最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
憤怒の化身たる青年を、自らの手で止めるために。
「9代目。ナツに新しい武器が支給されてるんだが、渡しても構わねーか?」
守護者全体が配置に移動するのを見送りながら、XANXUSさんと向き合っていると、不意に、リボーンが9代目に話しかけた。
わたしに支給されている新しい武器・・・・・・その話を聞き、9代目は静かに頷く。
「ああ。許可しよう。こちら側の技術開発の部署に送られていた、匿名の依頼の武器だろう?」
「ああ。まぁ、9代目なら誰が依頼したのかわかると思うがな。」
リボーンの言葉に、9代目は困ったような笑みを浮かべる。それは、明らかに依頼者を把握していることがわかる笑みだった。
感じ取れる感情は、様々なものが交わった物で、最も強いのは仕方ないと言う感情と、不信感。
その二つを彼が抱くとしたら、間違いなくわたしがあえて秘匿した存在に対してだろう。
「・・・・・・彼の目的が何かはわからないが、今の奈月ちゃんに必要な物であることは承知している。
だが、いいかい、奈月ちゃん。君が誰を信じるのかは君次第ではあるが、あまり心を許し過ぎてはいけないよ。」
「・・・・・・わかりました。」
ああ、やっぱり9代目は気づいているかと、改めて確信する。
まぁ、そもそもの話、超直感が優れていると言われている彼が気づかないはずがない、が正しいのだろう。
父さんはまだ、完全に超直感を使いこなせていないのか、気づいている様子は今のところないが、9代目ならば当然気づく。
それならば、わたしが彼に向けている感情に関しても、読み取れていると考えられるだろう。
実際のところはわからない。感情に関しては憶測でしかない。
でも、今はまだ気づいていないとしても、いずれは必ず気づかれる。
そんなことを思いながら、リボーンに視線を向ければ、彼はアタッシュケースから、一本のスティックを取り出した。
わたしが腰につけているものと全く同じデザインな上、重さも全く同じだが、すぐに、これはDさんに相談したものであると判断することができた。
「使い方は従来通りだが、一部仕様が変わってる。念の為検品してみたが、使用感に問題はなかった。」
“まぁ、見た目に関しては納得いかねーがな・・・・・・”と、渋い顔で行って来るリボーンに、すぐに武器を組み立てた際のデザインがどうなっているのかを察する。
あの人、相変わらずそう言うことして来るのか・・・・・・と、呆れと困惑に苦笑いをこぼしながらそれを受け取った。
「ちゃんと、夕方に渡した奴は着て来たな?」
「うん。レオンが頑張って作ってくれた特殊繊維の服でしょ?ちゃんと着て来たよ。」
そう言ってわたしは、自身が身にまとう服を見せる。
一見、ただのカジュアルなパンツスタイルと言った服装に見えるが、この服は全て、レオンが体内で作り上げた特殊繊維により作り出されたもので、死ぬ気の炎でも燃えたりはしないものだと言っていた。
どうやら、リボーンも同じ繊維でできたスーツを愛用しているとのことで、彼が愛用すると言うだけで十分過ぎる効果を把握することができる。
渡された時、少しだけ特殊な機能もあるとも言われたが、まぁ、今はXANXUSさんと向き合うことを考えた方が良いだろう。
「無茶はするなよ。いざと言う時はこっちも動いていいことになってるからな。基本的にオレは手出しをしないが、ナツが上手く仕込んでくれた罠のおかげで、XANXUSはボンゴレの叛逆者となった。
つまり、オレが仮に手を出すような状況になっても、必要ならば手を打つことができるってわけだ。」
そんなことを思っていると、リボーンがわたしの耳元に口を寄せ、現在のXANXUSさんの状況を教えてくれた。
9代目と言うファミリーのボスと、そのファミリーが作戦の中で動いた結果、彼はかなり詰んだ状態にまで陥てしまっていたようだ。
「どこぞの誰かから、XANXUSの叛逆が流出して、ナツ派に転んだ連中からXANXUS派が裏切りに遭い、縮小していることが確認できている。
どうやら、9代目を守るために覚醒した超直感を使用し、策略を練ったことが、向こう側に決定的な溝を作るきっかけになったみてーだな。」
どこぞの誰かと言うセリフから、不敵に笑う始まりの霧を思い浮かべる。
どうやら、Dさんはわたしが思っている以上に向こう側への根回しを広げていたようだ。
その上、沢田奈月は9代目を守るために覚醒した超直感を駆使して策略を築き上げたとまで言い触らしているとなると、ボンゴレファミリー内で、わたしは相当名前を浸透させてしまっていることになる。
前に、彼は自分がわたしを女王に導くと言っていたが、本当に有言実行したのかと考える。
「何にせよ、場合によってはオレも手出しが可能になる状況にあるのは間違いない。
オレや、あのメンツから訓練を施されたナツならば、問題なく終わらせることができるだろうが、無茶はするんじゃねーぞ。
オレが手を出すことができた場合、向こうにはファミリーに属していながらファミリーに反旗を翻した叛逆者と言う変えられない事実があるからな。
裏切り者を始末した・・・・・・場合によってはこのシナリオを手札として切ることも頭に入れておけ。」
「・・・・・・わかった。」
リボーンから告げられた言葉に頷けば、彼は優しくわたしの頭を撫でたのち、優しく頭にキスをしてくる。
「・・・・・・絶対に死ぬんじゃねーぞ、ナツ。お前がいない未来なんて、オレはごめんだからな。」
「うん。」
彼の願いを静かに承諾すれば、リボーンはわたしからそっと離れる。
向かう先は9代目の側で、ここからは、わたしの舞台だと言うようにわたしを見つめていた。
「・・・・・・全員、指定の位置についたようだな。では、今から決戦のルールを話そう。」
一部始終を見守っていた9代目が静かに口を開く。
わたし達が行う、後継者を決めるための最後の決戦。わたしの要望を通しながらも、決定づけたルールを話すために。
「指定位置に一つの台座を設けた柱がある。そこには各種守護者が保有する完成されたボンゴレリングが乗せられている。
此度の決戦では、大空のリングの完成と、各守護者の継承権を守ることが正統後継者としての勝利条件とする。
無論、守護者同士の奪い合いも許可しよう。この勝利条件を満たすためには、奈月ちゃん側のファミリー全員がリングを所有するか、ヴァリアー側の全員がリングを所有するかにより決まるものだからな。」
9代目が淡々と説明する中、腕にはまっているリストバンドに組み込まれているモニターから、ベルの声が聞こえてきた。
《へぇ・・・・・・また守護者同士でリングを奪い合っても別にいいんだ?》
決戦のルールに対する確認。それを聞いた9代目は、静かに頷く。
「ああ。今回の決戦は、ファミリー同士の連携も必要となる。だが、簡単に争える状況ではないことを伝えておこう。」
そう言って9代目は静かにコヨーテさんに視線を向けた。
彼の視線に気づいたコヨーテさんは、静かにその場で頷いたのち、手にしていた携帯電話・・・・・・によく似た小型の端末を操作し始める。
同時に聞こえてきたのは、XANXUSさんとわたし以外の守護者たちがダメージを受ける声だった。
「守護者全体に今回のルールの一つに組み込まれているものが行き渡った頃だろう。
すまないが、君達守護者には、特殊な薬剤を投与させてもらった。それは、奈月ちゃんが使用する道具の一部に使われている薬品を特別に改良したものだ。
混ざっているのは脱力剤と睡眠薬。これらは全員に必ず効能が出るように作られているため、薬物に耐性があっても貫通する。」
淡々と説明する9代目に、XANXUSさんが驚いたように視線を向け、程なくしてわたしの方へと視線を向けてくる。
9代目とわたしが話し合いをしていることは、超直感がなくとも、把握することはできるのだろう。
同時に、守護者達に容赦無く薬品を投与する小娘に、戸惑いを抱いているようだった。
「これらの効能は、20分に渡り変化していく。まずは即効性の脱力剤によより力が入りにくくなり、5分後には立つことも不可能な脱力感に見舞われ、動けなくなる。
そして、15分経ってからは遅効性の睡眠薬が効果を表し、守護者は全員眠りに落ちる。
脱力剤の中には、睡眠薬の効果を引き上げる成分も混ざっているのでな。暗殺部隊に属していようとも、それに抗うことはできない。」
9代目が薬品の説明をする中、XANXUSさんはわたしを見つめていた。
わたしはと言うと、そもそもこの条件を
早急にこの争いを終わらせるためにわたしが設けた、明確な時間制限なのだから。
「睡眠薬により眠りに落ちたものは強制的に脱落者として継承権が剥奪されるものとする。
だが、全員が眠るような事態に陥っては意味がないため、これらの薬品に対する即効性の解除薬もリストバンドに内包されている。
それを投与するには、各自自身の属性を示すボンゴレリングを、リストバンドにある嵌め込み口に差し込むことが条件となる。」
そこまで説明した9代目は、再びコヨーテさんとガナッシュさんの2人に視線を向けた。
2人はすぐにその場で頷き、コヨーテさんはXANXUSさんの元へ、ガナッシュさんはわたしの元へ足を運んだ。
「今から渡すものは、全てのリングを収めることができる簡易的な収納道具だ。
各自、そのチェーンを腰から下げて決戦に臨むように。」
「ってことで、姫さんはこれをベルト通しに取り付けてくれ。」
「わかりました。」
ガナッシュさんから手渡されたのは、リングをちょうど固定することができるように作られているチェーンだった。
彼からそれを受け取り、すぐにベルト通しに取り付ければ、優しく頭を撫でられた。
この人、たびたび親戚のおじさんムーブかましてくる気がするけど、まぁ、頭を撫でられるのは嫌いじゃないしいっか。
「両者共に、チェーンを取り付けたな。先程も言った通り、全ての属性の守護者のリング、および継承権を守り通し、大空のリングと属性のリングを自身の手に収めることが正統後継者としての勝利条件だ。
その条件を満たすのであれば、ボス候補が守護者のリングを選んだ守護者の手元に与えることも可能とする。」
9代目がそこまで言葉を紡ぎ、わたし達が立つ場所から少し離れた位置にまで移動する。
同時に、9代目の前にはコヨーテさんが静かに出て口を開いた。
「大空のリング争奪戦、開始!!!」
響き渡るコヨーテさんの声。最後の言葉が紡がれると同時に、死ぬ気モードに移行したわたしは、地面を強く蹴り上げたのち、一瞬にしてXANXUSさんとの距離を詰め、そのままの勢いに任せて彼を鉄板入りのブーツで蹴りつける。
合図と同時に強襲してくるとは思わなかったのか、XANXUSさんは一瞬だけ硬直するが、すぐに蹴りを防ぐため、防御体勢を取った。
しかし、彼の懐に潜り込んでいたわたしの方がはるかに速度が早かったようで、ガラ空きになっていた鳩尾にそのまま攻撃を叩き込むことができた。
骨と思わしき固いものが足に触れ、同時に折れる音とその感覚を感じ取る中、こちらの一撃を防げなかったXANXUSさんは、息を詰まらせるような声を漏らし、近くにあった建物の壁へと吹き飛び、そのままの勢いで背中から激突した。
壁まで吹っ飛んでいったXANXUSさんを確認し、今度は勢いよく空へと跳躍する。
そして、上空で腰に携えていた拳銃を引き抜き、ロックを解除して2発の弾丸を放つ。
放った弾丸が向かった先は、ランボの気配がある方角にある、雷のリングの台座と、恭弥さんがいる方角にある雲のリングの台座。
そこに乗せられていた雷のボンゴレリングと雲のボンゴレリングを弾く高い音が辺りに響き、9代目ファミリーと門外顧問、キャバッローネファミリーが驚いたように息を飲み込んだ。
大きな音と共に、ガラガラと崩れているのであろう瓦礫の音がわずかに聞こえる。
「それじゃあ、始めましょうか。此度の争奪戦、最後の戦いを。」
穏やかに言葉を紡ぎながら、わたしは地面へと静かに降り立つ。
舞い上がった土煙の中から姿を現したXANXUSさんは、その表情に焦りを浮かべていた。
沢田 奈月
女王モードに完全に突入している蒼穹の女王。
XANXUSの動きを封じ、真っ先に幼いランボと、戦闘力の高い雲雀を動けるようにするため、合図と同時にリボーン直伝の早撃ちを使用し、雷と雲のリングを台座から弾き落とす。
完全にスイッチが入っている状態だが、内心、XANXUSが思った以上に吹っ飛び、骨までやってしまった上、建物にも明らかな損傷を出していたことに冷や汗をかいていた。
あれ?いつの間にわたし、こんな高火力出すようになったの・・・・・・?
女王よ・・・・・・あなたはコンクリの地面に小規模のクレーターを作っていたはずですよ・・・・・・?
XANXUS
開始の合図と共に、自身でも反応することが難しいレベルの素早さで自身の懐に潜り込み、思い切り鳩尾へと蹴りを受け、骨もいくらか一瞬で折られてしまった憤怒の王。
一撃が今まで相手にしてきた人間の中でトップクラスに重たく鋭いものだったため、愕然とする。
なんなんだ・・・・・・っ・・・・・・この女は・・・・・・!?
リボーン
蒼穹の女王の勝利を確信しているが、念には念をといざと言う時は1人で抱え込む必要がないことを伝えた最強のヒットマン。
XANXUSが吹き飛ばされた様子や、自身が教えた早撃ちの鋭さを見て、まぁ、当然だな、と内心で思っている。
まぁ、まだまだ磨く余地あり・・・・・・だが、さて、どうやってそれも教えるか・・・・・・。
9代目ファミリー、門外顧問、キャバッローネファミリー
自分達が支持した蒼穹の女王の一撃と早撃ちを見て、驚愕する。
彼女の能力は、一体どこまで高くなっているんだ・・・・・・?
ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・
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骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
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リ「別にいらねーんじゃねーか?」
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雲「どっちでもいい。」