最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 骸から見てきたことの記憶の共有を受けた幼き女王は疑問を抱く。
 自身と白蘭の関係、それが、想像していた以上に深いものだと知ることになったがために。



白蘭への疑問

「・・・・・・これは・・・・・・・・・」

 

「なんと言うか、随分とややこしい状況になっているようですね。」

 

 骸から共有してもらった記憶が終わり、ポツリと小さく呟けば、骸から記憶を共有されるわたしを通じて、同じく記憶を覗き見たらしいDさんが、少しだけ困惑した様子で言葉を紡ぐ。

 わたしは、Dさんの言葉に小さく頷き、わたしを抱きしめている骸へと視線を向けた。

 

「僕も、まさか白蘭からこのようなことを言われるとは思いもよりませんでした。敵対者のはずである存在から、奈月と関係があると思わしき発言が飛び出てきましたからね。

 思わず潜伏してることなど忘れて、詰め寄り返すところでしたよ。」

 

 “まぁ、なんとかそうなる前に我慢しましたが”・・・・・・と口にする骸の様子に、バレてる様子だったし、詰め寄ってもやっぱり潜り込んでたと余裕で返されるだけな気もする・・・・・・なんて思いながらも、小さく頷く。

 

「・・・・・・花言葉に関して教えたのはわたしであることの示唆に、白蘭がこっちに向けている様子の悲しみや好意を感じ取れる様子・・・・・・だけど、未来のわたしは、この時代の彼の行動しか知らないと言う現状・・・・・・。

 瞳から感じ取れた明確な好意と向けられる執着、悲しみに、なんらかの悪夢の囚人となっていることは直感でも確信することができると言う言葉・・・・・・。」

 

 未来に辿り着き、真っ先に見ることになった未来のわたしからの手紙の内容と、先程の記憶にある白蘭の言動の一つ一つを整理していく。

 自分自身は何も知らないと言うのに、向こうは知っていること。明らかに親しくしていた様子があると言うのに、こちらでは敵対者として認定してしまうほどの行動の破綻が発生している・・・・・・か。

 

「・・・・・・薄々感じていたし、今ので確信を持つことができた。やっぱり、白蘭はパラレルワールドを把握しているみたいだね。

 となると、パラレルワールドのわたしと関わった記憶が彼にはあって、その時のわたしとの関係性は、比較的良好・・・・・・いや、それ以上に親密だった可能性がある。

 でも、だからこそわからない。なんで彼は、別の世界軸のわたしと良好な関係を築いていたのに、敵対者として現れたんだろ?」

 

 素直に脳裏に思い浮かんだ疑問を口にすれば、骸とDさんの2人は、揃ってその場で首を左右に振る。

 わからない・・・・・・それが彼らの答えだ。

 

「・・・・・・それもそっか。白蘭に関しては情報が少な過ぎるからね。どうしてそのような関係だったか・・・・・・白蘭の行動原理はなんなのか・・・・・・その情報のピースが集まらなくては、答えを出すことなんてできないか。」

 

「ええ。ただ、彼にとって、ナツキが大切な存在として認識されていることは把握することができました。

 となると、彼が取るであろう次の行動は、かなり絞られてきます。」

 

 わたしの言葉を聞き、Dさんが白蘭が次に引き起こすであろう行動の流れは、絞られることになると口にする。

 わたしも、その意見に関しては同じだったため、その場で小さく頷き返し、静かに口を開いた。

 

「向こうが対話を望んでおり、同時にわたしに関係する情報を探っているとなると、骸から情報を聞き出すか、わたしを探し出すかの二つ。

 ただ、現状からして、骸のことは泳がす気満々である状況から、後者の方が選択として選ばれやすい。

 そして、この時代から10年も前の時代にいたわたしを見つける、もしくは把握することができた場合、彼は間違いなくわたしに接触を図ってくるだろうね。

 流石に、向こうの明確な目的がわからない以上、気軽にわたしも出るわけにもいかないけど。そんなことしたら、間違いなく襲撃か、誘拐かをされかねないし・・・・・・。」

 

「そうですね。奈月には、本当に動かなくてはならない状況にならない限り、行動を制限していただくことになると思います。

 一応、外側からの連絡手段として、僕が精神世界に来て報告をすることはできますが、頻繁にしていては、間違いなく僕とあなたの関係を、白蘭に悟られてしまうでしょうしね・・・・・・。」

 

 “申し訳ありません”・・・・・・と困ったように謝罪をしてくる骸に、わたしは静かに首を左右に振ることで気にしなくていいことを伝える。

 確かに窮屈なことになるのは間違いないと思うが、現状から最善手を取るとしたら、骸からの提案が最善なのだから。

 

「それにしても、白蘭という男は相当謎が多き存在のようですね。とは言え、ナツキの様子から、パラレルワールドの観測という仮説は完全に確信へと変わったことにより、相手がこちら側の動きを明確に把握していた理由の辻褄が合います。

 まぁ、パラレルワールドなどという観測不能なものをその情報から肯定しなくてはならないというのは、いささか不満ではありますが。」

 

「そうですね。D・スペードの言う通り、僕も少々微妙な気分です。観測不能だからこその感情でしょうね。」

 

「そりゃあ、人はみんな、目に映るものだけを信じることしかできないのが常だからね。そんな風に思っちゃうのも仕方ないと思うよ。

 わたしは・・・・・・ヴァリアーが襲撃してくる前に、9代目すら巻き込んだ計画を考えて実行した時に、神谷さんから、この世界の君の行動は・・・・・・9代目を助けるために行なった行動は正解だったって言われたから、パラレルワールドがあることを知ってたけど。」

 

「「!?」」

 

 わたしが口にした言葉に、骸とDさんの2人が驚いたように反応をする。

 そう言えば、この2人は神谷さんが明らかにパラレルワールドを把握していることは知らないんだった。

 

「そっか。2人は知らなかったんだね。実は、神谷さんって明らかに沢山のわたしを知ってる様子があるんだよ。

 正確には、沢山の私達の結末・・・・・・って言えばいいのかな?リングに関連する出来事で、9代目が酷く傷つく軸があったみたいだし。」

 

 

 

 ─────・・・・・・君の一手は正解だ。静観していたら間違いなく君は、予感している気配に最悪なワナに陥れられ、9代目もタダでは済まなかった。

 

 ─────・・・・・・だから、安心していいよ。君の手段は間違いじゃない。君が取った行動は、これまでの世界のどこよりも最前で成功を手にする鍵だ。

 

 

 

 脳裏に過った、ネックレスを父さんに託した時の記憶。

 他にも、彼の言動はパラレルワールドを示唆する言葉がかなり飛び交っており、彼は間違いなくパラレルワールドを知っていると理解できるものばかりだった。

 

「・・・・・・神谷さんはパラレルワールドを把握している・・・・・・ですか。」

 

「それは、かなり重要な情報の一つですね。もしかしたら、神谷幸弥を見つけることができたら、何かわかることがあるかもしれません。」

 

 神谷さんが持ち合わせている知識・・・・・・それが、何かしらの勝負の一手になるかもしれない。

 わたし達3人の中に浮かんだ答えの一つだった。

 

「ナツキ。神谷幸弥と言う男がどこにいるかご存知ですか?」

 

「うん。一応知ってる。でも、わたしに関わってる存在が、わたしの情報を集めるために追い回されているとなると、そこにいるかわからないかな。」

 

「そうですね。彼と奈月の関係がバレていないのだとしたら、水月輝石商店にいるかもしれませんが、バレていたらまともに行動を取ることができなくなっているかもしれません。」

 

「バレていない状況なら、他にも、レフティフ・セレニティーの本社や、セレニス・ラグナシオンって言うホテルに関連した場所に可能性がある。あとは・・・・・・ほら、あの海が見える屋敷。わたしと骸と犬と千種がお世話になった・・・・・・」

 

「ええ。バレてないようであれば、確かにそれらの場所にいる可能性が高いでしょうね。」

 

 骸に手を引かれ、マフィアからも、並盛からも離れて過ごした一ヶ月。

 その時に、たまたま接触することになった神谷さんにお世話になったことを思い出しながら、言葉を紡げば、骸も、わたしと関係していることが白蘭にバレていないのであれば、重要な情報を聞くことができる可能性がある月のような人の居場所は、ある程度絞り込めることを口にする。

 

 不意に、精神世界に広がる空気に、わずかな苛立ちと、後悔にも近い感情が混ざり込むことに気づく。

 それが、Dさんのものであることに気づくまでに、時間はほとんどかからなかった。

 

「・・・・・・随分と感情がごちゃごちゃになっておりますが?D・スペード。」

 

「やかましいですよ、六道骸。一々つつき返さないでもらえますか?」

 

 わたしと骸の関係が深まる要因となった出来事の掘り返しに対する嫉妬と、わたしを追い詰めてしまう要因となってしまった自身の言動の数々に対する後悔・・・・・・実質的に、わたしの精神世界の主導権の半分を、Dさんが現在持ち合わせているせいか、深層心理にあった彼の感情が漏洩してしまったようだ。

 

 ・・・・・・わたしの側にいることにより、強まった精神パスから、骸が、わたしと自分のやりとりを見て、感情をごちゃごちゃにしてる状態のDさんを、ざまぁみろと言わんばかりに見下していることを把握することができる。

 それが、わたしを守りたい、自由にしたいと言う感情の延長線上にあることはわかるため、とやかく言うつもりはないし、わたしを逃がしたい、自分のために生きる道を選びとってほしい、沢田奈月と言う自我のために、誰かのために生きようとすることなく過ごしてほしいと言う願いからのものであることを理解しているため、少しだけ気持ちが温かくなる。

 

「・・・・・・人の精神世界で衝突するのはやめてね?」

 

 それはそれとして、喧嘩を勃発されてしまうのは困るため、すぐに制止する声をかければ、骸とDさんは、2人揃って子供のように拗ねて顔を逸らした。

 ・・・・・・同じ反応しないでよ。

 

「とりあえず、骸はこれからも、無理をしない範囲で白蘭の様子を見てて。ただ、彼は多分、骸が憑依できる器を利用して潜伏していることを把握しているみたいだから、衝突が起こりそうな場合、すぐに撤退して合流を図ってほしいかな。」

 

「クフフフ・・・・・・ええ。任せてください、奈月。必要な情報を会得し終えた場合、もしくは衝突が起こる可能性の上昇の確認ができた場合、すぐに日本へと帰ります。

 絶対に、奈月が傷つくような選択をするつもりはないので、そこら辺は安心してくださいね。」

 

 そんなことを思いながらも、わたしは骸に一つの指示を出す。戦力の集結にも、骸自身を守るためにも、必要な時は白蘭とぶつかる前に戦力的撤退を図ってほしいと。

 骸は、わたしとの繋がりから、言葉の中に含まれている感情が、骸を想ってのものであるとわかったのか、穏やかに笑いながら承諾の言葉を口にして、優しく唇を重ねてくる。

 骸のキスを受け入れながら、しばらくの間彼のキスに意識を向けていれば、そっとキスは止められた。

 

「・・・・・・情報を収集するにあたり、奈月の精神との繋がりは、報告以外では弱めておくつもりです。僕を通じて、白蘭にバレてしまっては元も子もないですからね。

 なので、僕が意識を向けられない間は、癪ではありますがあなたに奈月を任せますよ、D・スペード。」

 

「言われなくともそのつもりですよ。今の私は、表立って行動することはできませんからね。

 むしろ、君よりも私との繋がりを維持しておく方が正しいと思わせるような完璧な守護をしてあげます。」

 

 “サブ機としての繋がりになっている方が、君にはお似合いですよ”・・・・・・と吐き捨てるように言葉を紡ぐDさんに、骸は小さく笑い声を漏らすだけで答える。

 笑った骸からは、サブはお前の方だと言うDさんに対する敵意が混ざった感情が流れ込んできたため、止めたはずなんだけど・・・・・・と思わずチベスナみたいな顔をしてしまったのは仕方ないと思いたい。

 

「では、僕は一旦失礼します。必ず戻ってきますから、嫌だと思いますが、D・スペードとお留守番をお願いしますね?」

 

「わたし、子供じゃなーい。」

 

「今の僕から見たら、奈月は幼子と変わりませんよ。」

 

「それ、幼子に欲情する変質者ですと公言しているものですよ。」

 

「は?あなたに言われたくありませんが、ロリコンストーカーマフィアさん?」

 

「なんですって?」

 

「・・・・・・喧嘩すんのやめてもらえる?」

 

 火花を散らしながら言葉の応酬を繰り広げる霧属性2人組にツッコミを入れながらも、脳裏に白蘭の姿を思い浮かべる。

 悲しみに暮れて絶望を宿している紫色の瞳・・・・・・それを払拭することが、わたしが呼び出された理由なのだろうか・・・・・・。

 

 

 




 沢田 奈月
 2人の霧属性に挟まれ、除湿機くれと切実に思いながらチベットスナギツネ顔になっていた幼き蒼穹の女王。
 白蘭の言葉や、未来の自分からの手紙により、彼がパラレルワールドを把握していることに確信を抱く。

 六道 骸
 非常なまでに不本意だが、情報収集のために、一時的に女王の精神の防人を始まりの霧に託した大人に成長済みの霧の守護者。
 10年経った先でも、奈月の自由を望んでいるため、マフィアに引き止める側であるDに対してめちゃくちゃ刺々しい上、邪魔だと思っている。

 D・スペード
 情報収集のために、繋がりを弱くしなくてはならない女王の霧より、一時的に少女の精神の防人を頼まれた始まりの霧。
 失踪事件、および、六道骸と言う存在と過ごしていた時の穏やかさを大切にしている奈月に対して、追い詰めてしまったことへの後悔と、それはそれとしてナツキとイチャつくなと言う嫉妬を骸に向ける。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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