怪異友愛録 −金井正則の幽霊事件簿−   作:unknown505

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最終編

       −旅館 庭園−

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「地下の門を開き、呪符と刀を手にせよ。」

 

美琴「・・・また、何か聞こえる・・・。」

 

正則「恐らく、俺達の先祖だろうな・・・。地下の門・・・って事は・・・」

 

美琴「正則君がさっき言ってたお面が必要かも・・・。」

 

正則「あぁ、形からして般若の面っぽかったから、それが鍵だろうな。もしかしたら別館にあるかもな。」

 

美琴「正則君、別館に着いたら手分けして探そう。」

 

正則「あぁ。」

 

そう言って二人は別館へ向かい別々の部屋で般若の面を見つけ、地下祭壇へ向かう。

 

正則「これ、同時に掲げないと開かないやつか?」

 

美琴「別々に掛けても開かないね・・・。同時に掛けよう。」

 

正則「あぁ。」

 

正則・美琴「「せーの!!」」

 

二人が同時に般若の面を掛けると地下祭壇の扉が開き、中には一冊の太い本と布で巻かれた何かが祀られていた。

 

美琴「これが、呪符・・・?」

 

正則「かもな、こっちは形からして刀だな。どんな刀か・・・っ!?」

 

美琴「っ!!正則君・・・!」

 

美琴「あぁ・・・ようやくお出ましって感じだな・・・。」

 

そう言って二人がそれぞれの呪符と刀を手にした瞬間、旅館の別館から禍々しい気配を感じ取る。その時、二人に声が響く

 

  「着物の間に行き、その身を清めよ。」

 

美琴「着物の間・・・」

 

正則「・・・先祖様から着替えろって言われてんのかな・・・。とりあえず、行ってみるか。」

 

美琴「うん。」

 

二人は姫野と金井の先祖の言葉に従い、別館にある着物の間へ向かう。その途中、別館の入口前で等が待ち構えていた。

 

等「どうしても、行くのか二人とも?」

 

美琴「氷室さん、私・・・」

 

正則「・・・氷室さん、俺達に任せちゃくれませんか?」

 

美琴「正則君・・・?」

 

正則「・・・俺は中坊の頃、荒れ狂っていた時期がありました。他の奴らに暴力を振るったりしまくって他人に迷惑をかけまくりました。でも、そんな俺を変えてくれたきっかけが、美琴でした・・・。」

 

等「・・・・・・」

 

正則「だから、俺にとって美琴はただの・・・いや、美琴、由佳、雅人は俺を変えてくれたかけがえのない大事な人だ。だからこそ先祖達がやらかしたけじめ、俺達の手で終わらせたい。これから先も、大事な人を守る為に・・・!」

 

等「・・・止めても、無駄な様だな。」

 

正則「すいません・・・」

 

等「・・・君達は強くなったな、正則君、俺は君のその想いしかと受け止めた。だから行ってこい。そして、必ず帰ってこい。いいな?」

 

正則「はい・・・!」

 

美琴「約束します・・・!」

 

そうして、等は道を開けて二人は別館に入り着物の間に入る。再び二人に声が掛かる。

 

 「一番東側の二段目」「一番西側の四段目」

 

正則「そこに、着る物があるのか。」

 

美琴「私から先に着替えるね。・・・見ちゃダメだよ。」

 

正則「わかってるよ。」

 

そう言って二人は互いに背を向けて、美琴は赤色の着物、正則は灰色の袴を着用し刀を装備する。

 

美琴「・・・2階から禍々しい気配を感じる・・・」

 

正則「いよいよ最終決戦だな。・・・やり残した事はないか美琴?」

 

美琴「私は大丈夫だよ。正則君は大丈夫?」

 

正則「あぁ問題ない。それじゃあ行こうか。」

 

美琴「うん、因縁を終わらせよう。」

 

そう言って二人は別館の2階にある大広間へ向かう。その途中、正則はある事を美琴に話す為に足を止める。

 

正則「・・・なぁ、美琴。」

 

美琴「どうしたの?」

 

正則「今、ここで言う事じゃないかもしれないけど言わせてくれ。・・・俺を変えてくれて、本当に感謝してる。ありがとう・・・。」

 

美琴「そんな、私は何もしてないよ。まるで死ぬ前の言葉みたいだよ正則君。」

 

正則「へへっ、確かにそうかもな・・・。でも美琴には本当に感謝してる。こんな形にはなったがこの数日間美琴と一緒にいて、俺は改めて守るべき物は何かっていう事を学んだ。」

 

美琴「正則君・・・それって・・・」

 

正則「・・・・・・マジで、ここで言う事じゃないって事は、俺も理解している。それでも、言わせて欲しい。美琴・・・!俺hっ!」

 

正則は美琴に対し胸の内に秘めている事を明かそうとすると美琴は人差し指を正則の口元に押し当てる。

 

美琴「・・・・・・正則君の気持ち、充分伝わった。私も、今正則君と同じ気持ちなの。けどこの気持ちはまだしまっておこうと思う。」

 

正則「えっ・・・?」

 

美琴「お互いのこの気持ちは、勝負に勝ってからにしよ?この想いがある限り、私達は絶対に負けないから・・・!」

 

正則「っ!・・・・・・確かにそうだな。」

 

美琴「私達の想いを、神代の怨霊にぶつけよう!」

 

正則「あぁ!」

 

そう言って二人は2階の大広間へ再び歩みだす。そうして大広間に入ると、そこには巨大な能面が待ち構えていた。

 

 

    戦闘BGM「怨−on−」煉獄庭園

 

 

正則「これが、神代の怨念か・・・!!」

 

美琴「私達が、やらなきゃ・・・!」

 

正則「美琴は印を組め!その間は俺が守る!」

 

美琴「うんっ!」

 

そう言って美琴は姫野家の呪符を使って印を組み始め、能面の攻撃を正則はひたすら守る。

 

美琴「結界発動!やあぁ!!」

 

正則「っ!能面に効いた!このまmっ!まずいっ!!」

 

美琴「きゃっ!?」

 

美琴の攻撃を食らった怨霊は2人を押し潰そうと物理的な攻撃を仕掛けるが二人は間一髪躱す。

 

正則「美琴無事か?」

 

美琴「だ、大丈夫・・・っ!正則君!!」

 

正則「っ!?ぐおぉっ!?」

 

すると能面の背後から巨大な黒い影の手が正則を掴んで握り潰そうとする。

 

正則「ぐぅうううう・・・!!くそっ・・・たれがぁ・・・!!」

 

美琴「はぁあっ!!」

 

正則「っ!今なら・・・!っしゃあ!!」

 

美琴の攻撃で怨霊の動きが鈍くなり、影の手の握りが緩くなった瞬間正則は拳銃を能面の目元に撃つ。

 

正則「ぐぅっ!!」

 

美琴「正則君!」

 

正則「助かったぜ美琴・・・!にしても、マジでしぶといなこの野郎・・・!」

 

美琴「でも能面にヒビが入ってるから、あと1回呪符を唱えたらいけるかも!」

 

正則「そうか、ならトドメは美琴に譲る。俺がカバーするからよ!!」

 

美琴「うん!!」

 

そう言って正則が美琴の前に立ち、攻撃を刀で弾きながら美琴を能面の至近距離まで誘導する。

 

美琴「これで・・・終わり・・・!」

 

正則「いけ!美琴!!」

 

美琴「やぁああああああっ!!!」

 

最後の呪符の攻撃をまともに受けた怨霊は器となっていた能面が完全に壊れ、姿を消した。

 

美琴「はぁ・・・はぁ・・・。」

 

正則「終わった・・・のか・・・?」

 

美琴「気配を感じないから、本当に・・・倒せたのかも・・・。」

 

正則「・・・・・・っ!」

 

美琴「・・・えっ、なにこの気配・・・!?」

 

正則「さっきの神代の怨霊より強いぞ・・・。この気配・・・まさか・・・!!」

 

すると壊れたはずの能面が元の姿に戻り、能面があった場所に黒い影が集まり始める。やがてその黒い影は人の形を成していき、黒い袴を来た男性の姿となった。

 

「・・・・・・ようやく、この姿になることができた。感謝するぞ、姫野と我が金井家の末裔よ。」

 

正則「あんた・・・そうか、やはりか・・・!」

 

美琴「正則君、この人知ってるの・・・?」

 

正則「・・・「金井玄重斎」金井家が分裂した後の神代金井家の当主だった・・・。そして、死んだ爺ちゃんの爺ちゃん、高祖父だ。」

 

美琴「っ!!」

 

姿を現した男の正体は神代金井家の当主「金井玄重斎」正則の高祖父にあたる人物であり、正則は祖父から

 

玄重斎「ほぅ、俺のことを知っていたのか。」

 

正則「爺ちゃんから色々聞いてたもんでな、まさかこんな形でご先祖様の姿を拝める日が来るなんざ思ってもみなかった。」

 

玄重斎「ふっ、俺もまさかこんな形で玄孫を見れるなんて思わなかった。そっちの姫野家の末裔は・・・」

 

正則「・・・・・・」

 

玄重斎「そう警戒するな、俺は神代家の怨霊と違って女子供には手は出さん。」

 

正則「・・・そう言われて、信じると思うか?」

 

玄重斎「まぁ、この能面から出てきた以上信じては貰えんことは承知の上だ。俺がこの能面から出てきた理由は至極簡単な話さ。金井家の末裔であるお前と勝負をしたくなった。」

 

正則「勝負・・・?神代の怨霊みたく呪い殺さないのか?」

 

玄重斎「俺からすれば、神代の怨霊の考えなんざ知らん。能面から出てきた理由も、二人に興味があったからだ。」

 

正則「・・・・・・」

 

美琴「・・・正則君、多分この人・・・悪い人じゃないと思う。神代の怨霊と違って悪い気を感じないの。」

 

正則「美琴・・・だが・・・」

 

美琴「私は大丈夫だよ。・・・正則君、必ず勝って、あの人を成仏させてあげて。」

 

正則「・・・・・・分かった。」

 

そして、正則は玄重斎と相対し刀を構える。玄重斎もその行動を理解し、刀を構える。

 

    戦闘BGM「菩殺」−龍が如く維新−

 

正則「あんたのその勝負、乗らせてもらう。そのかわり・・・」

 

玄重斎「分かってるよ、満足できたらあの世に行く。今更死んだ人間が現世にのこのこいるわけにもいかねぇしな。ただ、不思議だ・・・」

 

正則「なにがだ?」

 

玄重斎「昔、俺にお前と似た性格を持った友人がいてな・・・。不思議と、その友人とお前を重ねちまった。」

 

正則「ふっ・・・よく言う「転生」ってやつかもな。」

 

玄重斎「そうか・・・。・・・来い、我が金井家の末裔、金井正則ぃ!!」

 

正則「行くぞ、金井玄重斎ぃ!!」

 

金井の先祖が最後の強敵として立ち塞がり、正則もそれに答える。ここに、正則の最後の戦いが幕を開けた。

 

 

  「VS 神代金井家72代当主 金井玄重斎」

 

 

 

玄重斎「ふんっ!」

 

正則「はぁっ!!」

 

玄重斎「よく躱した、流石我が末裔だな。」

 

正則「ご先祖様にお褒め頂き光栄だ。」

 

美琴「凄い・・・まるで、侍の戦いを見てるみたい・・・。」

 

正則は宝刀を駆使して玄重斎の変則的な動きを躱しながら打撃を食らわせる。

 

正則「オラァっ!!」

 

玄重斎「ぐっ!!・・・やるな・・・正則!」

 

正則「まだまだぁ!!」

 

玄重斎「遅いっ!!ふんっ!!」

 

正則「ぐぅおっ!?」

 

美琴「っ!正則君!」

 

正則「っ!オラァっ!」

 

そうして鍔迫り合いに持ち込んだ正則だったが玄重斎が上手を行き、正則を蹴飛ばす。正則はすぐに体勢を立て直し飛んでくる襖を切る。

 

正則「っ!!」

 

玄重斎「はぁぁぁっ!!」

 

すると目の前から玄重斎が突進して刀を突き出し、正則は次の攻撃が来ることを僅か1秒で察し玄重斎の追撃を躱す。

 

玄重斎「今のは、流石に無理だったか。だが、よく躱せたな。」

 

正則「考えるより先に体が動いたんでな。」

 

ギリギリで躱せた正則だったが頬に刀傷が付き、血が滴り落ちる。だが正則は軽口を崩さず玄重斎と交戦する。

 

正則・玄重斎「「はぁ・・・はぁ・・・」」

 

玄重斎「・・・俺は嬉しいぞ正則。」

 

正則「あ・・・?」

 

玄重斎「時代が流れていくにつれて、お前のような人間はごく少数となっていった・・・。だが、お前がこの世に生まれてきたおかげで、俺は安心して次の代を託すことが出来る。」

 

正則「・・・・・・」

 

玄重斎「決着を付けるか・・・」

 

正則「あぁ、因縁を終わらせよう。」

 

そうして二人は互いに距離を取り刀を鞘に収め、再び抜刀の構えを取る。

 

正則「(神代家、姫野家、金井家・・・過去にどんな因縁があったにせよ、今の代の俺達には関係ない・・・。俺達はそんな因縁も何も無いダチなんだ・・・!!だから・・・これで、全て終わらせる・・・!!)」

 

正則・玄重斎「「うぉおおおおおおおおっ!!」」

 

二人は全ての力を使い体が当たる寸前で抜刀する。そうしてその抜刀は、正則が一歩先を行き玄重斎は倒れ勝負は正則が勝利した。

 

 

 

 

 

 

 

      「Final chapter 終焉」

 

          完   

 

 

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