最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
まるで、涙を流すかの様に、水を滴らせる1人の青年は、目の前に広がる血溜まりを見つめていた。
僕はただ、君と幸せになりたかっただけなのに
遥か先の未来・・・・・・曇天により、辺り一面が暗がりと化し、激しい雨を降らせ続ける。
時に眩く閃光を放ち、大きな音を立てて鳴り響く雷鳴・・・・・・誰もが慌て、すぐにでも建物の中へと入る様な天候の中、1人の青年は、目の前に広がる血溜まりを見つめていた。
血溜まりの中央にいるのは、1人の女性。
眩いばかりの金糸の髪を赤に濡らし、表情には安らかと言わんばかりの笑みを浮かべていた。
「・・・・・・この世界でも・・・・・・君は、僕より先に逝っちゃうんだね。」
倒れ込む女性の姿を見つめながら、青年は悲しげに言葉を紡ぐ。
両目にハマる紫玉の瞳に、確かな絶望と疲労を浮かべながら。
ガラガラと轟く雷鳴は、まるで、彼の世界が崩落していくことを示唆するかの様に、無機質にただ鳴り響く。
青年は、赤に沈む琥珀色に、一歩、また一歩と力なく足を運んだ。
顔にかかる金糸の髪・・・・・・優しくそれを顔から払うが、力強く輝いていたはずの宝石の様な瞳は、すでに瞼の裏へと閉ざされてしまい、青年の姿を映すことはない。
安堵した様な、勝ち誇ったかの様な、穏やかなまでの笑みを浮かべ、眠る様にして絶命した
その姿を見た青年は、その場で拳を握り締めた。
「君がいなくなるのを見たくないから、僕より先にいなくならない様にしたかったから、出会わない道を選んだのに・・・・・・どうして僕と君は、いつも違う形で出会っちゃうのかな・・・・・・?」
“それが、最悪な未来を生み出すルート分岐なのにさ”・・・・・・。
吐き捨てる様に、涙を堪える様に、震える声音で紡がれた言葉。
しかし、その言葉は二度と、目の前で永眠する女王の耳には届かない。
ふと・・・・・・青年は女王の手元にある拳銃に視線を落とす。
いつだったか、自身の目的のために必要としている道具を持ち合わせている赤ん坊を、自らの手で葬った時、1人の赤ん坊が持ち合わせていた拳銃と、全く同じ型の拳銃だった。
青年は、その拳銃を女王の手元から取り上げようと手を伸ばす。
すでに力など入ることがなくなった手から取り上げることができたそれは、あっさりと自身の手元に収めることができた。
「・・・・・・彼と同じ型の拳銃か。マフィアと言う道を歩いていた君は、必ずと言っていい程にこれを愛用していたね。
もしかして、例の赤ん坊からいつも贈られていたのかな?だとしたら妬けちゃうな・・・・・・。
僕だって君に、沢山の贈り物を渡したいのに。服とか帽子や日用品みたいに、気軽に使えるものとか、君を彩る宝石が散りばめられたアクセサリーとかさ。」
そこまで言葉を口にした青年は、一瞬だけ表情に穏やかな笑みを浮かべる。誰もが明確な愛が含まれていると、すぐに言ってしまう程の。
しかし、その表情はすぐに消えて無くなり、怒りの感情を滲ませる。
そして、その怒りをぶつけるかの様に、青年は手にした拳銃を投げ捨て、そのまま破壊してしまった。
「・・・・・・こんなもの・・・・・・君には似合わないよ。」
同時に、女王が手にしていた指輪を取り上げ、それすらも地面に投げ捨てようと腕を振りかぶる。
だが、その動きはすぐにその場で止まり、指輪を優しく手のひらに包み込んだ。
忌々しい指輪でありながらも、彼女がいたと言う証明をする確かな形見であったために。
「こんな指輪・・・・・・大っ嫌いだよ。こんなものがあるから、君は命を落としちゃうんだから。
ああ・・・・・・でも・・・・・・君は、指輪がなくても、僕より先に命を落としちゃったよね。
何度も、何度も。どれくらい、いなくなる君を見てきたかな・・・・・・。もう覚えてないや。君がいなくなった回数なんて・・・・・・。」
諦観する様に紡がれる言葉。
しかし、彼の言葉に答える人間などこの場に1人もおらず、唯一存在している
「ねぇ・・・・・・奈月チャン・・・・・・。いつになったら僕は・・・・・・君と幸せになれるのかな・・・・・・?」
激しく雨が降り注ぐ中、雨とは違う雫が大地に弾かれる。
それは、青年・・・・・・白蘭が持ち合わせている、紫玉の瞳からこぼれ落ちた大粒の涙だった。
「争いなんて関係ない場所で出会って!!沢山の楽しいことや悲しいことを経験して!!何度も何度も何度も何度も笑って過ごせていたのに!!幸せになれるって思った矢先に君が必ずいなくなる!!
君が死ぬくらいならって!!出会わないようにしたって!!必ず君は僕の前に現れた!!
現れては消えてを繰り返して!!必ず先に世界から消えてしまう!!
ねぇ!?どうして!?どうして君は・・・っ!!いつも僕より先にいなくなるんだよ!!!」
明確な怒りと悲しみに染まる声で白蘭は怒鳴り声を上げる。
脳裏に過ぎる沢山の記憶。そこに必ずと言っていい程に過ぎる琥珀色・・・・・・沢田奈月の姿は、何よりも鮮明に輝いており、沢山の笑顔を浮かべていた。
しかし、その全ては一瞬にして輝きを失いひび割れる。同時に浮かぶのは色彩を失い、力なく倒れる彼女の姿だった。
「何で・・・・・・っ・・・・・・何も言ってくれないんだよ・・・・・・っ」
絞り出す様な声で紡がれた言葉は、世界から退場してしまった女王には届かない。
その姿を見て、白蘭は力なく膝から崩れ落ちる。自身が身にまとう服が、血溜まりの赤に染め上げられようとも、その場から立ち去ることができなくなっていた。
「僕は・・・・・・何かしちゃったの?君と出会う前に、何かの怒りでも買っちゃったのかな・・・・・・?
どれだけ恋焦がれても・・・・・・どれだけ惹かれ合っていても・・・・・・僕は、君と必ず引き離されるんだ。
僕が死ぬならまだ良かった・・・・・・。君が死ぬくらいなら、僕が死んだって良かったのに・・・・・・いつも死ぬのは君の方。
何で、僕はずっと生かされてるんだろうね?生かされるくらいなら、僕を殺してくれたら良かったのに・・・・・・。」
しかし、その望みは未だに叶わず、白蘭は何度も彼女の死を見てきた。
それが悔しくて、憎くて、悲しくて、手にした指輪・・・・・・ボンゴレリングを強く握り締めた。
「何もかも集めたところで、君がいないと意味がない・・・・・・!!君が笑って幸せになれる世界を作りたくても・・・っ・・・君が先にいなくなっちゃったら、僕の想いはどうなるんだよ・・・・・・!!」
自身の髪が赤に染められようとも、白蘭はその場で頭を抱えた。
雨に濡れた冷たさと、やりきれない想いに耐え凌ぐ様に、その体を小さく震わせながら。
「ねぇ・・・・・・っ・・・・・・奈月・・・・・・っ」
“早く・・・・・・この
悲哀と愛情が混ざり合った救済を願う声は、激しい雨の音にかき消される。
彼の世界が壊れることを知らせる様に、暗雲が広がる重い空に、眩い落雷が光を放った。
ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・
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骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
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リ「別にいらねーんじゃねーか?」
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雲「どっちでもいい。」