最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 憤怒の王はその目に焼き付けることとなる。
 蒼穹の女王がその身に宿す、強大なまでの力を。



憤怒の王は読み間違える

 大空のリングと、正統後継者の座を巡る最後の決戦が始まる中、暗殺部隊のリーダーたる憤怒の王、XANXUSは、自身が目の当たりにしている眩いばかりの琥珀色に、抑えようのない焦燥感を抱く。

 

 自身が使う武器は二丁の拳銃。次代のボンゴレを担うものが背負うこととなるXが刻まれた愛銃だ。

 対する少女が持ち合わせているのは、月光を弾き、妖しく、凶悪な輝きを放つ銀の凶刃を持ち合わせている大鎌。

 しかし、それはただの大鎌ではなく、時折不気味なほど無機質な音を響かせ、一瞬にして長槍へと変化する。

 

 XANXUSは、そのような武器を持ち込まれたところで、自身の敵ではないと思っていた。

 身に宿る憤怒を使えば、自身に立ちはだかる小娘程度、簡単に屠ることができると思っていた。

 しかし、その考えが間違いであると把握するまで、そこまで長い時間は有さなかった。

 

 ─────・・・・・・なんなんだこの女は・・・・・・っ!!

 

 遠距離武器と長距離、中距離に特化した武器。

 戦闘することとなった場所は拓けており、有利性ならば自身の方が上だった。

 しかし、目の前にいる存在は、遮蔽物が少なく、広い範囲で戦わなくてはならないというのに、不利を感じているような様子がない。

 

 XANXUSはすぐに、自身が使う拳銃へと炎を流し込む。

 ボンゴレファミリーの7代目が使用した武器である拳銃・・・・・・歴代のボスの中でも死ぬ気の炎の性質が弱かったことから生み出されたもの。

 死ぬ気の炎を一時的に圧縮させ、蓄積された炎を一気に解放することにより放たれる強力な一撃は、例え性質が弱い炎であろうとも、殺戮の一撃へと変化する。

 

 その構造と似たものを彼は持っていた。自身が持ち合わせている憤怒の炎・・・・・・死ぬ気の炎の中でも破壊力に長けているそれを、圧縮と開放の武器に流し込めば、一撃で敵対者を灰燼と化すことも可能になるために。

 

「消えろ!!!!」

 

 そう、この一撃さえ当ててしまえば、目の前の小娘1人など恐るるに足らず。

 だが、XANXUSの思考とは裏腹に、その内心にはぞわりとした確かな寒気が渦巻いていた。

 

 XANXUSの拳銃から放たれた一撃。マフィアを知らない愚かな小娘を焼き尽くさんとする憤怒の一撃は、真っ直ぐと彼女を捉えて突き進む。

 

「・・・・・・どこを狙っているのですか?」

 

「!!?」

 

 だが、その一撃は少女の影すら掴むことができず、空へと高く突き抜けた。

 同時に聞こえてきた幼さの残る声音は、XANXUSのすぐ近く・・・・・・自身の背後から涼やかに奏でられる。

 

 すぐに攻撃を切り返そうと体を動かすが、最初に自身の鳩尾に叩き込まれていた一撃により骨を折られてしまっていた影響による鋭い痛みが体を貫き、一瞬の硬直を見せてしまう。

 それは、背後にいた琥珀色が再び攻撃を放つには十分過ぎる程の隙だった。

 

 鈍い音が響くと同時に、自身の体を突き抜ける重い衝撃。

 琥珀色の手元には鈍色に輝くトンファーが握りしめられており、鋭い一撃を衝撃が走り抜けたところへと叩き込んでいた。

 思わず息が詰まり、体内にあった空気が一瞬にして抜けていく。しかし、先程の蹴りとは違い、トンファーを手元に持ち合わせていた琥珀色は、一撃、二撃と素早く打撃を叩き込み、時には足にあるもう一つの鈍器を叩きつけてくる。

 自身の骨がミシリと嫌な音を立て、与えられた衝撃により砕かれそうになるのを感じながら、XANXUSはその痛みに表情を歪めた。

 連撃は最初の重過ぎる衝撃を与えてくることはなく、しかし、確かにヒビを入れるものだった。

 

 容赦無く顎にも叩きつけられるトンファーの一撃に、脳が揺らされ、世界がぐらりと歪む。

 脳震盪・・・・・・確実にそれを引き起こすように放たれた打撃に、XANXUSは思わずバランスを崩した。

 

 その瞬間、足による鋭い連撃が体に叩き込まれ、再び激しい痛みが走り抜ける。

 だが、先程の連撃とは違い、女が放った連撃の最後には、開始の合図とともに放たれた一撃と全く同じ重さと鋭さのある衝撃を叩きつけられ、そのままXANXUSは吹き飛ばされてしまった。

 

 吹き飛ばされた先には建物があり、勢いよく背中から激突する。

 砕けた瓦礫の音とともに、空へと昇る土煙。ガラガラと崩れる瓦礫の中、フラフラと立ち上がるXANXUSは、込み上げてきた不快な程の鉄の味を追い出すように、大地へと吐き出した。

 

 ─────・・・・・・どうなってるんだ・・・・・・!!クソがっ!!!!

 

 冷水にでも叩き落とされたのかと思う程の寒気に襲われ、XANXUSはその表情に焦りと僅かな恐怖を浮かべる。

 舞い上がった砂埃が止むと同時に視界に映り込んだ琥珀色は、口元に穏やかな笑みを浮かべていた。

 しかし、緩やかな笑みとは裏腹に、暖色に染まるその瞳には、寒気しか感じることができない冷徹な光が妖しくゆらめいており、XANXUSは自身から血の気が引いていく気配を感じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 プリーモファミリーとリボーンに鍛えられたら、こんなにも能力が引き上がってしまうのか・・・・・・こちらを真っ直ぐと見据えながら、確かな焦燥感を抱いている様子のXANXUSさんを見つめながら、わたしは少しだけ引きながら冷や汗を流す。

 確かに、わたし自身の能力が引き上がっていることは自覚していたが、ここまで相手を圧倒することになるとは思いもよらなかった。

 

 だが、それよりも恐ろしいと思うのは、プリーモファミリーと呪解した状態のリボーンの戦闘能力の高さだった。

 

 ─────・・・・・・相手は暗殺部隊の精鋭どころか、幹部以上の立場にある統率者だよ?能力はかなり高いはずなんだよ?なのに・・・・・・

 

 “あまりにも・・・・・・遅過ぎる・・・・・・”

 

 思わず愕然としてしまう。

 XANXUSさんの立場や、暗殺部隊のリーダーであること、わたしとは違い、幼い頃からマフィアとしての教育をされていたことを考えて、かなりのダメージを受ける覚悟で戦闘に臨んでいた。

 しかし、蓋を開けてみればその能力の低さは明白で、プリーモファミリーと呪解状態にあったリボーンに比べたら、動きにムラがあり過ぎる上、隙がわかりやすい以外の何ものでもなかった。

 

 ─────・・・・・・まさか、これ程までにプリーモファミリーやリボーンの実力が、桁違いのものだったなんて・・・・・・。

 

 改めて認識した自身の師達の能力の高さに、確かな恐ろしさを感じながらも、笑みを浮かべる。

 本当に、わたしはすごい人達と巡り会ってしまったものだ。

 

「どうかしましたか、XANXUS?まるで、化け物でも見たかのような表情をしておられますが?」

 

 静かに、穏やかに、だけど、確かな敵意を孕ませながらも口にした声音は、わたしですらもゾッとしてしまう程の冷たさが宿る。

 わたしは、こんな声を出すことができたのかと、どことなく他人事のように思いながら、視界にとらえたXANXUSさんを観察していれば、彼はXが刻まれた二丁の拳銃を構え直す。

 同時に見えた僅かな光。二丁の拳銃に力を注ぐそれを見たわたしは、軽く地面を蹴り飛ばす。

 そう・・・・・・軽く蹴り飛ばしたはずだった。

 

 わたしの軽くは、もはや一般人の軽くではない。物理戦闘を得意としているジョットさんとアラウディさん、ナックルさん・・・・・・そして、拳銃の腕だけでなく、恐ろしいまでの体術を持ち合わせていた呪解している状態にあるリボーン・・・・・・彼らから見たわたしの軽くは、まだまだ遅いと言えるものらしいのだが、本能的にわたしは気づいてしまった。

 わたしの軽くは、すでにプロの暗殺者であろうとも軽いものではなくなっていると。

 しかし、その力があるからこそ、わたしの居場所を守れるのだと。

 

 そのことに少しだけ目を閉じるが、地面を蹴り飛ばしていたわたしは、瞬きの間にXANXUSさんの目の前に移動しており、こちらの姿を捉えた赤い瞳が、これでもかと言う程に見開かれる。

 だが、流石は暗殺部隊を統率している王様か、すぐにその目は鋭さを帯び、近づいたわたしに業火の一撃を放とうと拳銃を構え直された。

 

 周りから見たら、確実に当たると思うだろう。目の前にいる怒りの化身も、確実に当てられると言う確信めいたものが宿している。

 だけど、それは周りから、そして、彼から見た景色に過ぎない。わたしの目には、全て動きが見えているのだから。

 

「・・・・・・やっぱり、リボーンに比べたら遥かに遅いですね。」

 

「な!?」

 

 あくびが出てしまいそうな程に遅い動きを見たわたしは、そのまま体を回転させ、すかさずその背後に回り込む。

 同時に大きな背中めがけ、回し蹴りを叩き込めば、XANXUSさんは先程までわたしがいた方角へと吹き飛ばされた。

 そんな中でも受け身を取り、拳銃を構える姿は流石だと言えるが、弾道の予測はすでについており、なおかつ明確な攻撃の機会も見えていた。

 

 放たれた怒りの一撃は、まさに地獄の業火の如く、こちらを灰燼に変えんと襲い来る。

 その一撃を見極め、手にしていた大鎌を槍へと変化させたわたしは、同時に自身の炎を槍へと流し込み、迫り来る焔へと突きつける。

 ゴウッと辺りに焦熱の音が響く中、穂先より放たれた炎の槍は、勢いよく業火の一撃と衝突し、そのまま真ん中を貫き抜ける。憤怒の化身へと牙を剥くように。

 水ですら一点集中により、コンクリートすら貫くのだから、炎でも同じことを行える。

 

 自身に向かってきた炎の槍に、XANXUSさんが焦りを浮かべ、そのまま横へと飛び退いた。

 その動きを把握できていたわたしは、すぐに炎の推進力を使い、再び紅玉へと自身の姿を映しこむ。

 同時に手にしていた槍を大鎌へと変え、XANXUSさんめがけて振り上げた。

 流石に直撃は避けられたが、それでも刃はその肩を浅く鋭く切り裂いた。赤い飛沫が宙を舞い、月光の下、不気味な程に輝きを放つ。

 

「ぐっ!?」

 

「逃げられるとでも?残念ながら、それは無理な話ですよ。」

 

 後方へと飛ぼうとするXANXUSさんに、静かに話しかけながら、その背後へと移動したわたしは下がろうとしていた勢いを利用するままに、退避先へと向かわせたりはしないと叩きつける。

 鈍く重い音を立てながら叩きつけた一撃は、そのまま彼を退避先とは反対の方角へと吹き飛ばした。

 すぐに回避ができないように、吹き飛んだ方角へと立て続けに移動して鳩尾へと一撃を叩きつければ、XANXUSさんの口から赤い液体が吐き出される。

 

 彼の体がくの字に曲がる中、その顎をめがけて強蹴を放てば、XANXUSさんの体は宙に飛ばされる。

 それを確認し、XANXUSさんよりも上の位置からから踵を振り下ろせば、勢いよくその体は大地へと落下して叩きつけられた。

 大きな音を立てながら、地面に僅かなクレーターができる。

 

 わたしはそれを見ながら、高所より飛び降りた猫のように、音を一つも立てることなく大地へと降り立つ。

 視界の端に映り込んだ観戦者達は、言葉を失ったように固まっていた。

 ・・・・・・ただ、1人のヒットマンを除いて。

 

 

 

 

 




 沢田 奈月
 プリーモファミリー、および、呪解状態にあったリボーンの手により、その戦闘技術を継承した上で覚醒を果たしつつある蒼穹の女王。
 暗殺部隊の統率者であり、幼い頃からマフィアの知識を蓄えていたであろうXANXUSとの戦闘は、ダメージを受けながらになると思っていたのだが、その認識は、自身に技術を教えてくれた師達の力を把握していた影響から、読み間違えることとなる。
 同時に、自身の師達の能力の高さに、改めて戦慄することになった。

 XANXUS
 自身の能力が高いことを把握していたからこそ、小娘1人程度、すぐにでも消すことができると思っていた憤怒の王。
 しかし、それは完全なる読み間違えであり、目の前に現れた蒼穹の女王がどれ程の力を持ち合わせているのかをその目に焼き付けることとなった。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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