怪異友愛録 −金井正則の幽霊事件簿− 作:unknown505
第1話
強い風と雨が吹き荒れる暗い夜道をライトを照らしながら正則は走っていた。
正則「由佳の家は・・・くぁっ・・・風が強いな・・・。こっちだったか・・・・・・んっ?」
正則が夜道をライトを照らしながら進んでいると、ふと曲がり角を誰かが歩いていた姿を確認した。曲がり角の先は正則が向かう由佳の家だった。
正則「誰だ今の・・・?」
そう言って正則は曲がり角の壁に背中をくっつけ、覗き見る。すると由佳の家の門前に傘を差した女性の姿が見えた。その姿に正則は見覚えがあった。
正則「まさか、「美琴」か・・・?」
正則が言った美琴とは「姫野美琴」という女子高生である。正則、雅人、由佳と同じクラスであり由佳の親友。つまり雅人と由佳の二人が恋人であり、互いの親友であった事から正則と美琴も出会うことになった。そして正則は門前に立つ美琴に話しかける。
正則「美琴。」
美琴「あっ、正則君・・・。」
正則「美琴、こんな所で一体どうした?」
美琴「由佳と雅人君から連絡があったんだけど、応答がなかったから心配になって・・・。正則君も?」
正則「ああ、俺も雅人と由佳から電話があったんだが出てみたら砂嵐でな、何か二人が危ない状況なんじゃないかって心配で俺も来てみたんだ。」
美琴「そうだったんだ・・・って正則君、びしょびしょだよ!?」
正則「傘差すのが面倒だったからそのままで来たんだが、案外ずぶ濡れになるもんだな。」
美琴「正則風邪引いちゃうよ・・・?」
正則「俺は案外タフだから大丈夫だ。とはいえここで話すのもなんだし中に入れてもらおうか。」
美琴「そうだね、でも・・・こんな夜中に迷惑かなぁ・・・。」
正則「多分大丈夫だろう、それに・・・夜中の3時に家の電気全部点きっぱなしの時点で何かおかしい・・・。」
美琴「そういえば・・・」
正則「ああ、強盗が押し入ってる可能性がある。気を付けろよ美琴。」
美琴「うん・・・」
そう言って、門を開いて敷地内に入り正則は由佳の家の玄関を開ける。
正則「(玄関が開けっ放し・・・?にしては特に争った痕跡は無いが・・・。)」
美琴「こんばんわぁ・・・夜分遅くにすいません、由佳さんはご在宅でしょうか。」
正則「・・・・・・返答なしか、ますます怪しいな。すいません、由佳の同級生の正則です。電気が点いていたのでお邪魔させていただきました。どなたかいらっしゃいませんか。」
そう言って美琴が先に、正則が続いて大きな声で呼びかけるが応答がない。前から不審に思っていた正則はますます不審に思い始める。
正則「こんだけデカい声出せば誰が一人くらい降りてくるだろ?5人家族なんだし・・・」
美琴「正則君、もしかしたら電気の消し忘れかもしれないし失礼だよ・・・。」
正則「・・・・・・そう、だよな。すいません、お邪魔しまs・・・えっ?」
美琴「?正則君どうしたの?」
正則「・・・・・・ドアが、開かない・・・。」
美琴「・・・えっ?」
正則は不審がるものの美琴の言う通り由佳の家を去ろうと玄関の引き戸に手を掛け開けようとするが開かなくなっていた。
美琴「何かに引っかかってる・・・?」
正則「いや、引っかかる物が何もないのにこれはおかしい・・・!ぐぉおっ!オラァっ!」
美琴「きゃっ!」
正則「ちぃっ・・・駄目だ、開かねぇ・・・。それにどういう事だ?この引き戸ガラス製のもんだから蹴りで割れるはずだがヒビ一つ入ってねぇ・・・。」
美琴「どうしよう正則君・・・。」
正則「仕方ない、失礼だが上がって庭から外回りで玄関を開けてくるわ。」
美琴「そうだね・・・。」
「ぎゃあああああああっ!!」
正則・美琴「「っ!?」」
正則が引き戸を開けるために一度上がろうとすると家全体に女性の悲鳴が響き渡る。これが二人にとっての悪夢の始まりだった。