最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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まぁ、結局そうなるか。

「はひーっ!?誰ですか─────っ!!?」

 

 突如現れた青年に、ハルが混乱したように叫ぶ。まぁ、初めて見たからそうなるわな、とどこか納得しながらも、現れた大きなランボに声をかけようとしたら、ハルの声に気づいた大きなランボはハルの方へと目を向けるが、すぐに私の姿を視界に入れて、一瞬だけキョトンとした表情を見せる。

 しかし、すぐにその表情は明るいものへと変わる。

 

「お久しぶりです!いと……ではなく、親愛なる若きナツさん!」

 

「……なんか今別の言葉口にしかけなかった?」

 

「何のことでしょう?ナツさんの気のせいだと思いますが……」

 

 こちらに駆け寄ろうとした大きなランボが、何やら普段とは違う言葉を口にしそうになっていたのを指摘するが、気のせいだとはぐらかされる。

 いや、絶対気のせいじゃなかった。なんか言いかけてた。悪い言葉ではないけど何か言いかけてた。

 小さいランボが嘘をつく時のように、しらーっとあらぬ方向へと視線を移動させ、言葉を濁す大きなランボを半目で見つめながらそう考えるが、追求はできそうにないな。

 

「て言うか、君、私と2人でお茶会してたの?」

 

「そうなんですよ。実は、未来のナツさんのお手伝いを少しずつこなしているのですが、その時にナツさんとリボーンが決めた一つのシステムとして、一週間のうち、ナツさんから今週のMVPカードをもらったファミリーは、日曜日にご褒美をもらえると言うものを導入していて、そのカードを使って、ナツさんと2人きりでお茶をしたいとお願いしたんです!

 それで、先程まであちらのナツさんと2人でお茶をしていて……」

 

「なるほど。私ならファミリーをコントロールするために導入しそうだな。正直、支離滅裂な醜い誉争いが起こってそうだけど。」

 

「確かに起こってましたね……。特に、両腕の2人と双璧の2人の計4人の間で。

 その隙を見てオレがMVPカードをもらうために頑張った結果、なんとか入手しました。」

 

「双璧って誰と誰よ……。まぁ、いいや。で、カードをもらったランボは、ご褒美に私との2人きりのお茶会を所望したんだ。」

 

「はい!」

 

 となると、大きなランボのせっかくの休日を、ちっちゃなランボはある意味邪魔しちゃったのか。

 それは申し訳ないことをしたな……。いや、私が謝ることじゃないかもしれないけど、武の投球がなかったらちっちゃなランボがバズーカを撃たなかったわけだから、キャッチボールをするって言葉を聞いた瞬間、実行させないように止めることもできただろうし、うん。

 やっぱり少なからず私も悪いような気がする。

 

「それは悪いことをしたね。こっちのランボにバズーカを使わせちゃったのはこっちのミスだ。小さな君の世話係の人選ミスをしたのはこっちの方だし。」

 

「「「ゔっ」」」

 

「……あの、ナツさん。なんか、あっちでリボーン達がガラス片でもささったかのような反応をしているのですが?」

 

「気のせい気のせい。気にしないでいい。」

 

「あ、ハイ。」

 

 こっちの監督責任、及び安全の考慮の不備を口にした結果、背後にいたメンバーに何故かダメージが入る中、大きなランボには気のせいだから気にするなどいい張る。

 まぁ、少なからずこちらもストレスは感じていたからね。いつも無邪気に頑張ってるランボにではなく、頑張っているにも関わらず、ランボに対していろいろ言ってる隼人やリボーンに。

 あとは、安全を考慮していなかった武にも、今回は少しだけ怒っていたりもする。

 

「あの〜……ナツさん。」

 

「ん?」

 

 あの3人組には、みっちりと子育てとはなんなのか、保育とはなんなのか、子守りとはなんなのかを教えるべきか……と“わたし”の記憶の中にある従姉妹や友人達の子育て方法を思い出しながら考えていると、おそるおそるといった感じにハルが話しかけてきた。

 彼女は私の後ろに身を隠しながら、大きなランボへと目を向けていた。

 その頬は、誰かに好意を寄せているものとは違い、かなりの困惑と羞恥に見舞われているような赤みを帯びており、目の前にいる大きなランボを訝しげな目を向けていた。

 

「さっきから、そこの胸元バーンなワイセツ罪一歩手前の全体的にエロイ人のことをランボちゃんと同じ名前で呼んでますけど、どー言うことですか……?」

 

「全体的にエロイ…………。」

 

「……とりあえず、ピュアな子にはその胸元おっ広げは刺激が強すぎるから、一旦閉めようか。

 そう言うファッションなのはわかるけど、こっちの時代……特に、学校の敷地内でやるようなものではないね。

 一応、私はここの風紀委員会の役員だし、あまり風紀を乱すようだったら、流石にランボとあろうとも処罰対象にせざるを得ないんだけど……。」

 

「学校……?ハッ!?た、確かにこのような場所の敷地内でやるべき格好ではありませんでした!!すぐに閉めます!!」

 

 こっちの注意を聞いて、急いで服の前を閉める大きなランボ。まぁ、流石に全部閉めるのは苦しいのか、首元だけ少し開けられているけど、ハルの様子から、これくらいならまだ問題ないのか、ホッと息を吐いたのち、私の横に並ぶように立った。

 

「と、挨拶が遅れましたね。お久しぶりです、親愛なる若きハルさん。」

 

「はひ?どうして私の名前を?」

 

「さっき、ランボが使ったの、一時的に未来の自分と今の自分を入れ替える道具だったんだよ。」

 

「へ!?22世紀レベルの話ですか!?」

 

「青の猫型ロボットは関係ないけど、どうやらマフィアの世界……裏側の世界には、それくらいのレベル技術を持ち合わせている人間がちらほらいるみたいでね。

 まぁ、その話は私も詳しくないし、きっと詳しく知ったらもうどうにもできないレベルで向こう側に足を踏み込むことになるだろうから、これ以上は調べないし話さない。

 ハルも、絶対に口外したらダメだよ。本当は、君にも知られたくなかったんだけど、目の前で見られちゃったからね……。」

 

「わ、わかりました!ハルはナツさんに誓ってこの話は墓場まで持っていくことにします!」

 

「ん、ありがとう。」

 

 約束してくれたハルに小さく笑いかけながら、感謝の言葉を述べれば、彼女は顔を真っ赤にしながら、あわあわと挙動不審になる。

 

「相変わらずナツさんは誰にでも好かれてしまいますね。オレも頑張らないとな……。」

 

「ん?」

 

「なんでもないです。」

 

 こちらの反応に、笑顔でなんでもないと口にした大きなランボ。しかし、すぐに何か気づいたような様子を見せたあと、そろそろか……と小さく呟く。

 

「そろそろ、いつものオレが戻ってくると思うので、よろしくお願いしますね。

 オレ個人としては、ナツさんにあまり負担はかけたくなかったんですが、この頃のオレは甘えん坊なので……。

 ずっと、ナツさんのような姉君がいてくれたらと思っていましたし、その分、余計に甘えてしまうんですよね。

 それだけあなたはオレにとって、とても大切で、腕の中にいたら、すごく落ち着く存在で、何よりも大好きな場所だった。」

 

 “それが姉に対してのものではない想いに気づくのは、少し遅すぎましたけど”……と苦笑い気味に言葉を紡ぐ大きなランボに、私は軽く首を傾げる。

 

「あはは……やはりあなたは、未来の皆さんみたいに、全力で想いを伝えないといけないみたいですね。」

 

「それ、どう言う……」

 

 こちらの質問を紡ぎ終わる前に、あたりにボフンッと煙が立ち込める。

 思わずビクッと肩を震わせ、煙の方へと目を向ければ、そこには本来のちびっ子ランボがいた。

 

「あ、ナツがちっちゃくなってるもんね!」

 

「……未来の私と、またお話ししてきたのかな?」

 

「うん!お菓子もいっぱいもらったんだよー!あ、でもナツのママンが作るごはんはしっかり食べるもんね!」

 

「ん。そうしてあげて。母さん、みんなに料理を振る舞うのがとても楽しいみたいだから。」

 

 おいで、とランボに声をかけ、しゃがんで両腕を広げれば、彼はにこにこと無邪気な笑顔を見せながら、すぐにこちらに寄ってきた。

 

「すっかり元気になったみたいで安心したよ。」

 

「えへへ!あ!ナツ!さっきボール?を取った時、すっごく痛そうな顔していたもんね!大丈夫なのー……?」

 

「!?」

 

「うん。大丈夫だよ。心配してくれてありがとうね。」

 

「オレっち、いつかナツをお嫁さんにするつもりだもん!ボスからも、女の人は大事にしないとって言われてるもんね!」

 

「あはは。そっか。そう言ってくれて嬉しいな。」

 

 ランボと一緒に笑っていると、こちらに駆け寄ってくる足音が聞こえてきた。

 気配からして、どうやら武が走ってきてるようだけど……。

 

「ナツ!!チビが言ってたこと本当か!?」

 

「うお!?え?あ、手のこと?大丈夫だよ。少し衝撃が強かっただけだから気にしないで……」

 

「悪い!!本当にすまなかった!!」

 

「おっふ……」

 

 勢いよく頭を下げられ、思わずタジタジになる。

 かなりの全力謝罪……私が手を痛めたと思ったのだろうか……。

 別に気にしなくてもいいんだけどな……。確かにちょっと痛かったけど、ほんの少しの間だけだったし……。

 

「んー……まぁ、確かにちょっと痛かったけど、今はそうでもないから気にしないでよ。

 ただ、グローブ越しでもかなり衝撃があるボールは、仮にキャッチできたとしても、ちびっ子にはかなりキツいから、ちびっ子相手にキャッチボールをするなら、ちゃんと加減ができるようになってからにしようか。」

 

「ああ。そうするな。」

 

 少ししょげながらも私の言葉に頷く武の頭を背伸びをしながら軽く撫でる。

 急に頭を撫でられた武はびっくりしたような表情を見せるが、すぐに苦笑いをしながら気恥ずかしそうに頬を染めた。

 

「やっぱりナツが率先して面倒を見るしかねーのか……」

 

 そんなことをしていると、リボーンが少しだけ表情を歪めながらポツリと呟く。

 その様子から、結局少しも負担を減らすことができなかったと言う僅かな落胆を感じ取ることができた私は、何度か瞬きをしたあと、小さく笑う。

 

「ありがとう、リボーン。心配してくれて。でも大丈夫だよ。特に苦だと思ってないからさ。」

 

 これくらい平気と伝えて、ランボの頭を優しく撫でれば、彼は笑顔を見せた。

 「ナツの手気持ちいいもんね!」だってさ。よかった。“私”がまだ“わたし”だった時、正月やお盆の時に実家に帰ってきた親戚のちびっ子の面倒を見ていたおかげで、なんとかランボもしっかりと面倒を見ることができる。

 まぁ、そのせいで親戚のちびっ子男児達から、大きくなったらお嫁さんにする!!って何度か言われた気もするけど。

 あの子達、みんな元気にやってるかな。やってるならいいな。

 

「獄寺。山本。お前ら、なるべくナツから子供の世話の方法を教えてもらえ。

 オレはこんな身だからどうすることもできねーからな。体がでけーお前らがなるべくナツの負担を減らしてやれ。」

 

「はいっス!」

 

「オッケー!ナツ。できる限り手伝うからチビの世話のやり方を教えてほしいのな!」

 

「オレもやるんで、何でも言ってください!!10代目ばかりに負担はかけさせませんよ!」

 

「……2人とも…………。」

 

 別に気にしなくてもいいのにと、一瞬出そうになる言葉。しかし、こちらに視線だけを向けてきたリボーンから、少しくらいは休めと言われたような気がして、すぐにそれを飲み込んだ。

 ……私1人でもできる……けど……少しくらいは甘えてもいいのかな。

 

「……ん。わかった。じゃあ、少しずつみんなに教えるよ。子供の世話のしかた。」

 

「了解っス!」

 

「ああ。よろしく頼むぜ、ナツ先生!」

 

「あ、あの!ナツさん!ハルもお手伝いはたくさんできるので、必要とあれば呼んでくださいね!ナツさんのためなら、ハルはどんなこともしますから!

 だからナツさんばかりで頑張らないで、私達にも頼ってください!」

 

「……ハルもありがとう。うん。必要だと思った時は、みんなに声をかけるよ。

 まぁ、その前に、隼人と武はまず子供の世話、子守りとはなんたるかを学ぶ必要があるけどね。」

 

「「ゔ……おっしゃるとーりです……。」」

 

「……ぷ……あはは……!2人揃って同じ反応をするのはちょっとずるいよ……っ」

 

「「!」」

 

 隼人と武の反応が全く同じだったため、思わず笑い声をこぼす。

 すると2人は一瞬目を丸くしたのち、なぜか顔を赤くしてしまった。

 はて……?

 

「……獄寺さん、山本さん。例えお2人とは言えど、ハルはナツさんを譲りませんからね。」

 

「ばっ!?何言ってんだアホ女!!」

 

「オレだって2人にはナツを譲りたくないぜ?」

 

「む!!」

 

「てんめぇ……!!」

 

「え、ちょっと待って。何で急に険悪ムードになってんの!?」

 

「………やっぱナツは気付いてねーか。」

 

 リボーンの言葉に首を傾げるが、とりあえず喧嘩しそうになってる3人を急いで止める。

 子供の前で喧嘩をするのはいけません!!

 

 

 




 沢田 奈月
 全て自分でやろうとしてしまうタイプのボンゴレ10代目。
 今回の出来事で、少しだけ周りを頼ることを学んだので、いざと言う時は頼ってもいいんだ……と少しだけ頭の片隅に刻む。

 リボーン
 ナツの負担を減らすためにやったことが空回りしてしまったが、最終的に彼女から、必要な時は頼ると言う言葉を聞き出せたため、とりあえずは結果オーライだと考えるヒットマン。
 とりあえずナツは、周りに好かれてることと、心配されてることを理解しやがれ。

 獄寺&山本
 奈月の負担を減らしたい10代目の両腕候補。
 これからナツに教えられながら、小さな子供の相手の仕方を身につけていく。

 三浦 ハル
 奈月の負担を減らしたい女の子。
 獄寺と山本が自身の恋敵(ライバル)になりそうな気配を察知したので、絶対に譲らないと宣戦布告した。

 ランボ
 相変わらず奈月のことはお嫁さんにしたい系男児。
 自分のことを奈月が守ってくれたことと、その結果奈月が痛い思いをしたことを何となく理解しているので、真っ先に彼女の手を心配した。

 大きなランボ
 一時的に小さな自分と入れ替わっていた未来のランボ。
 未来でしょっちゅう起こる奈月のご褒美を取り合うメンツの中で頑張って今週のMVPを勝ち取った。
「両腕と双璧は誰か……ですか?両腕は言わずもがなあちらのお二人です。双璧は……強いて言うなら、紫と藍色です。」by大人ランボ
「………???」by奈月

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