個性『無効』のヒーローアカデミア   作:toreha

12 / 14
10話

引っ越してからは砂浜や海での修行や公園での修行方法の模索、走り込みついでに近場の散策など、忙しく日々を過ごした。そして迎えた入学式の日

 

特にいつもと変えることなく朝の鍛錬をしてから、走って学校を目指す

 

校舎に入って改めてデカいと感じる。まず天井が高いし廊下も広い、おまけに扉の一つ一つもデカい。教職に巨人でもいるんじゃろうか

 

案内図で確認して教室を目指す

教室のドアは開いていて、中では多数の生徒が思い思いにすごしていた。他生徒と会話を楽しむもの、独りで大人しく席についているもの。中には観察するように入り口を見つめている者もいた

 

儂は自分の席を探し、席について生徒たちを観察する

おぉ、二人ほど格闘技経験者がおる。あっちの女子は中国拳法じゃな、主に手業を使う流派なのか上半身がよく鍛えられている。こっちの男子も・・・おそらく中国拳法だと思うがいささか自信が無い。他にもちらほらと気になる生徒がおる。なるほど実技試験で篩にかけられたと言う訳か、こりゃ先が楽しみじゃ

 

観察を続けていると先ほど見ていた男子が話しかけてきた

 

「なあ、さっきこっちをじっと見てたけど俺に何か用か?」

「いやそう言う訳ではない。すまんの、お主が格闘技を使いそうだったのでな。何の武術を使うのか考えておったのじゃ、おそらく中国拳法だと思うのじゃが」

 

「へえ、見ただけでそこまで分かるのか。ああ俺は鱗飛竜、やってるのは中国拳法で合ってるよ」

「やはりか。儂は渋沢四五六、使う格闘技は合気柔術じゃ」

 

「合気柔術・・・悪ぃ、聞いたことが無い格闘技だ。どんなのなんだ?」

「なに簡単に言えば柔道の親戚のようなものじゃよ。打撃も少々使うがの」

 

「へぇ~、そんなのもあるんだな。俺の中国拳法なんだけどよ、型とか組手とかはやってたんだけどさ、親戚の中国人のおじさんから習っただけだから流派とかは知らないんだよ。個性を使うためのベースにしてるだけだからな」

「なるほどのぉ、それでか。得心いったわい」

 

「・・・今更だけどよ、お前の喋り方クセがすごいな」

「これはうちのじい様の喋り方がうつっただけじゃよ。儂はじい様に育てられたでの」

「あ~、家庭の事情ってやつか?悪い事聞いちまったか?」

「なに気にするほどの事でもないわい」

 

「みんな、おはようっ!今から入学式の説明をするから席に着け~!」

そうこうしてると先生が入ってきて着席を促し、生徒たちが各々の席に戻っていく

 

「わりぃまたな」

 

そう言って鱗も席に戻っていった

 

 

そのまま色々と説明がなされ流れるままに入学式。眠たくなるようなネズミ校長の長話に耐え、教室に戻ってからは簡単な自己紹介。その後にジャージに着替えてグラウンドに集まるようにと指示が出された

 

ジャージに着替えてグラウンドに集まりブラドキング先生の説明を聞く

 

「よーしっ、みんな集まったな?それじゃあ今から個性把握テストを始めるぞ!」

 

「「「個性把握テストぉ!?」」」

 

「ああそうだ!中学の頃にやっただろ、ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈とかの個性禁止の体力テスト

これを個性使用ありで思いっきりやってもらう!」

 

「うおおおおぉぉぉ、俺の個性に有利な種目が無ぇぇぇ~~っ!?パンチ力とか、どんだけ攻撃に耐えられるかとか無いのかよぉ~っ!!!」

「ちょっと!鉄哲って言ったっけ?あんた静かにしなさいっ、まだ先生の説明が終わってないでしょ!」

 

鉄哲が崩れ落ちたり、拳藤が注意したりと周りがガヤガヤ騒いでおるが、結局私立高校の入試でやった事と同じじゃろう。つまり儂には全く関係の無い事じゃな

個性によって得意不得意がはっきりと結果に出る。実はこれ、見てる分には意外と面白い。派手なマジックショーを見てる気分になる

 

 

・50メートル走

足を回転させて速さを出す回原、巨大化して走る宍田などが好成績を出した。儂も4秒切ったぞい

 

・握力

これも巨大化して力を出す宍田、ツルを伸ばして巻き付ける塩崎、手を大きくした拳藤などが好成績をたたき出す。儂も200キロを超えた

 

・立ち幅跳び

みんな個性を生かして好成績を出す中、取蔭・角取・柳が空を飛ぶのはずるいと思った

 

・反復横跳び

この競技は得意個性がおらず、みんなが他人の個性に驚き続けるテストの中において箸休め的な結果になった

 

・ソフトボール投げ

ボールが途中から再加速した庄田、角を突き刺して距離を稼いだ角取、拳を巨大化させて殴りつけた拳藤などが好成績を収めた。殴るのありか、気が付かんかった

 

・上体起こし、長座体前屈

取蔭が体を分割してアホみたいな記録を出す。それはありなのか

 

・持久走

巨大化した宍田、地面を滑るように泳ぐ骨抜、足を回転させる回原、角を使って飛行する角取、ツルをうまく使って移動する塩崎。・・・持久『走』ってなんじゃろうな

 

 

全部の種目が終わって再びみんなが集まる

「よーしっ、終了だ!いいかみんな、今回のテストで今の自分の限界が分かっただろう。いいか、これからどんどんこの成績が上がっていくんだ!楽しみだろう?燃えてくるだろう?プルスウルトラ!自分を超えて見せろっ!先生は楽しみにしてるぞっ!」

 

 

これにて本日の予定はすべて終了。着替えて教室に戻り帰り支度をしていると、注目を集めるように大きな声が響きわたった

 

「ねぇみんな、さっきのテストで気になる事が色々があったでしょ?時間に余裕があるなら少しみんなで話さない?」

「私もみんなの個性に興味があるノコ!」

「ん」

「まだ初日だけどさ、どうせこれから一緒にやってくんだし早いうちに親交を深めましょってわけ」

 

拳藤、小森、小大、取蔭が発言しその後ろには柳、角取と女子が全員集まっていた

 

それを受けた男子が一人また一人と賛同し、結果全員参加することとなった。儂も修行と天秤にかけたが、少々気になる事があったため残る事にした

 

「さっきのテストで誰が気になった?やっぱり総合1位の宍田?」

「おぉ、俺も宍田に目が行ったぜ、ありゃすごかった!」

拳藤が仕切り鉄哲がそれに続く

確かに儂も気になった一人じゃ。巨大化してからはもちろん、おそらく変化する前も相当な力を持っとるはずじゃ。あの手の異形型はその傾向が強い

 

「私ですか?いきなり皆さんに注目されると少し照れますぞ」

「Oh、印象と喋り方が違いマース!」

「ん」

「ボール投げの時にグオォォォって吠えちゃいノコ」

「うん、少しうらめしかった」

 

「それは驚かせてしまい申し訳ありませんぞ。私の個性『ビースト』は変化すると性格も荒くなってしまうんですぞ」

「ああ、そう言うのもあるのねぇ。使い勝手悪そうだけど実際どうなの?」

取蔭が不躾な質問をする。遠慮が無いのぉ

 

「確かに周りが見えにくくなりますが、パワーだけじゃなく聴覚や嗅覚も強化されるので索敵も出来て便利ですぞ」

「パワーだけじゃなく索敵まで出来るのか、スゲーな宍田!」

 

「僕は取蔭が気になったなぁ!総合は2位だったけど一番目立ってたのは間違いなく君だよ!」

「なに、次は私?」

 

鉄哲をスルーして物間が仕切り出す。こ奴はなんというかちょっと強い一般人程度の評価なんじゃよなぁ。個性は見せておらんかったが、なんか特殊なもんなんかの?

 

「そりゃそうさ!体がバラバラなるわ空を飛ぶわ。分かりやすい強個性じゃないか!興味深いよ!」

「まあこれでも推薦組だしね。でもそれだけよ?体をバラシて飛ぶだけ、あぁ私も索敵は得意よ」

 

「ボク立ち幅跳びの時、思わずギャーって言っちゃったよ・・・」

「摩訶不思議」

 

吹出と黒色がそれぞれ感想を出す。こいつらの顔すごいの、真っ白と真っ黒じゃ。特に吹出はどうやって前を見とるんじゃろうか。でも口には出さん、じい様に教わったからの

 

「順番に行くと次は3位の渋沢?特に目立った個性は使ってなかったけど単純な増強系?」

「あっ、それは俺も気になった」

再び拳藤が仕切り、鱗も乗っかって儂に話を振ってきた

 

「ふむ、次は儂か。儂はテストで個性を使っておらんよ、すべてただの身体能力じゃ。儂の個性はこういう場では何の役にも立たんでの」

「うそっ!?あれ素の身体能力なの!?」

「マジか、やべぇな」

 

「おや、そうなのかい?じゃあ僕と同じで他人を必要とする個性なのかな?興味深いね!」

「物間か。そういうお主はどういった個性なんじゃ?テストでは特に目立ったような真似はしとらんかったようじゃが」

 

「ん?僕かい?僕の個性は『コピー』他人の個性をコピーできるのさ!」

「なんでテストでは使わなかったデース?」

「みんなの個性が分からなかったからね。それになんでもコピー出来るわけじゃないのさ、色々と条件があるんだ。で、渋沢の個性はなんなんだい?」

 

「儂の個性は『無効』じゃ。儂に個性の類は一切きかん、ただそれだけじゃよ」

「個性が効かない?それってどうなの?強いの?」

「だからそんなに鍛えノコ?」

「いや、順番が逆じゃな。うちは道場での、物心が付いた時から体を鍛えておる。

個性が分かったのはその後じゃな。個性についてはそうじゃな・・・吹出よ」

 

「えっ、ボク?」

「うむ、儂に向かって野球ボールくらいの大きさで言葉を飛ばしてくれんかの」

「いいけど後で文句は言わないでね。行くよ『ドン』」

 

注文通り野球ボール大の『ドン』の文字が飛んでくる。それをガードも避ける事もせずに受け止める。文字は当たった瞬間に消えてなくなる

 

「Wow!Fantastic!消えてなくなりましたデース」

「分かりやすかったじゃろう?こんな感じじゃよ」

 

「なるほど個性が効かない・・・。あとは本人次第で強個性にも弱個性にもなるってわけね。ねぇ道場って言ってたけど何の道場なの?」

「うちは柔道の道場じゃよ。儂がやっとるんは合気柔術じゃがの。

儂も拳藤に聞きたい事があったんじゃ。お主、中国拳法やっとるじゃろう?テストでの動きを見ると八極拳とジークンドーを混ぜたような動きをしとったようじゃが、どこで習ったんじゃ?」

 

「見ただけでそこまで分かるのね。質問の答えだけどごめんなさい、流派は分からないわ。うちは昔から『大拳』の個性持ちが続いてるから格闘技はお父さんから習ったの。お父さんはお爺ちゃんからね」

 

「なるほどのぅ、一子相伝と言う訳か」

「あははははっ、そんな良いもんじゃないわよ!」

 

ワイワイと会話は下校時間まで続きそのまま解散。中には一緒に動いている者たちもおったが、儂は走ってアパートに帰り夜の修行を始めた

 

 




作者は漫画勢です。
そのため口調はほとんど想像です。違和感があったらすみません。

ポニーとキノコの使い勝手が良すぎて困る。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。