最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
穏やかに笑う琥珀色の少女の姿を思い出しながら、青年はしおりに目を向ける。
一つの決意を胸に秘めて
奈月たちが、これからの方針を決めるための話し合いをする中、日本の某所に存在するミルフィオーレファミリーの拠点の一つとなる基地の中、一人の青年が眠っていた。
その青年は、ヘッドホンをつけたまま、椅子に座っているようで、人が近づいてこようと、それに気づくことができていない。
そんな青年の姿を見て、二人の女たちが小さく笑う。
そして、眠りこける青年のヘッドホンへと片方が手を伸ばし、そのヘッドホンをそっと取り外す。
「・・・・・・あっ」
急に音楽が消えたことにより、眠っていた青年は目を覚ます。
同時に、自身のヘッドホンを外した存在を視界に入れるために、その場で振り向いた。
「研究、お疲れ様です」
目元を仮面で覆う二人の女性・・・・・・チェルベッロたち。
彼女たちは、目の前にいる青年、入江正一に穏やかに労いの声をかける。
チェルベッロを見た入江は、少しだけ困ったような表情をみせては、ぽりぽりと自身の頬を軽く掻く。
「ごめん・・・・・・眠っちゃってたよ」
「いいえ、問題はありません。いつも遅くまで作業されているので、仕方ないことですので」
少しだけ表情を曇らせたのち、謝罪の言葉を口にする入江に、チェルベッロは気にしていないことを告げる。
そのことにホッとする入江だが、その次の言葉により、彼はすぐに表情を真剣なものへと変えることとなる。
「それより、入江様。少しだけ報告がございます」
「報告?聞かせてくれ」
「はい。ブラックスペル・第3アフェンドラ隊に所属する野猿と太猿の2人が、負傷したとのことです」
入江が真剣な表情をするのを確認したチェルベッロは、先程上がった報告について、入江へと伝える。
まさかの報告に、一週間後だけ目を丸くした入江は、そのまま怪訝な表情を浮かべて首を傾げた。
「野猿と太猿が負傷って・・・・・・何があったんだい?」
「報告では、兄弟喧嘩をしたとのことです」
「兄弟喧嘩だって?」
一体何があったのか、接敵でもしたのだろうかと言う疑問を浮かべながら、そのような報告が上がった理由を問いかけたところ、まさかの返答をされてしまい、入江の表情は呆れに塗りつぶされる。
兄弟喧嘩で負傷とは、何が原因なんだ・・・・・・そんなことを思いながら、小さく溜め息を吐いた。
「・・・・・・まぁ、なくもないだろう。野蛮な連中だよ、ブラックスペルは」
やれやれと言うように首を振る入江に、チェルベッロは問いかける。
2人の処分はどうするのか、彼の意思を聞くために。
「彼らは、きっと外様の上官の言うことは聞き入れないだろう。それなら、僕が直接話に行ったほうが早い」
チェルベッロから問いかけられた入江は、彼女たちに自分が出向くことを伝える。
同時に、彼はそばにたたんでいたミルフィオーレファミリーのホワイトスペルに属するものが身にまとう制服に手を伸ばす。
しかし、ふと、何かを思い出したような表情を見せ、チェルベッロの方へと視線を向けた。
「そう言えば君、白蘭サンから送られてきたもの見た?」
「ええ・・・。格納庫いっぱいに・・・・・・確か花言葉は・・・・・・」
「僕自身も調べたよ。期待・・・・・・って意味らしいね。全く・・・・・・プレッシャーで僕を殺す気なのかな、あの人は・・・・・・」
再び深くため息を吐いた入江は、ミルフィオーレファミリーの制服を手に取り、そのままシャワールームの方へと移動する。
いくら事実上部下に当たる存在に会いに行くとしても、今の格好では良くないと判断して。
「さっさとシャワーを浴びて、準備を済ませてくるよ。2人も、僕が準備を終わらせるまでに、準備を済ませておいて」
「「承知しました」」
入江の指示を聞き、チェルベッロたちは頭を下げて、彼の元から一旦離れる。
それを確認した入江は、シャワールームへと足を運び、脱衣所で服を脱いでは、中へと入っていく。
「・・・・・・花言葉・・・・・・か・・・・・・・・・」
シャワーからお湯を出しながら、入江はポツリと小さく呟く。
少しだけ目を伏せて、頭からかかるお湯の温もりを感じながら、彼が脳裏に浮かべたのは、中学生の頃に出会った、1人の少女の姿だった。
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「そのアイシングクッキー……花のカタチになってるんだけど、それ、ちゃんと意味があるんだよ。」
「その花はセンテッドゼラニウム。花言葉は“思いがけない出会い”。」
「これは、なんとなく直感したものなんだけど、私は正一君との出会いには、これから先、何か意味があるんじゃないかと思っていたんだ。
初めて会ったきっかけはランボが迷惑をかけたことによるものだったけど、君と話しているうちに、君との出会いは思いがけないところから訪れた、何よりも大切な出来事なんじゃないかって、あの時、連絡先を教えた時に感じ取った。」
「何でかな……。いつか遠いどこかの未来で、この出会いがなかったら成し遂げることができない何かが起こりそうな……そんな気持ちにされてしまうんだ。」
「……ごめん、変なことを言ったね。忘れていいよ。」
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「・・・・・・忘れられるわけ、ないだろ」
金色の柔らかい髪を風に靡かせ、明るい笑顔を見せてくれた少女・ボンゴレ10代目である沢田奈月。
記憶の中にいる、彼女の姿は、すでに大人へと変えられている。だが、思い出として、穏やかな時間として、幼い頃の彼女の姿も、入江の中ではずっと生き続けていた。
「早く・・・・・・君を見つけて、安全なところに行かないと・・・・・・。白蘭を止めるためにも」
呟くように紡いだ言葉は、シャワーの音により掻き消える。
静かに顔を上げた入江の目には、一つの押し花が映り込んでいた。
センテッドゼラニウム・・・・・・いつだったか、花屋を巡って見つけ出すことができたそれを、彼はラミネート加工をしたしおりとして、常に、どこかしらの視界に映るように置いていたのだ。
「君が言った、出会ったことには意味があるって言葉、今なら、なんとなくわかるよ。きっと、あの人は、僕たちが力を合わせないと止められない」
静かに口にした言葉と共に、入江はその場で瞼を閉じる。
少しの間、黙り込み、何度か深呼吸を繰り返した。
「でも、まだ、少しだけ足りないものがある。白蘭が、どんな動きをするのか、白蘭が、君を見つけたら何をしようとしてるのかがわからない。
・・・・・・いつか、君と合流するとしても、少しでも多く、白蘭の情報を集つめないと」
静かに瞼を開けた入江は、少しだけ表情を歪ませる。
現在の自身の立場に、複雑な気持ちを抱くように。
「・・・・・・かなり、大変なのは分かってるし、僕も危ないのことがわかってるけど、少しでも、君が、白蘭から有利を取れるように、そして、君の仲間がしっかりと動けるように、僕もしっかりと下準備をしないとだね。
大丈夫。君のためなら、これまでできなかったことも、できるようになるから」
しかし、その瞳には力強い決意が宿っており、真っ直ぐとセンテッドゼラニウムのしおりを見据えていた。
「待ってて、ナツさん。絶対に、君が動きやすくなるように、僕のやるべきことをやり遂げるから」
決意するように言葉を紡ぎ、入江はシャワールームから外へと出る。
今はただ、君の情報が周りに出回っていないか確認しよう・・・・・・そんなことを思いながら。
入江正一
ミルフィオーレファミリーホワイトスペルに属する青年。
ミルフィオーレとして行動を取る中、幼い頃から想い続けている少女のために、静かに暗躍している。
ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・
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骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
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リ「別にいらねーんじゃねーか?」
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雲「どっちでもいい。」