最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
なお、彼の出番はこれから先ほとんどないので、ご注意を。
リボーンの誕生日が今日であることを知り、どんなデザインの贈り物をしようかと考えながら、今日一日の授業を終わらせる。
放課後となり、隼人と武が先に帰る中、のんびりと帰宅するための道のりを歩く。
……が、リボーンの気配が感じ取ることができないので、今歩いているのは自分と、自分にしか視えない初代組のみであることに気づいた私は、少しだけ進行方向を変え、街の方へと足を運んだ。
『あれ?ナツの帰宅路ってこっちだってプリーモ言ったよね?』
『ああ。そっちの方であっているぞ。どうやら、少しだけ寄り道をするようだな。』
『あの赤ん坊に対する贈り物の買い出し?』
『だろうな。何かしらのパーツでも追加で購入するんだろ。』
『真面目過ぎるでしょ。別に買う必要ないような気もするけど。』
『まぁまぁ。ここはナツキを見守りましょう。きっと、何か考えがあるのでござろう。』
背後で初代組が話す中、たどり着いたのは私がよく足を運んでいるアクセサリーの材料が売ってある専門店。
スクールバッグに突っ込んでいる財布を開き、どれくらい持ち歩いているかを確認して、その金額を覚えたら、いつものように店へと入る。
「いらっしゃいませ!あ、沢田さんじゃないですか!!こんにちはー!!」
「こんにちは、神谷さん。」
「なんだかお久しぶりですね。最近、あまり顔を見なかったのでどうしてるのかなー?って考えていたところだったんですよ!」
お店の中に入れば、そこには見慣れた店員さん。
確か、年齢は25歳。随分と若い店主だと思ったのは、今でも記憶にある。
「本日はどのようなものをお求めで?」
「身内が今日誕生日なので、何か作って渡そうと思っていたんですよ。でも、今家にあるパーツだけでいいものが作れるかわからなくて、補充しにきた感じです。」
「なるほど!それでしたらちょーっとお待ちくださいね!」
笑顔で私に待つように告げて、神谷さんは店の奥へと入っていく。
あ、なんかいいもの見つけてくれたな……とその姿を見送りながら、私は携帯電話を取り出す。
そう言えば、リボーンの誕生会何時から開始か聞くの忘れてたな。
「お待たせしましたー!実は沢田さんがお顔を見せない間、結構変わり種のチャームとかパーツを集めていたんですよね。ドールにつけるような細やかなものから、人に贈れる大きなものまで!選りすぐりのものを集めちゃいました。」
にっこにこの笑顔で見せてくれたパーツは、王道なものからマイナーなものまで沢山の種類があった。
よく見ると銃やボルサリーノのような帽子、あらゆる生き物のチャームなど、なかなか今回の贈り物にはおあつらえむきのものまで集まっていた。
「じゃあ、この金額分、全種類くれますか?」
この人は本当にいろんなもの集めてくれるな……と目を丸くしながらも、私は財布の中から飲み物代を差し引いた分の金額を神谷さんに提示する。
神谷さんはすぐに私が出した金額を数えたのち、小さく笑みを浮かべながら頷いた。
「お任せください!では、パパッと小分けにして入れちゃいますね!……といつもの僕なら言うわけですが……。」
そう言って神谷さんは、私が手渡したお金を先程見せてくれたさまざまなパーツが入ったケースに一緒に入れ、それごとこちらへと手渡してきた。
「……へ?」
まさかの事態に思考がフリーズし、何度か瞬きを繰り返す。すると、神谷さんはくすくすと小さく笑ったのち、私の手にそれを強制的に持たせてきた。
「本日は特別サービス!いつもご贔屓にしていただいている沢田さんに、これら全てを無償で差し上げます!まぁ、実際の誕生日は明日でしょうけど、一日早めの贈り物も乙なもの。
と言うことで、HAPPY BIRTHDAY、沢田さん!!僕からの誕生日プレゼント、お受け取りください!」
「!」
爽やかな笑顔を見せながら、早めの誕生日プレゼントだと言ってくる神谷さん。
急なことに驚いてしまった私は、思わず目を丸くする。しかし、すぐに意識を戻し、慌てて手にしているものを押し返そうとしたが、そうする前に神谷さんがぱっと手を離してしまったため、小さく「あ……」と声を漏らす。
「フフン。沢田さんの行動など僕にはお見通しですよー。僕は手を離した。沢田さんは手を離さなかった。これはつまり、沢田さんが贈り物を受け取ったと同義になります!
ってことで、返品は受け付けませんので、どーぞ、それはお持ち帰りいただければと。」
にぱっとしてやったり顔でこちらを見据える神谷さんの姿に、私は深くため息を吐く。
この人は、受け取られたものの返品はどうやっても受け付けないタイプの人で、手渡されたものを受け取ってしまった以上、これはもらって帰るしかなくなる。
こんなことしてくれなくても……と少しだけ苦笑いをこぼしてしまう。
だが、彼の厚意を無碍にするわけにもいかないため、私はさまざまなパーツが入っているケースと、支払おうとしていたお金を大人しく受け取った。
「ありがとうございます。でも、いいんですか?これら全部、集めるのはかなり大変だったのでは?」
「HAPPY GIRLは気にしなくてもいいんですよ。それにほら、天然石って言わば、多くの人の幸せや健康を願うためのお守りでしょう?
だから、これくらいお安い御用ですよ!もちろん、サービスは誕生日限定のものですから、次はちゃんとお金を支払っていただきますがね。
ほら、そろそろ帰らなくては、お友達の誕生日に間に合わなくなっちゃいますよ。」
「え?あ!?もうこんな時間!?」
「フフフ!素敵な反応、ありがとうございます!」
「笑わないでください!!」
急いで帰ろうと踵を返し、私は慌てて店の外へと向かうために足を進める。
でも、出入口付近までたどり着いた後、わたしは一旦足を止めて、背後にいる神谷さんへと視線を向けた。
「あの、ありがとうございます!またビーズや天然石を買いにきますね!」
「はーい、お待ちしてますよー!どうぞ幸せなお誕生日を!楽しみと刺激溢れる新たな年になることを願ってまーす!」
神谷さんの挨拶を背に、私は店の外に出る。その瞬間、すぐ側から「ナツじゃねーか」と言う声が聞こえてきた。
視線を声の方へと向けてみると、そこにはリボーンの姿があった。
「何してんだ、こんなとこで?」
「え、あー……えっと……ちょっとそこの店に寄っていただけだよ。」
「ん?……なんだ。こんなところに天然石の店なんてあったのか。」
「うん。品揃えがなかなか良くてね。たまに足を運んでるんだ。」
「そうだったのか。」
「リボーンこそ何をしてたの?」
「こっちもちょっと寄り道をしていたところだ。一緒に家まで帰るぞ。」
「ん。もうみんな集まってるかな。」
「多分な。」
どうやら、2人して寄り道をしていたらしい。こんなところで合流するとは思わなかったけど、まぁ、たまにはこんなのもありかな。
そう考えながら、自宅へと帰るための帰路につく。相変わらずリボーンは私の肩に乗っかっていた。
……奈月が店内から出ていったのを確認し、最後まで見送った幸弥。
彼はしばらく外へと繋がる扉を見つめながら、穏やかな笑みを口元へと浮かべる。
「そう。そうやってきみは、この世界で少しずつ幸せになってくれ。前の世では穏やかな生活を送ることができなかった寂しがり屋な女の子。
誰かの理想、誰かの望み、それをひたすら体現していたのに、最期まで報われず眠ってしまった女の子。
大丈夫。こっちは少々忙しくて、時には大変な世界ではあるけど、きみの周りにはたくさんの味方がいる。
今はまだ、1人で無茶をしたり、前世の癖が抜けなかったり、かつての苦い思い出のせいで、かなり息苦しいかもしれないけれど、必ずきみは最高の未来、最高の報酬が手に入れることができるから。」
ポツリと呟いたその言葉は、誰一人として聞いていない。当然だ。この店には今は、彼だけしかおらず、誰もここに入れないのだから。
そんなことを考えながら、幸弥は閉店の準備を始める。しかし、不意に彼は店の外へと目を向けて、金色の瞳をわずかに細める。
その瞳に映り込んだのは、橙、赤、青、緑、紫の五色の炎だった。
「……あのメンバーがいる以上、いろいろとイージーモードになりかねないわけだけど、まぁ、いいか。これも一つのサービスだ。
誰かと一緒に過ごす時間は、あればある程心が豊かになる。きっと、きみの未来の手助けにもなるだろうし、自分だけで何もかも抱えなくてもいいことを、少しずつ教えてくれるだろうさ。」
そんなことを思いながら、幸弥は視線を明後日の方角へと逸らす。金色の瞳には、何やら一本の糸のようなものが映り込んでいた。
「……ただ、この糸はなぁ…………。別に害があるわけじゃないし、彼も余程のことがない限り、彼女をどうこうするつもりはないと思うんだけど、一応見張るだけ見張っとこうか。」
糸自身の繋がりは、そこまで強力と言うわけではない。しかし、いつこの繋がりが強くなり、何かしら先程の少女に影響を及ぼさなければいいがと苦笑いをこぼしながら、自身がいる店内を片していく。
彼女の周りに集まる縁、それが彼女を幸せに導くようにと一つの望みと祈りを描きながら。
沢田 奈月
天然石のお店の店主から手渡されたアイテムに困惑の気持ちを抱きながらも、大切に持って帰ったボンゴレ10代目。
賑やかなバースデーになりそうだと思いながら、リボーンと一緒に帰路につく。
リボーン
奈月の誕生日プレゼントを買いに行っていたら、寄り道していたご本人とまさかの合流を果たしたヒットマン。
天然石なんかに興味あるのか……と少しだけ思いながらも、奈月とともに帰路につく。
神谷 幸弥
普段は天然石のお店で若き店主として振る舞っている銀髪金目の物腰柔らかな美青年。
ただひたすらに、奈月の幸福を祈っているが、どうやら彼女の過去に関係しているようで……?