今日こそ、何とか間に合いました。
今回でボウリング決着。そして、二章終了です。
では、どうぞ。
唐突に開催されたチームアークトゥルスメンバーによるボウリング大会。現在、5フレームまで終わり、一人劣勢に立たされた遥は、状況を打開しようとその天才的な頭脳をフルで活用するが、生憎と、ボウリングは個人の技量が左右するゲームである。
よって、遥に出来ることは、ただ他のメンバーにこれ以上の遅れを取らないように追い縋るのが精々だった。
「ぐぬぬぬぅ……一番最初にミスさえしなければぁ……」
「いやいやー、あの投げ方でストライク四本連続って普通に凄いと思いますよー」
前半が終わったということで、一度みんなで休むことにして、会話に興じている四人。話題はやはり、遥の中々テクニカルな投げ方の話だった。
実は、遥自身、勝ち目が薄いからか、左の端から投げて右のガターに落ちるか落ちないかギリギリのスリルを楽しんでいる節すらあった。つまり、勝負を諦めて、完全に遊んでいるわけなのだ。
そんな、遥の心を読んだのかグラスワンダーが一本の蜘蛛の糸を垂らす。
「では~、こうしましょうか~。ハルちゃんがこれから5フレーム計7本を全て違う投げ方でストライクを取れれば300点としませんか?」
「セイちゃんとしてはー、かわいそうだからそれでいいよー」
「
「んー、楽しそうだからやるー」
遥は瞳をキラキラと輝かせて頷いた。既に遥の中では様々な投げ方と、他のメンバーが投げたのを見て予想したレーンの状態からどの角度でどのくらいの力で投げるかのシミュレーションを行っていた。
休憩も終わり、再びストライクの取り合いが始まる。気が付けば、周囲にはこの頂上決戦の行方を見守るギャラリーが出来ていた。
それもそうだろう、今の彼女らのスコアは二人がパーフェクト、一人は全てスペア、もう一人は、パーフェクトこそ逃したがイカれた軌道でストライクを連発するキチガイだ。そして、今の会話でキチガイがもっとおかしいことをやり出すのが分かったのだ。そりゃあ、注目されることだろう。
グラスワンダー、セイウンスカイがストライク。そして、メジロマックイーンも初めてのストライクを取りウマ娘達で喜んでいるのを遥は横目で眺めながら集中していた。
一度目を閉じて、数秒程の時間を過ごして目を開けると、既に集中状態の真剣な目に変わっていた。
「ふぅ…よし、行くかな」
「頑張って下さいね~」
グラスワンダーの声援を受けながら遥はボールを構える。遥は助走を付けて右側からボールを離す。その時に、少しだけ左回転とバックスピンを掛ける。
転がったボールは逆回転をしながらも、前に滑っていき、右側のピンを倒して奥へと消える――
「よし!いったー!!」
「「「うおぉッ!」」」
ことはなく、後ろに少しだけ戻り左側のピンを倒して、左に一回転をして最後に1ピンを倒すと今度こそ奥へと消えていった。余りにもぶっ飛んだストライクの取り方に観衆は歓声を上げる。
遥は確かな手応えと興奮を感じながら席に戻って、ウマ娘達とハイタッチを交わす。
「流石ですね~」
「いやー、凄いねー」
「あり?二人とも反応薄くない?これでもわたし、結構凄いことしたと思うんだけど……ほら、マックイーンみたいな反応を期待してたんだけどなー」
そう言って遥はメジロマックイーンの方を向く。そこには、ぽけーっと、間抜けな表情をしながらレーンの方を見続けてるメジロマックイーンがいた。
数十秒程で戻ってきたが、遥のことをヤバい奴を見るような目で見ていた。安心しろ、メジロマックイーン。お前の反応が正しいぞ。
そして、7フレーム目では、6フレーム目に続きメジロマックイーンもストライクを取り、遥は子どもが投げる時に使う滑り台のようなものを隣のレーンに置き、隣のレーンからそれなりの勢いで投げてガターを飛び越えてピンの群れを一掃した。
続く、8フレーム目は、メジロマックイーンがスペアとなった。遥は、レーンの間の段差の上にボールを回転を掛けた状態で投げ、1ピンの手前辺りで曲がり薙ぎ倒す。
この頃には、後ろのギャラリーも増え、かなりの人数が見に来ていた。中には、スマホで無断撮影している者もいるが、無断でネットに投稿しようものなら
更に、9フレーム目も同じような展開が続いた。え?遥のプレイを見せろ?尺の都合でカットです。決して、ネタ切れと言う訳ではない。
断じてない!ないったらない!
「ヤバい、ネタ切れになっちゃった……」
「あらあら~、では、今までのを反対から左手で投げてみては?」
「ん、そうするー」
本当にネタ切れではないからなぁ!!!
失礼、取り乱しました。そして、最終フレーム。得点はこうなっている。少し前にも言ったが、メジロマックイーンのみスペアでもストライク扱いとなっている。
一位 グラスワンダー、セイウンスカイ、メジロマックイーン 得点:210 ターキー待ちのストライク二本のため、最低でも240は確定している。
四位 秋川遥 得点:189 最低219が確定している。
パーフェクトゲームにリーチを掛けたのが二人(メジロマックイーンは独自ルール適用)いるため、後ろやら横やらで大盛り上がりの観衆が大勢いる。更には、遥のキモくて凄いパフォーマンスのお陰もあって、より多くの人間が集まっている。
「流石に、これだけの人数に見られて遊ぶのは緊張しますね~」
「そーだねー、のんびり屋のセイちゃんでもすこーしだけ緊張しちゃうなー」
「うぅ…こんな大勢の衆目に曝されて、この程度の実力しかないと知られるとは…
「いやー、ボウリングって楽しいね!!」
緊張が二人、恥さらしと自分を卑下するのが一人、呑気一人と各々の反応を示している。だが、これだけは言わせて欲しい。
お前も大概おかしいぞ、メジロマックイーン。何故、初めてのボウリングでスペアを連発するだけに留まらずストライクも取っている。これを見ている観衆の中で、彼女が初心者だと思う奴は誰一人としていないだろう。
そして、各々の気持ちを胸に魔の10フレーム目が進む。グラスワンダー、セイウンスカイはストライクを取り、見事パーフェクトゲームを達成し、観衆が大歓声に包まれ、メジロマックイーンは一本目は6本、二本目でスペアを取り、三本目はストライクと、後程1フレーム追加が決まった。
そして、何だかんだで最も注目を集めている遥だったが、ここで唐突なひらめきが降りてきたようだ。
「店員さーん」
店員の元へ向かった遥は、とあるお願いをした後に戻ってきて、一本目を投げるために構える。そして、遥がボールを投げたと同時に、観衆全員が困惑に包まれる。
「え…ハルちゃん?何故、ガターに?」
そのグラスワンダーの呟きに二投目を普通に投げてスペアを取った遥が答える。
「やっぱ、ゲームってのは楽しんでこそでしょ!!」
そして、遥が右手の人差し指をとある場所へと向ける。そこは、隣のレーン。
そして、隣のレーンには、丁度、十本のピンが置かれるところだった。それを見た観衆含めた面々の脳裏には、一つの事柄を全員が見たことだろう。
「0+10+20。これって、実質全部ストライクだよね?」
その遥の宣言に観衆がどよめくが、遥は極限まで集中しているため、聞こえることは無かった。因みに、観衆の言葉を一つピックアップしよう。
「そうはならなくね?」
これである。
遥は、強烈なスピンを掛けて投げた。右回りにスピンを掛けられたボールは、今までとは違い真っ直ぐに進んでいく。そして、1ピンの左側に当たると、1ピンを右に大きく飛ばした。ボールはそのままガラガラと音を立ててピンを蹴散らした。これで、10点は確定した。
静かになった観衆達が固唾を飲んで見守るなか、宙を舞うピンは、くるくると回転しながら隣のレーンへと飛び、ピンの群れのど真ん中に落ちると、くるくると暴れる。そして、ピンが止まった頃に立っているピンは、
「いぃやったーーー!!!!」
「「「ウォォーーーーッ!!!」」」
ゼロだった。遥は、男達の野太い歓声を背景に、その場でピョンピョンと飛び跳ねて喜んでいる。
「やったよー!グラスー!!」
「「「キャーーッ!!」」」
「ウオーーーッ!!」
近付いてきていたグラスワンダーに気付いた遥が、グラスワンダーに向かってルパンダイ――げふん、抱き付いた。それと、同時に女性陣の黄色い歓声に交じり男性の声が上がった気がしなくもないが、気のせいだろう。
「凄かったですよ~、ハルちゃん」
「んふー!そうでしょ、そうでしょー」
「ですが、ハルちゃん。あれ、見てください」
グラスワンダーが指差したのは、頭上にあるスコアが映されるモニター。そこには、G、スペア、ストライク。そして、点数は259。
「あ、あれー?で、でもさ、さっきのやつで二十点じゃん?だからさー、良くない?」
「はい、そうですね。分かってますよ~。ですが、そうなってしまいますと、一つだけのお願いの対象がマックイーンさんだけになってしまうでしょう?ですから、ハルちゃんにお願いしようかな~。と」
そう、これは飽くまで得点を競うゲーム。そして、敗者に命令出来る権利を勝者が得ることになっている。そして、点数を見てみると、メジロマックイーンのみが三人に比べて大きく見劣りする。
その点を鑑みて、遥を勝者扱いしつつも、敗者扱いも出来るようにしよう。と、言うのがグラスワンダーの言葉だった。
「ん。それでいーよー」
そして、その言葉はグラスワンダーの罠だった。グラスワンダーは、1フレーム追加してストライクでしめたメジロマックイーンを見つつ、こう言った。
「では~、
「え? は?」
グラスワンダーの要求にポカンと、口を開けて固まる遥。そんな遥にグラスワンダーは追撃を仕掛ける。
「よろしいですね?」
「あ、はい」
グラスワンダーの凄みに思わず頷いた遥は、少しの間を持って復活して、自身の言葉を思い出し、こう言った。
「その要求をわたしは認めないぞッ!!」
遥の叫び声はボウリング場の喧騒によって掻き消された。
今回は、今まで書こうと思ってたけど、書くのを忘れていたものをピックアップした解説と言う名の余談です。
遥ちゃんとグラスワンダーは、互いが互いに、家族並みに大切な人と認識しています。ただ、それは恋人とかそう言った恋愛的なものではなく、片割れと言いますか、相棒とかパートナーに近い存在です。
勿論、これらが恋愛的なものに発展する可能性はかなり高いですが、仮にそうなったとしても、彼女らの関係は一切変わりません。要するに、既に夫婦と変わらな--げふんげふん。
まぁ、遥が二話で、グラスを一番わかりやすい例えで例えた時に「嫁」と言った時点で分かりきってましたけどね。
と、思い出したのは今回はこれだけですね。これからも、思い出したらちょこちょこ出していくのでよろしく。
次回は、新キャラ一人目と遥ちゃんの出会いかなー。と、考えてます。一人目は無難に一位のウマ娘にします。
▼質問箱兼意見箱
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=299297&uid=420333
第二回アンケートです。
締め切りは明日7/17の昼一時過ぎくらいにするので、お忘れの方はお早めに。
四人目の遥ちゃんが担当するウマ娘は?
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サイレンススズカ
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マヤノトップガン
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アグネスタキオン
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マンハッタンカフェ
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トウカイテイオー
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スイープトウショウ
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アドマイヤベガ
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ナカヤマフェスタ
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シンコウウインディ
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キタサンブラック