最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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理科教師の偽り

 隼人をファミリーの一員兼、友人として迎え入れた翌日。いつものように学校に登校した私は、自身が通うクラスへと足を運ぶ。

 隼人の姿はない。時差ボケか何かで遅れでもしてるのだろうか?そんなことを思いながら、自身の席に座っていた。

 現在の時間は理科の時間。必要事項さえ暗記していれば、簡単に100点を取れてしまうことで有名なそれだ。

 まぁ、私は一夜漬けの丸暗記はしてないけどね。ちゃんと受けた授業で、しっかり取ったノートを使い、予習復習を真面目にこなしていた。

 

「沢田。」

 

「はーい。」

 

 そんなことを考えていると、理科を担当する教師、根津が私の名前を呼ぶ。

 すぐに間伸びした返事を返した私は、席から立ち上がり、教壇に立つ根津の元へと移動した。

 え?教師のことを呼び捨てにしてるけど何でか?それはね……

 

「相変わらず沢田はいつもしっかりと勉強をこなしている。その努力の積み重ねは、いずれ必ず実を結び、最高の結果を齎すだろう。

 エリートコースを歩んできた私が言うのだ。間違いなどあるはずがない。

 君は素晴らしい教導者になる。今回のテストも100点満点だ。」

 

「……どうも。これからも先生のような素晴らしい大人になれるように頑張りますねー。」

 

「そうするといい。他の者達も、しっかりと沢田を見習うんだぞ。」

 

 この、見下すような態度がクッソ気に入らねーからだよ。ひたすら自身の歩んだ道をアピールしまくって、モラハラとも取れるようなことばかり口にする。

 噂だと、点数が悪い生徒はクズ呼ばわりしているって話だし、何でこんなヤツが義務教育である中学校の教師やってんだよ。

 

「(こっちは必ず100点を取るようにしてるから、モラハラの被害に遭ってなからマシだけど、こいつにネチネチと長ったらしく見下された上、くっだらない倫理なし発言を浴びた生徒は、絶対精神病むだろ。)」

 

 ていうか、この男、ことあるごとにエリートコース自慢口にしてるけど、本当にその道歩んでんの?正直言って、全然そんな気配しないんだけど。

 何て言うか、全部偽りだと何となく思ってしまうんだよね。何か隠してそうだな、こいつ。

 ……なんてことを考えていると、教室の扉がガラリと開く。音の方へと視線を向けてみると、そこには隼人の姿があり、遅刻しているにも関わらず、堂々と教室の中を歩いている。

 

「コラ!遅刻だぞ!!今頃登校してくるとはどういうつもりだ!!」

 

「ああ!?」

 

「う…っ」

 

 いや、怯むんかいと内心でツッコむ。教師なんだから生徒に凄まれたくらいで怯んじゃダメでしょーが……。

 まぁ、隼人は見た目が完全にやばい系の不良だからね。しかもマフィアだからね。凄まれたら怖気付く気持ちもわからなくもないけど。

 

「やっぱこえーよあいつ……」

 

「先パイ達を締め返したって噂もあるしな……」

 

「(センパイを締め返した……?ああ、昨日の昼、仲良くなった時に出会した不良3年生を逆に返り討ちにしたあの話か。もうみんなの耳に届いてたんだ。)」

 

 コソコソと話している同級生達の言葉を聞き、少しだけ昨日のことを思い出しながら、未だに突っ立っている隼人に手招きをする。

 すると彼は私の方に視線を向けたあと、パァっと明るい笑顔を見せて、猛スピードで駆け寄ってきた。

 

「おはよーございます10代目!!」

 

「いや、早いわ。手招きを確認したあと秒でやって来たね。ていうか10代目呼びをクラス内でするんじゃない。

 確かに立場的にはそうだけど、公の場で見せていい部分じゃないでしょーが。」

 

「ハッ!申し訳ありません!!ですが、それだと何と呼べば……」

 

「こっちも隼人呼びしてんだから奈月でいいよ。呼び捨てが億劫なら敬称つけていいからさ。ほら、一回私の名前を呼んでごらん。」

 

「え、えーっと……奈月……さん……?」

 

「何で疑問系?」

 

「い、いえ、その……!き、緊張してしまって……!!」

 

「昨日あんだけ話したのに緊張も何もないでしょ……。」

 

「あ、あれとこれとは別ですから!!」

 

「ほらほら、もう一回名前呼んでみてよ。」

 

「うぐっ!?……な、奈月さん……。」

 

「……まぁ、今はそれでいいや。これから慣れてこ。」

 

 顔を真っ赤にする隼人を少しだけ可愛らしいと思いながらも、なんとか名前呼びを練習させる。

 まぁ、すぐに自然体で呼べるようにはならなさそうだけど、ゆっくり時間をかければ、どこでも10代目って呼ぶ癖を直させることができるかな。

 

「は!?どーなってんだ!?」

 

「いつのまに付き合って……?」

 

「いや、まだ付き合ってないかもしれないだろ……?」

 

「でも、仲良過ぎじゃ……」

 

 早めに矯正しなきゃ……なんて考えていると、周りの男子があらぬ誤解をし始めてしまった。

 いや、まぁ、やりとりがなんかそれっぽくなったなって自覚はあるけどさ、別に私と隼人は付き合ってないからね?

 

「……あくまで仮定の話だが、平気で遅刻してくる生徒がいるとしよう。

 そいつは間違いなく落ちこぼれのクズとつるんでいる。なぜなら類は友を呼ぶからな。

 そんな連中と、優等生はつるむべきじゃない。悪影響を受けるのは目に見えている。

 私のようなエリートコースを歩みたいと言うのであれば、そのような連中とは即刻縁を切ることを推奨するぞ。」

 

「テメッ……!!」

 

「隼人ストップ。騒ぎが大きくなるから落ち着きなよ。相手は仮定の話……仮説として口にしているだけだからね。」

 

「……わかりました。」

 

 根津お得意のエリート談義に反応を示した隼人を片手と言葉で制止する。

 私の言葉を聞いた隼人は、一度こちらへと視線を向けたあと、なんとか落ち着きを取り戻した。

 うん。挑発じみた言葉にあのまま乗せていたら厄介なことになっていたのは間違いないね。止めることができてよかったよ。

 

「あくまで仮説として講じてましたが、あえてお言葉を返します。獄寺君は、まだイタリアから日本に来日してそこまで時間が経っていません。

 イタリアと日本の時差は、約7〜8時間。時差ボケを起こしてしまい、間に合うように起きることができなかった可能性は十分あります。

 確かに、遅刻をするなどもってのほかだと思いますが、個々の人にも事情ありきとして、今日だけは見逃してあげてはいかがでしょう?」

 

「……ま、まぁ、沢田がそこまで言うのであれば、今回は見逃そう。だが、次はないと思うように。わかったな?」

 

「チッ……」

 

「隼人。」

 

「ゔ……わかりました……。」

 

「理解したようで何よりだ。」

 

 私の冷静な返しを聞き、根津の矛先が納まる。それならばと、彼に突っかかろうとしていた隼人にも矛を納めさせるために、舌打ちしか返さなかったことを咎めれば、次は遅刻しないようにと言う言葉を承諾した。

 10代目が言うから従うだけであって、お前には絶対に従わないからなと言う意思をめちゃくちゃ感じるけど、気づかないフリをして黙っておこう。うん。

 

「すげー……」

 

「流石沢田だな……」

 

「奈月ちゃんカッコいい……」

 

「ていうか、イタリアと日本ってそんなに時差があったのか……」

 

 ……今、何か男子が気になることを言っていたけど、とりあえずスルーしよう。

 ていうか、東大卒業してるくらいなら、イタリアと日本の時差くらい理解できるだろ。何で一瞬、そうだったのかみたいな反応したんだ根津。

 

「………(これは……間違いなく黒かな。)」

 

 あとは、その証拠になりそうなものを見つければ、なんとかなりそうだけど……さて。

 

「(どうやって、彼の嘘を暴こうか?)」

 

 




 沢田 奈月
 テストは毎回100点満点の転生者。
 根津を見た時からなんか虚飾で着飾ってそうだなと考えていたが、今回のイタリアと日本の時差を知らない様子から、虚飾まみれと言う疑いを確定した。
 自身が勤めていたパワハラモラハラ上司と似たものを感じていたため、根津が大嫌い。

 獄寺 隼人
 奈月に制されたことで、原作とは違い、暴力沙汰を教師相手に起こさなかった最初のファミリー。
 堂々とした態度を取り、ハッキリと教師に進言し、さらには遅刻した自身を守ってくれた奈月にときめいていた。

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