最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
ディーノさんと出会い、ちょっとした騒動を交えた日の翌日。
なんとか寝坊することはなかったけど、銭湯行ったりなんなりで若干寝不足気味の中起床した私は、学校に向かうため、自宅の玄関から外に出る。
しかし、そこにはなぜか昨日同様にディーノさんの部下である黒服集団が集まっており、かなり物騒なことになっていた。
「ちょっと。キャバッローネの皆さん。私の自宅前で拳銃の手入れなんて物しないでくださいよ。銃刀法違反でしょっ引かれても知りませんよ。」
住宅街では異様としか言えない光景に呆れながら声をかければ、キャバッローネファミリーの黒服集団が私の姿を見るなり、そそくさと銃を片づけ始めた。
流石に外国でしょっ引かれるわけにもいかないと思ったのだろう。いくらマフィアと言えど。
いや、マフィアだからこそかな。めんどくさいことになるのは間違いないし。
「ボンジョルノ、ボンゴレ10代目。」
「ああ、おはようございます……えっと……?」
「ロマーリオと申します。」
「ロマーリオさん……。昨日リビングにいたメガネの人か。」
「はい。本日も良き朝ですね。」
「それは否定しませんが、良い朝と言うにはあまりにも物騒過ぎますよ。
確かに、立場的に警戒するのはわかりますけど、あまり悪目立ちしないでください。母さんに迷惑がかかる。」
「そ、それに関しては申し訳ありません……。」
吐き捨てるように注意すれば、ロマーリオさんが苦笑いをこぼす。
まぁ、彼らも別に悪気があったわけじゃないし、無関係な人間……と言って良いかはわからないけど、裏のことなんて何も知らない一般人の母さんの迷惑になると言うことも、それなりに理解はできるのだろう。
「賑やかだと思ったら……なんだお前ら。迎えなんて頼んでねーぞ。」
なんてことを思っていると、若干寝ぼけ眼のディーノさんが玄関から顔を出す。
大人数で一般人家庭の前に自分の部下が陣取っているから、気になって様子を見にきたらしい。
寝ぼけ眼のディーノさんは、ロマーリオさん達に対して迎えは頼んでないと言う。
それを聞いたロマーリオさん達は全員で顔を見合わせて……
「誰も迎えになんてきてねーよボス。」
「ん?」
「散歩してブラついてたらここについただけだぜ。」
「オレもだ。」
「オレも。」
「駅前のホテルからかよ……」
呆れながら部下の発言にツッコむディーノさんの姿に、少しだけ笑いそうになる。
随分と慕われているようだ。まぁ、ちょっと情けないところはあれど、しっかりする時はしっかりするって話だし、その分不思議と惹きつける魅力があると言うことだろう。
私も、いつかそんな魅力を持つことがあるのだろうか。正直言ってあまり自信はない。
前は必死に好かれるように、極力人から好かれやすいように、自分をある意味で偽っていたけど、こっちの世界では、あまり偽ることをしていないから。
「おはよーございます、10代目!!」
「ん?ああ、おはよう隼人。随分と早くきたんだね。」
「ヘヘッ、実は今日、普段より早起きしたのでブラブラしてたんスけど、気がついたらここについちゃいました。」
「なるほどね。迎えにきてくれたわけじゃないんだ。」
「え゛!?いえいえいえいえ!!ブラついていたなんて冗談ですって!本当は10代目を迎えに……」
「フッ……あははは!!慌て過ぎだって隼人。ちょっとイタズラが過ぎたね。大丈夫だよ。ちゃんと迎えにきてくれてることはわかってるからさ。
迎えにきてくれてありがとうね。すごく嬉しいよ。」
「じゅ、10代目〜……!!」
そんなことをおもっていたら、ディーノさんの部下と同じことを口走った隼人がやってきたので、不安を消し去るようにイタズラをしてみれば、隼人が慌てて弁明をしてくる。
その慌てっぷりがあまりにもおかしかったため、笑いながら謝罪をし、迎えにきてくれた彼に感謝を述べれば、感激した目で見つめられた。
「そう言えば……何なんスか、この連中は?やけに大人数で押しかけてきたみたいですけど……」
「ああ、彼は……」
ワンコ……と少しだけほっこりしていると、不意に隼人が私の自宅前にいる黒服達を見回しながら、顰めっ面を浮かべた。
すぐに彼にディーノさん達の話をしようと、私は口を開く。
「よぉ、悪童、スモーキン・ボム。会うのは初めてだな。」
「!そのタトゥー……跳ね馬のディーノ……!?」
「……跳ね馬?」
「ボスの通り名みたいなもんですよ、姫さん。」
「……ディーノさんにも二つ名があったんですね。ビアンキ姉さんや隼人、イーピンやシャマルさんもそうだけど、マフィアの世界って、割と二つ名持ちがいるんだ。」
「まぁ、いるっちゃいるんですがね。有名どころの連中がそう呼ばれてるだけであって、実際はほんの一部だけですよ。」
「そうなんですか?私のところにくる人、基本的に二つ名持ってるから意外……」
「そりゃあ、姫さんの立場がそもそもビッグネームになるし、何よりリボーンさんがいるんですから、通り名を持ってる連中が集まりやすいってだけですぜ。」
「……言われてみれば。」
ディーノさんのタトゥーを見て、どこか敵対心のようなものを見せる隼人の様子を見ながら、側にいたロマーリオさんと言葉を交わす。
いやぁ……やっぱり師や組織の人脈ってすごいな。通り名を持つ人がここまで集まるなんて……。
「ナツと獄寺じゃねーか!何やってんだおめーら!遅刻するぜ!!」
こんなのフィクションでしか見たことないよ……と考え込んでいると、背後から軽い衝撃を感じ取る。
誰かに肩を叩かれた?と背後に目を向けてみるとそこには武の姿があり、彼は隼人と肩を組み、私の方に笑顔を見せていた。
「あれ、武じゃん。なんでこっちに?」
「ナツ達と登校したくてな。迎えにきたんだぜ。そしたら獄寺も一緒にいたからさ。」
「なるほどね。」
「つか馴れ馴れしくすんじゃねー!!離れろ野球バカ!!」
「そう怒んなって獄寺。」
にこにこと笑顔を見せながら私達に話しかける武と、武のスキンシップを鬱陶しいと言わんばかりに振り払う隼人。
その様子を見守りながら小さく笑った私は、ディーノさんの方へ目を向ける。
「それじゃあ、私達は学校に行きますね。」
「おう。気をつけろよ。」
「?ナツの知り合いか?」
「従兄みたいなもの。」
「そっか!ナツの従兄さん、ども!」
「は〜な〜れ〜ろ〜〜〜〜っ!!」
とりあえずディーノさんが何者であるかは軽く伏せながらも、隼人と武を引き連れて、私は学校への道のりを歩く。
ディーノさんの側に、リボーンが現れる気配を感じ取りながら。
……なんか仕掛けてきそうだな。危険があったら嫌だし、ちょっとだけ警戒しとこうか。
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「へぇ……あのディーノさんが……」
「ええ。あいつが先代が傾けたファミリーの財政を立て直したのは有名な話っス。
マフィア・キャバッローネファミリーつったら、今じゃ同盟の中でも第3勢力ですしね。」
「ディーノさんってすごい人だったんだ。割とドジっ子なお兄さんって印象が強かったけど、流石は部下がいたら一人前な究極のボス体質。」
「どっちにしろオレは好かねーっスけどね。年上の野郎は全部敵っスよ。」
「範囲が広い。」
リボーンが何か仕掛けてきそうだと言う状況から、少しの警戒心を抱きながらの登校時間。
学校にたどり着くまではかなり距離があると言うことで、隼人からディーノさんの話を聞いていたら、なかなか面白い事実が見つかった。
財政を立て直すことができるってことは、相当な経営手腕。そっちの方面なら、部下ありじゃないとだろうけど、学ぶことができるかもしれない。
「なぁ、ナツ。さっき、マフィアって言ってたけど、ナツの従兄って変わった名前の会社を経営してるのな。」
「うん。なんか、いろいろやってるらしいね。」
そんなことを思いながら、武の言葉に合わせるように、特に躊躇う気持ちなど持つことなく嘘を重ねる。
今はまだ、武に詳細を話すわけにはいかないからね。リボーンは、武もファミリーの一員だと言ってるけど、もし、これから先、武が加わらない流れになった時のことも考えて、完全に決定するまでは隠し通さなくては。
なんてことを考えていると、背後から車が近づいてくる音が聞こえてくる。
邪魔にならないようにとすぐに道路の端に寄ると、何かに強く引っ張られる感覚に襲われた。
「え?」
「ナツ!!?」
「10代目!!!?」
急な浮遊感に驚いていると、隼人と武が私のことを呼ぶ。だけど、彼らが私に手を伸ばす寸前で、車のドアが勢いよく閉まる音が聞こえ、そのまま2人と離されてしまった。
「うわ!?」
「っと、悪いナツ!ちと付き合ってくれ!」
「は!?ディーノさん!?なんでここに!?」
「リボーンとちょっと話してな。急拵えのファミリーって聞いてるから、どれだけ信頼関係があるか知りたくてさ。」
「だからって人を誘拐するような行動はいかがなものかと……。」
「あはは……悪い。リボーンの発案なんだ、これ。」
「だと思いましたよ……。」
急な浮遊感の正体は、私の体に巻きついた縄により車の中へと引っ張られたことによるものだった。
車の中にいたのはディーノさんとロマーリオさんで、私は後部座席に座っていたディーノさんの膝の上に横向きで座り込むカタチとなっていた。
「どこに向かってるんですか?」
「リボーンから聞いたんだが、ナツに教えることがほとんどない分、かなり手が空いてるってことから、ナツのファミリーになる奴を強化するための場所をいくつか用意したらしいぜ。
なんでも、現在のボンゴレのボス、9代目や、オレ達キャバッローネ、他にもいくつかの同盟ファミリーにリボーンが自ら声をかけて、早い段階から少しずつ増やしたんだと。
今向かってる場所はそのうちの一つで、すぐ近くに海があるマフィアのアジトをモチーフにしたでっかい屋敷だ。
そこに、ナツを攫ったって設定で作られた架空ファミリーの名前を使って、さっきの2人を誘導し、ナツをどれだけ早く助けることができるかを確かめる。
ちなみに、架空のファミリーのメンバーは、さっきの2人のレベルに合わせるってことで、オレの部下のうち、成長途中の連中と、中堅辺りを選出してある。」
なんつーことをやってんだこの人とリボーンは……と軽く呆れていると、ディーノさんの携帯が鳴る。
ディーノさんが携帯を開くと、そこには1通のメールが入っていた。
「どうやら、どこを拠点にしてるファミリーなのか知った瞬間、すぐに2人はナツを助けるために行動を取ったらしいぜ。
ちと冷静さが欠けてることが難点らしいが、助けることしか考えてる様子がなかったってさ。」
「全く……少しくらい考えて行動取れっての……。」
「まぁまぁ、それだけナツは2人に大切にされてるって話だ。」
「それでも、物事を熟考することなく猪突猛進、行き当たりばったりの行動は、できれば控えてほしいですね。
仮にアジトに着いたところで、戦闘が発生したら?かなりの人数がいたら?相手が手練れだったら?
想定するべきことが多過ぎて、場合によっては命を落とす。まぁ、だからと言って、即決せず考え込む方がいいってわけでもないですけど……。」
「……ナツって意外と頭脳派なんだな。」
「いや、やる時は普通にやりますけど。特に話を聞かない不良連中とか、話に応じない上、舐め腐った態度をしやがりますような猪とかは考える必要もない。」
「……ナツ、なんかあったら相談しろよ?今のお前、なんか目の光がなさ過ぎてヤベェから。ストレス溜まってるのか?」
「ストレスなら毎日のように溜めては発散してますよ?話を聞かない不良を徹底的にボッコボコにして。」
「笑顔で言うことじゃねぇ!!ロマーリオ!確か向かってる場所にはオレのところで雇ってる料理人いたよな!?」
「確かにいるが、どうしたんだ、ボス。」
「屋敷に着いたらふわふわのパンケーキを作らせてナツに食わせる!!なんで誰もナツがこうなるまで話聞いてやってないんだよ!!」
「な、なるほど。」
「ナツ、これは無理ってもんあったら言ってくれ。」
「……生クリームたっぷりは得意じゃないです。甘いものは好きだけど甘ったる過ぎるのは苦手。」
拗ねたように言葉を紡げば、ディーノさんがついたらすぐに作らせるからな!!と私に言ってくる。
むくれたまま未だにディーノさんの膝の上に座ってるこの状況を利用して、ポテッと彼の胸元に頭を預けた。
「そう言やナツ、なんか眠そうだな。」
「どっかの誰かさんのしくじりのせいですー。」
「あ、うん。いや、本当昨日は悪かった。まさかエンツィオが逃げ出してるとは思わなくてな……。
ナツんちの風呂を壊しちまって本当に申し訳ねぇ……。ちゃんと修理費はオレが支払う。
屋敷に着いたら起こすから、そのまま眠ってて大丈夫だぜ。エンツィオも抱っこしとくか?カメだからちょっとゴツゴツしてて、ぬいぐるみみたいにふわふわはしてねーけど。」
「ん……。」
どこからともなくスッとエンツィオを出してきたディーノさんから、エンツィオを静かに受け取り、そのまま優しく撫でる。
するとエンツィオは私の様子をじっと見つめたあと、甲羅から頭も手足も出したまま、伏せって眠り始めた。
その姿を静かに見つめた私は、しばらくエンツィオを撫でていたが、次第にディーノさんの体温も相俟って眠気が強くなり始めたため、ディーノさんの胸元に寄りかかりながら眠りに落ちる。
その間、ずっとディーノさんの手が頭を撫でてくれていたのは、多分気のせいではないだろう。
沢田 奈月
寝不足も相俟って情緒不安定になっていた上、普段より幼さが強くなってしまったボンゴレ10代目。
獄寺と山本を試すとために、サラッと自身を誘拐するような真似をした兄弟子ディーノの膝の上で、エンツィオを撫でながら眠りに落ちた。
ディーノ
獄寺と山本を試し、なおかつ実戦経験を積ませるため、リボーンと画策して今回の企みを実行したが、妹弟子のまさかの状態を知り、とりあえずまずは休ませないと!!となってしまったキャバッローネ10代目。
半分は間違いなく昨日やらかした自分のミスのせいなので、甲斐甲斐しくお世話をし始める。
獄寺&山本
奈月が目の前で誘拐され、リボーンからそこまで有名ではないが、悪どいファミリー(架空)の企みだろうと言われ、すぐに追いかけた未来の両腕達。
リボーン
奈月に言われた、無茶させない程度に訓練をと言う指示を聞き、自身の人脈をフルに使ってあらゆる状況を想定した本格的な訓練場を用意したヒットマン。
9代目やキャバッローネ、他にも、ボンゴレの傘下に入っている中でも、確実に協力をしてくれる同盟ファミリーに声をかけ、それを全力で投じることにより、これからも少しずつ、なるべく安全に、しかし確かな危機感を得られるような訓練場を増やすつもりでいる。