最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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VS獄寺

 ……なんて、考えたところで、すぐに対処法が見つかるとは思わないけどさ、と、少しだけ溜息混じりに考える。

 鼻腔を刺激するのはダイナマイトの火薬のにおい。鼓膜に響くはダイナマイトの爆発音。

 こちら側に放たれているそれを、ひたすら回避しながら、私は思案に耽ける。

 

 相手はダイナマイトしか使ってこない。きっと、それだけでも十分相手を始末することができるからだろう。

 実際、彼が使うダイナマイトは、なかなかに威力が高いように見える。

 となると、やれることは大きくわけて2つ。ダイナマイトに火をつけさせないように物理で押すか、ダイナマイトが爆発する寸前に、相手に投げ返すかのどちらかだ。

 でも、私の技術と、彼の技術の差を考えると、試してみる価値はあれど、後者の方法は難易度が高いだろうから、必然的に成功率を上げるため、距離を詰めて、物理で戦うことになるわけだ。

 だけど、こちらももちろんリスクがある。

 

「(一応、狙いやすい隙は、観察する中でいくつか見つけることができたけど、そこを縫って行こうとしたところで、ダイナマイトを増やされてしまったら量で押されてしまう。

 そう考えると、私に求められることは、どれだけ早く相手の懐に入り込むことができるか……なわけだけど……。)」

 

 果たしてそれが私にできるだろうか?一応、足のスピードには自信があるし、やろうと思えばできなくもない。

 でも、そこに入るまでになるべく安定した距離について、ダイナマイトの隙間を走り抜けないといけないから、割と厳しいかもしれない。

 

「(とりあえず、ずっと回避ばかりじゃ埒があかないし、少しだけ攻めてみるべきかな……)」

 

 そう考えた私は、足に力を入れて、獄寺君との距離を詰めるのを試してみる。

 頭上に複数のダイナマイトが見えるけど、導火線にはまだ余裕がある。走り抜けた矢先に爆発するから、爆風をそれなりに受けるだろうけど、空中での爆発だけなら、なんとかそこまでダメージを受けないで抜けることができそうだ。

 

「!?」

 

「なんとかなるもんだね、これ。」

 

 軽く安堵しながらも、私は獄寺君めがけて蹴りを放つ。彼はすぐに私の蹴りを喰らうことなくなんとか回避するが、その動きに食らいつくように動けば、回避行動により発生した大きめの隙に一撃を届かせることができた。

 

「な!?オレのタバコ!!」

 

「学生がこんなもん吸っちゃダメでしょ。早死にしちゃうよ?」

 

 脇腹の方に叩き込むことができた一蹴。それにより彼の硬直時間を延長する中で、私はタバコを奪い取る。

 どこのメーカーかは知らないけど、意外と臭いがあるなこれ。しかも煙たい。

 喫煙者って何でこんなもの吸うんだろ。正直、ちょっと理解できないな。

 そんなことを思いながら、奪い取ったタバコを地面に落とし、そこについていた火を消す。

 あ、吸い殻のポイ捨ては良くないから、とりあえず拾って、ポケットに突っ込んでた袋にポイっちょと。

 

「チッ……一本だけ奪ったところで……!!」

 

 袋を折って再びポケットに突っ込んでいると、獄寺君が舌打ちを漏らし、制服のポケットからタバコを一箱取り出した。

 そして、その箱に入っていたタバコを全て口に咥えると言う奇行に走る。

 

「待て待て待て待て!!なんかとんでもないことやろうとしてないかアンタ!!」

 

 思わずその奇行に、何考えてるんだと指摘する。しかし、彼は私の話など聞いていないのか、それともあえて無視をしているのか……どちらにせよ私の言葉に反応などすることなく、どこからともなく取り出したライターで、咥えたタバコ全てに火をつける。

 同時に彼は複数のダイナマイトを両手に持ち、全ての導火線を着火した。

 

「果てろ!!!」

 

「誰が果てるか!!」

 

 まさにダイナマイトの雨。増やしてきそうだとは思っていたけど、タバコまで増やすとはいかがなものか。

 なんであれで咽せないんだよ、こっわ……なんて考えながら、そのダイナマイト全てを回避すれば、辺り一面に爆発音と、アクション俳優もびっくりな爆煙が発生した。

 仮面○イダーもびっくりだよこれ。いや仮面○イダーでも物によっては、これくらいの爆発を使うっけ?

 前世の幼馴染みがそれ系大好きな人だったから聞いときゃよか……いや、聞いても多分チンプンカンプンだっただろうし、そもそもが誰も前世の記憶を持ったままマフィアのボス候補になっちゃう家系の子になりました、なんて展開に出くわすことすら予測不可能だから、聞いたところで意味はない。

 

「(さて、どうするか。ダイナマイトによる弾幕……って言うの?それがさっきより遥かに厚くなっているわけだけど、一応、走り抜けることは可能……。

 でも、あれだけのタバコをどうやって離す?あれがなくならない限りは、ダイナマイトを投げ続けられてしまうのは目に見えている。

 それを躱しまくった上で、何かしら上段に放つ攻撃を加えろって?高難易度にも程がある。)」

 

 表情を少し歪めながら、現状を打破するための方法を画策する。その際、自身の目の前に、まだ導火線が長いダイナマイトが迫っているのが見えた。

 

「……あ。」

 

 その瞬間、これは使えると言う言葉が過ぎる。よく見ると、まだダイナマイトの本体にまで火を届けていない導火線が複数ある。

 十分な猶予を持つダイナマイトがあるのなら、もう一つの方法も使用することができそうだ。

 そこまで考えた私は、空中でそれを掴み取り、勢いのままに手にしていたそれを獄寺君へと投げつけた。

 

「うお!?」

 

「お。スモーキン・ボムと呼ばれている獄寺相手にやるじゃねーか。」

 

 このような荒技をしてくるとは思わなかったのか、獄寺君は素っ頓狂な声をあげながら、私が投げつけたダイナマイトを躱した。

 彼の背後の方で、本体に火が届いたダイナマイトが爆発する。その隙を見逃すわけもない私は、一気に獄寺君と距離を詰め、蹴りでタバコ全てを蹴り払おうとする。

 だが、獄寺君はバランスを崩しているにも関わらず、私の蹴りをすんでのところで躱しきり、こちらに足払いをかけようとしてきた。

 それならと、放たれた足払いの足を跨ぐようにして軸足を入れ替え、その反動を利用してジャンプする。

 同時に、さっきの間に一本だけ拝借した火がついたタバコを使い、これまた拝借していた、3つのダイナマイトの導火線へと火をつけて、空中からそれを投げつける。

 

「っ!?」

 

 獄寺君は、こちらの襲撃を見事に躱すが、その勢いで地面に尻餅をついてしまう。

 それを見た私は、追撃の必要はないと判断したのち、空中で体勢を整えて着地する。

 

「やっぱりこの程度じゃ、直近でアンダーグラウンドにいた人間を倒すことは難しいか。いい切り返しだと思ったんだけど。」

 

 私の様子に、言葉を失う獄寺君。綺麗な翡翠色の瞳からは、すでに敵意の色が消えており、ポカンとした間抜けヅラを晒している。

 これは、この勝負にケリがついたと考えてもいいのかな?

 

「どっからともなくダイナマイトを出してくるわ、複数のダイナマイトで弾幕を張ってくるわで、なかなかすごい戦い方だったね。

 いったいどこにそんだけダイナマイト隠してんの。まるで手品だよ。」

 

 そんなことを思いながら、私は先程手にしていたタバコの火を消したのち、未だに唖然としている獄寺君に近寄る。

 

「さ、いつまでも尻餅をついてないで立って。」

 

「え、あ、はい!」

 

 そして、尻餅をついている獄寺君に手を差し伸べながら、立つように声をかければ、彼は、ハッとしたような表情を見せたのち、私の手を掴んでゆっくりと立ち上がる。

 

「タバコはせめて一本に減らしなよ。まぁ、一番は吸わないことなんだけど、一度喫煙して常習化してる人は、すぐにはやめられないって聞くし、無理にやめろとは言わないけど。」

 

「!!」

 

 私の言葉に獄寺君は慌てて口に咥えていたタバコを地面に全て捨て、火を消し始める。

 

「吸い殻をそのまま放置するわけにもいかないから、とりあえず水を使って全部濡らして、再び火がつかないように始末してから、袋にぽいっと。よし、これでOK。」

 

 しっかりと後始末を終えたことに満足しながら、彼が口にしていたタバコの吸い殻が入った袋に、別の袋を被せることで二重に。

 うん、完璧。前世にいた従兄弟達の始末の仕方を覚えていて正解だったな。

 

「……御見逸れしました、10代目。ここまで攻撃を捌かれてしまうとは。」

 

 そんなことを思っていると、先程までの荒々しさとは一変し、落ち着いた様子を見せる獄寺君が口を開く。

 すぐに獄寺君へと視線を向けてみれば、彼はどことなくスッキリしたような様子で私を見据えており、口元に穏やかな笑みを浮かべていた。

 

「とても美しく繊細な動き……咄嗟の判断力と切り返し……その全てに心打たれました。

 誰よりもボスにふさわしいあなたに、オレは、ついて行きたいです。」

 

「………マジか。」

 

「よかったな、ナツ。ファミリーが1人増えたぞ。」

 

「……(素直に喜べねー……。)」

 

 しおらしくついていかせてくれと頼んでくる獄寺君に、軽く遠い目をしてしまう。

 でも、ここで断ったところで、彼は素直に引き下がらないような気もするし、ここは、喜べるとは言えないけど、受け入れるくらいはした方がいいだろうか。

 

「んじゃ、隼人。」

 

「!はい!!」

 

 名前を呼んだ瞬間、目を輝かせた獄寺君……改め、隼人に、犬の耳と尻尾の幻覚を見ながら、私はあることを提案する。

 これは、彼の健康のためにもなるはずだし。

 

「ダイナマイトは導火線に火をつけることにより、本体の火薬を爆発させる武器だけど、流石にタバコで火をつけないといけないってのは見過ごせない。

 早いうちからタバコを吸って、肺をおじゃんにしちゃったら、想定より寿命も短くなるだろうからね。

 だから、必ず、タバコで火をつけなくても使えるようなダイナマイトを開発して。必要なら私も手伝うから。

 まぁでも、どっちみち時間はかかるだろうし、できるまでは、戦闘時のみタバコを使うことを許可するからさ。

 ただ、日常的に吸うのだけはやめてほしいな。早いうちに、仲間になってくれた子を失いたくないし?」

 

「10代目……。」

 

「ま、そう言うわけだから、まずは健康を目指してみよっか。しばらくの間は口淋しいかもしれないから、日常生活の方の禁煙も手伝うよ。

 そんで、時には一緒にどっか遠くへ遊びに行ったりしてみよ。だって、折角の同い年なんだからさ。学生生活も満喫したいじゃん?

 大人になったら、馬鹿騒ぎもできなくなりそうだし、たくさん思い出作ってこ?」

 

「………!はい!!」

 

「よっし。そんじゃあ、隼人のことを、私のファミリー兼大切な友達として認めるよ。仲良くしてこ!」

 

「大切な……友達……?」

 

「ん?うん。だって仲良くなるってそう言うことじゃん?それとも、隼人は友達はいやかな?」

 

「そ、そんなことありません!!ですが、あの、本当に、オレを友達に……?」

 

「なんでそんなドギマギしてんのさ。嘘なんかついてないよ?私。」

 

「じゅ……10代目ぇ……!!」

 

 ……なぜかめちゃくちゃキラキラとした目で見られてしまった。なぜに?

 まぁ、いいか。何にせよ、新しい仲間をゲットしたってことで良しとしよう。

 ファミリーなんてもの手に入れちゃったら、後戻りは多分できないだろうし、こうなったらとことん付き合っていくとしますかね。

 私の先祖が作り上げた、ボンゴレファミリーとか言うマフィアにさ。

 

 

 

 

 




 沢田 奈月
 とうとうファミリーをゲットしてしまった転生者な10代目。
 全体的に能力が高く、咄嗟の切り返しや、対応も見事こなしてしまうボスの器。
 後戻りできなさそうだと判断したため、マフィアに付き合うことにするが、あまり厄介なことは起こってほしくないと言う望みは消えていない。

 獄寺 隼人
 奈月が見せた咄嗟の切り返しや判断力の早さ、見事なまでの戦闘運びをその身に浴びて、その実力に完敗し、感服したため、彼女のファミリーとなる。
 しかし、ファミリーとしてだけでなく、友人としても側に置くと言われた結果、(良い意味で)心まで完全敗北した。
 彼女から言われた課題、タバコを使わないでも火をつけることができるダイナマイトの開発や、禁煙を全力で頑張るつもりでいる。
 この時の彼はまだ知らない。禁煙の手伝いとして、10代目の手から飴やチョコレートを口に放り込まれることになるとは……

 リボーン
 獄寺を呼びつけた家庭教師なヒットマン。奈月が見せた切り返しや戦闘運びをその目で見て、改めてマフィアのボスになれないはずがないと呆れていた。

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