最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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お誕生日はカオスでいっぱい Ⅰ

 ランボの保育係を決める謎イベントは、結局私が隼人と武にも子守のやり方を教えながら、みんなでやると言う話でまとまり、終了した。

 あれから数日後、いつもの学校への通学路を歩いていると、視界のすぐ先で隼人が武の胸ぐらを掴み、武がそんな隼人を片腕で押し返しながら見据えている姿が映り込んだ。

 あの2人、また喧嘩してんの?と呆れながら、ゆっくりと彼らの元へと向かう。

 

「ちょっと、そこの2人組何してんの。校舎内で喧嘩おっ始めようとか考えてないよね?」

 

「おわ!?10代目!?あ、えっと、おはようございます!」

 

「あはは……はよ、ナツ。大丈夫だぜ。別に獄寺と喧嘩はしてねーからさ。」

 

 いつも持ち歩いているトンファーを手にして隼人達に声をかけると、彼らは驚いたような反応を見せたあと、苦笑いをこぼす。

 その姿に何か隠していることを感じ取った私は、少しだけ訝しげに目を向けるが、こっちに隠したいのであれば、あまり詮索しない方がいいと判断し、すぐにトンファーを収めた。

 

「ったく……何をしようとしてるのか探ったりはしないけど、くれぐれも危ないことはしないように。いくら2人でも、危険を顧みず何かをするようなら、容赦なく物理で沈めて強制的に止めるからね。」

 

「ゔっ……はい、気をつけます……」

 

「ああ。気をつけるぜ。」

 

「ならよし。何かやることあるんじゃない?それなら、さっさと始めなよ。こっちに詮索されたくはないんでしょ?」

 

「…………。」

 

「たはは……やっぱりナツにはバレるんだな。」

 

「流石は10代目っス……。」

 

「妙に勘だけはいいからね、私。そら、やりたいことあるなら解散解散。」

 

 こっちの言葉を聞き、隼人と武は別々に行動を取り始める。

 そういや、昨日からハルやビアンキ姉さん、さらにはランボまでちょっと様子が変だったな。

 全員にやりたいことあるなら、こっちに構わずやったらって返したら、苦笑いをこぼしてたっけ。

 ランボはくぴ〜……とバレてる……みたいな感じの反応をしていたし。

 近々何かあるかと言われたら、明日の私の誕生日くらいだけど、どうも全員、こっちの誕生日ってよりは、別の人のために何かしてるように見えるんだよね……。

 

『明日はナツキの誕生日なのか。』

 

「ほわ!?」

 

 なんてことを考えていると、背後から第三者の声が聞こえてきた。急なことに驚き、素っ頓狂な声をあげてしまった私は、急いで背後に目を向ける。

 そこにはジョットさんが立っており、こっちの方を見据えていた。

 

「びっ………くりしたぁ……。久々に話しかけてきたね……。今までどこに行ってたの?」

 

『ああ。オレがボンゴレをまとめていた時にいた友を探していたんだ。Gとアラウディは一緒にいたが、他のメンバーがなかなか姿を見せなかったからな。』

 

「……なるほど。」

 

 最近見なかったと思えば、これが真相だったらしい。

 Gさんやアラウディさん以外のジョットさんのかつての仲間か……。それはすごく会ってみたい。

 でも、辺りを見る限り、目新しい人はいないようだけど……

 

『ジョット。雨月が見つかったぜ。』

 

『こっちはランポウを見つけた。ナックルは見当たらなかったよ。』

 

『……やっぱあっちは探してねーのか。』

 

『探したところで見つかるかわからないし、見つかったところで、こっちに来るかと言われたら、来ない方が可能性は高いんじゃない?』

 

『ま、そうだよな……。』

 

 なんてことを思っていると、Gさんとアラウディさんが姿を現した。よく見るとGさんの隣には、純日本人と思わしき狩衣姿の男性がおり、アラウディさんは、私と少し歳が近い男の子の首根っこを引っ掴んでいた。

 

「……増えた。」

 

『増えたな。』

 

『増やしてきた。』

 

『見つけたから連れてきただけ。』

 

 ポツリと呟けば、ジョットさんとGさんがこちらに合わせるように言葉を繋げていく。

 アラウディさんはそんな彼らを見て少しだけ呆れたような様子を見せたあと、こちらから離れた位置で私達を見据える。

 

『ほう……この方がプリーモの子孫でござるか。』

 

『ちっちゃな女の子だものね。プリーモにちょっと似てるような雰囲気あるけど、結構可愛いかも……』

 

『ああ。ナツキと言う名前でな。今はオレ達が時折戦い方を教えているんだ。……ランポウ。ナツキを可愛いと思うのは勝手だが、あまり絡み過ぎるなよ。』

 

『絡まないって!!だってオレ様達が視えてるのこの子だけなんでしょ?人が多いところで絡んじゃったりしたら、この子が変な目で見られるから、ちゃんと場所は考えるものね。』

 

『奈月殿……とても良い名前でござるな。と、挨拶をしなくては。私は朝利 雨月と言うものでござる。

 かつて、プリーモのもとでファミリーの1人として過ごしていたものでござる。』

 

『あー……オレ様はランポウだものね。ナツキ……ナツ……?ナツって呼んでいい?』

 

「……ご丁寧にありがとうございます。わたしは沢田 奈月です。えっとランポウさん……君……?どっちで呼べばいいかわからないけど、好きなように呼んでいいよ。」

 

『じゃあナツで。オレ様のことも好きに呼んでいいよ。』

 

「なら君付けで。」

 

『うん。』

 

『話はGから聞いているでござるよ。何でも、前世の記憶とやらがあるのだとか……』

 

『オレ様もアラウディから聞いたものね。最初はちょっと信じられなかったけど、アラウディやプリーモが嘘をつくとは思えないし、信じたものね。』

 

「ええ。その通りです。……Gさん、わたしのこと話したんだ。」

 

『ああ。勝手をしてすまないとは思ってるんだが、オレ達が視える理由を話す流れで必要を感じたため話させてもらった。』

 

「確か、ジョットさんもそうだったっけ……。」

 

『ああ。確かにGとアラウディに話したな。あの時はすまなかった。』

 

「別に構わないよ。だって、今のところそれと、ジョットさんが言った、思い当たる節が何らかの作用を引き起こしてしまったため、みんなが視えるようになった可能性が高いんだし。」

 

 周りに生徒がいないことを確認しながら、5人に増えた初代組との会話をこなす。

 しかし、不意にこちらに近寄ってくる気配を感じ取り、すぐに会話をやめて、気配の方へと目を向けた。

 

「また、秘密の友人達ってのと話してたのか?」

 

「うん。なんか増えたけどね。」

 

「増えたんだな。まぁ、今はそんなことはどうでもいいな。」

 

「うん?」

 

「ナツにだけ、ちと話し忘れてたことがあったんだ。」

 

「話し忘れたこと?」

 

 急に会話を切ったことに、少しだけランポウ君が拗ねたような表情をし、ジョットさんと雨月さんがそんな彼を宥める中、リボーンが口にした話し忘れたことに首を傾げる。

 

「もしかして、昨日から様子がおかしい隼人達が関係してるのかな?」

 

「……なんだ、今日なんかあることに気づいてたのか。」

 

「勘だけはいいからね。」

 

 背後で、『それってプリーモの影響なんじゃ……』とか『やはりプリーモの子孫は感が鋭いのでしょうなぁ』とか聞こえてくるけどスルーして、教えてくれるの?と言うように、リボーンの方へと目を向ける。

 

「今日はオレの誕生日だったんだ。だからみんな、オレの誕生会の準備をしてるんだぞ。」

 

「え?リボーンの誕生日って私の1日前だったの?」

 

「ああ。言い忘れてたがな。」

 

「そこは7日くらい前に言ってほしかったかな。今からじゃ、簡単なものしか用意できないじゃんか。」

 

「なんだ、用意してくれるのか?」

 

「せっかくの誕生日に、私だけ何もプレゼントしないのは気が引けるからね。とは言え、渡せるものは本当に簡単なものだから、あまり期待はしてほしくないけど。」

 

「その気持ちだけでも十分だ。楽しみにしておくぞ。」

 

 そう言って私の前から立ち去っていくリボーンを見送りながら、さて、どうしたものかと考える。

 一応、家に帰ればどうにでもなる問題だから焦りはないけど、あれで彼が喜んでくれるかどうか……。

 

『ナツ。あんなこと言っちゃったけど、大丈夫?』

 

 うーん……と軽く頭を悩ませていると、ひょっこりとランポウ君が私に近寄り、背後から抱きつきながら聞いてきた。

 

「……何で抱きついてきたのランポウ君。」

 

『なんとなく?』

 

「なんとなくかー……」

 

『ランポウ。恋人でもないおなごにあまり抱きつくものではないでござるよ。』

 

『つか離れろ。ジョットがこえーから。』

 

『一番見た目の年齢が近いからって、抱きつくのは見過ごせないんだけど?』

 

『ランポウ。ナツキから離れろ。』

 

『ぐえっ!!わかった、わかったから首根っこ引っ掴まないでほしいものね……。』

 

 ……仲良いなこの人ら……と後ろのやり取りに視線を向けながらも、私は思考を巡らせる。

 そう言えば、家に天然石とビーズがあったな。ありあわせのチャームに、リボーンをイメージできるものがあればいいけど。

 

「……帰りに街を少しだけ歩こうかな。リボーンが一緒にいなければだけど。もしいたらありあわせのパーツでなんとかするか。」

 

『誕生日プレゼントを決めたのか?』

 

「うん。自室に自分のお小遣いで買い漁った天然石とビーズがあるから、それを使って何か作ろうかなって。せっかく買ったのに、これまで趣味の時間はあまり取ってなかったから手付かずのままなんだ。だから、ちょうどいいタイミングだと思ってね。

 まぁ、リボーンサイズを考えると、天然石よりビーズの方が色々作れそうだけどね。

 多分、ドールサイズのものじゃないと、今のリボーンにあったものは作れないだろうし。」

 

『なるほど。ハンドメイドのアイテムを作るのか。』

 

『つか、そんな趣味あったんだな。』

 

はんどめいど(・・・・・・)でござるか。確かに、思いを込めやすそうでござるな。』

 

『何を作るの?』

 

「タイピン。」

 

『あー……確かに、それなら普段使いもできそうだものね。』

 

 初代組と話しながら、リボーンに何を送るか決めた私は、遅刻しないうちに校舎の方へと歩みを進める。

 目の前で作ってあげるのも悪くないかも。ランボに注意しながらやってみようかな。

 

 

 




 沢田 奈月
 前世の趣味が、天然石やビーズを使ったアクセサリー作りだったボンゴレ10代目。
 その趣味は継続していたのだが、家の手伝いや勉強のこともあり、転生してから天然石やビーズをお小遣いで買ったまま放置していたため、これを機に再び道具を手に取ろうと考える。

 リボーン
 奈月に自分の誕生日を教え忘れていたヒットマン。奈月の誕生日が翌日とわかったので、何かプレゼントになりそうなものを探して、一旦学校を後にする。

 獄寺&山本
 リボーンの誕生日の準備をしていることがバレた2人組。やることあるならやってきたら?と言う奈月の言葉に苦笑いをしながらも、準備を継続中。

 ジョット、G、アラウディ
 久々に登場した初代組3人。実は他のファミリーを探すために彼女の元から離れていた。
 結果、2人ほど見つけることができたが、あと2人が見つからない。

 朝利 雨月
 Gに見つかった初代組の1人。彼から奈月の話を聞いていたため、前世があることを知っている。
 ジョット、G、アラウディの3人が奈月に時折訓練をつけていると聞き、可能ならば剣術を教えられないだろうかと考えている。

 ランポウ
 アラウディに見つかった初代組の1人。彼から奈月の話を聞いていたため、前世があることを知っている。
 3人は訓練つけてるみたいだけど、オレ様役に立てそうにないものね……と思っているが、奈月と話す口実として、イタリア語教えるとか……?と考えている。


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