最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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体育祭は波瀾万丈Ⅱ

 体育祭当日。

 朝から元気に料理を作ってる母さんやハル、ビアンキ姉さんの姿を見たり見送らせながら学校へと向かい、体育祭が始まるまで適当に校舎内を彷徨く。

 

「やぁ、奈月。」

 

「あ、おはようございます、恭弥さん。」

 

「体操服……ってことは、君は体育祭に出るんだね。」

 

「ええ。楽しみにしていたイベントなので、休むことはしませんよ。」

 

「ふーん……。よくあんな群れの中に入って我慢できるね。僕だったら絶対に無理だな。」

 

「まぁ、言いたい気持ちは分からなくもないです。なんと言うか、ヌーの群れに見えますよね。」

 

「ヌー?インパラの群れの間違いじゃないの?」

 

「……恭弥さんの目には、インパラに見えるんですね。初めて知りました。」

 

 すると、校舎の中で、1人外の景色を見つめている恭弥さんと出会した。

 とりあえず挨拶をして、少しだけ距離をとりながら並べば、妙な会話が始まってしまった。

 うん、だいぶ私は恭弥さんに影響されてるな。なんだよヌーの群れに見えるって。私の目まで恭弥さん化しちゃってるよ。

 

「そう言えば、草壁さんから聞きましたけど、先日、うちのクラスの生徒がご迷惑をおかけしてしまったようで。」

 

「ああ。あの草食動物達?確か、度々君が一緒に行動を取ってることがある奴らだったよね。」

 

「ええ。申し訳ありません。一応、注意はしたのですが……」

 

「別に謝る必要はないよ。君は止めたんでしょ?」

 

「そうですね……。声はかけました。応接室にはいかない方がいいって。」

 

「だったら、君の忠告を聞かなかった彼らの自業自得だし、君は悪くないね。」

 

「……そうですか。」

 

 まさか、私は悪くないと言われるとは思わなかったため、少しだけ言葉に間を空けてしまう。

 一撃くらいはトンファーが飛んできそうだと思ったんだけど、どうやら考え過ぎだったようだ。

 

「そう言えば……あの時、変わった赤ん坊を見かけたんだけど、奈月はあの赤ん坊が誰か知ってる?」

 

「赤ん坊……リボーンのことですかね?一応、彼は私の家で家庭教師をしていますけど……」

 

「へぇ……家庭教師。君には必要なさそうだけどね。」

 

「まぁ、頭はいい方ですからね。でも、親が申し込んでしまったので、無碍にはできず、そのまま雇ってます。」

 

「そう……」

 

 リボーンに興味を持っている様子の恭弥さんの姿に首を傾げる。急にリボーンのことなんか聞いてきて、いったいどうしたのだろうか。

 

「リボーンがどうかしましたか?」

 

「別に。ただ、なかなか強かったから、また会ってみたいと思っただけだよ。戦ってみたら面白そうだし。」

 

「なるほど……。何か疼くものがあったんですね。」

 

「うん。だから、今度会わせてくれる?興味があるんだ。あの赤ん坊の強さに。」

 

「……それは別に構わないのですが、リボーンはなかなか気まぐれで、会ってくれるかどうかわからないですよ。こちらも絶対は約束しかねます。」

 

「その時は君に相手してもらうから別に構わないよ。」

 

「……まぁ、そうなりますよね。」

 

 予想通りの返答を聞き、少しだけ遠い目をしてしまう。

 本当、戦うことが好きだなこの人……。特に、強いと見た存在に対する戦闘意欲が強過ぎる。

 おかげで私が毎回その標的にされるわけだから、たまったもんじゃない。

 まぁ、自身の戦闘センスを磨くことができるから、悪いことばかりじゃないんだけど。

 

「時間帯的に、そろそろ体育祭が始まりそうですね。それじゃあ、失礼します。」

 

「うん。そう言えば奈月。腕章は?」

 

「え?いや、体操服だからつけてませんけど……。」

 

「あっそ。だったらこれ着ていきなよ。」

 

「は?わぶ!?」

 

 なんてことを考えていると、恭弥さんが着用していた学ランを頭から被せられる。

 

「ぷは!!何するんですか!?」

 

「別に。どんな時でも風紀委員の仕事があるから、腕章を持たせてるだけだけど?」

 

「ええ……?体操服の時もつけとかなきゃいけないんですか?」

 

「当たり前でしょ。奈月も風紀委員なんだから。」

 

「制服の時だけじゃダメなんかい……」

 

「文句ある?」

 

「……殺気飛ばさないでください。わかりました。わかりましたよ。着ていけばいいんでしょ。」

 

「そう言ってるでしょ。学ラン、落とさないでね。」

 

「ええ……?」

 

 なんだってこんな目にと困惑しながらも、渋々恭弥さんの学ランを羽織ったまま、グラウンドの方へと足を運ぶ。

 その瞬間、Aチーム全員がざわついた。

 

「え?沢田?どしたんそれ……」

 

「ヒバリさんに無理矢理持たされたんだよ。体育祭の時でも風紀委員会の仕事はあるんだから腕章は持っとけってさ。」

 

「ええ……?」

 

 話しかけてきた同じチームの同級生の質問に素直に答えれば、困惑の声をあげられる。

 困惑したいのはこっちの方だと呆れながら考えるが、表情にその感情は出すことなく、学ランを羽織り続ける。

 

「なっちゃん、学ラン羽織ってるね。」

 

「1人だけめちゃくちゃ存在感あるわね……。」

 

「10代目が羽織ってるの、あのヒバリって奴の学ランか?」

 

「みたいだな。」

 

「邪魔にはならんのか?」

 

 ヒソヒソと背後で私が羽織ってる学ランに関して話している京ちゃんと花、隼人と武。

 了平さんも言及しているみたいだけど、邪魔だからと外したら間違いなく恭弥さんに咬み殺されるから邪険に扱えないんだよて、内心で怒鳴りながらも、開会式が始まるのを待つ。

 ……BチームとCチームから畏怖の視線を向けられているような気がするけど、多分気のせいじゃない。

 Aチームの一部生徒も、マジかよって感じに見てきているしね。

 

「体育祭中でも風紀委員の仕事はするようにと言われたので、あまり風紀は乱さないでくださいね。群れている程度で咬み殺すことはしませんが、何かしら目に余る行動を見せるようであれば容赦なく咬み殺します。

 まぁ、そうですね……。最初のうちは忠告だけですが、仏の顔も三度まで……が私のモットーですので、2回の忠告をしても態度を改めないようでしたら、その時は覚悟していただけたらと。」

 

 “わかりましたか?”とAチーム全員に問いかければ、京ちゃん、花、隼人、武、了平さんの5人以外の生徒が「はい!!!」と背筋を伸ばして返事をした。

 それを確認した私は、一つ息を吐いたあと恭弥さんがいるであろう場所へと視線を動かす。

 すると、恭弥さんは先程の場所から動いておらず、学ランを羽織ってる私の方を真っ直ぐと見据えていた。

 めっちゃ見られてる……と引きつった笑みを浮かべる。もしかして、私の居場所を把握するためにこれ渡されていたりする?

 風紀委員長の監視下の元で体育祭をやらなきゃいけないのか……と思わず遠い目をしてしまう。

 ああ……これ絶対に負けたらダメな奴………。

 

 

 




 沢田 奈月
 再び風紀委員長の学ランを羽織った姿を見せることになったボンゴレ10代目。
 黒の学ランを羽織っているせいで、常に雲雀に位置や行動を把握されることになるのを察し、遠い目をした。

 雲雀 恭弥
 いついかなる時も風紀委員会の仕事はあるんだから腕章を外すなと暗に伝えた風紀委員長。
 自身が渡した学ランにより、常に奈月の位置を把握することができるので、群れを見るよりはずっと楽と言わんばかりに彼女を見ることにした。

 Aチームの一般さん&B、Cチームの皆さん
 めちゃくちゃ存在感放ってる風紀委員女子がいるんですけど─────!!?

 奈月のファミリーの皆さん
 また10代目(奈月)が風紀委員の腕章付き学ランを羽織ってる……。

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