最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 始まりの嵐から現状を聞き、一旦は解散することにした幼き女王は精神世界へと足を運ぶ。
 そこで彼女を待ち構えていたのは、始まりの霧と、自身の半身たる青年の霧だった。



女王に焦がれる白き空

 Gさんとの話も終わり、その日の1日を終える。

 恭弥さんと、草壁さんの手配のおかげで、食材は沢山入手することができたため、集まったメンバー用の食事をわたしが作り、しっかりと食事を摂った上で、翌日に備えることになったのだ。

 

 ちなみに、わたしが作った食事は絶賛された。お世辞など一つも含まない純粋な褒め言葉と、お世辞の違いはわかるため、あれが全て純粋な感情からのものであることはすぐに把握することができた。

 まぁ、母さんには遠く及ばないが、前世では一人暮らしをしながら生活をしていた人間だったため、メシマズだけはないと思っていたが、もしかしたら・・・・・・と言う可能性もあったから、安心できてよかったと言えるだろう。

 

 そんなことを思いながら、風呂や寝支度を済ませたわたしは、ベッドの中で眠りに落ちる。

 しかし、意識はすぐに覚醒し、ゆっくりと目を開けてみれば、昼間に足を運んだわたしの精神世界におり、バルコニーの柵に寄りかかりながら、むすっとしているDさんを視界に入れることとなった。

 

「・・・・・・遅いです。」

 

「・・・・・・ものすごく拗ねてんだけど、この人。」

 

 子供のように拗ねているDさんに、思わずツッコミを入れてしまう。

 この人、骸に負けず劣らずの子供っぽさあるよな・・・・・・。

 

「遅いって言われても困るよ。みんなとの情報を共有するためには時間がかなり必要だったし・・・・・・」

 

「それくらいわかってますよ。わかってますけど腹が立ちます。Gはあのように表に出て過ごせると言うのに、私はこちら側で待ちぼうけを喰らうしかないのですよ?」

 

 “拗ねたくもなるでしょう?”と文句を言いながら、わたしに歩み寄り、ぎゅっと抱きしめてくるDさん。

 回復するまでは仕方ないでしょうに・・・・・・と少しばかり苦笑いをこぼしながらも、わたしより大きな背中へと手を回せば、ぐりぐりと頭を擦り付けられた。

 ネコちゃんかな?なんて思いながらも、ぽふぽふと優しく背中を叩いてあやせば、拗ねた感情が広がっていた精神世界に穏やかな空気が広がる。

 しかし、すぐにそれは軽い苛立ちの方へと塗り替えられ、Dさんはわたしを抱きしめたまま、屋敷の居間の方へと視線を向けた。

 

「・・・・・・現在、私が独占中なので、帰ってもらえません?」

 

「そんなことできるわけないでしょう、ふざけるのも大概にしなさい。」

 

「!」

 

 その声は、わたしが求めていた声の一つだった。

 10年近くの年月を得て、わたしがよく知る彼のものよりいくらか低くなっているが、穏やかさは変わらず健在しており、落ち着く気配を持ち合わせている。

 二つの精神が少しだけ火花を散らしている気配を感じ取りながらも、視線を今の方へと向けてみれば、待ち望んでいた再会が広がっていた。

 

「骸!」

 

「おはようございます、奈月。どうやら、あそこから目を覚ましてきたようですね。正確には、眠っていたあなたと、過去のあなたが入れ替わったと言う流れですが。」

 

 Dさんから離れて、骸の元に向かえば、彼は穏やかな笑みを浮かべながらわたしを抱きしめ、そのまま唇へとキスを落としてくる。

 いつものことなので、おとなしく受け入れ、抱きしめ返せば、わたしがよく知ってる骸に比べて体格が良くなっていることがわかった。

 

「・・・・・・あ。」

 

「ん?どうかなさいましたか、奈月?」

 

 当たり前だけど大人になってる・・・・・・とちょっとだけ考える中、ふと視界に映り込んだ長い髪。

 髪留めにより束ねられているそれを見て、わたしは何度か瞬きを繰り返し、思わず小さく吹き出してしまう。

 わたしが急に吹き出したからか、骸から困惑の声をかけられたが、わたしは少しの間笑っていた。

 

「奈月?何を笑っているのですか?」

 

「ご、ごめん。いつだったかランボが言ってた言葉思い出しちゃって・・・・・・っ

 そ、そっかぁ・・・・・・。あの時ランボが言ってたの、大人になったあとの骸だったんだ・・・・・・っ」

 

 

 

          ܀ꕤ୭*

 

 

 

「あららのら?ランボさん、いつナツの上に乗っていたのかしら?」

 

「おかえり、ランボ。なんか面白いものは見つけたかい?」

 

「面白いもの・・・・・・?あ!そう言えば大きなナツに会ったよ!なんか、ヘンテコな髪の奴と一緒にいたもんね!」

 

「ヘンテコな髪の奴って?」

 

「尻尾生えたパイナップルお化け!」

 

「・・・・・・・・・・・・なんじゃそりゃ・・・・・・。」

 

 

 

          ܀ꕤ୭*

 

 

 

 ・・・・・・ランボが10年バズーカを撃ち、初めて15歳になった時の姿を見せてくれた日に聞いた話を思い出し、再び笑い声を漏らす。

 思い出し笑いなんて、少しばかりはしたないような気もするけど、あの時の彼の発言は、あまりにも印象が強かった。

 

「奈月?何やらちょっとイラッとしてしまいそうなことを考えているようですが、素直に白状するのと、記憶を盗み見られるの、どちらがよろしいですか?」

 

「いや、だって、ランボが面白いこと言ってたんだもん。それがまさか大人になった骸のことだなんて誰も思わないでしょ・・・・・・っ」

 

「ほぉ・・・・・・?一体あの雷のおバカさんは何を言ったのでしょうかねぇ?」

 

「ふ・・・・・・ふふ・・・・・・尻尾生えたパイナップルお化け・・・・・・っ」

 

「ん゛っ」

 

「D・スペード!!何笑っているのですか!?あとランボ君にはしっかりとお話しさせていただきますからね!?」

 

 骸の前じゃ隠し事は難しいと思い、素直に思い出し笑いをしてしまう原因を明かせば、背後でDさんが吹き出し、笑いを堪えるような声を漏らす。

 わたしとDさんの2人が笑ったことにより、骸はすかさず笑うなと怒鳴り、ついでとばかりにランボとはお話をすると告げてきた。

 すまない、ランボ。骸からのトゲトゲ攻撃を確定させてしまった。

 

「全く・・・・・・!!まぁ、今はそれどころではありませんが・・・・・・。」

 

 内心でランボに対して謝罪をしながら小さく笑っていると、骸は深い溜め息を一つ吐き、静かに頭を切り替える。

 その目は真剣そのものだったため、わたしも笑うのをやめ、骸を真っ直ぐと見つめ返した。

 

「現在、ミルフィオーレファミリーに関して、色々と調べているところですが、とりあえず、把握できていることを説明します。

 と言っても、口頭で話すよりは、互いに記憶の共有をする方が早いですし、現在、僕が把握していることを、あなたに教えます。

 奈月は奈月で、僕に記憶を見せてください。こっちに移動し、ある程度情報は聞いていると思いますが、どこまで把握しきれているのかを教えてくれますね?」

 

「うん。問題ないよ。」

 

 骸からの提案に、二つ返事で承諾の言葉を紡げば、彼は小さく頷いたのち、腕の中に収まっているわたしの額に、自身の額をくっつける。

 同時にわたしの頭には、彼が見てきたことの記憶が流れ込み始めた。

 

 

 

 

          ܀ꕤ୭*

 

 

 

 

 それは、どこかの廊下から始まった。

 きっと、これがミルフィオーレファミリーのアジトの通路で、今見ているのは、骸が潜伏する際に使った器の一つが見ている景色なのだろう。

 手元にある端末を見つめながら、歩いている骸は、しばらく歩みを進めたのち、一つの部屋の前に立ち止まる。

 

「・・・・・・失礼します。白蘭様。報告します。第14トゥリパーノ隊の報告によりますと、キャバッローネは思いのほか手強いようです。こう着状態に入ったとの報告が上がってます。

 次に、ボンゴレファミリーの傘下に加わり、勢力の拡大に力を貸した旧マフィア連合ですが、未だに行方が掴めず、捜索が困難になっているようです。」

 

 一言声をかけ、室内に入った骸は、淡々と報告をしながら視線を動かす。

 彼の視線の先には、白い服と、白い髪をした1人の青年が立っており、窓の外を見つめていた。

 

「・・・・・・やっぱりね。彼女は頭がいい上、作戦を立てるのも上手だから、なかなか狙い通りになってくれないんだよねぇ。」

 

 どことなく呆れているような、だけど、愛おしさと称賛が明確に含まれているような声音で、窓の外を見つめる青年は言葉を紡ぐ。

 一瞬、骸は人に憑依をしていることを忘れたかのように、警戒の目と感情を向けたが、すぐに頭を切り替えたのち、再び口を開く。

 

「また、メローネ基地より、入江正一氏が日本に到着したとの連絡が入りました。」

 

 入江正一と言う言葉に、思わずわたしは反応してしまう。

 こっちの時代に飛ばされた際、視界に映り込んだ、どこか泣きそうで、罪悪感に苛まれているような表情を見せた彼の姿に、思うところがあったから。

 

 あの時の彼は、何があってあのような表情を見せ、わたしとリボーンを未来へと飛ばしたのか・・・・・・それは、この時代にいる彼に会えばわかるのだろうか・・・・・・。

 一瞬だけそのように考えるが、ミルフィオーレファミリーに対する報告により、彼が向こう側についていることを思うと、接触するのは不可能か・・・・・・。

 

「お?」

 

 そんなことを思っていると、正一君の名前を聞いた青年が、これまでより大きな反応を見せ、骸が憑依している青年の方へと振り向く。

 それにより見えた彼の顔は、無邪気な子供のようで、だけど、紫色の瞳には、どこか悲しみが揺らいでいるようだった。

 

「早いね、正チャン。」

 

 笑顔を見せながら言葉を口にする青年、白蘭。ミルフィオーレファミリーのボスである彼は、一言で表すならば軽薄だった。

 しかし、彼が振り向いた際に見えた瞳は、やはり何かを抱えているようで、一体、何を抱えているのだろうかと疑問を浮かべる自分がいた。

 

「ん?見ない顔だね。」

 

 白蘭が、少しだけ瞬きを繰り返し、キョトンとした表情をしながら骸が憑依した青年に話しかける。

 骸はそんな白蘭を少しだけ見つめたのち頭を下げた。

 

「はっ 自分はこの度、ホワイトスペルの第6ムゲット隊に配属された、レオナルド・リッピ。F級(エフランク)です。」

 

 自身の立場を明かし、挨拶をする体で言葉を紡いだ青年・・・・・・レオナルドに、白蘭はしばらくの間観察するような目を向けたあと、ニコッと笑顔を見せる。

 

「あーそー。ヨロシクね。様はつけなくていいよ、暑苦しいから。」

 

「は・・・・・・しかし・・・・・・」

 

「うちはやることさえやってくれれば幸せになれるの。」

 

 様付けをしなくていい・・・・・・その言葉を聞き、わたしは瞬時に骸が憑依していることがバレていると把握する。

 同時に、彼は骸であることを把握した上で、レオナルドを名乗る青年を泳がせるつもりでいるのだと、一瞬にして理解した。

 彼の狙いは一体なんなのか・・・・・・それは、これから先、わかればいいのだが・・・・・・。

 

「それじゃあ、早速ことづけを頼まれてくれる?レオ君。」

 

「は・・・はい!!」

 

 そんなことを考えていると、白蘭はレオナルドに声をかける。早速頼みたいことがある・・・・・・その一言を添えながら。

 レオナルドはすぐに承諾の言葉を紡ぎ、白蘭からの指示を待つ。

 

「日本へ行った正チャンにさあ、花を届けてほしいんだ。」

 

 正一君へと花を贈る・・・・・・業務的には関係なさそうな内容に、わたしは思わず首を傾げた。

 それはレオナルドも同じだったようで、疑問に首を小さく傾げる。

 

「花・・・・・・でありますか?」

 

 花を贈ってほしいと言うお願いに、レオナルドは確認をするために問いかける。

 白蘭は、そんな彼の疑問に頷きながら、静かに口を開く。

 

「うん。白いアネモネを山のようにね。ほら、花って色んな言葉が含まれてるでしょ?それを贈るだけで、自身の想いを伝えたりすることができるからさ。

 白いアネモネに含まれてるのは【期待】でね。正チャンは僕が期待している精鋭だから、伝えたいんだ。」

 

 笑顔で口にする白蘭に、レオナルドは無言になる。しかし、すぐに承諾するように頷き、やるべき作業をこなすために踵を返そうとする。

 しかし、白蘭から名前を呼ばれたことにより、彼は足を止めることとなった。

 

「花言葉に関して教えてくれたのは、奈月チャンでね。彼女とは沢山の話をしたことがあるんだ。

 本当に沢山の知識を持っていて、沢山のことを教えてくれた。だから僕は、彼女と敵対したくないし、彼女と一緒に過ごしたかったし、これからもそうでありたいんだ。

 だから、話をしたかったんだけど、未だに姿を見せてもらえないんだよね。

 ・・・・・・ねぇ、奈月チャンに関して、何か情報は入ってないかな?なんでもいいんだ。話をしたいから来てほしいって伝えて以来、全く表に出てこないから、何かわかったことはない?」

 

 白蘭の言葉に、レオナルドは視線を彼の方に一度向ける。そして、すぐに手元にある端末へと目を向けて、しばらくの間考え込んだ。

 

「いいえ。どうやら、沢田奈月に関しての情報は未だに入っていないようです。あらゆる隊が情報を探っているようですが、なかなか集まらないとのことで・・・・・・。」

 

「・・・・・・そっか。まだ、奈月チャンに関しては何も入ってないんだね。早く会いたいんだけどな。」

 

 紡がれた声音には確かな落胆と、寂寞が含まれており、小さく彼の名前を口にする。

 わたしに執着している様子がある・・・・・・この時代の隼人達の言葉を思い出し、それが事実であると再認識するには十分なものだった。

 

「ありがとう、退がっていいよ。正チャンに花、頼んだからね。」

 

 軽薄な印象がなりをひそめ、呟かれた本心からの言葉。

 レオナルドは一度、白蘭へと再び目を向けたのち頭を下げて踵を返す。

 レオナルドが部屋から出る時、視界に入り込んだ白蘭の表情は、悲しみに溢れていた。

 

 

 




 沢田 奈月
 成長した自身の半身たる霧の守護者を通し、彼が見た記憶を受け取る幼き蒼穹の女王。
 彼の記憶を通して、白蘭を初めて見たが、軽薄な印象はあれど、明確な寂寞と悲しみを抱いていることを持ち合わせていると感じ取る。

 六道 骸
 自身が保有していた記憶を半身たる幼き女王へと伝えた成長した霧の守護者。
 D・スペードがいたことに関してかなりイラッとした上、勝手に僕の安寧の場所をそちらのイメージで塗り替えないでいただけます?と睨みつけた。

 D・スペード
 最愛の女王たる幼き少女とのんびりしたかったのに、彼女の霧の守護者たる青年に邪魔されてイラッとした始まりの霧。
 骸により記憶を共有された少女を通じ、骸が持ち合わせていた記憶を自身も把握する。

 白蘭
 蒼穹の女王たる少女と何かしらの関係があった様子があるミルフィオーレファミリーのボス。
 彼は求める、蒼穹の女王を。確かな想いを胸に秘めて。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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