怪異友愛録 −金井正則の幽霊事件簿−   作:unknown505

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第4話

神主「・・・お主ら、呪われておるな。」

 

二人「「はっ?」」

 

正則「呪われてるって、一体どういう事っすか!?」

 

神主の唐突な言葉に二人は固まってしまうが正則はすぐに老人に問い詰める。

 

神主「・・・・・・」

 

美琴「・・・あの・・・」

 

神主「・・・喉が渇いた・・・。」

 

美琴「えっ?」

 

神主「・・・・・・」

 

正則「・・・っしゃあなし、美琴はここにいてくれ。すぐに戻る!」

 

そう言って正則は走ってコンビニまで向かい、自販機で緑茶を購入し神社へ戻ってくる。

 

正則「はぁ、はぁ・・・じいさん、買ってきたぜ・・・。」

 

神主「おぉ・・・これはかたじけない・・・。・・・ふぅ、結構なお手前で・・・」

 

そう言って老人は緑茶を飲み干し一息つく。そして老人が遂に本題へ入る。

 

神主「お主らが呼び寄せたのか?」

 

美琴「えっ・・・?」

 

正則「どういう事っすか?呼び寄せたって、一体何を・・・」

 

神主「お主らと、奴の狂気が怪異を呼び寄せた・・・。夜までにどうにかしなければ、命はないぞ。」

 

美琴「っ!!そんな・・・!」

 

正則「っ・・・。」

 

神主「北に寂れた工場がある。アレの正体を知りたくばそこへ行くがいい。」

 

正則「・・・分かりました、行ってみるか。」

 

美琴「お爺さん、ありがとうございます・・・。」

 

そう言って二人は寂れた工場へ足を運ぶ。そして公園に差し掛かると白いモヤが現れた。

 

美琴「ま、正則君・・・!」

 

正則「大丈夫だ、こっちにはコイツがある!」

 

正則は道中で拾い、背中に背負っていたショットガンを白いモヤに向けて構える。

 

正則「美琴、耳塞いでろ!」

 

美琴「う、うんっ!」

 

正則「オラァっ!!」

 

正則はショットガンのトリガーを引く。爆音と共に複数の弾丸が白いモヤ目掛けて飛んでいき直撃する。白いモヤは金切り声を上げて姿を消した。

 

美琴「消えちゃったね・・・。」

 

正則「だがまた現れるかもしれねぇ。警戒しながら進むぞ。」

 

二人は再び歩を進める。荒れた道を進んでいると廃工場の入り口の前に到着する。しかし入口は有刺鉄線で塞がれていた。

 

美琴「道が塞がれてるね。」

 

正則「周辺になんか落ちてねぇかなぁ・・・・・おっ。」

 

美琴「何か見つけたの?」

 

正則「ペンチを見つけたぜ、これで有刺鉄線を切れるはずだ。」

 

そう言って正則はペンチを有刺鉄線に挟み込んで切る。すると入口が開き廃工場の中へ入れる様になった。

 

正則「よし切れた、美琴は俺の背後にいろよ。」

 

美琴「うん。」

 

辺りを警戒しながら中を進んでいく二人。そしてある一角に差し掛かると人の気配を感じ取る。

 

美琴「正則君、誰かいるよ・・・!」

 

正則「あれは、さっきのババアか・・・。こんなところで何してやがんだ・・・?」

 

二人は廃工場の敷地内でドラム缶の焚き火をしている中年の女性を発見する。二人の存在に気づいたのか女性も二人の方向に向く。

 

女性「・・・アンタ達、どうやってこの中に入ってきたんだい・・・。」

 

正則「あんたの方こそ、どうやって入った?」

 

女性「アタシは地元民だから抜け道くらい知ってるのさ。」

 

正則「そうっすか・・・。」

 

美琴「・・・本当に、誰もいませんね。」

 

女性「だろ?きっとあの化け物の仕業さ。ボケっとしてたらアンタ達もやられちまうよ。」

 

正則「俺達は問題ない。・・・アンタ、家族とかはいないのか?」

 

女性「家族なら、いたさ。旦那とは離婚して子供は死んじゃったがね。」

 

正則「・・・それは失礼しました。」

 

女性「ククッ、何を謝ることがあるの。まぁこんなババアに付き合ってくれるなら話は別だけどね。」

 

正則・美琴「「・・・・・・」」

 

女性「・・・で、アンタ達こんなところに何しにきたの?この先には何もないよ、無駄足だったね。」

 

正則「・・・アンタはこれからどうするんだ?」

 

女性「どうするって?さぁ・・・それはこっちのセリフだね。まぁアタシもあんな化け物と死ぬまで鬼ごっこはお断りだから、どこかに隠れるとするよ。あんたらも精々気をつけな。」

 

正則・巫女「「はい・・・」」

 

正則「・・・・・・」

 

そう言って正則と美琴は一度来た道を辿り神社へ戻り、老人に話す。

 

神主「・・・何か見つかったかの?」

 

正則「工場に行ってみたんすけど、何もありませんでした・・・。」

 

神主「そうか・・・会ったか、あの女に。」

 

美琴「えっ?」

 

神主「奴には気をつけろ。」

 

美琴「神主さん・・・」

 

正則「黙っちまったな・・・仕方ねぇ、また氷室さんに電話掛けに行こうぜ。」

 

美琴「そうだね、さっき途中で切っちゃったし心配してるかも・・・それにしても、氷室さん遅いね・・・。」

 

正則「俺達がここから出られないように、氷室さんの方も追い出されてる可能性があるな・・・」

 

そう言って二人はさっきの家へ戻り、等へ電話を掛ける。

 

美琴「氷室さん・・・」

 

等『・・・・美琴君か!?』

 

美琴「っ!氷室さん!」

 

等『心配したぞ・・・。何度もリダイヤルしてるんだが一向に連絡がつかなくてな・・・。金井君の方にも連絡してみたんだが・・・』

 

美琴「大丈夫です、正則君が言っていたんですけど多分怪異の影響です・・・。それで電波が妨害されているって言ってました・・・。」

 

等『そうか、やはりか・・・。車を飛ばしても元の場所に戻ってしまうんだ。そっちに迎えに行くと言ってこのザマだ・・・すまない・・・』

 

美琴「いえ・・・」

 

等『おい、剛・・・!』

 

剛『美琴ちゃん!正則君無事か!?返事してくれ!!』

 

美琴「加賀さん?」

 

等『貸せ剛!今はそれどころじゃないんだ!・・・いいか美琴君、今警察署にその筋に詳しい俺の知り合いが昨日の怪異を調べに来てるんだ。予定してた形とは違ったが丁度良い、今からそいつと話してもらう。』

 

美琴「は、はい。」

 

美琴は等の知り合いと電話で話を聞いている時、正則は周囲を警戒して外に出ていた。すると正則は再びあの女性と出会う。

 

正則「また、会ったなおばさん・・・」

 

女性「また会ったね、人ん家入って泥棒でもしてんのかい?」

 

正則「してる訳ないでしょ・・・助けを呼んでるんですよ。」

 

女性「助け?はっ!無駄さ無駄さ!あいつは死ぬまで追っかけてくるんだよ!!」

 

正則「・・・・・・」

 

正則は老人の言葉を思い出し、意を決して女性に問いかける。

 

正則「・・・なぁアンタ、何か「隠し事」していないか?」

 

女性「はっ?いきなりどうしたの?」

 

正則「少し、気になる事があってな・・・」

 

女性「気になる・・・?気になるってなんだい!?」

 

正則「っ!いきなりデカい声だすなよおばさん・・・」

 

女性「そりゃデカい声出したくもなるさ!!何なんだいあんた達は・・・!?アタシの前に毎回毎回現れてさ・・・!何者なんだいあんたらは!?何であんた達だけこの街に残ってんの!?」

 

正則「そりゃアンタもだろうが、落ち着けよおばさん。ヒステリックになってんぞ。」

 

女性「・・・・・・アンタ達、あたしの事見透かしてんだろ?」

 

正則「はっ?何言ってんだあんた。」

 

女性「・・・・・・どうやらアタシの勘違いだったみたいだよ。取り乱してすまないね。」

 

正則「いや・・・」

 

女性「とは言っても・・・もうおばさんの事、頭おかしい人にしか見えないわよねぇ・・・?実はねおばさん、あの化け物の正体、知ってんのよ。」

 

正則「なに?化け物の正体知ってんすか?なら教えてくださいよ。」

 

女性「頭の悪い子ねぇ・・・ホント出来が悪いんだから・・・。」

 

正則「あぁっ?」

 

中年の女は正則に対し出来が悪いと罵り、口の悪い返事が出る。しかし中年の女は意に介する事なくぶつぶつ不気味な言葉を言ってその場を去っていった。

 

正則「何なんだあのババア・・・あいつが化け物じゃねぇか・・・。」

 

美琴「正則君・・・」

 

正則「おっ、電話終わったか。氷室さんどうだった?」

 

美琴「氷室さん迎えに来てたみたいなんだけど怪異の影響で元の場所に戻って迎えに来れなかったみたい。」

 

正則「やっぱり怪異の仕業か・・・」

 

美琴「それで氷室さんの友達で「霧崎」さんって人の話だと「くねくね」が今回の原因らしいの。」

 

正則「「くねくね」?」

 

美琴「うん・・・」

 

そう言って美琴は正則に霧崎が語った内容を伝える。一通り聞いた正則は驚きもせず、納得する。

 

正則「なるほど、要はその「くねくね」って化け物が回りの怪異を呼び寄せてる訳で、そいつさえどうにか出来れば氷室さん達が迎えに来れる訳か・・・。」

 

美琴「うん・・・でも、タイムリミットが夜までだから・・・夜までにどうにかしないと・・・」

 

正則「ああ、猟銃ぶっ放してるだけじゃ埒があかねぇし夜までに倒せなかったら永遠にここから脱出出来ねぇ。あの神主の爺さんに聞いてみるか。」

 

美琴「そうだね・・・!行こう正則君!」

 

正則「ああ!」

 

そう言って二人は急いで神社まで向かう。時刻は既に4時半を示しており、夜までのタイムリミットは刻一刻と近づいていた・・・。

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