ぐうたらトレーナーの怠惰(笑)な日常   作:タニコウ

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まず、誤字報告をして頂きました。ありがとうございます。一応、僕も繰り返し見直しをしているのですが、やはり見逃しなどがあったようです。ごめんなさい。

今後も似たようなことが多々起きると思います。なので、読者の方で気付いた方は誤字報告をして頂けると本当に助かります。よろしくお願いします。

それでは、今回は原作アニメキャラのヒトミミが出てきます。

では、6話です。お楽しみください。


#6 労働ほど面倒なモノは存在しない

 

 遥がグラスワンダーとセイウンスカイと契約した次の日の朝。中央トレセン学園3B教室にて、担任の武田 勇人こと、たけちゃんはホームルームを行っていた。

 

「いないのは、グラスワンダーか……珍しいな、あいつが遅刻するのは」

 

 朝の予鈴が鳴り終わったのに、未だに登校していないグラスワンダーに、たけちゃんは途轍もない程に不吉な予感を感じていた。

 そんな時だった、

 

「申し訳ありません。遅れてしまいました」

 

 ガラリとドアを開けてグラスワンダーが入ってきた。そして、その手には一本の紐が握られていた。

 たけちゃんはキシリと痛む胃を抑えながら、紐の先を見る。そこには、

 

「すぅ…すぅ…むにゃむにゃ…」

 

 寝袋に天地反転して頭から詰め込まれている遥がいた。そして、顔はニコニコと笑ってはいるが、目が一切笑っていないグラスワンダーを見て、3Bにいる全員がグラスワンダーの事情を察した。

 

「あぁ……その、なんだ?よくやってくれたな。グラスワンダー。そいつは後で俺が連れて行くから、そこら辺に置いといてくれ」

 

 グラスワンダーにそう指示を出して、たけちゃんはグラスワンダーが座ったのを見てからホームルームを続けた。

 

「――と、連絡は以上だ。俺はアイツを連れてった後に理事長に連絡しないといけないから、礼はいらん。じゃ、一時限目の準備をしとけー」

 

 そこまで言うと、たけちゃんは遥の寝袋を掴むと、頭が地面を擦るようにしながら、引き摺って職員室に向かった。

 たけちゃんが出て行ったのを見届けたグラスワンダーは一時限目の教科書を出すために、カバンを開いて手を突っ込む。

 そんなグラスワンダーにセイウンスカイが近づいてきた。

 

「遥さんの授業って5・6時間目だっけー?」

「そうですね~。本来であれば私達は教官の授業は受けないんですが、私達のトレーナーはハルちゃんですからね~。楽しいですよ~、ハルちゃんのトレーニングは」

「ほーほー、なるほどー。それはセイちゃんも楽しみですなー」

 

 そんな風に話していると、二人にスペシャルウィークが近づいて来て話し掛けてきた。

 

「あの、グラスちゃん。さっき、『私達』って言ってましたけど、もしかして……セイちゃんも……」

 

 スペシャルウィークの言葉は()()()教室に響き渡った。クラス全員の好奇の視線に晒されるのに、既に慣れているグラスワンダーと、「私も今日からこっち側になるのかー」と、既に慣れ始めている様子のセイウンスカイだった。

 

「そうですよ~、セイちゃんは昨日付けでハルちゃんの担当ウマ娘になりましたよ~」

「え、えぇーーーーーーっ!?」

 

 スペシャルウィークの叫び声が響く中で、話を聞いていたクラス全員も大なり小なり驚愕の表情を浮かべていた。

 まだ一日の付き合いでしかないが、まさか、あの怠惰が服を着ているような女である遥がグラスワンダー以外に担当ウマ娘を取るとは到底思えない。それが3Bの総意で、ある種の遥への信頼だった。

 

 そうして、時間は進み五時限目になる。

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

 二時限目の授業中のことだった。

 

「あっれー?沖野センパイじゃないですかー。おひさしぶりでーす」

「うぇぇ……出やがったな、ウマ娘超えの身体能力もちのヒトミミめ」

 

 ここは、中央トレセン学園の職員室。教員、トレーナー、教官、事務員etc、トレセン学園の職員の全員が集まる学園でも屈指の大きさを誇るこの部屋。そこにたけちゃんによって強制連行されてきても眠り続けていた遥は、そろそろ起きろ。と、たけちゃんの対遥特効技『アイアンクロ―』によって目を覚まし、大きく背伸びをした所を通りかかったトレーナーの沖野が遥に話し掛けられる。

 沖野は面倒臭そうに顔を歪めながら、ポケットから取り出した棒付きキャンディーを取り出すと口に咥える。

 

「あ、わたしにもちょーだーい」

「……はいよ、で?俺に何の用だ?」

「ありがとー。んー?そーだなー」

「おい、待て。まさか、お前、今話す内容考えてないよな!?」

 

 遥は沖野から受け取った遥が好きなイチゴ味のキャンディーを咥えながら腕を組んでうんうん唸っている。やがて、

 

「あ、そうだ!センパイが今担当しているのって、どの子なんですかー?」

「俺が担当してるウマ娘か?ミスターシービーとゴールドシップ。後は、スペシャルウィークだな。あ、そう言えばお前のクラスじゃなかったか?スぺって」

「はい。そうですよー。にしても、流石はセンパイですねー、スペシャルウィークって、なかなかのパワーと末脚を持ってる有望なウマ娘じゃないですかー」

 

 そう言った遥に沖野は、そうだろうそうだろう。と、頷きながらノリノリで語り始める。

 

「いやー、やっぱりお前には分かるか。あいつのトモとかなかなかに鍛えられていてなー」

「あー、そう言えばセンパイって、トモ大好きですもんねー、何てったって――」

「おい、待て!ここでそれを言うんじゃ――」

「初めて学校で会った時なんて、わたしの足、ウマ娘と間違えてこねくり回してきましたもんねー」

 

 ピシリと職員室の空気が凍った。「沖野Tだしいつものことじゃない?」と、思った皆々様。よく考えてみて欲しい。遥の見た目は、眠たげに垂れている目と朝に髪を梳かすのが面倒で所々跳ねている髪の毛や、やる気のない服装以外は、学園の理事長―秋川やよいと同じ見た目なのだ。

 それを、学生時代とは言え、見た目チャラ男な沖野が秋川やよいの姿まんまの幼女の足を触った。ハッキリ言って事案である。それも、こんなのだとは言え、一応は理事長の姉なのだ。

 沖野自身そのことが分かっているのか、顔が青白くなっている。

 

「あ!そろそろ準備しないとたけちゃんに怒られちゃう!じゃ、またねーセンパーイ」

 

 パタパタとサンダルを鳴らして走っていった遥。それと同時に、沖野の肩に手を置かれる。ギリギリと音を鳴らしながら後ろを見る沖野。

 そこには、

 

「理事長が沖野トレーナーに()()()()があるそうですよ」

「…………」

「は、はい……」

 

 苦笑いしながらそう言ったのは理事長秘書であるたづなと、目は笑っていないが、ニコニコといつも通りの笑顔を浮かべているやよい理事長がいた。

 そして、何処からともなく現れた黒服の筋肉モリモリマッチョマン達に沖野は連行されていった。

 

 成仏してくれ。

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

「はーい、授業を始めまーす」

 

 中央トレセン学園に全部で12あるレース場のうち、第7レース場に中等部三年生は集まっていた。

 そのレース場の中央で折り畳み式のソファーと言う、世にも不思議な家具に座りながら遥は中身が一切ぬるくならない水筒を片手にそう言った。

 集まった生徒達は、本当にコイツに任せていいのか、改めて不安になる。そんな中、遥は一切気にせずに口を開く。

 

「じゃ、まずは皆にウチ(学園)に来た理由を書いてねー。例えば、三冠とかグランプリを取る―とか。そんな夢を書いてねー」

 

 遥は空から落ちてきた紙束とペンが大量に入ったアルミの箱を空中で掴むと、生徒達に配り始めた。生徒達が驚いて上を見ると、空には一機のドローンがトレーナールームの方とは反対の正門の方へ飛んでいくのが見えた。

 生徒達は渡された紙に、直ぐに書き始める者と悩んでいる者で分かれている。

 

「ふーん…そっか…確かに、これは、余り見ていたくないねー」

 

「ママがわたしを連れて来た理由、分かったかも」と、小さく呟いた遥。そんな中、いち早く書き終えたキングヘイローが遥の元へ歩いてきた。

 

「書き終えました。遥教官」

「んー、はいはい。えーっと――」

 

 キングヘイローから受け取った遥は、紙に目を向けて呟いた。

 

「『一流のウマ娘』、ねー」

 

 そこで、紙から目を離した遥はキングヘイローを一瞥して話し掛ける。

 

「キングヘイロー。キミは、取り敢えずスタミナを付ける必要があるね」

「は、はい?」

「正直言って、今のキミの能力は普通だよ。一流には程遠い」

「なっ!?」

 

 ウマ娘の夢を頭ごなしに否定する遥に驚愕の表情を見せずにはいられないキングヘイロー。

 

「ただ――」

「ッ!」

 

 いつもの眠たげな顔を崩した遥は真剣に語り始める。

 

「キミは適正距離という一点に於いては天賦の才能がある。だから――」

「な、何でしょう?」

 

 遥の言葉に惹かれるように前のめりになるキングヘイロー。遥は言葉を続ける。

 

「スタミナを付けて、全距離の重賞を制覇した上で一番得意な距離のG1とグランプリを取る。」

「「「ッ!?」」」

 

 二人の会話が聞こえていたウマ娘達が驚いているのを横目に、フッといつもの眠たげな顔に戻った遥は言葉を続ける。

 

「ここまでしたら、世間にも一流って呼ばれると思わない?」

「ほ、本気で言ってるんですか?」

「えー、まさか、一流を目指してるウマ娘が日和ってるのかにゃー?」

 

 煽るようにニヨニヨと笑いながらそう言った遥。そして、その煽りはキングヘイローの火付けには効果覿面だったようで、キッパリと啖呵を切るために口を開く。

 

「ま、任せなさい!このキングヘイローがやってやりましてよ!」

「よーし、じゃー、あのタイヤを、()()()()()()()から授業の終わりまでにはあそこまで運んでねー」

 

 そう言った遥はとある場所に指を指す。遥の指先にはダンプカーのタイヤを五つ重ねて紐で纏めた物が置かれている。そして、500メートル先に旗が立てられていた。

 

「あ、あれをですか?」

「そうだよー、引き摺っても良し、押しても良し。何とか縦にして転がすも良し。文字通り何でもやっていいよー」

「ほ、本気ですか?」

「ほら早くー。終わらないとご飯食べられないよー。それとも、一流のウマ娘とあろうものがこんな簡単なことに怖気づいちゃったのかにゃー?」

「は?」

 

 そう言うと、遥は一度水筒を飲んでから口を開く。

 

「はい、次の人ー」

「では~、お願いしますね~、遥トレーナー」

「おー、グラスー。はい、見せてー」

 

 そして、授業は続いていく。

 

 





恒例にしようか悩んでいる解説と言う名の余談です。

遥ちゃんと沖野Tは六歳差です。遥ちゃんが中一の頃に沖野Tが高三で、それぞれ、中等部、高等部内で一番の成績でした。一年間の付き合いでしたが、遥ちゃんは自分の理論(スキル)について理解できる沖野Tに滅茶苦茶懐きました。結果、一年の間は、たけちゃんと沖野Tが手綱を握っていました。沖野Tの卒業後は皆さまのお察しの通り、たけちゃんの胃が大変なことになりました。
でも、沖野Tの浪費癖は原作通りどころか、遥ちゃんと言う世界的な大金持ちにお金を借りていたので酷いことになっています。そして、遥ちゃん自身も沖野Tのことはとても気に入ってるので、ドンドン貸しちゃいます。ただ、これには一応の理由があり、2話のあとがきで書いたランキングに関わるのですが、お金を貸すことで沖野Tからのお願い(お仕事)を受けないようにするためです。だから、ランキングに沖野Tがいなかったんですね。
ただ、友好度や親愛度になると、グラスとやよいの下くらいで、遥ちゃんからの評価は大親友です。この評価は、他にはハウスキーパーくんを作った博士ちゃんと同じです。
つまり、男性の中で一番仲いいのが沖野Tになります。

そして、気付いた方もいると思いますが、遥ちゃんが雑とは言え、敬語を使うのは沖野Tだけです。沖野T以外で敬語を使うことは、例え相手が米国大統領であろうが露国大統領であろうが一切あり得ません。
理由は、遥ちゃんにスキル(白スキル)より良いもの(金スキル)に変える方法を思いついて教えたからです。なので、遥ちゃんは沖野Tのことを仕事中に限り敬意を持って接します。



あと、明日は色々と忙しいのでもしかしたら投稿が遅れる可能性があります。でも、投稿は絶対にしますのでその時は読んで頂けたら幸いです。
もしかしたら、日を跨ぐかもしれません。ご了承ください。


▼質問箱兼意見箱

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=299297&uid=420333


アンケート投票してくれた方、ありがとうございます。

明日の昼頃になったら投票を締め切りたいと思います。

葵Tとか理子ちゃんとか出すべき?

  • 葵Tだけいる(遥との関係は同期)
  • 理子ちゃんだけいる(遥との関係はゼロ)
  • 二人ともいらん
  • 二人とも出せ
  • 二人含めて色々出せ
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