最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 2人の霧に挟まれながらも、幼き女王は情報を得る。
 目覚めとともに、女王が耳にしたのは、一つの緊急要請だった。


 更新再開です!


緊急要請

 骸とDさんが湿度を全開で上げてくる加湿器なりつつある中で、呆れながらも過ごす時間。

 しかし、不意に感じ取ることができた意識を引っ張られる感覚により、わたしは何度か瞬きを繰り返した。

 

「あ、目を覚ます時間が来たみたいだね。」

 

「もう行ってしまうのですか、ナツキ?」

 

「うん。まぁ、わたしは現実の方でも動かないといけないからね。骸も、そろそろでしょ?」

 

「ええ。残念なことに、僕もそろそろ動く時間のようです。」

 

 小さく呟くように言葉を口にすれば、Dさんが心底残念そうな声音で言葉を紡ぐ。

 現実でも動かないといけないからとすぐに告げれば、彼はしゅんとした表情を見せながらわたしを見つめていた。

 

「奈月。場合によっては、外に出なくてはならないかもしれませんから、気をつけてくださいね。現在、イタリアだけでなく、日本の方にもミルフィオーレファミリーの連中は足を運んでいます。

 先程の記憶にいた入江正一と言う男も、日本にあるメローネ基地に足を運んでいるので、彼らに見つかったら、どのような目に遭うかわかりません。」

 

「・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・。」

 

 骸から告げられた、入江正一と言う言葉に、わたしは思わず少しの間、頷くことを躊躇った。

 わたしがよく知る正一君は、マフィアとは関係ないところで過ごしていた友人なのに、なぜ、彼がマフィアに関わることになってしまったのか分からなかったために。

 

「・・・・・・正一君は、なんでミルフィオーレファミリーに入っちゃったんだろ・・・・・・?」

 

「・・・・・・・・・そうでしたね。奈月は、彼と友人関係を築いていましたし、疑問に思ってしまうのも、仕方ないことかもしれません。」

 

 ポツリと呟いた言葉に反応したのは骸だった。

 彼は、困ったような小さな笑みを浮かべて、わたしの方を見つめてくる。

 

「どうやら彼は、白蘭からかなり期待されている人間のようです。ただ、こちらもまだ、情報を完全に把握しきれている状態ではなく、僕からは何とも言えません。

 一応、探るつもりではあります。奈月の友人である存在が、なぜ、白蘭が率いる組織にいるのか、自ら組織に属することを選んだのか、それとも、脅されているのか・・・・・・。

 まだ、明確な情報を会得することはできていませんからね。友人であるとは言え、入江正一に対する警戒は強めてください。わかりましたね?」

 

 骸の問いかけに素直に頷けば、彼は口元に笑みを浮かべ、「いい子ですね。」と一言口にする。

 同時にわたしの意識は強く外側に引っ張られる感覚を覚え、精神側の自分自身は、強い眠気に襲われる。

 

「そろそろ・・・・・・限界っぽいね・・・・・・。骸。無茶だけはしないでね・・・・・・。」

 

「ええ。あなたの仰せのままに。おやすみなさい、奈月。起きたらアルコバレーノ達に知らせてくださいね。」

 

 骸から穏やかな声音で挨拶を紡がれると同時に、精神世界のわたしの意識は完全にシャットダウンされる。

 ふらりと体が傾き、地面に倒れ込みそうになる中、わたしの鼻腔を、骸の匂いが優しく掠めた。

 

 

 

 

 

 

          ❀

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・意識の浮上と共に、静かにわたしは目を開ける。

 視界に映り込んだのは、見慣れない天井・・・・・・しかし、すぐに自身が過ごすことになった未来のボンゴレファミリーのアジトの自室であることを認識し、ゆっくりと体を起き上がらせる。

 ふかふかなベッドの上に座り込み、その場でぐっと背中を伸ばし、眠っている間に少し固まってしまった筋肉をほぐせば、頭も体もスッキリした。

 

「ん・・・・・・コーヒーの匂いがする・・・・・・」

 

 同時に感じ取れたコーヒーの匂いに意識を向ける。

 今日もリボーンが一緒に寝ていたはずだから、彼がコーヒーを勝手に淹れているのだろう・・・・・・とすかさず判断したわたしは、ベッドの横に並べていた靴に足を下ろし、ささっと履いた後、寝室から広間へと顔を出せば、予想通り、部屋にある簡易キッチンでコーヒーを淹れているリボーンの姿があった。

 その姿は呪解をした本来の年齢のままのもので、どうやら、わたしの棺桶の中に入っていたブレスレットは、長期間呪いを解除できるものだったようだ。

 

 ・・・・・・コーヒーを淹れている様子のリボーンの背中は、なんとなく真剣であることがわかり、本当に淹れ方に関してこだわりが強いのだと感じ取ることができる。

 そんなことを思いながら、そろりそろりとリボーンの方へと足を進めた。

 まぁ、彼のことだから、わたしが近づいてきていることなど把握できているのだろうが、気づいている上でこちらに反応をしないと確信することができたのだ。

 

「・・・・・・起きたみてーだな、桜奈。」

 

 気づいている様子のリボーンの背後から近寄り、腰に腕を回して抱きついてみれば、彼は特に驚いた様子を見せることなく話しかけてくる。

 視線を上に向けてリボーンと目を合わせれば、やっぱりくっついてきたかと言わんばかりに穏やかな笑みを浮かべた端正な顔が視界に入り込む。

 軽く背後を見るように首を傾け、流し目がちに軽く目を細めた笑みは、かなり珍しく、同時に不思議な色気を感じてしまい、軽く見惚れてしまう。

 

「うん。今起きた。コーヒー淹れてるの?」

 

「ああ、見ての通りだぞ。お前も飲むか?」

 

「ん。飲む。」

 

 だけど、それは表情に出さないように、リボーンが淹れたコーヒーを飲みたいことを告げれば、彼はそれを承諾するように小さく頷き、コーヒーを淹れ始める。

 その動きを見つめながら、無言になるが、ふと、自身の視界に入り込んだ腕に思わず目を止めてしまう。

 

 スーツのジャケットは羽織っておらず、下のシャツだけ。首元のボタンは外されており、鎖骨や喉仏、わずかな素肌がはっきりと見えている。

 同時に、彼はシャツの袖を軽く折って腕まくりしており、程よく鍛えられてしっかりと筋肉がついている腕が表に晒されていた。

 少しだけ血管も浮いていて、だけど、ガッチガチの筋肉質というわけではなく、これが細マッチョと言うものなのだろうと考える。

 

「・・・・・・おい、くすぐってーだろ。何してんだお前は。」

 

「だって目の前に細マッチョの腕があるんだもん。気にならない方が無理だよ。」

 

 冷静にそんなことを考えながら、さわさわとリボーンの腕を触っていると、呆れと愛しさが含まれた声音で話しかけられる。

 見事なまでの細マッチョな腕が目の前にあったら気にならない方が無理と返せば、リボーンは少しだけ無言でこちらを見つめた後、ニヤリと口元に笑みを浮かべた。

 

「そんなに見てーなら、存分に見せてやろうか?なんなら、軽く脱いでやってもいいぞ。」

 

 囁くように告げられた言葉に、わたしは一瞬固まる。

 しかし、言われた言葉の意味を理解した途端、顔に熱が上がってくる感覚に見舞われ、すかさずリボーンから離れた。

 

「何言ってんのバカ!!」

 

「CHAOSだな。冗談に決まってるだろ。まだ、な。」

 

「まだって言ったよね今!?スケベ!!」

 

「先に触ってきたのはそっちだぞ、スケベ。」

 

「っ〜〜〜〜!!」

 

 揶揄うような口調で、しかし、「まだ」という一言に含まれた本気に気づいたわたしは、恥ずかしくなってリビングにあるソファーに座り込み目を逸らす。

 くつくつと喉を鳴らすような笑い声が鼓膜を揺らし、リボーンが楽しんでることをすぐに把握したわたしは、ムスッと軽く頬を膨らませ、長いソファーにあるクッションに顔を埋めるように寝転んだ。

 

「・・・・・・CHAOSだな。恥ずかしがるくらいなら、触らなきゃよかっただろ。」

 

「むぅ・・・・・・だって普段隠れてるちょっムキっとした男性らしい腕見たらどうしてもそっちに目がいくんだもん・・・・・・」

 

「ほう?低露出と言うよりは、ほのかに露出されてるのがお好みってことか。」

 

「ちーがーうー!!」

 

「顔が赤くなってるから隠し切れてねーぞ。」

 

 楽しげな声音でこちらに話しかけながら近寄って来るリボーン。

 程なくして、ソファーの近くにあるテーブルの上に、コトン・・・と小さな音を立てて、マグカップが一つ置かれる。

 のそっと顔をゆっくり上げれば、テーブルに置かれたマグカップの中で、ミルクが加えられたあとのコーヒーが揺れていた。

 

「オレの部屋にあったコーヒー豆をブレンドしたもんだが、流石としか言いようがない品揃えだったぞ。

 少しだけ深煎りで淹れてるから、ちと苦めだが、普通にエスプレッソを飲める桜奈なら、問題なく飲めるはずだ。」

 

「・・・・・・ん。ありがと、リボーン。」

 

 置かれたマグカップを受け取り、少しだけ冷まして口をつければ、リボーンが言っていた通り、少しだけ苦めのブレンドだった。

 だけど、ミルクを加えてくれているからか、まろやかさもしっかりとあり、とても飲みやすいものとなっている。

 

「ん・・・・・・おいしいね、これ。」

 

「お気に召したようで何よりだ。」

 

 用意されたコーヒーを飲みながら、先程までの羞恥心を落ち着かせ、同時に若干眠たさが抜けきっていない状態から脱出することを試みる。

 程なくして、ある程度目を覚ますことができたわたしは、隣に座ってコーヒーを優雅に飲むリボーンへと視線を向けた。

 

「リボーン。骸が精神世界で接触してきたんだけど、ちょっと話を聞いてくれる?」

 

「!・・・・・・ああ。少しでも情報が集まるなら、それに越したことはねーしな。」

 

 “まぁ、毎回お前の精神世界に入り込まれるのは癪だけどな”・・・・・・と軽く嫉妬心を見せるリボーンに、苦笑いをこぼしながらも、わたしは、骸が見せてくれた彼の調査記憶を伝える。

 

 白蘭は現在、キャバッローネファミリーに襲撃を仕掛けており、ディーノさん達とその部下がこう着状態で睨み合いをしてる状態であること。

 わたしの方についているマフィア連合メンツが、思いの外粘っている状態にあること。

 ミルフィオーレファミリーに、なぜか正一君が身を置いている状態であること。

 骸は、正一君が自ら白蘭についたのか、それとも脅されて身を置くようになっているのか、何か狙いがあって入り込んでいるのか調査してくると言われたこと。

 そして、やはり白蘭はわたしに執着しており、同時に、関わりがあることを仄めかす発言を漏らしていたこと・・・・・・。

 

 一つ一つ、記憶に含まれていることをリボーンに話せば、彼は無言で話を聞き、最後まで耳を傾けた後、小さく頷いた。

 

「・・・・・・なるほどな。どうして白蘭が完全降伏を求めて声をかけていたのかわからなかったが、桜奈との関わりがある人間だったのか・・・・・・。」

 

「うん。だけど、未来のわたしの手紙にそのことは書かれていなかった。だとすれば、あとは白蘭だけがわたしを知っていると言う可能性しか残らない。

 恐らくだけど、白蘭は別の世界線のわたしと関係があったんじゃないかな?それこそ、わたしとは敵対したくないと口にしてしまう程親密な位置に。」

 

「・・・・・・可能性としてはあり得るな。だが、そうだと断言するには、情報がまだ少ねーか。」

 

 リボーンの言葉に静かに頷く。

 わたし自身は、骸の記憶や、骸が見てきた景色から、彼の感情が本心からのものであり、同時に何かに苦しめられている状態であることを、白蘭の表情から感じ取ることができたが、リボーンは白蘭と言う存在自体に会ったことがない。

 だからこそ、彼にとっては断言するには不足したパズルとしてしか認識できていないため、確信まで行くことができない。

 

「ただ、まぁ、表に出た際、ミルフィオーレファミリーは確実にわたしとの接触を図り、最悪、攫うことも視野に入れてくると思うよ。

 でも、現状からして、わたし自身が全く動くことなく、待機し続けるわけにもいかないからどうしたものかと思ってるよ。

 リボーンに護衛してもらうことはできるけど、いつ、そのブレスレットの効力が切れるかもわからないし。」

 

「・・・・・・だな。片方の効力が切れた場合、動けなくはないが、万全な状態でもないのは間違いねーからな。

 桜奈1人を守り抜くことくらいは余裕でできるだろうが、長時間の戦闘に移行された場合はどうなるかわからねーぞ。」

 

「・・・・・・それでも余裕で守り抜ける範疇であると予測できる時点でだいぶバケモノ染みてるよ?」

 

「CHAOSだな。オレを誰だと思ってるんだ?」

 

「ボンゴレファミリー直属の最強の殺し屋さん。」

 

「そう言うことだ。桜奈1人を守り抜く余裕はいくらでもある。だが、他の連中の支援まではできねーから、戦闘を避けるに越したことはねーな。」

 

 リボーンの言葉に、小さく頷き返しながら、手に持っているマグカップに口をつけてコーヒーを飲む。

 少しだけ、相手のことがわかったところで、現状をひっくり返すための手段を見つけることができない以上、自分達にできることはわずかなことだけだ。

 でも、動き回ることができない以上、骸が情報を拾ってくることを待ちながら、Dさんの回復が早まることと、バラバラに動いているみんなの早めの合流を祈るしかない。

 

 そんなことを考えていると、辺りにけたたましい警報と思われる無機質な音が響き渡る。

 リボーンが警戒するように、自身の拳銃を手に取る様子を視界の端に捉えながらも、警報が聞こえてくる方角へと視線を向ければ、スピーカーを通した声が聞こえてる。

 

【ナツ!!リボーン!!ラル!!休んでるところ悪ぃが、すぐにモニター室まできてくれ!!

 緊急のチャンネルに信号を感知した!!表に出てる身内がいたみてーだ!!早く!!】

 

 それは、緊迫した様子の父さんの声だった。

 表に身内に含まれている人がいた・・・・・・嫌な予感を抱きながら、わたしとリボーンは顔を合わせて頷き合う。

 味わってる暇はないと、手にしていたマグカップの中に入っていたコーヒーを一気に飲み干して、流しの方へと置いたわたし達は、いつでも動けるようにと着ていた服のシワを簡易的に伸ばしたのち、隼人達に事前に教えてもらっていたモニター室へと向かうために、部屋を急いで飛び出した。

 

 

 




 沢田 奈月
 割と細マッチョが好きな幼き蒼穹の女王。
 心を許しているためか、リボーンに対してくっつきに行ったり、スキンシップを図ってみたり、彼の腕に触れてみたりと無意識に動くことがある。
 骸からの情報を共有する中、緊急の連絡が入ったため、急いでリボーンと共に部屋を出た。

 リボーン
 呪解状態が未だに続いている最強の名を冠するヒットマン。
 心を許してくれたことにより、定期的に最愛の女王からスキンシップを行われるようになった上、自身の腕のチラリズムに意識を持ってかれて触ってきていた彼女に一瞬理性が揺らぎ、同時に軽く意地悪したくなった。
 骸からの情報を共有されていたところ、緊急の連絡が入ったため、奈月と共に部屋を飛び出した。

 六道 骸(10年後)
 最愛の女性の精神世界に足を運び、情報を提供した霧の守護者たる青年。
 無茶はしないでと、心から心配して見つめてきた奈月に、承諾の言葉を返し、情報を集め終えたり、自身の潜伏がバレそうになったりした場合、すぐにその場を離脱することを約束した。

 D・スペード
 今を生きる最愛となった幼き女王から、手札の一つとして認識されており、本人も手札になることを喜んで行う始まりの霧の青年。
 しかし、まだ回復はしきれていないため、彼女のためにできることが限られてしまっているため、歯痒い思いをしている。


ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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