最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 自身が慕い、大切に想う幼き女王と、その父親たる門外顧問が戦闘に向かう中、女王の嵐たる少年は、自身の覚悟を指輪に焚べる。



 更新再開します!
 ただ、これまで以上に1話1話をコンパクトにするので、ボリュームがかなり下がります・・・汗
 ご理解のほど、よろしくお願いします。


嵐の覚悟

 目の前で行われた女王の幻術。

 ガラスや水晶のような球体に閉じ込められた霧のようなインディゴの炎が、球体が破壊されると同時に放ったそれは、目の前にいた青年、野猿の動きを確実に鈍らせた。

 

「流石って感じだな。ナツは、昔っから、自分が大切にしてるやつを、自身の居場所を壊されたくないからって理由から、守るために動こうとするんだからさ。

 何回、ナツに守られたかわかんねーや。オレ達が守ろうと強くなろうとしても、いっつも先に行っちまうしな。

 無茶だけはしてほしくねーって言っても、ナツはいつも自身を上へ上へと押し上げるように、力や知識を身につける。

 大人しく守られてくれねーってのはナツの魅力だけど、先々前に行ってほしくねーなってのが本音だよな。」

 

「・・・・・・ああ。オレ達はいっつも、奈月さんに守られてる。それは、オレもはっきり自覚してる。」

 

 果ての未来・・・・・・どこからともなく飛んできた10年バズーカの弾丸に撃たれ、ボンゴレファミリーがかなり危ない状況に陥っている・・・・・・そんな話を聞いたのは、つい最近のこと。

 自分より先に飛ばされてしまっていたボンゴレの10代目のボスとして名を挙げられ、それを引き受け、9代目からもそれを認められた正統後継者たる女王、沢田奈月は、自分より先に未来へと飛ばされ、それを知ることとなった。

 

 ボンゴレファミリーがどれだけ強大なファミリーであるかを知っていた獄寺は、あり得ないと最初は思っていたが、未来で合流した奈月は、それが現実であると受け止めた上、目の前にいる未来の山本に教わるでもなく、身につけていたボンゴレリングに死ぬ気の炎を灯した。

 当たり前のように炎をリングに灯す彼女の姿を見て、自身が側に行く前に現実を受け止めて、覚悟を決めていたのかと思うと、早く合流すればよかったと後悔せずにはいられなかった。

 

「・・・・・・獄寺。」

 

 少しだけ下を向き、無言になっていた獄寺。そんな獄寺に対して、山本が静かに声をかける。

 山本の声を聞いた獄寺が顔を上げると、彼は口元に笑みを浮かべて獄寺を見据えていた。

 

「10年経ってもナツに追いつけてねーオレが言うのもあれだけど、10年前のお前なら、これから先追いつけるかもしれねーだろ?だからさ、後悔する前に、まずはナツに追いついてやろうぜ。

 だってナツは、今も昔も変わらず、1人で抱え込みがちなんだからさ。だったら、まずは追いつけるように動くのが先だろ?」

 

「!」

 

 山本の言葉を聞き、獄寺は一瞬だけ目を見開く。

 しかし、すぐに翡翠のような瞳に鋭い光を宿し、その場で小さく頷いた。

 

「お前に言われなくてもわかってる!!こっちのオレやお前が追いつけていねーなら、オレから追いつけるようにしてやるよ!!」

 

 いつもの態度で言葉を返し、獄寺は自身の首から下げていたボンゴレリングを指に嵌める。

 ただ嵌めただけのリングに、炎が灯ることはない。しかし、獄寺はすぐにその場で目を閉じ、先程山本から告げられた、覚悟を炎にと言う言葉を頭に過らせた。

 

「が・・・・・・はぁ゛・・・・・・・・・!!!!な、なんだったんだよ今の!!まさか、あの女、術士かなんかだったのか!?でも、こんな強力な幻術を使ってくるやつなんて、あまり聞いたことねーぞ!!」

 

 不意に、そんな獄寺の耳に、野猿の焦りの声が届く。

 すぐにそんな野猿に獄寺は視線を向けるが、野猿は肩で息をしながらも、すぐに獄寺たちを見据えて手にしていた鎌を握りしめる。

 

「だが、まぁいい!!めんどくさい術を使ってくる女は太猿の兄貴が始末してくれるだろうしな!!」

 

 明らかな戦闘態勢に気づき、獄寺は自身の指に嵌めたリングへと目を向ける。

 その瞬間、彼の脳裏には、一つの言葉がよぎった。

 

 

 

 ───────────────

 

「私のことが好きだとハッキリと口にすることができるのなら、自身の命を軽々しく扱って、私のためだなんだと言って手放さないでよ。」

 

「そんなことされても全然嬉しくないし、世界でたった一つしかない、価値をつけることができない宝物を失って、冷たくなってしまった隼人の姿なんて見たくないからさ。」

 

「だからさ・・・・・・わたしが君の想いに対する答えを出して伝えることができるように、わたしのためにも生きてよ、隼人。自身の命を軽々しく扱わないで、自身の命を大切にして。」

 

「わたしのことを守ろうとしてくれているその気持ちは、すごく嬉しいことだけど、自身のその命を大切にして、いつか未来で出すことになるであろう君の想い(恋慕)に対するわたしの答えを聞いてくれる方がもっと嬉しいから。」

 

「わたしのことを守るために、命を賭して戦うのではなく、わたしのために生き抜いて。」

 

「それとも君は、わたしを守ると言って命を捨てて、わたしに癒えない傷を残すつもりなの?」

 

「これから先、過酷な争いに苛まれて、追い詰められることになろうとも、命を賭して戦うのではなく、命を守り、生き抜くために、わたしを連れて遠くへと逃げて。逃げることは間違いじゃない。必要な時は逃げてもいいのだから。」

 

「敵前逃亡と戦略的撤退は別物だ。避けられない争いが訪れて、わたし達を消そうとしても、生きるためにもわたしと足掻いて。」

 

「これは、ボスとしての“私”の命令であり、君と一緒に未来を切り開いていきたい“わたし”の願いだよ。」

 

 

 ───────────────

 

 

 

 ヴァリアーとの戦いの前に、奈月から告げられた穏やかな言葉。

 その言葉を改めて思い出し、獄寺は鋭い光を宿す翡翠の瞳を瞼で覆い隠す。

 

 ─────・・・・・・もちろんです。奈月さん。

 

 ─────・・・・・・オレは、もう二度と自身の命を投げ捨てるような戦い方はしません。

 

 ─────・・・・・・あなたの隣に立ち、右腕としても、一人との男としても、あなたと言う存在を支えるためにも。

 

 ─────・・・・・・あなたのような才能があるわけじゃないから、すぐに追いつけないかもしれない・・・・・・それはオレが一番理解しています。

 

 ─────・・・・・・それでも・・・・・・!!

 

「必ず、あなたに追いついてみせますから・・・・・・!!!!」

 

 呟くように、しかし、確かな決意を抱くように言葉を口にした瞬間、獄寺の指に嵌めてあったリングが鮮やかな赤色の荒々しさのある炎が燃え上がる。

 そして、燃え盛る赤を瞳に映し込んだ獄寺は、手にしていた匣に、その炎を流し込んだ。

 

 

 




 獄寺隼人
 奈月が離脱し、太猿に向かったことを確認したのち、野猿との交戦に向かった女王の幼き嵐。
 リングの争奪戦の時、奈月から告げられた言葉を思い出し、少しでも彼女に追いつけるようにと自身の炎を灯した。

 山本武
 奈月が離れたことを確認したのち、共に残った獄寺へと声をかけ、炎を灯すように声をかけた未来の女王の雨の守護者。
 過去の自身と入れ替わるカウントダウンは回っている。

 野猿
 女王の幻覚により、動きを封じられていたブラックスペルの青年。
 彼女がいなくなったのち、改めて獄寺たちとの交戦に向き合う。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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