最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 救助のために向かった場所で、ブラックスペルと鉢合わせる女王達。
 敵対者には容赦しない・・・・・・幼き女王は、自身の居場所と、大切な人々を守るために武器を取るのだった。



貝の親子は共闘する

 一時的な幻術により、動きを封じられたブラックスペルに所属する男、太猿は、目の前に現れた2人の大空に焦りの表情を浮かべる。

 レアな存在とされている大空の波動。大概のマフィアは、余程の存在でなければ宿すことができない、珍しい波動。

 そのような存在が、2人も揃っており、自身と対峙してくる・・・・・・それだけでも滅多に起こり得ることがないため、驚いてしまうが、それ以上に、太猿は表情を歪める事態となっていた。

 

 ─────・・・・・・何なんだコイツら・・・・・・!!大物だと思っていたボンゴレの雨の守護者以上に、やべー奴らじゃねーか!!

 

 冷や汗をかきながら、太猿は目の前で繰り広げられる光景に目をやる。

 そこでは、あまりにも厄介で、自身のレベルで追いつくのかと思ってしまう程の状況が起こっていた。

 

 まず、太猿は目の前にいる小柄な少女の姿を視界に入れる。

 オレンジ色の死ぬ気の炎を灯し、眩いばかりの光と強い意思を、琥珀色の瞳に宿している少女だ。

 

 その少女は、少女と言うだけあって、攻撃力はそれなりに低い。

 しかし、彼女はそれを理解しているからか、死ぬ気の炎の推進力を合わせたスピードによりかかる圧力を以て、一撃一撃を重たいものへと変えてきていた。

 だが、驚きを抱いてしまったのはそれだけが原因ではなかった。

 

 太猿の視界に、少女の身の丈に合わない大きさと鋭さを併せ持つ銀の大鎌が映り込む。

 自身が手にしている大鎌に比べたら小さめではあり、無骨ではなく、どこか気品すら感じるような見た目をしたそれは、死ぬ気の炎を確かに宿していた。

 放たれる斬撃は全て鋭く、明らかに熟練されたものであり、隙間なく自身を狙って連撃として放たれる。

 

 ─────・・・・・・どうなってんだ、このガキは!!

 

 不釣り合いな程の大きさの差があると言うのに、大鎌の遠心力に振り回されることもなく、大鎌だからこそあるはずのデメリットさえも打ち消す子供・・・・・・それは、屈強な肉体を持ち、タッパも幅もある太猿からしたら脅威でしかなかった。

 何故なら、大空の属性の波動を元に、死ぬ気の炎をゆらめかすそれによる連撃は、連続させ、尚且つ隙など作り出すことなく放たれてしまい、太猿は防衛に回らざるを得なかったために。

 

 ─────・・・・・・くそ・・・・・・っ・・・・・・!!ここは一旦野猿と合流して・・・・・・!!?

 

「よう。どこ行くんだい、兄ちゃん?」

 

「な!?ぐはっ!!?」

 

 連携が必要だと判断し、太猿はその場から離れようとするが、それが叶うことはなかった。

 少女の連撃を防ぎ、隙を見出すことに集中し過ぎていた彼は、もう1人に意識を向けることを怠ってしまったのだ。

 

 まるで、知り合いに軽く話しかけるように、飄々とした声音で話しかけてきた男・・・・・・沢田家光が、その死角を縫うようにして移動し、太猿の鳩尾を勢いよく殴りつける。

 その一撃は、鉄球をクレーンで叩きつけられたのではないのか錯覚してしまうほどに重いもので、軽々とガタイのいい太猿を吹き飛ばしてしまった。

 

 あまりにも強烈な一撃に、太猿はその場で呼吸を詰まらせる。しかし、すぐに、空中で体勢を立て直し、迎撃のために武器を手にする。

 

 ─────・・・・・・こいつは確か・・・・・・!?

 

 その瞬間、太猿は目の前にいる男の顔を見て目を見開く。

 上から見つけた場合、瀕死にしてでも連れてこいと指示された、門外顧問の男と同じ顔立ちをしていたために。

 

 ─────・・・・・・沢田・・・・・・家光!!ボンゴレ10代目の実父で、門外顧問をやってるやつじゃねぇか!!

 

 表にいる雨の守護者である山本武と、目の前にいる門外顧問、沢田家光。

 2人目の大物に驚いた太猿だが、すぐに意識を切り替える。山本武と沢田家光・・・・・・このような2人と見えることになるとは思いもよらなかったが、自身に与えられた任務を遂行することができると思えば、運がいいとしか言いようがなかった。

 

 だが、そのような考えをしていようとも、太猿自身は、自分が明らかに不利な状況にいることを感じ取っていた。

 何故なら、沢田家光の実力は、把握することができてはいるが、それ以上の力を発揮する可能性も示唆されているために。

 

 ボンゴレのボスと言う立場ではないにせよ、門外顧問であるにせよ、目の前にいる男は、明確なボンゴレの血縁だ。

 行方知れずとなり、ミルフィオーレ総出で探し出そうとしているボンゴレ10代目、沢田奈月自身、未知数の能力があるとされ、実際、知識として彼女のことを把握することができていたとしても、思わぬところに手札を隠し持っており、全て把握することができないとされている“ボンゴレの女王”(クイーン・オブ・ボンゴレ)の名を持つドンナは、畏怖の対象でもあった。

 そのような存在の親族・・・・・・さらに言うと、実父と言う肉親が、何も持ち得ない存在ではないと、本能的に感じてしまっていた。

 

 ─────・・・・・・大物取りで間違いはねぇが・・・・・・厄介以外の何者でもねぇ!!早く野猿と合流をしねぇと・・・・・・!!

 

 太猿の中には、任務が遂行できる喜びはなかった。目の前にいる、畏怖の女王の肉親である存在に対する警戒心しかなかった。

 何としても、連携を持って押し返せねばならない・・・・・・そのように考えるが、行動に移すことがなかなかできなかった。

 

「くっ・・・・・・そがぁ・・・・・・!!何つーパワーしてやがんだこのジジイは!!」

 

「ジジイとは失礼な野郎だな。確かに、オレはもうアラフィフだが、まだまだ現役だっつーの!!」

 

 何故なら、家光の攻撃はあまりにも一撃の一つ一つが重かったのだ。

 体術を基準として放たれる攻撃は、どれも自身が防ぐのに手一杯のものだった。

 

 ─────・・・・・・直撃を食らっちまったらまともに戦えねぇ!!武器で防御しても痺れが発生しやがる!!

 

 幸いなことに、連撃を得意とする少女程、対処できないわけではなかった。

 隙など全く生むことのない、浴びせかけられたと言っても過言ではない連撃とは違い、ところどころに隙があったのだ。

 太猿は何とかそこを定めて攻撃を放ち、反撃の姿勢を取ることもできる・・・・・・これならば、耐え忍ぶことも、一撃を与えることも可能だと彼は考えていた。

 虎視眈々と狙えばいい・・・・・・そのように考えながら、防戦を張りつつ、家光の隙を探し出す。

 

 その考えを・・・・・・目の前にいる男に把握されているとは思わずに。

 

 

 

 

 

 

 

 ─────・・・・・・あーらま。すっかりとこっちの思惑にハマってやがんな、コイツ。

 

 明らかに自身の隙を狙うようにして防戦を張る敵対者・・・・・・太猿を見つめながら、家光はやれやれと言わんばかりに内心で呟く。

 目の前にいる男に対して、わざと瞬時にリカバリーが可能な隙を、自ら見せつけるようにしながら。

 

 ─────・・・・・・いやはや・・・・・・本当にオレには残り滓みたいな鋭いだけの勘しか残ってねぇと思ってたのに、こうも娘をサポートするには、どうすればいいかって答えが出やすくなるとはなぁ・・・・・・。

 

 苦笑いをこぼしたくなりながらも、家光は攻撃の手を緩めない。

 彼の脳裏に浮かぶのは、昔から行ってきた動体視力を用いた行動の読みではなく、複数の解決策の瞬時浮上と、最適解を選び取るための光の一筋。

 

 ─────・・・・・・まぁ、多分、ナツや9代目、プリーモレベルのもんじゃねぇけど、複数の解の浮上と、最適解を見つけ出すスピードが明らかにおかしいだろ。なんで、こうもぽこぽこと解答が出てきて、それを選び取れるんだよ・・・・・・。

 

 沢山ある道と、答えへと導くためのシルベの光・・・・・・その光を掴み取るようにして伸ばした手は、次々と先の解答を提示してくる。

 その解答に合わせるように、自身の攻撃を放ち、その解答に合わせるように、わざと隙を晒す・・・・・・同時に攻撃動作を把握した瞬間、家光はその場で素早く姿勢を低くし、目の前にいる太猿の顎目掛けて、重い強蹴を叩きこんだ。

 

「が!?」

 

「やれ!!ナツ!!」

 

「ええ。ていうか、わざと隙を見せるのやめていただけませんか?危なっかしくてストレスでしかないのですが?」

 

「それはすまん!!謝る!!」

 

 家光の蹴りをくらい、上空へと蹴り上げられた太猿。

 そんな太猿の上には影がかかり、すかさず太猿は視線を上に向けた。

 そこには、大鎌ではなく槍を手にした琥珀色の少女の姿が映り、太猿は大きく目を見開く。

 

「攻撃を仕掛けてきたのはそちらですから、強烈な一撃を喰らわされても文句は言えませんよね?」

 

 目の前に現れた少女は、槍を構えて勢いよく刺突を放つ。

 反射で太猿は大鎌を使って武器を防ぎ、貫かれることは耐え抜くが、少女の矛先が触れたその大鎌は、一瞬にして凍結する。

 

「な!?オレの炎が!?」

 

「驚いてる暇はないでしょう?隙だらけですよ。」

 

「ふんぐぉ!!?」

 

 そのことに目を見開て固まった太猿だが、その意識はすぐに痛烈なまでの痛みにより引き離されることになる。

 下半身から貫くような、声にすることすら不可能なまでの激痛・・・・・・一瞬だけ視界に入り込んだ自身のソコには、容赦無く少女の足が叩き込まれており、自身がとんでもない攻撃を受けてしまったことを把握するのに時間は掛からなかった。

 受け身すら取ることができなくなった太猿が地面に落下する中、彼は再び鋭い一撃を腹に叩き込まれた。

 駆け上がるような吐き気と共を感じる中、視界に映り込んだのは、門外顧問のオレンジの炎。

 叩き込まれた一撃により、強制的に地面へと叩き落とされた太猿は、その場で軽く嘔吐し、グラグラと揺れる視界に、自身の敗北を悟る。

 

 同時に太猿は無理やり上を向かされた。彼の目の前には金色の髪を持ち合わせる少女の姿が現れる。

 だが、その少女の瞳にあったはずの、眩いばかりの琥珀色は、寒気を催すほどの深海を思わせる紺碧に塗りつぶされており、その右目には、怪しい光を放つスペードマークが浮かび上がっていた。

 

「武器を手放しなさい。あなたは敗北したのですから。」

 

 悪寒がする程の寒気を伴った声音に、太猿はまるで凍らされたかのように動きを止める。

 そして、だらんと両腕を力無く垂れ下げ、手にしていた大鎌を手放した。

 

 

 

 




 沢田奈月
 連撃を中心に、隙間を作ることがない攻撃をメインとする幼き女王。
 相手が男であり、敵対するのであれば、容赦無く弱点を蹴り上げて再起不能に追い込む節がある。
 D仕込みの大鎌使いにより、太猿を追い込んだのち、自身の内側にいるDに一時的な精神の主導権譲渡を行い、マインドコントロールにて戦意を奪い取る。

 沢田家光
 10年の月日により、超直感が鋭くなってしまった門外顧問。
 相手の動きを上回る最適解の浮上、選択、新たな解答の浮上が繰り返される状況に、最適解を得ることができるのは助かるが、これ、割と神経使うな・・・・・・と頭を抱える。
 愛娘が容赦無く男の尊厳を蹴り上げて行動不能に陥れる女王となっているため、顔を真っ青にする。
 ・・・・・・娘を怒らせてはならない・・・・・・・・・(ガタガタガタガタ・・・)

 太猿
 連撃と重撃のどちらも対処しなくてはならなくなり、不利な状況を押し付けられてしまったブラックスペルの青年。
 股間に対する強撃と、それにより入った精神的なダメージにつけ込まれ、マインドコントロールによる戦意喪失を強制される。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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