんは、すぐにヴァリアー側にいるベルの元に足を運び、片手を伸ばした。

 

「ベルフェゴール。嵐の守護者のボンゴレリングを渡せ。」

 

「・・・・・・了解。」

 

 コヨーテさんから有無を言わせない指示を出されたベルは、少しだけ間を空けてから返事を口にして、嵐の守護者のリングをコヨーテさんに手渡す。

 その声はかなり沈んだものとなっており、自身が置かれている状況を苦しく思っていることがよくわかった。

 しかし、9代目が総括となっている以上、ヴァリアーであるベルも、それ以外の守護者達も、逆らうなどと言う命知らずな行為をすることができるはずもなく、従うことしかできない。

 

「確かに確認させてもらった。さて、そろそろ他の者達も合流する頃だな。」

 

 他の者達と言う言葉に、隼人達が首を傾げる。

 すると、遠くの方から複数の気配がこちら側へと向かっていることがわかった。

 すぐに視線をそちらに向けてみれば、4人のチェルベッロと、ある3人の姿がそこにはあった。

 

「ちょっと!!もっとソフトにお願い!!重症なのよぉ!?」

 

「ヒッ・・・・・・あ、あいつ・・・・・・あいつがいる・・・・・・っ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 2人のチェルベッロにベッドごと運ばれてくるルッスーリアさんに、鎖によりぐるぐる巻きにされながら、9代目の姿を見て愕然とするレヴィ・アタンさん。

 そして、骸を視界に入れるなりガタガタと可哀想な程に震えているマーモン。

 全員来るように、と言う話を9代目はしていたが、まさか、あの3人までやってくるとは思いもよらなかったな。

 

「・・・・・・9代目がまさか、大怪我を負ってる方々まで呼び寄せるとは思いもよりませんでしたね。」

 

「だが、これが一番状況としては正しいものだ。なぜなら、これはボス候補たる奈月ちゃんと、XANXUSの2人がボスとして戦わなくてはならない。

 であれば、守護者達も全員、参加させると言うのは当然のことだ。」

 

 しかし、だとしたら、この場には本来ならばもうひとり出て来る必要があるはずだが、その1人の姿が見当たらない。

 武も、1人足りないことに気づいているようで、キョロキョロと辺りを見渡していた。

 

「・・・・・・もう1人は辞退したよ。今回の奈月ちゃんの策略を見て、彼自身、思うところがあったようだからな。」

 

「!・・・・・・そうですか。」

 

 9代目の言葉を聞き、武が少しだけ困ったように笑う。

 9代目に考えを見抜かれたからか、それとも別の理由からか、何にせよ、彼には思うところがあるのだろう。

 

「これで全員揃ったな。では、これより次期ボンゴレの10代目、および、その10代目を守護する守護者達を決める大空の決戦を行う。

 コヨーテ。ガナッシュ。ニー。ブラバンダー。ビスコンティ。クロッカン。ボンゴレリングを、ここに来る前に教えた定位置へと持っていってくれ。」

 

「「「「「「了解。」」」」」」

 

 そんな武に、少しだけ困ったように笑いながら視線を向けた9代目だが、すぐにその表情はボスのものへと変わり、彼は自身の守護者達に必要な指示を告げる。

 9代目から指示を受けた守護者達は、すぐにその場から一斉に動き、どこかへとボンゴレリングを持って行った。

 程なくして戻って来た彼らは、すかさず9代目かの側に陣を組む。同時に、コヨーテさんとガナッシュさんの2人は、9代目からある道具を手渡していた。

 

「各自守護者達にこのリストバンドを配布してくれ。」

 

「了解。」

 

「了解、ボス。じゃ、姫さん達はこっち・・・・・・あ、姫さんはこれな。」

 

「ガナッシュ・・・・・・お前はまた・・・・・・まぁいい。」

 

 相変わらずのガナッシュさんに、コヨーテさんが呆れたような表情を見せるが、すぐにヴァリアーの方へと足を運ぶ。

 彼が手にしているリストバンドに、ヴァリアーや隼人達が警戒の色を見せるが、わたしが気にせず腕にそれを腕につけ始めたからか、すぐに同じように取り付けた。

 

「これらには、小型のモニターとカメラ、およびGPSが仕込まれている。だが、そのGPSにより表示されるのは味方のGPSのみ。

 どちらも自身の守護者、およびボスの位置しか把握することができなくなっている。」

 

「ついでに言うと、モニターに映るのも自身のファミリーとボスのみ。まぁ、今回の決戦はほぼ全員参加だから、上手く活用することだな。」

 

 コヨーテさんとガナッシュさんがリストバンドの説明をする中、全員のそれに電源が入る。

 その瞬間、リストバンドに内蔵されている小型のモニターに映ったのは骸の姿だった。

 

「骸がドアップ。」

 

「こっちは奈月がドアップに映ってますね。」

 

「オレのモニターもだ。」

 

「多分、奈月以外は全員奈月が映ってるんじゃない?」

 

「ほんとだー!ナツが大きく映ってるもんね!」

 

 一体どうやってこんな技術を身につけたんだボンゴレは・・・・・・と少しだけ思いながらも、わたしは9代目に視線を向ける。

 9代目は小さく頷いたあと、静かに口を開いた。

 

「確実守護者達は、先日まで戦闘を行っていた場所に向かい、XANXUSはその場で待機するように。

 今回の決戦のルールに関しては、順を追って説明しよう。」

 

 9代目の凜とした声があまりに響く中、XANXUSさんを残したヴァリアー側が全員移動し始める。

 それを見たわたしは、一度だけ目を閉じたのち、まずは了平さんに視線を向けた。

 

「了平さん。」

 

「む?どうかしたのか、奈月?」

 

 静かに紡いだ了平さんの名前。わたしに名前を呼ばれた了平さんはすぐにこちらに視線を向けてくれたため、その場で拳を作り、静かに彼の方へと差し出す。

 最初、了平さんはわたしの行動にキョトンとしていたが、程なくして意味を理解してくれたようで、彼はわたしの拳に自身の拳を軽くぶつけてきた。

 

「無茶はしない範囲で。いくら向こうが動けないとしても、何を仕掛けてくるかわかりませんから。」

 

「ああ!極限に任された!」

 

 わたしの指示に頷いた了平さんは、9代目の晴の守護者であるブラウJr.さんに案内されるカタチでこの場から離れる。

 

「ランボ。」

 

「ん?どうしたもんね、ナツ。」

 

 次にわたしが視線を向けたのはランボ。地面に降りていた彼に視線を合わせるようにその場でしゃがみ込めば、ランボはキョトンとした表情をして首を傾げた。

 

「ランボ。ぐーの手を作って、わたしの方に軽く伸ばしてもらえる?」

 

「わかったもんね!これでいい?」

 

 わたしの言葉を聞き、先程わたしがしていたように、片手に拳を作り、軽く突き出すランボ。

 その手にそっとわたしは自身の拳を軽く触れさせ、もこもこの頭を優しく撫でた。

 

「ランボも気をつけて。向こうは何をしてくるかわからないおじさんだからね。もし、無理があるようだったら、すぐに逃げるか、10年バズーカを撃使って未来のキミと入れ替わるんだよ。」

 

「うん!ランボさん無茶しない!だからナツも頑張り過ぎないでほしいもんね!」

 

「うん。わかったよ。」

 

 これが一つの挨拶だとわかったのか、ランボは笑顔を見せながら、無茶をしないことを約束してくれた。

 小さく笑いながら頷き返せば、今度はガナッシュさんがランボを連れてその場から離れる。

 

「隼人。」

 

「はいっス!」

 

 その後ろ姿を見送ったわたしは、すぐに隼人に声をかける。わたしから声をかけられた隼人は、了平さんやランボの姿を見ていたからか、すぐに拳を突き出して笑って見せた。

 判断が早いと思いながらも、その拳に自身の拳を触れさせれば、ニッと明るい笑みを見せてくれた。

 

「君はたまに無鉄砲に突っ込むことがあるから気をつけなよ。相手はベルフェゴールだから、一応技術はわかるかもしれないけど、慢心だけはしないようにね。」

 

「承知しました!絶対にリングを取り戻してきます!もちろん、無理をしない範囲で!」

 

「ならいい。頑張って。」

 

 わたしのエールに隼人が頷き返せば、コヨーテさんが彼に近寄り話しかける。

 コヨーテさんから話しかけられた隼人は、静かにその場で頷いたのち、コヨーテさんの案内の元、この場からすぐに立ち去った。

 

「オレの出番だな。」

 

「うん。」

 

 次に、流れから察した武が自ら拳を作ってわたしの方に手を伸ばす。

 すかさずその拳に自身の拳をぶつければ、武はニカッと明るい笑顔を見せて口を開いた。

 

「気をつけろよな、ナツ。相手は、スクアーロ達よりも強い奴なんだろ?無理すんなよな。」

 

「わかってるよ。武も頑張って。これが、最後の争奪戦なんだから。」

 

「ああ。任せてくれ!」

 

 互いに言葉を交わし合い、わたしはその場に残り、武はブラバンダーさんに連れられてこの場から離れて行く。

 何度かわたしの方へと目を向け、手を振ってくる武に手を振り返せば、静かにその場で拳が差し出された。

 その手の持ち主は骸で、彼は口元に笑みを浮かべたまま頷く。

 すぐに拳を軽くぶつければ、骸はそのままわたしの手を取り、そっと手の甲へと口付けを落とした。

 

「では、もう一度あのアルコバレーノに嫌がらせをしてきます。必ず奈月に勝利をもたらすと約束しましょう。」

 

「ありがとう、骸。でも、無理はしない範囲でね。」

 

「クフフフ・・・・・・それはあなたにも言えることですよ。もし、1人で厳しいと判断した場合はいつでも呼んでください。あなたの障害は全て、僕が薙ぎ払ってあげますから。」

 

「うん。」

 

 余裕を感じる不敵な笑みを浮かべる骸に短く返事をすれば、彼は一度目を細めた後、その場で静かに踵を返した。

 クロッカンさんが骸を先導しようとしたが、骸は不要だと言わんばかりの表情を見せては、さっさと昨日の倉庫の方へと歩き始める。

 

「・・・・・・奈月様の霧の守護者は相変わらずですね。」

 

「こればかりは仕方ないかと。彼は、わたし以外のマフィアに対して、あまり良い感情を抱いていませんから。」

 

「彼に関しては、私達にも責任があるな。エストラーネオファミリーの全貌を早くに暴き、苦しめられてきた子供達を救い、確かな勉学や、対応をしていれば、あの子もまた、違う道があっただろう・・・・・・。」

 

 どことなく申し訳なさそうな表情を見せる9代目に、わたしは小さく頷き返し、静かに口を開いた。

 

「それは否定しません。彼らが犠牲になっていたことに変わりはありませんから。

 ですが、過ぎたことは後悔してもやり直せません。だからこそ、これから先の未来、彼らのような子供が現れないように何か手を打つことこそが、見て見ぬ振りをしてしまったり、行動が遅過ぎてしまった我々ができる贖罪となり得ると思います。」

 

 過去は変えられないが、未来はまだ間に合う。だからこそ、今からでもできることをこなす必要があると言う意見を伝えるために。

 

「ああ、そうだな。これからは、もっとこちら側の深部の方にまで目を光らせるとしよう。

 すぐにでも行動に移すことができる状況であれば、苦しめられ、人生を狂わされる子供も、少なからず減らすことができるだろうからな。

 最初のうちは小さな積み重ねしかならない。あの子や、あの子と共に行動を取っていた子供達の憎しみも消えることはない。

 だが、彼らと同じような感情を持ち、抱え続け、変えようのない罪を犯してしまう子供達を、少しでも減らせるように力を尽くせば、小さな積み重ねは大きな山となり、第二、第三の彼らを生み出すことは無くなっていくはずだ。」

 

 9代目の言葉に頷き返した後、わたしは恭弥さんと向き直る。

 わたしから視線を向けられた恭弥さんは、静かにこちらへと視線を返してきた。

 

「恭弥さん。こちらに来ていただけますか?」

 

「?何、奈月。」

 

 わたしの呼び寄せに応じた恭弥さんは、静かにわたしに歩み寄る。

 近くまで来た彼と距離を縮めたわたしは、恭弥さんの肩にそっと手を添え、自身より少し高い位置にある頬に唇を触れさせた。

 突然のキスに恭弥さんが驚いた様子を見せる。しかし、すぐに彼はわたしを優しく抱きしめたのち、そっと額に唇を落としてきた。

 

「今回の争奪戦はかなり厳しくなると思いますから、いざと言う時は助けてくださいね、恭弥さん。」

 

「・・・・・・いいよ。奈月のためならいくらでも敵を咬み殺してあげる。だから、躊躇うことなく僕を頼って。奈月のお願いは、全然迷惑だと思ってないから。」

 

「はい。」

 

 少しだけ恭弥さんと抱き合って言葉を交わし、一つの御願いを口にしたあと、恭弥さんからそっと離れれば、彼は小さく頷いた。

 

「ついてきてください。あなただけは、今回の守護者戦が行われてなかったので、こちら側が指定した場所に案内します。」

 

「・・・・・・わかったよ。」

 

 わたしと恭弥さんのやり取りを最後まで見たビスコンティさんは、すぐに恭弥さんに話しかける。

 恭弥さんは一瞬不満そうな様子を見せたが、場所がわからなくてはどうにもならないと思っているのか、大人しく彼に従うのだった。

 

 

 

 




 10代目ファミリー
 奈月率いる10代目最有力候補の7人。
 ファミリー全体が奈月のためを信条に動くため、統率力がかなり高く、同時に、9代目ファミリーからも信頼を向けられている。

 9代目ファミリー
 ティモッティオ率いる現ボンゴレファミリーの中核。
 奈月との晩餐会を得て、彼女に対する信頼を向け、彼女を認めて支持をし、同時に支援体制を整える。

 門外顧問
 最初から奈月を支持している状況にある門外顧問。
 等組織のトップである家光は、骸の行動に固まり、奈月と雲雀のやり取りにショックを受けて動かなかった。
 親バカを発症し過ぎだぜ、家光。by ラル

 キャバッローネファミリー
 奈月がボンゴレを継承することを端から支持している同盟ファミリー。
 奈月とファミリーの距離が違いことはよく知っているため、特に気にしていないのだが、家光が固まったのを見て、まぁ、そうなるよなと思っていた。

 ヴァリアー
 女王の策略により、完全にアウェイによる戦闘、および、不利な状況を押し付けられてしまった暗殺部隊。
 彼女の能力の高さは知っていたが、まさか、ここまで策略を張り巡らせる存在だとは思ってもいなかった。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。