最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 自室にて大切なアルコバレーノたる青年と過ごす蒼穹の女王は、部屋の扉を叩く音に気がつく。
 気配から自身の父親であると判断した彼女は、すぐに彼の元へと顔を出した。



蒼穹の父は合流する

 少しだけばちばちと火花を散らしていたリボーンと恭弥さんに挟まれたりもしたが、お願いしていた食材を草壁さんに届けてもらうことができたわたしは、リボーンと一緒に自室に身を寄せていた。

 リボーンの部屋より、本格的なキッチンが備え付けられているため、作業するにはちょうどいいと思ったために。

 

 さて、わたしの自室に入り、キッチンに向かったリボーンだけど、彼は、わたしが自身の寝室から持ち込んだ菓子作りのレシピ本を見ながら、お菓子を作っている。

 作っているのは、わたしがよく短時間でも作りやすいと考えて作ることがあるカップケーキで、プレーンなものや、フルーツが使われたもの、チョコレートが使われているものなど、試しに作っていた。

 

 最初、彼はわたしが得意としているパイを作ってみようとしていたようだけど、作業工程の多さや、簡易的な冷凍パイ生地を使ったものであろうとも、一筋縄では行かないとレシピを見てから判断したようで、カップケーキを選択したようだ。

 

 挑戦してみたいものに挑戦してもいいんだよ?と言ったりもしてみたが、料理はともかく、菓子作りは殆ど初めてと言っても過言ではないのだから、挑戦したいと言うだけの軽い気持ちで作ったところで、美味しいものが作れるとは思えないから、ある程度工程に慣れた上、余裕がある時に作った方がいいものが作れると言う理由から、挑戦は後回しにするようだ。

 

 なんと言うか・・・・・・ある意味で完璧主義なリボーンらしい考え方である。

 レシピ通りに作れば、初心者でも美味しいものは作れると思っているが、まぁ、彼の言葉も一理あるため、とりあえず黙っておくことにした。

 

「まぁ、初心者の割にはマシなものができたか・・・・・・?」

 

 なんてことを考えていると、リボーンは小さく呟くように言葉を口にしながら、オーブンの中から作っていたものを取り出す。

 その声に反応するように視線を彼に向けてみれば、手元には歪ながらもちゃんとできているカップケーキがあった。

 

「ふ・・・ふふ・・・・・・っ・・・・・・」

 

「おい、笑うんじゃねーよ桜奈。仕方ねーだろ。初めて作ったんだぞこっちは。」

 

 いつも完璧に物事をこなしているはずのリボーンが見せた、初心者丸出しの姿に、思わず笑い声を漏らすと、彼から笑うなとツッコミを入れられる。

 仕方ないじゃない、と言うのはわたしからも言えることである。完璧な人が見せた、わたしよりちょっと劣る部分・・・・・・きっと、リボーンのことだから、数回繰り返せば完璧なものを作り上げることもできるようになるのは間違いないが、期間限定の珍しい姿に、笑みを浮かべないなんて無理な話だ。

 

「ご、ごめん・・・・・・っ・・・・・・いつもは失敗しないリボーンが、失敗してるからつい・・・・・・っ」

 

「くそっ・・・・・・昔から菓子作りも多少なりともやっときゃよかった・・・・・・っ」

 

 笑いを堪えながらも、素直な感想を口にしていると、リボーンは悔しげな表情をしながらカップケーキを見つめる。

 彼が作ったカップケーキは、生地を入れる工程で、入れ過ぎたり逆に少な過ぎたりしたことが伺えるくらい、膨らみ方に差があった。

 小さく、同じくらいの量を入れたはずなのにとか言ってる様子から、目分量でやってしまい、失敗したのだろう。

 

 そんなことを考えながら、ちょっとだけ落ち込んでる様子のリボーンを見つめていると、わたしの部屋の扉をノックする音が聞こえてくる。

 気配から、すぐに父さんのものであると把握することができたため、扉に近づけば、カップケーキを机の上に置いたリボーンがすぐにわたしの元へと歩み寄って来て、先行して扉を開けた。

 

「うお!?ナツの部屋で何してんだリボーン!?」

 

「よぉ、家光。・・・・・・随分と老けたな。」

 

「やかましいわ!!」

 

 最初、父さんはリボーンが出て来たことに驚きながら、突っかかるような言葉を口にしたが、リボーンから老けたと言われた瞬間、自覚があることを指摘されたからか、そっちに関して食ってかかった。

 その姿に少しだけ笑いそうになったが、一旦は我慢して、わたしは静かに口を開く。

 

「待ってたよ、父さん。すっかりおじさんなっちゃってるね。」

 

「ナツまでそんなこと言うなよ〜・・・・・・。確かにおっさんに磨きがかかっちまったが、まだまだ現役バリバリなんだぞ〜?」

 

 確かに、わたしが知ってる父さんに比べたらシワが増えていたり、髪が少しずつ白くなってる様子があると思いながら、揶揄うように声をかければ、リボーンの時とは違う、柔らかい雰囲気でそれは指摘しないでほしいという様子を見せる。

 とは言え、彼が言っている現役って言葉に間違いはないようで、視界に映るガタイの良さから、まだまだマフィアの一人として、体を鍛えながらも仕事をしているのがよくわかった。

 年齢が上がってもまだ頑張ってるんだなぁ・・・・・・と少しだけ思いながらも、父さんを自室に招き入れると、部屋に一歩踏み込んだ父さんは、一度だけ鼻を鳴らしてキョロキョロし始めた。

 

「・・・・・・なんか甘い匂いするな?」

 

「あ、リボーンがカップケーキ作ってくれたんだよ。わたしが、たまには人が作ったお菓子も食べてみたいって言ったから。」

 

「・・・・・・失敗したがな。」

 

「は?失敗?お前が?」

 

 リボーンが口にした失敗と言う言葉に、父さんは驚いたような様子を見せる。

 リボーンはと言うと、不本意と言わんばかりの表情を見せながらも、テーブルの上に置いてある膨らみ方がバラバラなカップケーキが見えるように体をずらした。

 

「ぶっは!?だははははははははは!!おまっ・・・・・・マジかよ!?」

 

「うっせーぞ家光!!菓子作りなんてあまりやったことねーんだぞオレは!!仕方ねーだろ!?」

 

 それにより視界に入ったバラバラな膨らみ方をしてるカップケーキに、父さんはその場で吹き出し、ゲラゲラと笑い声をあげる。

 すかさずリボーンはそんな父さんに言い返し、今回のはたまたま起こった失敗であることを口にする。

 しかし、父さんの笑い声がそれで治るはずもなく、しばらくの間、わたしの部屋は笑い声に満たされた。

 

 

 

 

 

          ❀

 

 

 

 

 

「あー・・・・・・久々に笑ったわ〜」

 

「ぐっ・・・・・・次に作る時はもっと完璧に作ってやる・・・・・・!!」

 

 あれからしばらくの間、笑い続けた父さんは、ようやく落ち着きを取り戻す。

 父さんから爆笑されたことが悔しかったのか、リボーンは苦虫を潰したような表情をしながらも、次の菓子作りに対する意気込みを口にした。

 2人の様子から、本当に長らく付き合いがあるんだなと小さな笑みを浮かべたわたしは、リボーンに視線を向ける。

 

「ねぇ、折角ならホイップクリームで盛り付けてみてよ。大丈夫。クリームを絞るのはそんなに難しくないはずだし。」

 

「お前な・・・・・・。まぁ、一応、それ用にクリームは作っておいたが・・・・・・」

 

 少しだけ口にしたリクエスト。父さんから大爆笑されたことが堪えていた様子のリボーンは、少しだけ呆れながらも作っておいたらしいホイップクリームを絞り器に入れて持ってくる。

 父さんが少しだけ、邪魔をしたげな様子を見せていたが、そんなことをしたらダメだと言うように首を左右に振って制すれば、父さんは残念そうな表情を見せながらもおとなしくなった。

 それを確認したリボーンは、父さんがちょっかいを出してこないことに安堵する様子を見せながらも、ホイップクリームをカップケーキの上に絞り始める。

 

 カップケーキの出来は、少しだけ失敗した感じになってしまっていたけど、ホイップクリームは上手く絞ることができていた。

 全てのカップケーキにクリームを乗せたリボーンは、カラースプレーチョコや、缶詰に入っていたさくらんぼなどでクリームを盛り付け、わたしの前にカップケーキが入った大皿を置いた。

 

「失敗しろよそこは。」

 

「CHAOSだな。ケーキを軽く失敗した以上、それを修正すんのは当たり前だろ。」

 

「失敗したらまた笑ってやったのによー。」

 

「それがわかった上で失敗して見せる程の芸人魂はねーぞ。」

 

 ・・・・・・どうやら、父さんに爆笑されると言うのは相当屈辱的だったらしい。

 ブーブー文句を言ってくる父さんに、リボーンは呆れた表情をしながらも、失敗はしっなり修正すると言い返しては、ソファーから一旦立ち上がる。

 彼が向かった先はキッチン。エスプレッソを淹れるための道具や、紅茶を淹れるためのティーカップとソーサー、ティーポットを手際よく準備していく。

 人が淹れた紅茶やコーヒーを飲みたいと言う願いも叶えてくれようとしてるとわかり、少し気分が上がる。

 

「甘い物にコーヒーを合わせるのもいいが、今回はオーソドックスにストレートの紅茶にしておいたぞ。

 ナツみたいに、コーヒーに合わせた甘さやバランスにすることはできてねーからな。」

 

「うん。ありがとう、リボーン。」

 

「お前はコーヒーでいいか?一応、エスプレッソを淹れて来たが・・・・・・」

 

「お、サンキュー、リボーン。それでいいぜ。エスプレッソにうるせーお前が淹れたものなら、間違いはねーだろ?」

 

「CHAOSだな。何、当たり前なこと言ってんだ?オレが淹れるんだからな。」

 

 わたしの前に紅茶が入ったティーポットとカップ&ソーサーを置いたリボーンは、父さんの前にエスプレッソが入ったカップを置く。

 ・・・・・・リボーンが淹れたエスプレッソは美味しい・・・・・・なるほど。今度わたしも淹れてもらおうかな。

 

「さてと・・・・・・じゃあ、お茶をしながら話しましょうか。これまでの行動で、何かわかったことがあるようでしたら、教えてください。

 もしくは、気になることでも構いません。少なからずとは言え、超直感を芽生えさせた父さんならではの感じたものを話してください。」

 

 そんなことを考えながら、わたしは自身の頭を切り替えて父さんに今回、行動を取る中で気になったことや、わかったことはないか問いかければ、父さんは一瞬驚いたような表情を見せる。

 しかし、すぐに真剣な眼差しをしながら、わたしの問いかけに頷いた。

 

「ああ。我らが女王に話を聞いてもらおう。とは言え、まだ完全にわかったわけじゃねーが、状況を整理するためにも、こっちの情報や、そっちが聞いた情報のすり合わせを行いたい。」

 

 父さんからの提案に小さく頷き返せば、父さんは静かに口を開く。

 彼が感じたもの・・・・・・そして、私達が持ち合わせている情報のすり合わせを行うために。

 

 




 沢田 奈月
 10年程経った父さんってこんな感じなんだ、と自身の父親の姿を見ながら、女王としての自分で対応を始める幼き蒼穹の女王。
 日常から一転、マフィアのボスを継承するものとして、これまでの情報を整理する。

 リボーン
 お菓子作りはあまりしたことがないため、失敗したことに渋い顔をしていた最強を冠するヒットマン。
 家光に爆笑されてイラッとしたりもしたが、現状の整理をするため、話をする機会を設ける。

 沢田 家光
 ヒバリから幼い頃の愛娘が拠点に現れたことを聞き、真っ先に合流した女王の父親。
 歳は食ったが現役で未だ行動をしているため、愛娘との話し合いに応じる。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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