最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
昼休憩が終わり、いくつかの後半競技を挟んだあと、開始される棒倒し。
広いグラウンドに3つの組が集まる中、私はA組が囲う一本の棒を見上げる。
「意外と高いな。」
かなりの高さがある棒を見ながら、私は静かに言葉を紡ぐ。
「確かに高いな。」
「10代目。肩貸しましょうか?」
「いや、とりあえず踏み台頼める?」
「え?踏み台?」
「そ。隼人。ちょっとこんな体勢を取ってくれる?」
心配そうにこちらを見てきた隼人に、私は両手の指を組み、腰を落とすように指示を出す。
「こうっスか?」
「うん。今からその組んだ両手に片足を勢いよく乗せるから、同時に私を上の方に放り投げて。」
「え゛!?」
「大丈夫。できるから。」
そう言って私は、指示をした通りの体勢を取っている隼人に走り寄り、組まれた両手の平に足をかける。
隼人は慌てたような表情をしながら、こちらが高く跳ぶ動きに合わせて、私を上の方へと放り投げた。
彼のアシストを受けながら、高く跳び上がった私は、真っ直ぐと棒のてっぺんへと跳び、てっぺんにつけられている板を掴んだあと、そのまま体を持ち上げて、板の上に着地する。
「「「「うお─────!?沢田すげぇ!!?」」」」
「流石です10代目!!」
「人ってこんなに跳べるんだな……。」
「極限にすごいぞ奈月!!」
下の方でA組のみんなが騒いでる。まぁ、人を踏み台にしたとはいえ、女子が軽々と宙を舞い、そのまま板の上に着地したわけだから、仕方ないのかもしれない。
そう思いながら、板の上に足を組んで座り込む。立っていたらちょっと揺れそうだったし。
さて、他の組は……と言うように、二組の相手へと目を向ける。B組の総大将である空手部主将の押切先輩は、今にも泣きそうな顔で棒の上に登っており、恭弥さんはC組の生徒を次々と踏んづけて、斜めになっった棒のてっぺんへと移動していた。
「ようやく奈月と遊べる。ああ、君達、倒すのも邪魔をするのも禁止だから。わかった?」
「「「「「はいいいい!!!」」」」」
「ヒバリさん……A組の総大将と遊ぶって言った?」
「言ったな。」
「「「「(いったい何者なんだよあの女王様!!)」」」」
「…………棄権したい……。」
「「「「押切先輩の意見に同意です!!」
片膝をついて棒のてっぺんにいる恭弥さんと、足を組んで堂々と棒の上に座り込む私、そして、恐怖で顔を青くして、縮こまっている押切先輩と言う構図は、側から見たらさぞかし異様な光景だろう。
まぁ、B組の生徒は失礼ながら眼中にないから、さっさと総大将を棒の上から下ろしてあげて、恭弥さんとの勝負に集中させてもらおうかな。
「(なんか見た目が地獄絵図だ……!!)それでは棒倒しを開始します。位置についてください!」
審判役の教師が、位置につくように指示をする中、私は下にいる生徒達を1人ずつ確認し、被害がいく前にB組を退場させる布陣を考える。
安全に下ろすには……うん。とりあえずこれでいこうか。
「ナツさんファイトー!!」
「なっちゃんもみんなも頑張って─────っ!!」
作戦を思案していると、観客席側から元気な声が聞こえてきた。すぐに視線を巡らしてみると、京ちゃんとハルが、それぞれ観戦してる場所で元気よく手を振っていた。
すぐに笑顔を見せながら、2人に手を振り返せば、なぜか女子から黄色い悲鳴が上がった。
え?なんで?
「女王様の謁見?」
「おい誰だ女王様の謁見とか言ったヤツ。それにしか見えなくなったじゃねーか。」
あれ?と首を傾げていると、下の方から小さな会話が聞こえてきた。……A組にとって今の私は女王様なのか……。
まぁ、別になんで思われようと気にしないけどさ。
「用意!!開始!!」
なんて考えていると、開始の合図が聞こえてくる。その瞬間、攻撃部隊であるC組とA組の生徒が一斉にB組側へと走り出した。
まぁ、そうなるよなと考える。なんせA組には私がいて、C組には恭弥さんがいる。
普通に考えて一番戦力的にも弱いであろうB組が集中砲火を受けるのは仕方ないわけで……。
「武。了平さん。比較的に筋力が弱い1年を引き連れて、B組の総大将の元へ向かってください。
これはいわゆる、恭弥さんの要望により整えられた舞台……私と遊びたいがために、彼が作り出した現状です。
だからこそ、一対一の状況を用意したいので、まずはB組を舞台から安全な場所へ移動させることを優先します。
おそらくですが、B組は私と恭弥さんに挑むことはできないし、状況が状況ですので、早く降ろしてくれと思っていると予測できます。」
「根性がないな!!」
「それだけ向こうにとっては嫌な状況ってことですよ。」
「むぅ……!!仕方ない!!引き受けよう!!」
「よっしゃ!A組一年、B組の棒を倒しに行くぜ!!」
「「「「おう!!」」」」
「隼人は2年と3年の先輩方と一緒に棒の防衛を行なって。まぁ、私に挑んでくる男子がいるとは思わないけど、念のためにね。」
「はい!!お任せください10代目!!テメーら!!気合い入れて10代目を防衛すんぞ!!」
「「「「オレら先輩なんだけど!!?」」」」
「……えっと……隼人のそれはある種の癖のようなものなので、我慢していただけると助かります。」
こちらの指示を聞き、行動を移す生徒達。
私は、棒のてっぺんに座り込んだまま、目の前にいる恭弥さんへと視線を向ける。
それに気づいた恭弥さんは、すぐに私の視線に自身の視線を向けては、不敵な笑みを浮かべていた。
いつでもかかってきなよ……と、まるで言われているかのようだ。
「……先輩方に聞きたいのですが、総大将って地面に落っこちさえしなければ、なんでもやっていい感じなんですかね?」
それを見ながら、私は一つの疑問を先輩方に告げる。
「え?ああ……まぁ、ルール上は、総大将が地面に落ちたら負け……だから、地面にさえつかなければある程度動けると思うけど。」
「なるほど。いいことを聞きました。」
地面にさえつかなければ自由に動けるなら、自由に動ける範囲を広げ、一気に恭弥さんの元へと行くことができそうだと考える。
そんな中、B組の総大将が地面に降りるのが視界の端に映る。こっちの読み通り、戦意喪失状態だったため、ほぼ無抵抗で下に降ろされたらしい。
それが一番いい、と内心で呟く。了平さんは不完全燃焼みたいだけど、恭弥さんが舞台を整えた時点で仕方ないと諦めてもらうしかない。
「ナツ!!」
「ん、おかえり。じゃあ、そろそろ私も出ようかな。」
「「「「「出る?」」」」」
「これはいわゆる恭弥さんが遊ぶための舞台。そして、その遊び相手に選ばれたのは私。
なら、期待に応えるのが筋ってもんでしょ。A組!!何人かC組へと繋ぐ道を作ってください!!
向こうに繋がる列ができたら、私が出ます!!」
「おっしゃ!!任せとけ!!」
「10代目!!オレの肩使っていいっスよ!!」
「道を作るだけならなんとかなるか?とりあえずガタイのいい生徒は並べ!!」
私の言葉を聞き、隼人と武を始めとした男子生徒達がC組へ向かう列を作る。
それを確認した私は、列を成したA組生徒の肩を利用して、C組の方へと一気に移動する。
C組生徒は近寄ってきた私に慌てたような表情を見せるが、私はそれを気にすることなく走り寄り、先頭にいた武にまで真っ直ぐ走る。
「武!!」
「はいよー!!」
私の言葉を聞いて、武は、先程隼人が行っていたように、両手を組んで踏み台を作る。
それを確認した私は、すぐに先輩達の肩から武の手元へと飛び降り、彼の放り投げと同時に跳躍する。
隼人以上の力で空へと放り投げられたため、軽々と相手の棒よりも高い位置へと跳び上がってしまったが、空中で体を回転させたのち、死ぬ気モードへと移行した私は、そのままの勢いで恭弥さんへと踵を振り下ろす。
「ほら、お望み通り本気のさらに本気モードです。どちらがライオンキングの結末を迎えるか……楽しみですね?恭弥さん。」
「いいね。そうこなくっちゃ。」
こちらの攻撃を防ぎ、不敵な笑みを浮かべた恭弥さんに、応えるように笑返す。
さぁ、落ちたら負けのゲームを始めましょう!!
沢田 奈月
自分と雲雀のバトルの飛び火が行かないようにと、先にB組を脱落させたボンゴレ10代目。
C組総大将の雲雀と本気の本気状態として、死ぬ気モードで相対する。
雲雀 恭弥
B組どころか、周りの有象無象にすら目を向けておらず、ただひたすら奈月だけを見据えていた風紀委員長。
本気を上回る本気の本気と称して見せられた死ぬ気モードの奈月の踵落としが(重力も合わさっているとは言え)明らかに普段の重さ以上の重さを持ってることがわかり、珍しくかなりの上機嫌状態になる。
A、B、C組一般生徒の皆さん
マジでヒバリさんに挑みに行きやがったあの女子生徒!!!!
獄寺 隼人
やっちまってください、10代目ぇ!!
山本 武
マジでナツってヒバリに挑めるんだな。すげー……
笹川 了平
勝負し足りないのだが!!?