最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
正一君に送ってもらい、帰宅した矢先に飛んできた祝いの言葉に思わず固まって瞬きをする。
「なっちゃんのこんな表情初めて見たかも。」
「確かに。普段は私達の方が驚かされてばかりだったからね。ちょっと珍しい反応が見れたね。」
「あら、そうなの?ナツって割とリボーンに驚かされている様子があったけど。」
フリーズして瞬きをしていたら、京ちゃん、花、ビアンキ姉さんの順番で言葉が並べられる。
それによりフリーズから意識を戻した私は、すぐに京ちゃん達に目を向けた。
「京ちゃん達も来てくれたんだね。」
「うん!」
「当たり前じゃない。ナツは私達の親友なんだからさ。」
「……そっか。ありがとう。」
笑顔で私のことを祝いにきたと言ってくる京ちゃんと花に、私は少しだけ笑みを浮かべて、感謝の言葉を述べる。
そんな中、私の肩に乗っかる少しの重さを感じ取り、視線をそちらへと向けてみれば、リボーンが小さく笑みを浮かべ、私のことを見据えてきた。
「お前のことだから、気を遣わなくても、なんてつまらねーことを言い出しそうだから先に言っておくが、全員、気を遣って集まったわけじゃないぞ。
全員、心の底からナツのことを祝いたいと思ってるんだ。だから、素直に喜んどけ。
これが、今のお前に向けられている全員の想いだからな。」
「リボーン……。うん。そうさせてもらうよ。」
リボーンの言葉に素直に頷けば、彼は満足そうに笑ったあと、私の肩から飛び降りる。
それと入れ替わるように、母さんが前に出て、私に穏やかな笑みを向けてきた。
「手洗いとうがいを済ませて、着替えておいで。母さん達、リビングの方で待ってるから。」
「うん。」
母さんに言われて、手洗いとうがいを済ませて自室へと上がり、持っていたスクールバッグと贈り物が入った紙袋を置き、服を着替えてリビングへと向かう。
そこには、
「よ、ナツ!先に邪魔していたぜ!お誕生日おめでとうな!」
「10代目!お誕生日おめでとうございます!お席はこっちっスよ!」
「ありがとう、2人とも。……見事なまでに私の左隣と右隣を陣取ってるな君ら。」
「俺が右側です!」
「じゃんけんで負けちまってなー……オレは左になっちまった。」
「何?2人して両腕固めてますって?」
「「おう!/はいっス!」」
「あはは。君達らしいね。」
明るい笑顔を見せながら、私が座る場所へと誘導してくる隼人と武と言葉を交わしながら、せっかく呼んでくれているからと、言われた席へと腰を下ろす。
しかし、ふと一つの疑問が脳裏を過ったため、私は静かに口を開いた。
「そう言えば隼人。」
「どうしました?」
「君、普段は姉さんといる時、体調崩し気味になるけど、今日は大丈夫なの?」
「はいっス!最初はちょっと体調悪くなってたんスけど、アネキが顔の一部を隠していれば、不思議と問題ないんですよ!」
「なるほど?だから姉さんはゴーグルつけてるのか……。」
「ええ。全く……異母姉弟だからって、異性として意識し過ぎだと思わない?」
「うーん……そうかな?姉さんってすごく綺麗な人だから、思春期は結構照れてしまいそうだけど……」
「あら、嬉しいことを言ってくれるわね。」
ビアンキ姉さんがポイズンクッキングを食べさせ過ぎたからだよとは言えず、とりあえず思春期にはビアンキ姉さん程の美人は照れると思うと口にすれば、穏やかに笑いながらお礼を言ってきた。
うん、なんとか本当の理由を隠すことができたと少しだけホッとする。隼人がビアンキ姉さんと一緒にいるには、ビアンキ姉さんの顔を一部隠す必要があるって記憶にインプットしておこう。
「そう言えば、ハルと京ちゃん達は初めて会うんじゃない?」
「はい!自己紹介は済ませてあります!」
「ナツが緑中の女子と友達だとは思わなかったよ。」
「ちょっといろいろあってね。」
「実は、ハル。足を滑らせて川に落ちちゃったんですけど、その時にナツさんに助けてもらったんです!
その時のナツさんはとってもとってもかっこよくて!現在進行形でBIG LOVEなんですよー!」
「……ハル。サラッとそう言うこと言うのやめようか?なんか恥ずかしいから。」
「え〜……。」
「ハルちゃんの気持ちすっごくわかる!私と花も、入学して間もない時にちょっと悪質なナンパに遭ったことがあって、困っていたところをなっちゃんに助けてもらったの!」
「あの時のナツ。すごくかっこよかったよね。京子の腕をナンパ野郎が掴んだ時、颯爽と現れてさ。」
「うん!それで“嫌がってる女の子を無理やり連れて行こうとするような恥知らずに、手加減なんてする必要ないよね?”って静かに言って、そのナンパしてきた人の腕を捻り上げちゃったんだ!」
「なかなか衝撃的な出会いだったけど、私達を安心させるように笑って、未成年誘拐未遂として警察に突き出してくるね、って言って、ナツってばそのまま立ち去ったんだよね。」
「他にも私、なっちゃんに助けてもらうことがあって、ハルちゃんの言いたいこと、すごくわかるよ。」
「はひ!?う、羨ましいです……!!」
あれ、なんか話がおかしな方に流れていってる。
京ちゃん達とハルが、私の人助けエピソードをめちゃくちゃ話してるんだけど。
「そう言えばナツ。学校にまで入り込んでたあの人、一緒に暮らしていたんだ?」
「ああ……うん。ビアンキ姉さん。どうやらリボーンの知り合いだったみたいでさ。度が過ぎたことをやらないのなら家に住めばって話たから。」
「へぇ……。アンタも相変わらずお人好しだね。」
“こう見えて何度も追い出してやろうって場面には出会していたし、本気で一回締め出そうとしたんだけどね”と言う言葉は飲み込み、苦笑いをすることで、お人好しと言う言葉に対する返事とする。
私がこうする時は、いろいろ話を濁したいことを花はすぐに察してくれたのか、やれやれと言わんばかりにため息を吐いた。
「ナツ。お前、オレが見てないところでなかなかいろいろやってるじゃねーか。」
「そう言う場面によく出会すだけだよ。別に気にしてないし、困ってる人を放っておけないのは、昔っからのサガなんだよね。」
「そうか。まぁ、だが、程々にしとけよ。お人好しはお前の美徳ではあるが、それを発揮する場面を考えるようにしねーと、いつかそこにつけいって、何かする奴も現れてくるだろうからな。」
「……気をつけるよ。」
そんな中リボーンから告げられた忠告に対して、私は小さく笑みを浮かべながら、その忠告を素直に受け入れる。
とは言え、こちらは前世の方から持ち越してしまった感情とサガだから、ちゃんと制御ができるかわからないけど。
「さて、みんなでご飯を食べましょう!なっちゃんのリクエスト通り、今回はチーズ入りのハンバーグよ!」
「私、なっちゃんのお母さんのお手伝いしたんだよ。少しでも美味しくできてるといいんだけど。」
「はいはーい!ハルもナツさんのお母さんのお手伝いをしました!夕食後のフルーツタルトは、ハルとナツさんのお母さんと、花さんの力作ですよ!」
「気に入ってくれるといいな。」
「もちろん、私達全員から、あなたに対する誕生日プレゼントも沢山あるわ。ご飯を食べたら渡すから、覚悟してなさい。」
「ナツのためにオレっちもお手伝いしたもんね!タルトのフルーツはオレっちが並べたんだよ!ナツのプレゼントも用意したもんね!」
「オレ達は飾りを頑張ったんだぜ。」
「10代目のためを思って、華やかにしました!」
「今回の飾り付けは、私もやったのよ。本当は料理を手伝いたかったんだけど、ハルに京子、花とランボが4人で集まってやってたから、大人数はいらないと思ってね。」
「そっか。」
知らず知らずにポイズンクッキングが見事に防がれていて、内心で安堵する。
よかった。誕生日が命日になるようなことにならなくて……。
「ナツ。」
「ん?どうしたの、リボーン。」
「今から、とびっきり思い出に残る誕生日にしてやる。これは全部、オレ達の純粋に祝いたい気持ちから決めたものだ。
覚悟しておけ。お前のその誕生日に対する控えめな認識と、自分の誕生日に少しの贅沢でいいと言う考えを変えてやる。」
口元に笑みを浮かべながら、私にそう言ってくるリボーン。その笑みは明らかに赤ん坊のするものではなく、大人がするようなものであることを錯覚する。
まさかの表情に驚いていると、リボーンはニッと小さく笑ったのち、集まっている全員に声をかける。
みんなはその意味を理解したようで、笑みを浮かべて顔を見合わせたのち、私の方へと目を向けてきた。
「「「「「「HAPPY BIRTHDAY!ナツ!/なっちゃん!/ナツさん!/10代目!!」」」」」」
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「かなり賑やかな誕生日パーティーだったな。」
あれから私は、盛大に母さん達からお祝いされた。ご飯を食べる私の前で、隼人と武がいつ練習したんだと言わんばかりの漫才をしてみたり、そこに途中でランボが乱入して、てんやわんやになったり、ハル、京ちゃん、花、ビアンキ姉さんの4人でバースデーソングを歌ってくれたり、リボーンが不意打ちで私に銃を向けて引き金を引いたかと思えば、そこから綺麗な蝶々のブローチが出てきて、プレゼントだと言われたり……本当に賑やかな誕生日だった。
でも、あんなに楽しい誕生日は、かつて、幼かった“わたし”が両親にしてもらった時以来で、笑顔になってしまった。
充実した誕生日。しかし、これはまだまだ続くのだと理解できたのは、余韻に浸ってみんなからの贈り物を開けている時だった。
「風紀委員からはアロマキャンドルと手紙か。恭弥さんは……なるほど、学校はアクセサリー禁止だからと改めて言ってきた理由がわかるね。
……ブレスレット。私の誕生石であるイエロートルマリンの天然石が使われている。
一緒に入ってたこれは……ネコちゃん……?ネコちゃんのチャームがついてる天然石ストラップ……?え?私、恭弥さんからネコちゃんっぽいって思われてんの……?ネコちゃんは恭弥さんでは……?
と、意識がなんか変なところに……。えっと、正一君からはオオカミさんのぬいぐるみ。これは、ベッドに飾らせて貰おうかな。
ハルからはマグカップ。京ちゃんからは月がモチーフのバレッタ。花からはハンドクリームか。」
一つ一つ丁寧に包装を開けていき、中に入ってる贈り物を見ていく。手紙以外の全ての贈り物の中に、バースデーカードも入っていて、一言ずつ祝いの言葉が記されている。
小さなメッセージカードに記された祝いの言葉は、気を遣ったわけではないことを裏付ける、確かな気持ちが込められていた。
「このボクシング入門書……は、間違いなく京ちゃんが持ってきた了平さんからの贈り物だな。そう言えば、了平さんは今日部活があったから私の誕生日パーティーには来れなかったって言ってたな。
ビアンキ姉さんからは、綺麗なネックレスだ。ハートチャームがモチーフのローズクォーツのネックレス。
……ビアンキ姉さんの贈り物が一番高くない、これ?なんかちょっと宝石が本物っぽいんだけど?
えっと……隼人からは、ネコちゃんのブローチ。武からはネコちゃんのイヤリング……?なんでネコちゃんモチーフ多数あるの。私はそんなにネコちゃんっぽいか。」
こうまで動物モチーフで被るのかと苦笑いをこぼしながら、バースデーカードにも目を通す。
……いや、隼人のカードめっちゃ文字書かれてるな。もはやただの手紙だよ。小さい文字でよくこれまで書いたな。
「ランボからはマシュマロとお菓子の詰め合わせ……正確には、母さんとランボからの贈り物か。多分、ランボが選んで、母さんがお金を出したんだろうな。」
しばらくお菓子には困らないなと小さく笑いながら、それを自室に置いてある自分のお菓子入れに片付ける。
「ん?」
みんなからの誕生日プレゼントを、それぞれ入れる場所に収める中、ふと、机の上にどこか異質さを感じる黒のメッセージカードが置かれているのに気づく。
不思議に思いながらそのカードに手を伸ばしてみると、金色のペンか何かで記されている見たことないエンブレムが記されていた。
よく見ると、そのエンブレムは弾丸や貝のようなものを組み込まれて形成されている。
もしやと思い、折り畳まれていたそれを開き、中身へと目を向けてみれば、綺麗な文字で“21時に迎えに来る”と言う文字が記されており、下の方にはジョットと読める文字が記されていた。
「……ジョットさんからのメッセージ…………?」
メッセージカードにともった橙色の炎が揺れる中、誰からのメッセージカードかを察した私は、首を傾げながら呟く。
まさか、ジョットさん達も何か用意しているの……?あれ?そんなことより、なんでこのメッセージカード……
「確かな質量があるんだ………?」
沢田 奈月
大切な人々からの祝いの言葉と、用意された誕生日パーティーを満喫した結果、これまで感じたことがなかった充実感に見舞われて、心から笑えた10代目。
プレゼントの整理をしている時に、ジョットからのメッセージカードを受け取るが、メッセージカードに質量があることに疑問を抱く。
奈月の大切な人達
来年も祝ってほしい、あわよくば甘えていいんだよと伝えたい思いで誕生日パーティーを開催した彼女の大切な仲間達。
誕生日の話で、どこか暗い表情をしていた奈月が、最終的には心から笑ってくれたため、彼らも笑顔になった。
next→初代ボンゴレファミリー……?