最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
「隼人。」
「はい!なんでしょう奈月……さぁん!?」
一般生徒相手の実力行使は気がひけると思いながらも、私は自身が持ってきていた携帯電話を隼人に投げ渡す。
私から携帯電話を投げつけられた隼人は、かなり慌てた様子でそれをキャッチし、混乱したように私と携帯電話を見比べた。
「動画を回してこっちを映して。何度も勧誘されるのはめんどくさいから、全てデータに残す。頼んだよ。」
「は、はい!!お任せください!!」
何のために私が携帯電話を投げ渡したのか説明をすれば、隼人はすぐに私の携帯電話を操作し始める。
自身の機種とは違うものだから、少しだけもたついているようだったけど、なんとか動画を撮るためのメニューを見つけたようで、携帯電話を構えながら準備ができたことを伝えてきた。
「画面は横にして。その方が全体的に映り込みやすい。」
「了解です!いつでもいいっスよ!その芝生頭、ボッコボコにしちゃってください!!」
「そこまではしない。ただ、リング外に吹っ飛ばすだけだから。」
やれやれとため息を吐きながら、私は了平さんに向き直る。
「動画を回して。始めるから。」
「はい!!」
動画の録画を開始する音を聞いた私は、すぐに構える。確か、ボクシングの構えってこれで合ってたはず。
「構えも様になっているな!ますますうちに入るべきだ!入部しろ奈月!!」
「入るわけないでしょ。風紀委員会があるんですから。」
言葉と同時に放たれたストレートパンチを躱す。
……結構の風圧があったな。当たったらかなりやばそうだ。まぁ、恭弥さんの本気に比べたら全然遅いけど。
「“極限ストレート”を躱すとは!!ますます気に入ったぞ。なおのこと入れ!!」
「ネーミングダッサ。まぁ、躱せますけど。ラッシュとかも意味ないですよ。あなた以上に厄介な人間と毎日のように手合わせをしてるので。
ていうか、マジで勘弁してくれませんかね?委員長キレたらめんどくさいんだから。
いつも以上に手合わせの時間で拘束されるし、普段以上に容赦がない。一歩間違えれば一撃で病院送りになるくらい全力で殴りかかってくるんですよ?
まぁ、あなたにはわからないでしょうけどね。あの人の全力について行く前に終わりそうだし。
むしろ全力になる前に終わるかな……。あれ?じゃあ、それについて行ってる私って何なんだ?普通ついていけなくない?」
「「「「(な、なんかとんでもねーこと言いやがったあの一年生女子─────!!!!!!)」」」」
「つか、あのヒバリの本気について行くとか普通じゃね─────っ!!」
それはそう。と周りのヤジに同意しながらも、連続で放たれるパンチを全て躱す。
まぁ、こんなの食らっていたら、恭弥さんについていけるわけないもんな。うん。
なんて、改めて自分の状態を冷静に分析しながら、ラッシュの隙を見極める。
「うっわ、あの笹川先輩の“極限ラッシュ”まで躱してるよあの女子!!」
「そりゃそうだろ……。だってあのヒバリの本気についていけるって平然と言ってんだぞ。躱せない方がおかしいって……」
「ていうかマジで何考えてんだよ笹川先輩!!風紀委員の地雷踏み抜く気かよ!!」
……外野がうるさい!!何なんださっきから!!絶望したような、または悲鳴のような言葉を口にする男子達に少しだけイラつきながら、回避を続ける。
うん。ちょっとだけ恭弥さんの群れが嫌いって気持ちがわかった気がする。
時に群れは必要だけど、いらない時はマジで賑やかなだけでちょっとイラつく。
ていうか、外側からギャーギャーうるさい。何もしないんなら黙っててもらえないかな。
「はは……マジでナツってやべーな。あれ全部躱せるのか……。あのラッシュも常人のもんじゃねーのにな。」
「ありゃあ、殺し屋のそれだ。でも、それをものともしない奈月さんはやっぱり流石だぜ……!!」
なんてことを考えていると、隼人と武の冷静な分析会話が聞こえる。
それを聞いた私は、確かに了平さんのこれは常人技じゃないなと同意するが、それ以上にやばい人を知ってるため、畏怖の念も焦りも抱かない。
それこそ、こんなの戯れに過ぎないと思うくらいには、目の前の先輩の技は弱いのである。
恭弥さんのは、完全に殺しにくるレベルだから。
「そろそろお開きにしたいんで、終わらせますね。あまり長く遊んでると委員長が乗り込んできそうだし、そうなったら間違いなく、この場にいる全員咬み殺されますから。」
私の言葉に、ほとんどの部員が小さな悲鳴をあげる。しかし、了平さんはやっぱり止まらないので、やれやれと首を左右に振った。
この猪突猛進熱血漢には、恭弥さんと言う最強風紀委員長は大した脅威じゃないのか、それともあの人の厄介さを知らないおbk……こほん……。
何にせよ、やっぱりゲームを終わらせるほかないらしい。
そう思いながら、私は放たれたパンチを躱し、その隙を突いて了平さんを殴り飛ばす。
「ぐはあぁ!!?」
こっちが殴り飛ばした了平さんは、その勢いのままにリング外へと吹っ飛ばされる。
あー……今の、あと少し加減を間違えたら、確実に窓側まで吹っ飛んでたな。流石に窓側まで勢いよく吹っ飛んだら了平さんは大怪我をしていた。
「……死ぬ気モードって意外と制御が難しいな。」
『慣れないうちはそうかもしれないな。今度、オレがやっていたコントロール方法も教えよう。
ある程度出力を調節できるようになれば、有利な場面も多くなるし、無駄に血を流さなくて済むようにもなるのでな。』
「ん。」
先達から制御方法を教えてもらえるのはありがたいと思いながら、自身の死ぬ気モードを解除し、ぶっ飛んだ了平さんへと視線を向ける。
彼はしばらくの間、飛ばされた先で倒れ込み動きを止めていたが、不意に勢いよく起き上がる。
「ますます気に入ったぞ奈月!お前のボクシングセンスはプラチナムだ!!必ず迎えに……」
「おや、もう条件をお忘れですか?」
「む!?」
リングから外に飛ばされたにも関わらず、未だに勧誘してこようとする了平さん。
それを見た私は、隼人から預けた携帯電話を受け取り、試合が始まる前に彼と約束した条件の音声を流し、そのあと隼人に録画させていた動画を再生する。
その瞬間、了平さんは目を見開いて硬直し、ダラダラと冷や汗を流し始めた。
「先程までの一通りの流れは全て記録済みです。これがあるので、あなたは私を勧誘することはできませんよ。残念でしたね。
まぁ、いずれ見つかると思いますよ。私以外の逸材が。ですので、私のことはキッパリと諦めてもらいます。」
「ぬおおぉ!!」
頭を抱えてショックを受ける了平さんに背を向けて、私はさっさと部室から外に出る。
背後からボクシング部に入ってくれと懇願するような了平さんの声と、いい加減にしなさい!!と怒鳴る京ちゃんの声が聞こえる中、恭弥さんに連絡を入れないとな……と携帯電話を操作していると、その手をガッツリ掴まれる。
嫌な予感を抱きながら、視線を手の持ち主に向けてみれば、やはりお怒り気味の恭弥さんの姿があり、私は顔を青くした。
「ちょっと、遅いんじゃないの奈月?」
「す、すみません……。あまりにもボクシング部の主将がしつこかったので……」
「言い訳はいらない。さっさと行くよ。」
「あう……間に合わなかった……。」
この状態の恭弥さんには何を言っても無駄であることを知っているため、思わず涙目になる。
しかし、彼に手渡すべきものがあるため、涙は流さないようにして、手にしていた携帯電話のSDカード引き抜いた。
「あの……とりあえずこれ恭弥さんに預けておきます。」
「何これ?」
「さっき、笹川 了平と条件付きのゲームのようなものをやりまして。私が勝ったら了平さんにはキッパリと諦めてもらう話をしていたんです。
もちろん、片方だけではフェアじゃないので、こちらが負けた場合は、ボクシング部に入ることを検討すると伝えましたが、確実に勝利はしておいたので、ご安心ください。
で、まぁ、このSDカードにはその時の音声とデータが残っているので、恭弥さんに持っていていただこうかと……」
“ダメですかね……?”と問いかけると、恭弥さんは少しだけ無言になる。だが、すぐにそのSDカードを受け取り、制服の胸ポケットに入れた。どうやら預かってくれるらしい。
「あとで別のSDにもコピーしておくから、奈月も持っておくように。忘れられたとしても、それを聞かせればいつでも思い出させることができるでしょ?」
「はい。ありがとうございます。」
「……今回はちゃんとやるべきことをやっていたから、少しだけ遊ぶ時間を短くしてあげるよ。
でも、次はないから、二度と遅くならないように。わかった?」
「ゔ……はい……わかりました……」
反省するように二度と遅れないことを承諾すれば、納得してくれたのか、これ以上何も言われなかった。
ああ、でも、これ屋上に強制連行パターンだなー……結局地獄の手合わせタイムをこなさなきゃいけないのか……。
「君には、他にも何かしらの首輪をつけておく必要がありそうだね。でなきゃ、また草食動物から変な絡まれ方をされそうだ。」
「え゛……?首輪って何ですか首輪って……」
「今は教えない。」
「ええ……?嫌な予感しかしないんですけど……?」
不穏なことを言われながらも、大人しく屋上に連行される。
あの、恭弥さん。あなたが手を掴んだまま歩くのでめちゃくちゃ視線を感じるのですが、気づいてます?気づいてますよね?絶対気づいてますよね?
ちょっと?このまま連行するのやめてくれません!!?
沢田 奈月
言質を取ったり、証拠を残したりと二度と勧誘されないようにしっかりと行動していた転生者な10代目。
このあと雲雀に屋上まで連行され、長時間の本気の手合わせをこなすことになった。
獄寺 隼人
奈月から頼られてめちゃくちゃ嬉しかった最初のファミリー。
華麗に相手と対峙する奈月のみを映像に残したかったが、あくまで証拠として残すことはわかっていたので我慢した。
笹川 了平
奈月にしっかりと言質も証拠映像も残されてしまい、二度と彼女を部活に誘えなくなったボクシング部主将。
京子にしっかりと叱られる中、リボーンからこのあとファミリーに勧誘される。
笹川 京子
今回ばかりはお兄ちゃんが悪い!!としっかり怒っていた原作ヒロイン。
リボーン
死ぬ気弾を撃ったことにより、常時死ぬ気であることが発覚したため、了平を気に入り、このあと勧誘しに現れる家庭教師なヒットマン。
雲雀 恭弥
あまりにも遅いため、奈月を迎えに行くついでにボクシング部の部室にいる全員を噛み殺すつもりだった最凶風紀委員長。
部室に着く前に奈月と合流したため、苛立ちの矛先を奈月に向けたが、彼女がしっかりと二度と勧誘されないよう準備していたため、少しだけ落ち着いた。
彼女の手を引いてそのまま移動した理由は周りへの牽制で、風紀委員の役員に無駄な時間を取らせるなと言う意味があった。
奈月に何かしらの枷をつけるつもりでいる様子がある。
ジョット
奈月にいろいろ教える気満々な初代ボンゴレ。
手を引かれてそのまま連行されて行く奈月に同情していた。