怪異友愛録 −金井正則の幽霊事件簿− 作:unknown505
正則「はぁ・・・はぁ・・・」
美琴「正則君!!」
激戦を制した正則は玄重斎が倒れた後に、膝をついて倒れる。美琴は急いで正則の側に駆け寄り回復の儀式を行う。
正則「美琴・・・俺、勝った・・・ぜ・・・。」
美琴「正則君、お疲れ様・・・!無事で良かった・・・!」
正則「あぁ、これで因縁も断ち切れた・・・。もう神代も、姫野も、金井も関係ねぇ。」
美琴「そうだね・・・正則君、あの人・・・」
正則「ん・・・・・・っ!」
すると倒れた玄重斎は静かに腕から黒い影が粒子となって消えかけていた。
正則「玄重斎、あんた・・・」
玄重斎「ふっ・・・そんな悲しい顔をするな正則。俺は本来ここにいちゃいけない人間・・・そっと静かに消えるのがいいんだ。」
正則「・・・・・・」
玄重斎「・・・神代家に与した金井家に生まれた俺は、屈服した人生だった。昔の時代は、今みたいにハイテクな物が全くない時代だ。俺がそんな時間を忘れられる唯一が剣術だった・・・」
美琴「玄重斎さん・・・」
玄重斎「剣術は俺に縛りついた物を取っ払ってくれる楽しいものでな、次第に俺は剣術で人生を変えようと色んな人に挑戦し続けた。」
正則「だが、まだ何かが足りなかった・・・ということか・・・?」
玄重斎「・・・あぁ、正則の様な人間は俺の前には現れず満足できないままこの世を去る事になっちまった・・・。だが、今の代でお前という存在がいてくれて、本当に満足できた。ありがとう、正則。」
正則「・・・そうか。」
玄重斎「・・・そろそろ、お別れだ。故人はさっさとこの世から去らせてもらうぜ。あの世に帰ったら神代の馬鹿どもには説教食らわせねぇとな。」
美琴「・・・あの、玄重斎さん。」
玄重斎「ん?」
美琴「・・・神代家のご先祖様に伝えてほしいことがあるんです。
玄重斎「伝えて欲しいこと?」
美琴「はい・・・「私は姫野家の人間ですが神代家の皆さんのお墓にも手を合わせます。だから安心してお眠りください。」そう、伝えて欲しいんです。」
玄重斎「・・・分かった、伝えとく。もう神代の馬鹿どもは悪さ出来ねぇ様に説教食らわせやるから安心してくれ。・・・俺達先祖が末裔であるお前達にいらねぇしちまって、本当にすまなかった。」
正則「構わねぇよ、激動の数日間だったがこの数日間で色んな事を学ぶ事が出来た。何より・・・何にもなかった俺の心に「変化」があったしな。」
美琴「ま、正則君・・・。」
そう言って正則は優しい目で美琴を見る。その目で何かを察した美琴は顔を赤らめる。
玄重斎「あの世に行く前に若いもんの青春が見れて眼福だ、正則。」
正則「ん?」
玄重斎「・・・その子を幸せにしてやれよ?じゃねぇと、お前の枕元で立ってやるからな?」
正則「もちろん幸せにするさ、なんたって・・・美琴は俺の恩人でもあるからな。」
正則がそう言うと玄重斎は満面の笑みを浮かべて、この世を去った。正則も静かに笑って玄重斎を見送る。
美琴「なんだか、ご先祖様なのにすごくフランクだったね・・・。」
正則「あぁ、あの人自身が恨みとかそんな事を考える人じゃなさそうだしな。さて、着替えて氷室さんとこに行こうか。」
美琴「うん。」
二人は着物の間へ向かって着替え、等の所へ戻る。
等「・・・今度こそ、終わったか。」
正則・美琴「「はい。」」
−2日後 菊川警察署 屋上−
美琴「不思議な数日間でした、色んな事がありすぎて、いっぱいです・・・。でも、おかげで私達は自分の家系を知ることが出来て、勉強にもなりました。」
等「・・・・・・君達は悪い夢を見ていたんだ。そして明日からはいつもどおりの学校生活だ。」
正則「俺達を悪い夢から助けてくれたのは、氷室さんや加賀さん達のおかげです。」
等「・・・仕事だからな、俺はまた仕事に戻るよ。正則くんは美琴くんに伝えたい事があるらしいからな。」
そう言って等はその場を去り、屋上には正則と美琴の二人きりとなった。
美琴「正則くん・・・」
正則「美琴・・・あん時はしっかり伝えることができなかったが、今なら言える。美琴、俺は・・・美琴の事が好きだ。美琴が良いなら、俺と付き合ってほしい。」
美琴「・・・正則君、私も・・・正則君を好いちゃったみたい。だから、よろしくね正則君。」
正則「・・・ふっ・・・よろしくな、美琴。」
二人は晴れて恋人同士となり、お互いの口にファーストキスをした。こうして、ひとりかくれんぼから始まった一連の怪異は正則と美琴の奮闘、そして氷室等、加賀剛、霧崎翔太、梶真純のサポートにより収まった。しかし、怪異はいつどこから現れるのかは分からない。
だがそれでも、怪異と対抗できる彼らがいる限り町の平和は保たれるだろう。
「怪異友愛録 −金井正則の幽霊事件簿−」
完