最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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転生少女の誕生日 ver.六道 骸

 意識が奪われるような……何かに引き摺り込まれるような……そんな感覚に襲われながら目蓋を閉じる。

 

「奈月。起きてください。いつまでも眠っていられると、僕がお祝いできないのですが?」

 

「ん………骸……?」

 

「はい。あなたの精神世界に少しだけお邪魔している六道 骸ですよ。」

 

 程なくして沈む感覚がなくなると、すぐ側で声が聞こえてきた。それが、脳内に響いていた骸のものであることはすぐに理解できたため、ゆっくりと目蓋を開けてみると、まるで水中のようになっている場所にいた。

 

「おわ!?なんだこれ!?」

 

「あなたの精神世界ですよ。僕も驚きました。足を踏み込んだ瞬間、まさか水中にいるとは思わなかったもので。

 ですが、なかなか綺麗なものですよ。頭上を見てみればわかりますが。」

 

「頭上……?」

 

 骸が上を見ながら言うものだから、わたしもそれにならって上を向く。

 それにより視界に入り込んだのは、太陽の光が入り込み、光が降り注ぐ海の世界。

 夜の海ではなく、輝くような蒼が眩しい水の中でクジラやイルカなどを含めた多くの海の生き物が行き交っていた。

 

「あ……この景色……」

 

「覚えのある景色ですか?」

 

 最初は幻想的な海の世界に、見惚れるように固まってしまったが、程なくしてわたしは、この景色に覚えがあることを思い出す。

 わたしの反応から、こちらがよく知っている景色だと判断したらしい骸からの問いかけに、素直に頷きながら、わたしは静かに口を開いた。

 

「前世の誕生日の時に行ったことがある、大きな水族館と、前世の夏休みに連れて行ってもらったことがある海の景色……それが合わさってる景色だよ。

 ……まだ、家族みんなが一緒に暮らしていた時、わたしの父の趣味で外国に旅行へ行ったり、大きな水族館に行ったりすることがあって、その時に見た海の世界が、こんな景色だった。

 こんな景色に変質したのは……多分だけど、水族館で見た景色が強く印象に焼き付いていたからだと思う。

 まるで海の中にいるみたいな、そんな錯覚を覚える景色でね。人魚姫は、いつもこんな景色を見ているのかな?なんて、幼い頃は思ってて、人魚姫になれたら、もっとたくさんの海の世界が見れるのかなって考えたりもしていたから、それが反映されたんじゃないかな。」

 

「ほう……記憶と自身が考えたものを合わせてこのような景色を作り上げることができるとは……。もしかしたらあなたは、僕と同じ才を持ち合わせているのかもしれませんね。」

 

「骸と同じ才?」

 

「ええ。幻術と呼ばれる力を行使する術士としての才です。これ、割とイメージも大事になってくるんですよね。

 もちろん、リアリティを出すには、そこに術士の持つリアリティを重ねた上で力を使う必要があるので、イメージだけでどうにかなるものではありませんがね。

 ですが、記憶と想像を組み合わせることで、これだけの世界を作れるのであれば、そのリアリティさえ上手く合わせることができれば使えるようになるかもしれません。

 何かしらの触媒と、それなりの練習は必要になると思いますが、可能性はゼロではないかと。」

 

「……なるほど。ていうか、骸ってその術士って奴だったの?」

 

「ええ。そうですよ。」

 

 まさかの事実に少しだけ驚く。割と幻術を使う人間ってこの世界に散らばってるのかな。

 てっきり、片手の指だけで終わる僅かな人間だけかと思ってた。

 幻術か……少しだけ使ってみたいかも……。

 

「可能であれば、僕が力の使い方を教えたいところですが、残念ながら、今の僕ではそれを教えることができません。奈月ならばいい線に行くと思っているのですが……。」

 

「……幻術を使ってみたいなって顔に出てた?」

 

「顔には出ていませんよ。ただ、僕らは精神世界で互いに干渉ができてしまう程、近くにある存在ですからね。思考や感情といったものをある程度共有できてしまうんですよ。

 もちろん、ある程度と言う枠組み上、全てが共有されるわけではありませんけどね。

 ちなみに、今の状況は僕が共有される側となり、奈月が共有する側となります。

 奈月が僕の世界に訪れた場合は、僕が共有する側となり、奈月が共有される側となりますね。」

 

「つまり、骸の精神世界に入り込んだ場合は、わたしは骸の感情や思考を理解することができるってこと?」

 

「ええ。まぁ、生憎と僕は奈月に見せることができるような穏やかな精神はあまり持ち合わせていないので、招待することはできませんがね。」

 

 そう言って骸は、今、わたし達がいる世界……人魚姫が過ごしているような、明るくて眩い海中の世界の海底に当たるこの場にしゃがみ込み、小さく笑みを浮かべる。

 

「先程僕は言いましたね。僕と奈月は互いの精神世界に干渉することができる程近くにある存在だと。

 ですが、主導権の方は、どちらかと言うと僕の方にあります。なんせ、精神世界を渡り歩く術を持ち合わせていますからね。

 まぁ、奈月の精神世界なら、精神世界の持ち主であるあなたが主導権を持ち合わせていますが、僕はそれを奪うことができます。

 術を持つ者か持たぬ者かの差と言うものでしょうね。こればかりは、才能の有無は関係ありません。

 とは言え、無理やり奪うのは流石に精神に傷をつける原因になりかねませんからね。余程のことがない限りはできません。

 抵抗されたらされた分、ダメージもかなり大きいものとなり、最悪、崩壊してしまう可能性もある。

 奈月が、僕をそれなりに受け入れてくれる女性で安心しました。」

 

 “おかげで、今回の計画を実行できますからね”と呟き、骸が海底に触れた瞬間、一瞬にして視界が無数の泡により奪われる。

 驚いて目を閉じ、その場で固まっていると、わたしの名前を呼ぶ骸の声が鼓膜を揺らした。

 その声に応えるように目を開けてみれば、先程とは全く違う景色が視界全体に広がっていた。

 

「遊園地………?」

 

「はい。あなたの前世の記憶に触れた時に見つけた遊園地の記憶を元に、少しだけ精神世界を塗り替えさせていただきました。

 先程説明した、精神世界の主導権を一時的に僕の方へと移行させる方法を使ったんですよ。」

 

「でも、何で……。」

 

「もちろん、奈月の誕生日を祝うためです。あなたが今日、誕生日であることはあなたに干渉することにより知っていましたからね。

 ですが、翌日の誕生日に関して、家族やご友人の皆さんに言われた時、どこか暗い感情を僕達の間にできた繋がりを通して感じ取ったので、あまりいい思い出がないのかと思いまして。

 精神世界は、その世界の持ち主の精神により姿を変えます。そして、初めて奈月の精神世界に足を運んだ時、悲しみはあれど、奈月の穏やかな精神や、優しさにより、僕としてはなかなか過ごしやすい世界だったんですよ。

 これまで、あそこまで穏やかな気持ちになれたことはなかったものですから、あなたの暗い感情で、少しの安寧を得ることができるこの世界を、暗いものへと変えたくなかったんです。

 あとは……その……僕、一度も遊園地に行ったことがないので、あくまでこれは精神世界にあるまやかしのものではありますが、少し遊んでみたかったんですよ。」

 

 明後日の方角を見つめながら、遊園地に行ったことがないことを暴露し、少しだけ恥ずかしげに頬を染める骸の姿に、思わずキョトンとしてしまう。

 でも、普段の骸からは感じ取れない年相応の雰囲気に、少しだけわたしは笑い声を漏らし、骸の方へと手を差し伸べる。

 

「じゃあ、誕生日の最後は骸に飾ってもらおうかな。エスコートしてもらえる?」

 

「!ええ。構いませんよ。」

 

 わたしの言葉を聞いた骸は、一瞬だけキョトンとした表情をしたあと、すぐにこちらの手を取り、目の前に広がる遊園地へと足を運ぶ。

 なんか、遊園地を異性と2人で歩くなんてデートみたいだと思わなくもないけど、それはそれとして、貸切状態の遊園地にわたし達は同時に走り出す。

 アトラクションの動きは全てわたしの記憶から引き出して動かすことになったけど、どこにでもいるような……ちょっぴり裕福な家系に前世のわたしは生まれていたから、年間パスポート持ちだったこともあり、何度も遊園地に通っていた分、問題なく全て動かすことができたので、それなりに骸も楽しんでくれたんじゃないかな。

 

 

 *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀

 

 

「楽しかったー。」

 

「僕も楽しかったです。まやかしでもなかなか満喫できるものですね。」

 

「本当の遊園地はもっと賑やかで、パレードとかもあるからこれ以上に楽しめる場所だよ。」

 

「そうなんですね。いつか行ってみたいものです。」

 

 あれからしばらくして、わたしと骸はまやかしの遊園地を全力で楽しんだ。

 絶叫マシンに乗って、ゆるやかなアトラクションを楽しみ、遊園地に併設されているゲームセンターで、バトルできるものがあれば全力で勝負し、久々に見たリズムゲームを満喫し、持ち帰ることはできないけど、UFOキャッチャーでぬいぐるみを獲得し、コーヒーカップのアトラクションでかなりの回転速度を出しやがりました骸に「おバカ!!」とツッコミを入れたりしながら。

 

 今、わたし達がいるのは遊園地のシンボルとも言える観覧車の中。わたしと骸の互いのイメージを今いる精神世界へと反映することで、宝石箱のようにキラキラと輝く夜景を眺めることができるようにしたそれに乗り、遊園地での大はしゃぎを振り返る。

 

「にしても……まさか骸がわたしの精神世界にここまで干渉することができるとは思わなかったな……」

 

 そんな中、ふと思ったことを口にする。精神世界やら幻術やらが存在している時点でこの世界は普通の世界じゃないけれど、そこにさらには干渉までできるとなると、本当に何でもありの世界だ。

 

「それだけ僕と奈月の精神の相性が良かったんですよ。本来なら、このように誰かの精神に僕は干渉できませんからね。

 まぁ、干渉する術がないわけではありませんが、その方法はあまりにも手順と条件が多い上、忌々しい記憶もある方法のため、あまり使えないし、使いたくないんですよ。

 便利ではあるので、一応は最終手段と言うか、利用する時は利用するのですが、やはり嫌悪感があります。」

 

「そうなんだ?」

 

「はい。ですから、奈月はかなりの特例です。その特異性は、おそらくこの世に1人2人いる程度かと。何となくですが。」

 

「何となくかー。」

 

 骸の精神を受け入れることができる特異性を持ち合わせている数少ない存在であることを告げられ、わたしは苦笑いをこぼす。

 1人2人しかいない特別な体質を持ち合わせているとは……喜んでいいのか悪いのか。

 何となくだが、わたしのこの体質、特異性は、骸にとってはかなり重要であり、なおかつ喜ばしいものではないかと思う。

 どうしてそう思うのかと言われたら、何となくそう思っただけの勘としか口にしようがないのだが、それでも確信を持って言える。

 きっと、骸にとっては喉から手が出る程欲してしまう逸材であると。

 それは、きっと彼に会ってからひしひしと感じる確かな因縁……それがいずれ結ばれてしまう予感が関係しているのだろう。

 

 そんなことを思いながら、観覧車の眼下に広がる景色へと目を向けていると、そっと頬に温もりが触れたことに気づく。

 それに反応して骸の方へと目を向けてみれば、彼はわたしの頬に片手を添えて、親指の腹で軽く頬を撫でつけてきた。

 

「骸?」

 

「……奈月。僕にとってのあなたは、ある種の一つの希望です。ですが、僕はなるべく、あなたを傷つけないカタチでそれに手を伸ばしたいとも思うのです。

 どこか心地良くて、穏やかな気持ちになることができるあなたの精神と、その精神世界に作られるこの空間は、できる限り守りたい。

 ですが、僕の目的を果たすためには、あなたを傷つけなくてはならない可能性が高いと思っています。

 前世で……かなり悲惨な最期を迎えているあなたを、さらに傷付けなくてはならないと言うのは、なんとも心苦しいものですが。」

 

「………。」

 

 言葉を紡ぐ骸の表情が曇る。無言でそんな彼を見つめながら、自身の頬に添えられている手に自身の手を重ね、骸と自身の精神を繋げるようにイメージしながら目を閉じれば、少しだけ彼の感情を感じ取ることができた。

 

「……悲しみ、怒り、憎悪、嫌悪、それと、申し訳なさ……かな。」

 

「!」

 

「この精神世界はわたしのだって言ってたよね。だから、もしかしたらと思って、この世界の持ち主として、主導権乱用を行えば、少しだけ骸とわたしを触れ合ってるところから繋げれないかとやってみたけど、どうやらちゃんと繋がったみたいだね。

 悲しみと申し訳なさはこれから先に訪れるであろう現実世界での対峙、および互いに傷付けなくてはならない可能性に対する憂い。

 怒り、憎悪、嫌悪の三つは、わたしの記憶を見た結果、こちらの立場を把握したことにより発生した、それらに対する骸個人の感情かな。

 嫌悪には、互いに衝突する原因になりうる存在同士が出会してしまった、この現状に対するものも含まれてそうだね。」

 

 わたしの言葉を聞いた骸は静かに目を伏せる。未だに繋がっている互いの精神から、これら全てが事実であることが窺える。

 うん。何とも残酷な関係性だ。いったい、わたし達が何をしたと言うのやら。

 

「……図星みたいだね。はは。面白いな。まさか、こんな風に人の感情を感じ取れるとはね。まぁ、それは、わたしの特異性のせいなんだろうけど。」

 

「ええ……。本当に。なかなか残酷な現状ですよね。僕は奈月の精神世界に、結構安寧を感じていたのですが……。」

 

「それはわたしも同意見。現実ではどうしても側を取り繕わなくてはならないからね。

 前世の話……骸は、わたしの精神世界を通して把握したこっちの前世の記憶から、かつてのわたしの精神状態、そしてその結末を知っているからわかると思うけど、みんなに話すには、あまりにも重過ぎる。

 だからこそ、それが把握されないように、なるべく取り繕わなくてはならない現実からすると、取り繕わなくていいこの精神世界での逢瀬は、かなり居心地がいいからね。」

 

 残酷な現実が待ち受けていそうだと互いに感じ合っていると言うのに、わたしの声音はどこか穏やかなものだった。

 自分もこの世界での逢瀬は心地良いと思っている……骸に穏やかな声音のままそう告げると、彼は再びわたしの頬を指で撫でる。

 その触れ方には、どこか安堵と寂しさが含まれているような気がして、それに応えるように、少しだけ頬を擦り寄せてみれば、向かい合うように座っていた骸は、口元に小さく笑みを浮かべた。

 

「だから、骸とはこれから先も向き合わせてもらうよ。意見の食い違いはもちろんあるだろうし、それが衝突の原因になるかもしれないし、他にもたくさんの不安要素があるけど、それでもわたしは、骸から絶対に逃げたりしない。

 衝突上等。そうしなくてはわからないこともきっとある。でも、できることならさ……」

 

 一拍置くようにして口を閉ざし、わたしは骸の手のひらに一つだけ口づけを落とす。

 キスを行う位置により、意味合いは違うと聞いた。そして、手のひらに口づけを送る意味は……

 

「いつか、骸からわたしに教えてよ。きみの内側に渦巻いている黒い感情……その原因となっているであろうきみの過去を。

 わたしの過去ばっかり覗かれてるのって、なんかフェアじゃないしね。」

 

「クフフ……なかなか面白いことを言ってくれますね。ですが……ええ。奈月が望むのであれば、いつか必ず話しましょう。

 こちらの過去の開示は……幻想と現実のどちらがいいですかね。」

 

「そこはきみの考え次第。話してもいい……話しておこう……そう思った時にでも。」

 

 この手の心理関係は、どうやら骸も把握済みだったらしい。

 重なり合う手を経由して、繋げている精神同士のパスからそれを感じ取ることができた。

 話したい時に話せばいい……わたしが、リボーンに言われたことにより、気持ちが楽になった言葉。

 それと同じ言葉を骸に告げれば、彼は一瞬驚いたような表情を見せたあと、穏やかな笑みを浮かべ、短く返事を返してきた。

 

「話し込んでいたら、観覧車終わっちゃったね。」

 

「そうですね。」

 

 下まで降りて止まった観覧車。それを確認した骸は、わたしより先にゴンドラの外へ出る。

 そして、わたしの方へと向き直っては、静かにこちらへと手を差し伸べてきた。

 

「せっかくですし、最後に散歩でもしませんか?あなたが目を覚ます時間まで、もう少し猶予があるようですからね。」

 

「……いいよ。」

 

 差し伸べられた手に自身の手を重ねれば、軽い力で引き寄せられる。その勢いのままに、観覧車の外へと足を踏み出せば、足元が軽く揺らぎ、発生した波紋が大きくなるにつれて、遊園地の景色が一気に塗り替えられていく。

 程なくして波紋が消えると、足元には星空を映し出す程の水面と、たくさんの蓮の花が現れていた。

 

「……綺麗。」

 

「気に入ってくれたようですね。再び精神世界の主導権を拝借させていただきました。

 水面を歩くなど、滅多に経験できないと思うので、しっかりと記憶に焼きつけてください。……では、行きましょうか。」

 

「うん。」

 

 骸に手を引かれるがままに歩みを進める。一歩、また一歩と足を進めれば、凪いだ水面に一つ、また一つと波紋が発生するが、まるで夜空を歩くような感覚に襲われる。

 これも幻術の類なのだろうか?なんにせよ、心に残る夜空の散歩になることには間違いない。

 

「そうだ……あなたに伝え忘れてましたね。」

 

「何を?」

 

「誕生日なら当たり前のようにかけられる言葉ですよ。僕はそこまで言われ慣れていませんが、小さい時に過ごしていた場所の一つで、この言葉を何度かかけていただいた記憶があります。」

 

 そう言って骸はわたしの方へと振り返り、穏やかな笑みを浮かべながら口を開く。

 

「Buon Compleanno, Natuki. あなたの新しい一年が、穏やかなものでありますように。

 いつか因縁が結ばれ、現実で顔を合わせるその時まで、これからもよろしくお願いしますね。

 もちろん、因縁が結ばれたあとも、僕はあなたに関わるつもりですけどね。」

 

 

 




 ナツキ
 骸との因縁、これから先に訪れるであろう衝突を、超直感で既に感じ取っている転生者。
 しかし、その時が訪れたとしても、骸と骸の過去から逃げるつもりはなく、しっかりと向き合って受け入れることを決意している。
 自身の精神世界へと骸を受け入れていることは無意識下。しかし、恐怖も嫌悪も抱いていないらしく、むしろ取り繕わなくて済む現状を好んでいる。

 六道 骸
 奈月との因縁、これから先に訪れるであろう衝突を、彼女の記憶を共有したことにより確信している術士。
 しかし、例えその時が来ても自身と逃げることなく真正面から向き合い、受け入れる準備をすでにしている奈月の姿を眩く思いながらも心地良いと感じている。
 無意識のうちに自身を受け入れてくれている奈月に、自身に対する恐怖も嫌悪も感じ取ることができないため、少しだけ困惑してしまったが、互いに互いの側を気楽で心地良いと思っていることを繋がりから感じ取ることができたため、その温もりと安寧を極力傷つけないように、少しでも彼女の精神を守れたらと思っている。


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