短いし今回もほぼアスレコ通りです
次回はオリジナル回になると思います!
都市北西、冒険者通りに位置する迷宮都市の管理期間――ギルド本部。その奥にある大型の会議室に、各派閥の代表者が集結していた。
錚々たる面々が集まったのは、定例の
「現状の体たらくはなんだ、お前たち! 連日のように襲撃は絶えず、つい先日には大規模の奇襲さえ許しおって!」
例の炊き出しで起きた幹部の襲撃。民間人にまで多大な被害を出した一件。自らの力不足で【
「さっさと害虫を駆除してえなら、
しかし、それに反論するのは
「し、仕方なかろう!
何とか絞り出したのだろう、ロイマンのその言葉に俺は見ている景色の違いに違和感を覚える。
「…………今。目の前の
気付けば、言葉は口からこぼれていた。被害を食い止められていない俺たちが言うのもなんだが、現時点の対応に主力派閥さえも駆り出されている現状を見た上で後のことを考える余裕など無いだろう、と考えた俺を睨みつけるロイマン。何か口にしようとしたところで、アレンから追い打ちが入る。
「そいつの言うこともそうだが、んなことより
その殺気に気圧され、ロイマンが口を開いては閉じ何も言い返せない。なおも吐き捨てられる毒舌に、ついにそれまで静観していたフィンが本題に進めない、と静止する。
それに噛み付くアレン。いつも通りの光景にため息をこぼす。ロキ・ファミリアとフレイヤ・ファミリアの発する剣呑な空気がしばらく続いた後、アリーゼたちの空気を読めない一幕を無視するようにガレスさんが口を開いた。
「ロイマンを庇うわけではないが、先の奇襲を食い止められなかったのは儂の責任だ。詫びのしようもないわ」
「いえ、俺の力不足が招いた一件です。先に【
俺がはじめに取り押さえられていれば、あんな惨劇は起こらなかった。末端の手下が破壊工作をしたとしても、被害は大人しく済んだだろう。殺気に満ちていた会議室は一転、重苦しい雰囲気に静まり返る。
「白昼堂々、しかも往来の中心での突然の凶行など、予想出来ていたとしても止められるものではない。ましてや【
シャクティが擁護する。続けて想定していた
そう、俺たちは一連の工業区の襲撃で奪われた撃鉄装置の用途が爆弾ではないか、という結論に至り例の見回りでは不審物に注意していた。俺が【
「魔剣や
「あるいは、まだ切り時ではないと溜め込んでいるのか、だ」
「俺はその意見に同意します。【
会議室に再度緊張が走る。そこでここまで黙って聞いていた輝夜が口を開き、鋭い視線を俺に向ける。
「理解はいたしました。ですが、なぜ先に情報を共有されなかったので? 答えていただけますよね、リアム様?」
「君たちを信用していない訳ではない、というのが前提のうえで、少しでも警戒される可能性を低くしたかった」
小言めいた言葉に、本音を語る。それに続くようにフィンが口を開いた。
「それに、あくまで予想に過ぎなかったというのが一点。そしてこれはリアムの話に繋がるんだけど、警備を厳重にするあまりに敵の動きを誘いにくくしたくなかった」
「…………勇者様の中では、あの奇襲さえ予定調和であったと? 犠牲者の数も算盤で弾いて、小を切り捨てたので?」
輝夜が言葉に棘を纏わせ、非難の色を強める。想定よりも被害が多かった。言い訳にしか聞こえないだろうが、それは俺たち情報を共有していた人間すべての考えの甘さだ。
「正義の眷属として、この言い方はどうかと思うけど……少を捨て多を救うのは、現実的な正義の在り方だ」
アリーゼと輝夜が驚いたように目を見開く。
「もちろん、褒められたことでは無い。でも輝夜なら頭の中では理解しているんじゃないか?」
「理解はしています。多と少の取捨選択も正しいのでしょう。それを相談もせずに遂行したことに不信感を抱いているのですが」
鋭く、細められた視線が俺の目を見据える。気付けばフィンを擁護する俺にも厳しい視線が向けられているが、そんなことはどうでもいい。
「理解してくれているならいいんだ。この議題に関するこれ以上の討論は無意味だろう、フィン。次の議題を」
「ああ。じゃあ次はシャクティたちが制圧した
その後は特に問題なく議論が進み、長丁場になったものの会議が滞りなく終了した。
「さて、他に共有しておきたい情報はあるかい?」
フィンの問いに、これまで口を閉ざしたままだった【猛者】オッタルがおもむろに口を開く。
「……
フィンやリヴェリアたちロキ・ファミリアの幹部や、フィンから情報を得ていた俺は知っているが他の冒険者たちは聞いていないようで、アリーゼが疑問をなげかける。
それに対し、精査する必要もない離れ業だったと簡潔に答えオッタルの仮定ではLv.6以下はやはり有り得ないと。
会議室がどよめきに包まれる中、次いでシャクティが口を開いた。例の廃教会――倉庫で彼女たちを襲った謎の女。そして、俺の推測が正しければ……。
「リアム、どうかしたかい? 何か心当たりでも?」
フィンの言葉に思考から引き戻される。
「いや、なんでもない。気にしないでくれ」
アリーゼや輝夜を含む冒険者たちが不審そうな目を向けるが、気にせずフィンに続きを促す。
「うん、それじゃあこれが最後になるが……
静まり返る会議室。各々が真剣な表情に切り替え、フィンがそれまでの議論の全てを前座に変える『作戦目的』を切り出した。
ヘルメス・ファミリアの偵察により判明した
「――一つは【アストレア・ファミリア】が行くわ!」
まだ何も言っていないというのに、うちの団長様は名乗りをあげる。苦笑を浮かべるフィンだが、シャクティが協力を申し出ることで【アストレア・ファミリア】と【ガネーシャ・ファミリア】の協力体制という形で落ち着いた。
残りの二つはロキ・ファミリアとフレイヤ・ファミリアが受け持つこととなり、他の区域に関してはオラリオにある全ての有力派閥の協力を仰ぐようだ。
作戦の決行は三日後。敵に気取られないようにとフィンが釘を差し、解散となった。
この会議の内容が盗聴されていることに、誰も気付くことができないままに。
アーディ生存√で一応考えてるのに関わりをほぼ書いてない事実……正義はめぐるよの所にもリアム関わらせる予定ないし……
まあいいか。