最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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イタリアからの転校生

 持田センパイとの勝負を制し、束の間の平穏を取り戻す。

 数日前に、クラス対抗の球技大会があったけど、特に問題が起こることなく、うちのクラスの女子は優勝を迎え、男子の方は惜しいところまで行って終わった。

 でも、この束の間の平穏は、どうやら嵐の前の静けさと言うやつだったようだ。

 

「イタリアに留学していた、転入生の獄寺隼人君だ。今日からクラスメイトになるから、仲良くするように。」

 

 その日、普段より早めにクラスに入って来た担任の教師は、銀髪の転校生を連れていた。

 その生徒はなかなかに目つきが悪い。見た目は結構女子ウケしそうなくらい良いけど。

 にしても、イタリアからの転校生……ねぇ……。

 

「(イタリアと言えば、私の御先祖様が立ち上げたマフィアが存在している国で、リボーンの故郷。さらに言うと、このピリピリとした感覚……父さんと初対面のリボーンから感じ取ることができたものと全く同じか……。)」

 

 となると、十中八九マフィア関係だろう。しかも、私にガッツリと絡んでくるような案件。

 おそらくだけど、リボーンが呼び寄せたかなんかしたな?

 

「……チッ……めんどくさいことをしてくれたな、あの家庭教師。」

 

 思わず舌打ちを漏らしてしまう。やっぱり、私の中から平穏と言う二文字は、マフィアの血の影響でことごとく消されてしまったらしい。

 

「ちょ……かっこよくない〜〜?」

 

「帰国子女よ!」

 

 少しだけ不機嫌になっていると、周りの女子がキャイキャイ騒ぎ始める。

 いや、まぁ、確かにかっこいい見た目はしてるけどさ。どう考えても彼、裏の人間なんだけど。

 かっこよさだけに騙されたら間違いなく痛い目に遭うからやめといた方がいい。

 仮に、獄寺隼人……まぁ、獄寺君でいいか。彼といい感じの雰囲気になれたとしても、危険に巻き込まれる可能性の方が遥かに高くなるから、あまり熱は持たない方がいいって。

 

 周りの女子のノリについていける感じが全くといっていい程にしないため、引きつった笑みを浮かべそうになる。

 しかし、不意に鋭い視線と、刺さるような気配を感じ取ることができたため、その気配の方へと視線を向ける。

 そこには予想通り獄寺君がおり、わかりやすいぐらいにこちらを睨みつけていた。

 

 鋭い翡翠と、私の視線がぶつかり合う。

 同時に獄寺君は、真っ直ぐとこっちを狙うかのように、ずかずかと足をすすめていた。

 

「獄寺君の席はあそこの……獄寺君?」

 

 教師の声などシカトして、真っ直ぐと歩いてくる獄寺君。少しだけ目を細めて、その一挙一動を眺めていると、彼の片足が大きく動いたことを確認する。

 すかさずその動きに合わせて、私は自身の足を突き出せば、こちらの足の裏に、かなりの衝撃が伝わって来た。

 

「な!?」

 

「………随分とまぁ独特なご挨拶だことで。何?君が住んでいた場所では、目と目が合ったら蹴りつけるような挨拶でも流行ってるのかな?」

 

 内心でいってぇ!!と思いながらも、表にそれは出さず、未だにこちらの足を押し返そうとする彼の足を強く押し返す。

 ……男子の力に女子の力を拮抗させるのかなりキツいな。全力出さないとすぐに押し返されそう。

 

「……押し返すのやめてもらえる?こっちが力緩めたら、君の方がめちゃくちゃ痛い目に遭いそうだけど、物理的に。」

 

「……!!……チッ」

 

 獄寺君が足に込めていた力を緩めたことを感じ取ることができたため、自身の足からも力を抜き、机から外に出していたそれをゆっくりと席の下へと戻す。

 

「君の席はあれだってさ。どうせ、また後で絡んで来そうだし、また後でね、獄寺君。」

 

「…………。」

 

 私の挨拶を聞いて表情を歪めた獄寺君は、眉間に皺を寄せたまま、私が教えた席の方へと歩いて行く。

 それを見送った私は、一つ深く息を吐き出したのち、ずっとこちらの様子を伺っている見えない位置の家庭教師を睨み付ける。

 

「……沢田がかっけぇ…………。」

 

「あれ見えたのかよ。ヤバ……。」

 

「奈月ちゃんも獄寺君も別ベクトルのイケメン……」

 

「どっちのファンクラブも結成しましょう。」

 

「「「「賛成。」」」」

 

 おい、こら、クラスメイトの一部女子。めちゃくちゃ話聞こえてるんですけど。

 私のファンクラブまで結成しようとするんじゃない。

 

 

 *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀

 

 

 背中に突き刺さるような視線を感じながらの授業を受け、早くも時間は昼休憩。

 そろそろ動くとするかと思いながら、教室から外に出て、中庭の方へと足を進める。

 多分、彼はこっちの方にいるだろうからね。ずっと睨みつけられたままってのは、ハッキリ言って気分が悪い。

 マフィア関係なのは確実だ。どれだけ平穏に過ごしたいと思っても、きっとこれから何度もごたごたに巻き込まれる。

 それならさっさと対処して、少しでもゆっくり過ごせる環境を確保するのが吉ってね。

 

 そんなことを思いながら中庭の方へと足を運んでみれば、朝見た銀色が見えてくる。

 うん?あれってライターと……タバコ……?え?この子正気?中学のうちから喫煙してんの?

 

「あー、いっけないんだー。校内喫煙もそうだけど、中学のうちから喫煙すること自体ダメでしょーに。早くに体を壊す気なわけ?」

 

「!!?」

 

 流石にマフィアだからってそれはやっちゃダメ。そんなおばさん心を抱きながらも、あくまで軽口を叩くように、ちょっとばかり揶揄うように話しかければ、獄寺君は勢いよく振り向き、驚いたような表情を見せた。

 

「んな!?いつのまに!?」

 

「あれ、驚かせちゃった?リボーンがたまに気配消してるもんだから、なんとなく直感で気配消しを真似してみたんだけど、マフィア関係者なら、てっきりど素人並みの気配消し程度、すぐに気づくものだと。」

 

「…………。」

 

 表情を軽く崩しながら、唖然としている獄寺君の姿に、ウソでしょ……?と思わず引きつった笑みを浮かべる。

 何でこの子気づいてなかったの!?明らかにど素人なの丸わかりじゃなかった!?

 

「やっぱりお前は、マフィアのボスになるために生まれたんじゃねーか?確かにムラはあったが、かなり上手くできてたぞ。」

 

「リボーン。」

 

 まさかの結果に混乱していると、中庭を見ることができる窓にあるわずかな出っ張りに腰をかけているリボーンから話しかけられた。

 すかさずリボーンの名前を口にすれば、彼は一度私に視線を向けたあと、すぐに獄寺君へと目を向けた。

 

「思ったより早かったな、獄寺隼人。」

 

「……ああ、やっぱり知り合いか。」

 

「やっぱり察してやがったな。まぁ、獄寺と一悶着したあとにオレがいる方を見てたもんな。」

 

「状況や、父さんと初対面時のリボーンに感じたものと全く同じものを感じ取ることができたからね。マフィア関係なのは早く理解できた。で?なんだって彼を呼んだのかな?」

 

「……オレが呼んだことも見抜いてたのか。」

 

「そんなことより説明。」

 

「お前、オレに対してずけずけ言ってくるようになったな……。まぁいい。呼んだ理由は簡単だ。獄寺隼人には、ナツのファミリーの一員になってもらうつもりだから呼んだんだ。」

 

「なるほど。でも、無条件で……って感じじゃなさそうだね。」

 

「………。」

 

「……無言になるんじゃない。」

 

 私の指摘に黙り込んだリボーンに対してツッコミを入れる。物言いたげな様子を見せているみたいだけど、そんなに私がサクサク話を理解するのがおかしいのか。

 

「……本当、お前は侮れねーな、ナツ。たまに薄寒くなっちまう。まぁ、それだけの能力持ちを教育するのも、なかなか楽しめそうだけどな。」

 

 仕方ないじゃん、なんかわかるんだから……と言う言葉を噛み砕くように口を閉ざしていると、リボーンはやれやれと肩をすくめたのち、本題に入るように口を開いた。

 

「獄寺は、ナツの実力を知りたがってんだ。だから、ちと相手してやってくれ。」

 

「相手?」

 

 どう言う意味?と言うように、獄寺君へと視線を向ければ、彼は真っ直ぐと私をみたのち、どこからともなく何かを取り出した。

 よく見るとそれは、絵に描いたようなダイナマイトで、複数本手にしたそれの導火線を口元のタバコに近づけながら、殺気とも取れる鋭い気配をその身に纏った。

 

「お前の力がかなり高いことはわかった。だが、それだけじゃオレは納得しねぇ……!!覚悟しろ!!」

 

 タバコの火によって、ダイナマイトの導火線に火がついた。

 そのことにマジかと溜息を吐きながら、私はいつでも動けるように身構える。

 

「果てろ!!」

 

 放たれた複数のダイナマイト。そこについているが火薬が入っている本体に行くまでのスピードと、ダイナマイトが着弾する位置をすかさず見極めた私は、その場からバックステップを使って回避した。

 

「(本気で殺しにかかってるように見えるけど、なんか違和感を覚えるな。本気の殺気と敵意全てが、まるで偽りのような感じがしてならない。こちらの実力を試したいと言うのは真実ってことか。

 いや、それよりも、いくら校舎外とはいえ、ダイナマイトを使うんじゃない。)」

 

 着弾したことにより爆発するダイナマイトを確認した私は、一度両頬をバチンッと叩き、自身に気合いを入れる。

 さて、どうやって切り抜こうかな。この状況を。

 

 




 沢田 奈月
 一時の平穏を得たが、再び舞い込んで来た厄介ごとに渋々身を投じることになった10代目候補。
 ダイナマイトが放たれる中、どのように切り抜けようか思案中。
 同級生の女子達にファンクラブを結成されてしまいそうで、ヒヤヒヤしている。

 獄寺 隼人
 奈月のファミリーに入る予定の転入生。彼女の実力を測るために勝負を挑み中。
 なお、あまりにも身のこなしが常人のそれじゃない上、初対面の蹴りを止められたことから、かなりの能力値があることは理解している。

 リボーン
 もうお前、さっさとボスを引き受けろよと、真似だけで気配を消すことができた奈月に呆れている家庭教師。








 下のリンクは主人公のイメージイラストです。
 画力はそこまで高くないので、イメージを崩したくない方や、駄作を見たくない方、興味がない方はスルー推奨。
 一応、ジョットの女体化をイメージしています。彼とは別人ですが。

 
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