最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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戻ってきた仲間達

 隼人と武を見送り、ジョットさんのマントの中に包まれた状態で体育座りをしていると、辺りに一つの爆発音が響き渡る。

 驚いて顔を上げると、暗くなっていた視界が明かりを取り戻し、一瞬の眩しさに表情を歪めた。

 温もりが離れたことから、ジョットさんが抱きしめるのをやめ、私をマントの外に出したことがわかる。

 少しだけ離れた温もりを名残惜しく思う。けど、私にはジョットさんが視えていても、他のみんなには視えていないわけだから、仕方ないことだろう。

 そう思いながら、屋上の出入り口付近の方へと足を運ぶ。すると、急いで駆け上がってくる気配を感じ取ることができた。

 これならすぐに合流できそうだと思い、大人しく気配がここに辿り着くのを待っていれば、勢いよく屋上の扉が開き、擦り傷と打撲と言った軽傷を負ってはいるけど、無事な様子の隼人と武、そして、武の肩に乗っかっているリボーンが雪崩れ込むように戻ってきた。

 

「ふぅ……危なかったな……。」

 

「いっつつ……なんだったんだあいつ……。10代目を連れて行かなくて正解だったぜ……。」

 

 焦燥の表情を見せながら、屋上に雪崩れ込んできた友人達を確認した私は、すかさず2人の元に歩み寄る。

 私が近づいてくることがわかった2人は、すぐにこちらの方へと目を向け、何かを言おうと口を開いた。

 ……が、それより先に私の体は怪我をした2人の体を同時に抱きしめていた。

 

「おわ!?」

 

「じ……10代目……?」

 

 こちらの行動に驚いた隼人と武が、顔を赤くして固まる。だけど、私は、そんな2人を気にすることなく、無言で抱きしめ続ける。

 

「……こうなることがわかっていたから行かない方がいいって言ったんだよ。……大怪我がなくてよかった。」

 

「ナツ………。」

 

「10代目……。」

 

 少しだけ震える声で、2人の怪我がひどいものじゃなかったことへの安堵を口にする。

 本当に、2人に大きな怪我がなくってよかった。

 

「……悪かったな、獄寺。山本。オレとナツは応接室にヒバリがいることを知ってたんだ。だが、必要な接触だと考えて、わざとお前らをあそこに向かわせた。

 平和ボケしないための実践訓練と、将来必ず役に立つ人選の顔合わせのためにな。

 でも、ナツは最後まで反対していたんだ。ナツはヒバリがどんな存在で、どれだけの実力を持ち合わせているか知っていたからな。

 だけど、必要なことであることはわかっていたため、あまり強く反対はしてこなかった。

 まぁ、そのせいでちと精神的にきちまったみたいだがな。

 ナツは、お前らのことをすごく大切に思ってる。だから、強く引き止めなかったせいで、お前らが大怪我をしてしまったら……と考えていたんだ。」

 

「「…………!」」

 

 リボーンの言葉を聞き、隼人と武が目を丸くして、私の方へと視線を落とす。

 私は、2人の顔を見ることができなくて、そのまま下を向いていた。

 

「まぁ、今回はキケン性を理解した上で、オレが強行したようなもんだからな。

 お前らが大怪我を負う前に防ぐ約束だけはしておいたんだ。だから打撲と擦り傷程度の軽傷でなんとかなったが、将来的にはお前ら2人にもヒバリに並ぶくらいの力を身につけてもらわなきゃ困るんだ。

 今回の邂逅でわかっただろ?手足が出る前に一瞬で沈められていたんだからな。」

 

 “ファミリーの一員なら、しっかりと力を身につけて、ボスを安心させることができるくらいには強くなれよ”と、2人に伝えるリボーン。

 それを聞いた隼人と武は、未だに抱きついたまま動かない私の頭を撫でたり、肩に手を添えたりと、優しく触れてくる。

 

「ごめんな、ナツ。心配かけちまって。」

 

「すみません、10代目。ご心配をおかけしました……。」

 

 静かに紡がれた謝罪の言葉を聞き、静かに顔を上げる。そして、私は2人に静かに言葉を返した。

 

「今度からは、私が忠告した時、なるべくそれに耳を傾けて。それでも必要だと判断したなら、行動に移しても構わない。

 でも、そこまで必要性があると思わなかったなら、聞き入れて。私は、友達に大怪我を負ってほしくないんだから。」

 

 懇願するように告げれば、隼人と武は小さく頷いた。しかし、すぐに顔を赤くし、視線をあちこちに泳がせ始める。

 どう言う感情……?と首を傾げながら、2人を見つめていると、リボーンがぴょいっと武の肩から私の肩に飛び移り、ペチペチと軽く頬を叩いてきた。

 

「そろそろ離してやれ。まだまだ青い連中には、お前のハグは刺激が強過ぎると思うぞ。」

 

「………あ。」

 

 リボーンの言葉を聞いて、自分の現在の体制を思い出す。確かにこれは、ちょっと思春期の異性にするにはどうかと思う行動だった。

 無傷……ではないけど、軽傷で戻ってきた2人の姿に、つい嬉しくて……。

 でも、確かにこれは恥ずかしいな……と少しだけ反省した私は、すぐに2人を解放する。

 

「……(や、柔らかかった……)」

 

「……(女子って、ふわふわで甘い匂いするのな……)」

 

「相変わらず青いな、お前らは。」

 

「「ゔ……」」

 

 固まってる2人に対してリボーンが揶揄うように言葉を紡ぐと、2人は少しだけ言葉を詰まらせる。

 しかし、すぐに互いに顔を見合わせたあと、何かを決意したように頷き、私の方を真っ直ぐ見据えてきた。

 

「10代目。オレ、絶対ヒバリなんかに負けねーくらい強くなります!10代目に多くの心労をかけないように頑張りますので、安心してください!!」

 

「オレも、負けっぱなしってのは性に合わないからさ。ナツを守れるくらいには強くなってみせるぜ。

 まだ、しっかりと現状がわかってるわけじゃねーけど、でも、大切なことなら、頑張るからな。」

 

「………頑張るのはいいけど、無理だけはしないでよ、2人とも。無理をして大怪我を負って、何もできなくなること程、情けないことはないからさ。

 入院するなんてもってのほかだから、わかった?」

 

「はい!」

 

「おう!」

 

 隼人と武の明るい笑顔を見て、やっと張り詰めていた空気を全て払拭する。

 これで、少しはマシになるといいのだけど……。

 

「そう言やナツ。お前さ。確かヒバリと同じ武器持ってなかったか?」

 

「え?」

 

「は?10代目が持ってる武器がアイツと同じわけないだろ。ですよね、10代目!」

 

「……………。」

 

 なんてことを考えていたら、武から素朴な疑問を伝えるノリで、自身の武器について言及された。

 すかさず隼人がそれを否定するけど、私は少しだけ無言になったあと、納めていた仕込みトンファーを取り出し、慣れた手順で一瞬にして伸ばす。

 

「…………へ?」

 

「あー……やっぱりな。ヒバリの攻撃避けてた時、なんとなく似てんなーって思ってたんだよな。」

 

 それを見た武がやっぱりかーと笑い、隼人が混乱したように言葉を失う。

 

「なんだお前ら知らねーのか。ナツが風紀委員会に入った原因は、そのトンファーにあるんだぞ。」

 

「「………は?」」

 

「……このトンファー、恭弥さんからもらった武器。彼とはいつも、遊びという名のめちゃくちゃな手合わせをしてるんだよ。

 機嫌が悪い時は、全力で咬み殺しにくる恭弥さんを相手に立ち回って、彼のストレス発散の手伝いをしてる。」

 

「ちなみに言うと、ナツは全力のヒバリにも平然と立ち回って無傷で終わらせてるんだぞ。

 この学校で唯一、ヒバリと同等にやりあえる生徒ってわけだ。お前ら、しっかり強くならねーと、女に守られるばかりの情けない男になっちまうから気をつけろよ。」

 

 リボーンから告げられた事実を聞き、2人が大声で驚く中、私は静かにトンファーを納める。

 まぁ、女子生徒があの人と同等にやり合うことができるなんて、普通はあり得ないからね。

 2人の驚き方も、無理はない。

 

 

 




 沢田 奈月
 ようやく自身の強さをカミングアウトしたボンゴレ10代目。
 2人が大怪我をせずに帰ってきたことに安堵しながら、これから先のことを話し合う。

 リボーン
 奈月とヒバリの手合わせをいつも遠くから見ていたヒットマン。
 実は、それもヒバリと獄寺達を接触させた理由の一つで、女に守られるような男にだけはなんなよと、やきを入れる。

 獄寺&山本
 奈月が隠していたまさかの事実にめちゃくちゃ驚いた2人組。
 ヒバリと同等レベルの力を持ってる奈月を少しでも守れるように、これから先無理しない程度で力をつけていく気満々である。

 ジョット
 奈月の仲間が戻ってくるまで、彼女を抱きしめることを継続していた初代ボンゴレ。
 彼女の強さは知っていたため、特に驚いた様子はない。

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