最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
「姫さん、ボス。そろそろパンケーキができるみたいですよ。」
温もりといい匂いに包まれたまま、すやすやと眠りについていたら、不意に声をかけられる。
その声に従って目を覚ませば、視界に壁のようなものが映り込む。何度か瞬きをしながら、思考を回せば、すぐにそれがディーノさんの服であることがわかった。
「ん……ああ、やっとか。ナツ。起きたか?」
「え、あ、はい。バッチリ目は覚めました……。」
なぜこんな状況に?と一瞬だけ混乱するが、自分がディーノさんに甘えていたことを思い出した瞬間、あまりの恥ずかしさに顔の方に熱がたまる感覚を覚える。
やらかした……めちゃくちゃやらかした……!!
「す、すみませんディーノさん!!私ったら、かなり情けない姿を……!!」
「え?いや、別に情けなくはないぜ?むしろ、なんでああなるまでストレスと疲労を抱えていたんだって感じだしな。
ナツはまだ、大人に甘えても十分問題ない年齢だってのに、甘えることはしないで、社会人がやるようなことをずっと繰り返していたことを、リボーンの話や、ナツとの会話ら読み取れたけど、そりゃ倒れるってもんさ。いろいろと詰め込み過ぎだって。
まぁ、ちびっ子や、ほとんど独り身で育ててくれてる親の前で、そんな姿を見せたくないって気持ちは、わからなくもないけどな。」
そう言ってディーノさんは私の頭を撫で始める。緩やかに行われるそれは、どことなく落ち着く気がした。
少しだけ無言になった私は、何度か瞬きを繰り返したのち、ディーノさんと目を合わせる。
すると彼は小さく微笑みながら、口を開いた。
「でも、ナツはまだ子供で、大人顔負けの行動なんてものをずっとしなくていいんだぜ。
もちろん、甘え過ぎなのもよくないが、我慢し過ぎるのもダメだ。自身の限界を迎えてまで、何でもかんでもやらなくていいんだよ。」
その言葉に私は少しだけ目を見開く。しかし、すぐに、誰かに何かを頼るなんて……と考えながら、視線だけを逸らす。
「……真面目過ぎるのかもな、ナツは。こりゃあ誰かに頼れるようになるまで、結構時間がかかりそうだな。じゃあ……あ、こう言うのはどうだ?」
「?」
何かを思いついたように、ディーノさんが言葉を紡ぐ。不思議に思いながら首を傾げれば、彼はさっきの微笑みとは違う満面の笑顔を見せた。
「オレは基本的に自分のシマの方にいるが、こうやって日本にくる時もある。
んで、仕事を終えたあと、余裕がある時とかナツに会いにくるから、その時は遠慮なくオレに甘えてきていいぜ。
誰かの許可がないと休めない、甘えられないってんなら、オレがそれをナツに出す。
だから、まずはオレで甘えることを少しずつ覚えていって、少しずつ他の奴にもしんどい時は人を頼る習慣をつけていく……悪くない話だろ?」
“ほら、オレはガッツリとナツが甘えてきてる姿を見ちまったわけだし、な?”と言ってくるディーノさんを見つめ返し、少しだけ視線を逸らして考え込む。
正直、誰かに甘えるのは、今の私にはちょっと難しい。そう言うことが必要なのはわかってるけど………。
「やっぱ、難しいか?」
「………よくわからないんです。誰かに甘えるってこと、もう、随分と前に、切り捨ててしまった行動と感情だから。」
「……なるほどな。なら、今日みたいに少しずつ取り戻していったらいいんじゃねぇか?ファミリーってのは、1人で行動するためのもんじゃない。協力して、たまには衝突して、足りないところを補って、前に進んでいく……そう言った、大切な家族であり仲間なんだからさ。
とりあえずまずは練習だな。ナツが自分の限界をきっちり見極めて、周りに程よく甘えられるようになるまで、先輩ボスとして、そんで、同じ教育係を持っていた兄弟子として、きっちり教えてやるからな。」
はにかむように笑みを見せて、少しずつ取り戻そうと告げてくるディーノさんの、ゴールドオーカーの瞳を見つめ返す。
そこに宿っているのは、確かな優しさと、自分を大切にしろと言う感情の光だった。
私は静かに頷く。するとディーノさんは満足そうに笑顔を見せたあと、大きなベッドの上から降りる。
そして、彼は私と向き直ったあと、こっちにおいでと言うように手招きをしてきた。
それに従うようにディーノさんの元へと歩み寄れば、すぐに彼は床に跪き、私の足を自身の足に乗せて靴を履かせてきた。
「自分で履けるのに……」
「オレがこうしたかったんだから気にしないでくれ。」
そう言って手を差し伸べてきたディーノさんを少しだけ見つめたあと、差し伸べられた手に自身の手を重ねる。
その瞬間、軽く手を引っ張られ、ベッドから下ろされた。
「悪いな。ちと説教臭くしちまって。」
「……いいえ。元を返せば、私がまだ大丈夫、まだ大丈夫って我慢し続けた結果の自業自得です。
きっと、指摘されなかったら私は、自身が本当に倒れてしまうまで休もうとすらしなかっただろうし、誰かに甘えることを取り戻そうとすらしなかっただろうから。」
ディーノさんから指摘されていなかったら、きっと訪れていた果ての状況を伝えれば、苦笑いをするような声が聞こえてきた。
その声に反応して、視線を手元からディーノさんへと視線を向けてみれば、仕方ないなと言うような表情を彼はしていた。
「なら、今回のこれを新しい一歩にしていこうぜ。そんで、少しずつ、甘えるってことを取り戻すぞ。
まずは、自身の疲労度やストレスの累積度を可視化できるように、いくらかランク分けして行くか。」
「ランク分け?」
「ああ。大体五段階くらいのグラフを作るんだ。ここ最近、自身に何かしら普段とは違うなってことなかったか?」
「………ちょっとわかりません。」
「なら、パンケーキを食べながら世間話でもして探って行くか。オレも協力するからさ。」
「……わかりました。」
素直にディーノさんの提案を受け入れれば、彼は穏やかな笑みを浮かべたあと、私のことを自然な流れでエスコートをして、部屋の中にあるテーブルの方へと向かう。
「あれから、どれくらい寝ていたんでしょうか……」
「言われてみれば……。ロマーリオ。オレとナツ、どれくらい寝てた?」
「まぁ、ざっと見積もって30分ってところだな。」
「割と寝てたな……」
「寝てましたね……」
「確かに寝てたな。ボスも姫さんもぐっすりだったぜ。」
ロマーリオさんに話を聞くと、私とディーノさんは相当眠っていたらしい。
互いに寝不足だったのか、それとも疲労が割と溜まっていたもの同士だったのか……よくわからないけど、これからはちゃんと休息も取るべきか……。
なんて考えながら、ディーノさんにエスコートされるままにテーブルのもとへ。
そこまでたどり着いたら、ディーノさんが私から離れて、すぐにイスを引く。
そして、私の名前を呼んでは手を差し伸べてきた。誘われるように手を重ねれば、優しく手を引かれ、イスに座らされる。
うーん……レディーファースト……こう言ったマナーって、ボスになる人は必ず身につけさせられるのだろうか。
「そう言やロマーリオ。ナツのファミリーはまだきてないのか?」
「きてないぜ。この屋敷ってかなり並盛から離れてるし、走ってきてるんだとしたら、それなりに時間はかかると思う。」
「交通網は使ってないんですかね……」
「ボスが攫われるってなると、そう悠長なことを考えられるとは思わねーぞ?」
「あー……まぁ、今回は訓練と言う枠組みだから、なんともなかったけど、実際のことを考えると確かに……」
「だろ?」
「となると、私も戦闘できるようにしとかないとかな……。まぁ、まずは攫われるなって話ですけど。」
「確かにな。まぁ、今回はナツの休息日だし、今はゆっくりしとけって。な?」
「はい。」
ディーノさんと話しながら過ごしていると、部屋のドアをノックする音が聞こえる。
ロマーリオさんがドアを開ければ、ディーノさんが雇っていると思わしき使用人さんが入ってきた。
「少し時間がかかったが、できたぜ、ボス。」
「おう。」
「こっちはMs.ボンゴレに。」
「ありがとうございます。」
「こちらはボスに。」
「ああ。サンキュー。」
テーブルの上に乗せられたのは出来立てのパンケーキ。しかもスフレ仕立てのパンケーキだ。
本当にふわふわ……美味しそう。
「そう言えば、Ms.ボンゴレは紅茶は飲めますか?」
「はい。紅茶もコーヒーも飲めますよ。」
「ならばよかった。パンケーキに合わせてダージリンを用意してきたので。」
「ありがとうございます。」
丁寧な対応を見せながら、パンケーキやお茶を用意してくれる使用人さんと言葉を交わしながら、パンケーキを見つめる。
前世では某珈琲屋でよく食べていたスフレパンケーキがこっちでも食べることがで切るとは思わなかったな。
あっちではよくダブル頼んでたっけ。飲み物ははコーヒーばかり頼んでいたから、紅茶で食べたことはなかったけど。
「そうだ、ナツ。」
「はい。」
「今回は全部オレの部下だったから気にしなくていいが、知らないファミリーや、同盟ではあるがよくわからないファミリーのアジトで出された料理や飲み物は口にしない方がいいぜ。場合によったら盛られてる可能性もあるからな。」
「うわ、マフィア怖い……」
「だろ。特にボンゴレのボスとなると、転覆を狙う連中もいるし、逆恨みしてる奴らもいる。あとは……まぁ、新しいボスが気に入らないって言う単純で傍迷惑な過激派思想を持ってくる奴もいるから、気をつけろよ。
それと、女だからって理由で毒以外を盛るような奴もいるかもだから、なるべく出されたものは口にしない方がいいな。」
「わかりました、気をつけます。」
「ああ。今回はオレが頼んだものだから大丈夫だけど、頼んでもないのに出てきた……って言うものはなるべく口にしないって頭に入れておけよ。」
「はい。」
「よし、じゃあ、食べながら雑談でもするか。まぁ、まずはナツの疲労やストレスの可視化だな。
感じ始める不調の度合いや落ち込みや苛立ちなんかの精神的変化を話しながら探ってくぞ。
それが分かれば、どれくらいで頼り始めたらいいかがわかるはずだ。」
「……やっぱりやらないとダメですか?」
「当たり前だろ。ぶっ倒れたら意味ないんだぜ?」
「……わかりました。」
「不満そうな顔をするんじゃない。」
ディーノさんから、これから先、ボスとしての立場を確立した時の出されものに対する心構えを教えてもらいながらも、パンケーキに手を伸ばす。
ストレスや疲労の可視化……か……場合によっては人に甘えるようにって言われたけど、ちゃんとできるようになるのかな……。
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「まぁ、大体はこんな感じかもな。」
「……食欲不振や消化不良がランクD。わずかなイラつきや頭痛、ぬいぐるみやリボーンのペットのレオンを無心に触りたくなり始めたらランクC。強いイライラやひどい不快感、何かに当たりそうになったらランクB。無心に人をボコボコにしたくなったらランクA……。」
「これなら大体の目処が立つだろ?」
「まぁ……確かにわかりやすくなりましたね。」
「……まだよくわかんねーって顔してるな………。まぁ、そこら辺はゆっくり変えていけばいいか。
完全にボスとしての立場を確立するその時までに、少しずつ甘えることを覚えていこうぜ。
同級生や自分のファミリー、リボーンや学校の先輩、そんで秘密の友達って奴に甘えるのが難しいってんなら、しばらくはオレがその相手になるからさ。
常に一緒にいれるわけじゃねーけど、日本に足を運んでる間、忙しい時以外は様子を見にくるし、離れていても連絡さえくれたら、愚痴に付き合うぜ。だから、ちょっとずつ甘える練習していこうな?」
「…………わかりました。」
「だから不満そうな間を空けるんじゃない。」
「イテッ」
ディーノさんにデコピンされたところをさすっていると、向かい側から小さな笑い声が聞こえてきた。
軽く拗ねながら、笑い声を漏らした張本人を睨みつけるが、彼は特に気にしてないのか、微笑みながら頭を撫でてくるだけだった。
むぅ……と少しだけ頬を膨らましながらも、食べかけのパンケーキを口にする。
すると、今いる部屋から離れた位置から、爆発音が聞こえてきた。
「うわ!?」
「お。姫君を助けるナイト達がやってきたな。」
「この爆発音は、間違いなくスモーキン・ボムの……」
「だろうな。まぁ、ここにくるまでは多少時間あるだろうし、ナツはパンケーキを食べ終わらせておいたらどうだ?」
「ええ?明らかに戦闘中の音がする中、パンケーキなんて食べていていいんですかね……?」
「今回は問題はねーぞ。ディーノには下っ端の方の連中を架空の敵マフィアとして戦わせろって言ったしな。
獄寺と山本と大体同じくらいか、それよりちと強い連中ばかりだし、下っ端の連中が持ってるのは、引き金を引いたら少し体にかすったら動きを封じることができる程度の電流で痺れさせるスタンガンだから大怪我には至らねーしな。」
「「リボーン。」」
隼人達が戦ってる中パンケーキを食べていいのか……と困惑していたら、聞き慣れた声が鼓膜を揺らす。
すぐに視線を声の方に向けてみれば、そこにはリボーンが立っており、私とディーノさんを見上げていた。
「ところで何を話してたんだ?」
「ちょうどよかった。リボーン。お前、ナツの不調に気づいてなかっただろ。
こっちの方に連れてきた時、目から光が消えて物騒なこと言ったり、エンツィオを無心で撫でて動かなかったりでかなりヤバい状態だったぜ?」
「!? ナツ!なんでそのことを言わなかったんだ!?」
「……ディーノさん……なんで言っちゃうんですか。」
「こう言うのは報告しとかないと、あとが心配だからな。リボーン。ナツのことは責めてやるなよ。
負担をかけたくなかった、心配させるのも悪いからって、ずっと隠し通してたみたいだからさ。
それとこれ。ナツの変化に気付きやすいようにしといたから、とりあえずはこれを目処に休息を取らせてみたらどうだ?
まぁ、ランクC辺りまでは休もうとしねーかもだが、B辺りからだいぶ状況が変化してくると思うぜ。」
せっかく黙っていたのに……とディーノさんを睨みつけるが、彼はそんな私のことをスルーして、さっき書き出した私の疲労やストレス度合いのランク表をリボーンに手渡す。
すぐにリボーンはそれを受け取り、無言で記されたものを見つめる。
「……なるほど。何度かみたことがあったが、ぬいぐるみやレオンを見つめるのは、それだけ好きだからだと思ってたな。あれは、無意識のSOSだったんだな?ナツ。」
「…………私も、さっき知った。」
リボーンから目を逸らしながら呟くように言葉を返せば、彼は小さくため息を吐き、テーブルの上に軽い身のこなしで飛び乗る。
それに気づきリボーンに目を向ければ、どこか真剣そうな表情を見せながら、彼は口を開く。
「オレはナツのお目付役みたいなもんだ。家庭教師としては何もできてないが、それならナツと、ナツのファミリーの成長を見守る人間として側にいるつもりでいた。
もちろん、ナツだけが1人で歩かないように、ファミリーを育て上げるのもオレの役割だがな。
でも、どうやらそれ以外にも、オレにはちゃんとできそうな仕事があったらしい。」
近くになった私の頬に、リボーンの小さな手が触れる。
その手に視線を向けていると、再びリボーンの声が聞こえてきた。
「ナツが言いたいことはわかる。確かに今のオレはこんな身なりだし、ナツが1人でもいろいろなことができる女であることも理解してるつもりだ。
でもな。無理をしてしまう程、1人で背負う必要なんて一つもないんだ。
必要ならば甘えていいし、弱音だって吐いてもいいんだ。オレはそれくらいじゃ負担に思わない。
だから、辛いと思ったら、疲れたと感じたなら言ってくれ。その時は、しっかりと甘やかしてやるからな。」
「まぁ、さっきも言ったように、リボーンや他の奴らに甘えるのが難しいって時は、オレを甘える練習をしてくれて構わねーからさ。」
「ディーノ。お前、ナツを任された人間の前で随分と偉い口を叩くようになったな。」
「うお!?なんで銃向けられてんだオレ!?」
リボーンに銃を向けられて、ビクッと体を震わせたディーノさんの姿に、思わず軽く吹き出してしまう。
それに気づいたディーノさんとリボーンはすぐに私の方に目を向け、キョトンとした表情を見せたが、その表情は程なくして小さな笑みに変わる。
そして、ディーノさんはそのまま、リボーンは私の肩に乗り、同時に私の頭を撫で始めた。
「10代目!!」
「ナツ!!無事か!!?」
隼人と武がこの部屋に駆け込んだのは、それからしばらくしてのこと。
慌てた様子でこちらにやってきた2人の姿を見た私は、すぐに大丈夫であることを知らせるために、笑いながら手を振るのだった。
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あれから時間は経ち、夕方頃のこと。
戻ってきた自宅の屋根を見た私は、無言で何度か瞬きをする。
そこにいたのは、なぜか屋根の上で正座して、下を向いてる初代組メンバーだ。
「………何やってんの?」
『『『『『『『反省のポーズ……』』』』』』』
「な、なるほど……?」
どうやらジョットさん達すら、私が不調を起こしていたことに気づかなかったようだ。
まさか、ジョットさんの超直感すら誤魔化してしまっていたとは思わなかった。
『なんで言わなかったんですか。しんどかったならちゃんと教えてくださいよ……』
『超直感すら騙されているとは思わなかった……。どうして辛いって言わなかったんだナツキ。』
『そう言う時は言ってくれ頼むから。』
『休みたい時は休みたいって言ってよ。あとから無理をしていたと知ってかなりのダメージ受けたんだけど。』
こっちに戦う技術を教えていたメンバーがものすごく暗い表情で訴えてくる。
いや、まぁ、確かにしんどかったけど、新しいことを学べるのはかなり楽しかったし、次々知らないことを教えてもらえるからノリにノってたのは私自身な訳で、決して彼らが悪いってわけじゃ……。
えーっと……こう言う時はどうすれば……?
『っ〜〜〜あっはははははははははははは!!ダメだ我慢できないんだけどこれ!!』
「!?」
なんてことを考えていると、どこか遠くの方から笑い声が聞こえてきた。
驚いて辺りを見渡していると、かなり遠くの方にジョットさん達とよく似た気配を持ち合わせている何かが西の方から感じ取ることができた。
気配の数は一つ。いったい誰がと思いながら、西の空へと目を向けてみると、そこには赤い髪をした誰かがお腹を抱えて笑っている姿があった。
ジョットさん達と同じ。姿は半透明で軽く透けている。
『あ、ヤベ、視えてる子いるよ。ってかあれジョットの子孫?なんで視えてるのかわかんないけど、とりあえず退散退散!!』
その誰かは私の視線に気づいた瞬間、一瞬にしてその体を不思議な形の赤い炎へと変えて消えてしまう。
同時に顔を下げていたジョットさんが弾かれたように顔を上げ、その炎が発生した方へと目を向け始めた。
『今のは……』
「……ジョットさんの知り合い?さっき、西の方に1人、不思議な男性がいたんだけど。」
『………ああ。随分と懐かしい気配があったものだ。』
正座したままでシュールではあるが、どうやらジョットさんの知り合いだったらしい。
でも、あの慌て様からすると、きっとあまり表に出たらいけない人だったのだろう。
そう判断し、私は再び西の空を見る。そこに人影は一つもなく夕陽に染まりゆく空のみが広がっていた。
沢田 奈月
無理をしていたら怒られてしまったボンゴレ10代目。
一日の終わりに、少しだけ視えたジョット達と同じ状態の男性の姿に首を傾げるが、慌て方からあまり表に出てこられなかった存在だと判断し、追求しないことを決める。
しかし、もし話せる機会があったら、その時は話してみたいと考えている。
ディーノ
奈月にファミリーとは何かを教え、甘えることも時には必要だと伝えたキャバッローネ10代目。
身内相手に甘えるのが難しいなら、まずはオレで甘える練習をしようと微笑みながら提案した。
リボーン
ディーノから聞かされたことにより、奈月が無理をしていたことを知ったヒットマン。
どうして教えなかったと最初は訴えたが、奈月の性格や、ディーノからの言葉により、甘えられなかったことを思い出し、少しずつ甘えたり、弱音を吐いたりしてくれと伝えた。
何お前がオレより先に甘えられてるんだよとディーノに軽く嫉妬していた。
初代組
反省のポーズでしばらくの間、屋根の上にいた。
?????
気がついたら現世にいて、なんでこんなところにいるんだろうと首を傾げながらフラフラしていたら、かつての知り合い達が一軒の屋根の上で正座しているのを見つけかなりゲラった青年。
しかし、奈月が自身の姿を視認してることに気づき、すぐに赤い炎となって姿を消した。
赤い髪に不思議な赤い瞳をしていた……とは奈月談である。