最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
2025年 年末特別編
かなりの寒さを感じてしまうほどの大晦日。
ボンゴレ10代目の候補者たる少女、沢田奈月は、寒空が広がる真夜中に、並盛をゆっくりと歩いていた。
彼女の側には、いつも通りブレスレットを使って呪解しているリボーンと、彼女の霧の守護者である骸と凪、そして、彼女の父親と養子縁組を結んだことにより共に行動することが増えていた犬と千種が控えており、共に町の中を歩いている。
「うっへぇ・・・・・・なんれこんな寒い中神社なんか行くんらよ!!炬燵に戻りてェ!!」
「だったら犬だけ帰ればいいじゃないですか。僕は奈月と初日の出を見てみたいので行きますけど。」
「そうだぞ城島。騒ぐんならお前だけ帰れ。こっちはナツと初日の出を見るつもりで行くからな。」
「オレは骸様と奈月についていくし、帰りたければ帰れば?」
「私も、奈月と、骸様と一緒に行く・・・・・・。」
あまりの寒さに、暖かい部屋から出ることになった犬が、寒い寒いと文句を垂れる中、リボーン、骸、凪、千種の四人から、文句があるなら犬だけ帰れと呆れながら言い返される。
それを聞いた犬はその場で一瞬固まり、すぐにムスッとした表情をしながら歩き始めた。
一連のやりとりを見て、奈月は思わず苦笑いをこぼす。自身の周りにいる人間は、必ずと言っていい程に、誰かを雑に扱う傾向にあるなと思いながら。
「ごめんってば犬。帰ったら、下拵えを済ませておいた小豆でおしるこ作ってあげるから、ちょっとだけ我慢してほしいな?」
「!?本当か!?」
「うん。わたし、誤魔化すことはするけど、どっかの悪魔みたいな嘘つきじゃないよ?」
「絶対だかんな!!オレのお椀にはいっぱい注げよな!!」
「わかった。約束するよ。」
「よっしゃあ!それなら多少寒いので我慢できるびょん!」
「「単純・・・・・・」」
「現金ですねぇ、犬は。」
「全くだな。まぁ、どう見ても城島は花より団子タイプだし、あながち間違いじゃねーが・・・・・・」
周りから呆れの眼差しを向けられる犬だが、彼はそれに気づいていないのか、反応できるほど意識をこちらに向けていないのか、先程までの文句垂れとは打って変わり、上機嫌な様子を見せ始め、それに対する呆れの溜め息と苦笑いが複数飛び交った。
「お、ナツ!こっちだぜ!」
「こんばんは、奈月さん!お待ちしておりました!」
「極限に待っていたぞ、奈月!骸達も一緒なんだな!」
「・・・・・・賑やかになった・・・・・・・・・。」
「ナツさん!こんばんはー!」
「凪ちゃんも一緒だったんだね。こんばんは。」
不意に、奈月達に向けてかけられる声が聞こえる。
全員がその方角に視線を向ければ、そこには奈月のファミリーであり、嵐の守護者である獄寺、雨の守護者である山本、晴の守護者である了平、雲の守護者である雲雀、そして、奈月と凪の親友である、京子とハルの姿がある。
「隼人。武。こんばんは。随分と待たせちゃったね。」
「クフフフ・・・・・・まさか、雲雀恭弥もいるとは思いもよりませんでしたね。相変わらず奈月が関われば表に出てくるようで。」
「うるさいな。別にいいだろ?僕だって、奈月と一緒に過ごすことが好きだしね。ちょっとここは賑やか過ぎるけど。」
「だったらお帰りになられては?アレルギー反応が出ても知りませんよ。」
「帰るのはそっちだろ。あとそこ邪魔。奈月の隣は僕の特等席なんだけど?」
「何を勘違いしているのですか?奈月の隣にいられるのは僕の方ですよ。なんせ彼女の半身ですので。」
「は?」
「喧嘩なら買いましょうか?」
「いや、ここで喧嘩しないでよ骸。恭弥さんも、骸の挑発に乗らないでください。」
「「・・・・・・ふん。」」
ただ穏やかに挨拶を交わしていただけなのに、始まりそうになってしまった喧嘩をすかさず奈月が仲介すれば、彼女に止められた2人は、その場で同時にそっぽを向く。
何度も見てきたやり取りに、思わず奈月は溜め息を吐くが、すぐに視線を了平達に向けた。
「了平さんと京ちゃんとハルもこんばんは。すみません、いつも何かしら目の前で喧嘩が起こって・・・・・・」
「いいえ!気にしないでください、ナツさん!毎回それを華麗にビシッと止めるナツさんを見ることができるので、ハルはいつもキュンキュンしているので!」
「私も大丈夫だよ、なっちゃん!だってみんなのことをまとめてるなっちゃんはすごくカッコいいもん!カッコいいなっちゃんが見れるから、私は好きだよ?」
「相変わらず雲雀と骸は衝突するな。お前達2人も、奈月を休ませたいと思っているのであれば、極限に自重した方がいいぞ。」
「・・・・・・なんでしょうかね?彼に言われるとものすごくイラッとするのですが。」
「・・・・・・ちょっと、骸・・・・・・・・・」
「ものすごく癪だけど同感。」
「もう・・・・・・恭弥さんまで・・・・・・」
了平からの言葉にすかさず反応した雲と霧の2人組に奈月は呆れたような表情を見せながら、やれやれと言わんばかりに首を左右に振る。
一部始終を見ていたリボーンは、そんな彼女の様子を見つめながら、相変わらずだなと言わんばかりに肩をすくめた。
「ところでナツさん。ランボちゃん達がいませんけど・・・・・・」
呆れと苛立ちが交わる中、不意に、ハルが辺りを見渡しながら言葉を紡ぐ。
彼女の視界に映り込むのは、自分達と同じく初日の出を見ようと足を運んでいる人々と、自分を含めたいつメンのみ。
幼い姿をしている沢田家の居候達は、その場に1人もいなかった。
「ああ・・・・・・実は、最初はランボも行くって言ってたんだけど、日の出が上がる時間どころか、年越しまで起きることもできなくてね。ビアンキ姉さんと母さん、それと、一時帰国をしてる父さん達にちびっ子達は任せて、わたし達だけで来たんだよ。」
「ガキンチョ達は、すぐにエネルギーを消費して突然電源が切れるからな。流石に寝てるやつを起こすなんて発想はナツにねーから、初詣の時に、奈々と家光に連れて行ってもらうって話になったんだ。」
「なるほど〜・・・・・・確かにそれは仕方ないですね。」
「まぁ、リボーンの場合は、自分自身の経験則に基づいてるだろうけどね。」
「・・・・・・ナツ。そこはつっこむんじゃねー・・・・・・。」
奈月から、普段の自分のことをつつかれてしまい、リボーンは思わず渋い顔をする。
その表情は、一体いつになったら呪いが解けてめんどくさいエネルギー切れを起こさなくなるんだと言いたげで、彼の感情を表情から読み取った奈月は、苦笑いをこぼした。
「じゃあ、私達だけで初詣と初日の出だね!」
「うむ、そうなるな!では、極限に張り切っていくぞ!」
「ウゲェ・・・・・・なんれこいつこんなにうるへーんらよ・・・・・・」
「さっきの犬もこうでしたが?」
「さっきの犬もこうだったけど?」
「さっきの犬と同じだよ・・・・・・?」
「んな!?」
「CHAOSだな。自覚なしか・・・・・・」
「はいはい。じゃれあいはそこまでね。それじゃあ、行きましょうか。」
自身の周りが賑やかになる中、頭を切り替える指示をするように、奈月がその場で数回の手拍子で合図を出す。
それにより、彼女の周りにいたメンバーは、すぐに頭を切り替えて頷き、並盛神社へと向かうための道を歩き始める。
「ナツさんナツさん!ナツさんは、どんなお願いをするんですか!?」
「私も知りたい!教えて教えて!」
「ええ・・・・・・?お願いごとって教えていいのかな・・・・・・」
歩き始めると同時に、京子とハルの2人が奈月にお願い事は何にするのかを問いかけた。
奈月は、彼女達の期待に応えるべきか否かを考え込むように、その場で首を傾げた。
「ナツの場合は、願い事っつーよりは、来年はどうするかの決意表明みたいなもんだろ?だったら教えてもいいと思うぞ。口にすることで気が引き締まることもあるしな。」
そんな奈月をフォローするように、リボーンがすかさず声をかける。
彼の言葉を聞き、奈月は何度か瞬きをしては、言われてみればそうかと思いながら口を開いた。
「わたしは、怪我もなく病気にもならないようにして、大切な人達とたくさん楽しめる年にするって感じかな。あまり、ひねりはないけど。」
本当にありきたりの願望だな、と思いながら口にした言葉。
しかし、奈月の考えとは裏腹に、京子とハルの2人は、笑顔で奈月に視線を向ける。
「そんなことないよ!むしろなっちゃんらしいもん!」
「ハルの決意表明も聞いてください!新年こそは、ナツさんと沢山仲良くする!です!」
「あ、ハルちゃんずるい!私だってなっちゃんと沢山過ごすって決めてるんだから!!」
「負けませんよ〜?」
「私だって負けないもん!」
新年こそは、私が一緒に奈月といっぱい過ごす!友人同士でありながらも、彼女の側にいることが大好きな2人は、軽く火花を散らし始める。
「・・・・・・私も、奈月と一緒に、いろんなところにお出かけするつもりなんだけど・・・・・・・・・」
「はひ!?」
「凪ちゃんもなっちゃんと一緒に過ごしたいの?」
「うん・・・・・・。だって・・・私も奈月を独占したいから・・・・・・」
しかし、彼女達の耳に、新たな声が介入する。
それが、奈月の義理の妹となっている凪のものであるとすぐに判断した京子とハルは、驚いたように彼女を見た。
「むむむ!予想はしていましたが、ハルの方が絶対にいっぱい過ごしてやりますからね!」
「私がいっぱい過ごすの!ハルちゃん達とも沢山遊ぶけど、なっちゃんといっぱい遊びたいし!」
「ハルだってそうですからね!」
「私も負けない・・・・・・」
しかし、すぐに再び一緒に過ごすのは私モードに入ってしまい、3人揃って盛り上がり始めた。
「・・・・・・なんか女性陣間で妙な争い起こってんだけど。」
「そうか?極限に仲が良くて微笑ましいではないか!」
「ええ・・・・・・?」
「どう見ても嫉妬合戦じゃねーか・・・・・・芝生頭の目は節穴なんじゃねーか?」
「え?そうか?仲良くていいと思うけどなぁ。」
「お前もかよ野球バカ。」
一部始終を見つめていた奈月達は、一部を除いてそのやり取りに苦笑いをこぼしたり、呆れたりしながら、再び神社へと足を進めていく。
「そういえば、お前達はどうするのだ?オレはもちろん、極限に何事にも取り組み、ボクシングを広める!だ!」
「毎年変わんねーんだろ芝生頭!!」
「オレはやっぱ、ナツをしっかり守れるように力をつけて、勉強も頑張るってところっすね。まぁ、学生の間は自由にしていいって話だし、野球も頑張るけど!」
「んな!?奈月さんを守るのは右腕のオレの役目だって言ってんだろ!!絶対に奈月さんの命も、自分の命も守りながら、奈月さんの1番になるからな!!」
そんな中、次に口を開いたのは、獄寺、山本、了平の3人だった。
少々熱量がおかしいのが3分の2を占めているが、彼らのその決意は、相変わらずのブレのなさであり、奈月は穏やかに笑みを浮かべた。
しかし、彼女はすぐに真顔になる羽目になる。
「ナツをオレにハメて口説き落とす。」
「奈月を僕が独占して、僕だけの女の子にする。」
「奈月を口説き落として本気で僕に依存させることを目標にしましょうか。それ以外あまり思いつきませんし。」
リボーン、雲雀、骸というとんでもTOP3が、彼女の周りには控えているがために。
「・・・・・・・・・・・・誰か除湿機持ってきて〜。」
自身の周りだけ湿度がおかしいと感じた奈月は、思わずチベットスナギツネのような表情をしながら、この場にはない除湿機を求めてしまう。
しかし、誰かがそれを持ってくることなどなく、不思議なことを言ってる女の子にしかならないのだった。
ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・
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骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
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リ「別にいらねーんじゃねーか?」
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雲「どっちでもいい。」