個性『無効』のヒーローアカデミア   作:toreha

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12話

翌日いつものように登校すると、校門前に人だかりが出来ていた

離れた位置で観察してみると、マスコミが登校する生徒に対しオールマイトについてのインタビューをしている。なんとうっとうしい

 

手すきのインタビュアーがいなくなるタイミングを見計らい、ササっと校門を通り抜ける。捕まった生徒たちよ、頑張れっ!

 

教室に着くとやれテレビに出ただの鬱陶しかっただのと騒いでおる

それには混ざらずに席について今日の昼めしの事を考える。昨日食べた鳥の釜めし御膳は文句なしに美味かった、連日で頼んでもいいが今日は魚の気分だ。ならば今日は鯖の味噌煮定食にするか・・・、いやっキンキの煮つけ定食も捨てがたい・・・悩むのぉ

 

「おはようっ!みんな席に着けっ、ホームルームを始めるぞ~!」

 

いつものよう大きな声であいさつしながらブラドキング先生が教室に入ってくる

 

「昨日のヒーロー基礎学の映像を見させてもらった!活躍できた者も、活躍できなかった者も、均しくまだ未熟!浮かれるな、落ち込むな、まだまだこれからだ!これからの成長に期待してるぞ!

さて今日のホームルームはいつもと違うぞ、今日はみんなに学級委員長を決めてもらう!」

 

「「「学校っぽいの来たー!!」」」

 

息の合ったリアクションをしたと思ったら我も我もと立候補の乱れ打ち。やる気にあふれとるのぉ、儂には無理じゃ

 

「自分がやりたいと思う者も多いだろうが、ここはみんなで選んでもらう!そろそろ互いにどういった人物かある程度分かったと思う。自分のクラスの委員長にふさわしいと思うものを投票してくれ、自薦は無しだ!」

 

投票用紙が配られ、いざシンキングタイムスタートである

さてどうするか。まぁ悩むまでもなく拳藤一択なんじゃがの

優しく頼りがいのある宍戸、自分のペースに持ち込むのが上手い取蔭、グイグイ引っ張る鉄哲、他人に厳しく自分にも厳しい塩崎、それぞれに良い所があるがそれを考慮に入れてもやはり拳藤が頭一つ抜けておる

イニシアチブを取りたがる物間と言うのもいるが、こいつは考えんでもいいじゃろ

拳藤と記入して投票箱に入れる

 

 

開票結果

 

・拳藤 16票

・宍戸 2票

・渋沢 2票

・取蔭 1票

 

「なんで僕に1票も入ってないんだぁぁ~~!!」

「物間うるさい」

「ん」

 

やはり拳藤に決まったか。しかし誰じゃ儂に入れたのは?全力でお断りじゃ

 

 

淡々と午前の授業をこなし、待ちに待った昼食の時間

 

飯を食う時は、誰にも邪魔されず、自由でなんというか救われてなきゃダメなんじゃ

もう一人の心の師がささやいておる。習うわけではないがこの考え方には大いに賛成じゃ

まあ学食では望むべくもないがの

 

悩んだ挙句のキンキの煮つけ定食を持って、なるべく空いている席を探す

 

「渋沢~!席探してるの?ここ空いてるよ~」

 

声をかけられた方を向くと、拳藤、小大、柳、小森が一緒に座っていた。飯時に騒がしいのはあまり好きではないが、これ以上キンキが冷めていくのを見るのも忍びない。儂は空いている席に座ることにした

 

「予想はしてたけどやっぱり一佳になったわね、委員長」

「一人だけ票数がニョキニョキだったもんね」

「ん」

 

「やりたいとは思ってたけどね。選ばれたからには一生懸命頑張るよ。クセの強いのが多いからどうなるか分からないけどね」

「ん」

「頑張れって言ってノコ?」

「んん」

 

「拳藤ならば問題なくみんなの期待に応えられる。と言うておるのじゃ」

「ん」

「やっぱり唯の言葉は難しいわね。なんとなくは分かるようになったけど、まだ完全に理解するには時間が足りてないわ」

「でも渋沢は理解キノコだよね」

「武術のおかげじゃ」

「武術すごいノコ!」

「適当な事言わないのっ、希乃子が信じちゃうでしょ!」

間違ってはおらんのだがのぉ。しかし反論はせず食事に向き合う。キンキ旨い

 

 

「そういえば渋沢にも票が入ってたわね、誰が入れたのかしら?」

「あっ、それ私」

「ん」

柳の質問に拳藤と小大が小さく手を挙げて答える。ふむ、こ奴らか

 

「一佳と唯が入れたの?」

「渋沢っていつも落ち着いてるじゃない?なんというか老成してるって感じ、喋り方のせいかもしれないけどね。どんなことでも落ち着いてサッとこなしそうな印象だったのよ。あと強いしね」

「ん」

 

 

 

ヴゥ~~~・ヴゥ~~~

 

「「「!?」」」

 

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難して下さい』

 

突然の警報に周りの生徒たちが騒然となり、我先にと出入口目掛けて一目散に逃げ出す

すでに出入り口付近は押し合い圧し合いの混乱状態になっている

 

「なにセキュリティ3って!?」

「落ち着いてレイ子っ!」

 

慌てて立ち上がる柳、それをなだめる拳藤、静かに辺りを見回す小大、おろおろする小森、そしてキンキを食べる儂

 

「あんたは落ち着きすぎよっ!」

「・・・ゴクン。慌てても仕方なかろう。セキュリティ3が何かは知らぬが、突破されたと言うからには侵入者がおると言う事じゃろ?ならば備えるのみじゃよ」

 

「ん」

「マイペースか、確かにの。常に己を保つのも武術には重要な要素じゃよ」

 

「で、でもさ、どうするの?周りが大分うらめしい事になってるし」

「出入り口が群生地になっちゃいノコ!」

「今からあそこに行くのは駄目ね。少し落ち着くのを待つか、他に屋外に出られる場所が無いか探してみましょうか」

 

ガヤガヤと周りが騒然とする中、昼食を食べ終え入り口を見やる

すごい人混みじゃな。・・・あれじゃな昔テレビで見た新春初売り福袋に群がる客みたいじゃ

 

その人混みから一人の生徒が文字通り飛び出し、出入り口の上に張り付いた

 

「大丈ーーーー夫!!!」

 

騒がしかった生徒たちが、何事かと声のした方に注目する

 

「ただのマスコミです!なにもパニックになることはありません

大丈ー夫!ここは雄英!最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!!」

 

生徒たちはその声に落ち着きを取り戻し、順次慌てる事無く食堂を出ていく

儂らもそれに続いて食堂を後にした。くそっ飯が落ち着いて食えんかった、これはキンキの煮つけをもう一度頼まねばならんのぉ、ぐふふ

 

午後のホームルームで昼に起こった騒動についての説明と、各種委員決めが行われてその日の学校は終了した

 

 

 

開けて翌週

 

昼食も終わり午後の現代文の授業を受けている時の事

 

 

ヴゥ~~~・ヴゥ~~~

 

『緊急!侵入者が発生しました。ヒーロー教員は至急校舎正面玄関に集合してください!』

 

先週聞いた物と同じ警報音、しかしアナウンス内容が違う物が流れ出した

 

「すまない、俺は行かなければならない。みんな大人しく自習していてくれ、時間が来たら終わって構わない。クラス委員、後は任せる!」

 

それだけ言い残しセメントス先生は颯爽と教室から出ていった

 

「おい、またかよ!?」

「またマスコミが入ってきたのか?」

「What's happen!? Did a villain appear?」

「敵か!?俺がぶっ飛ばしてやる!」

「もういい加減にして欲しいわねぇ」

「騒がしいのぉ」

 

ざわつく教室内、それを拳藤がいち早く取りまとめる

 

「みんな落ち着いて!退避の指示は出てないから私たちに危険はないと思う。でも何があってもいいように準備だけして今は自習をしてましょう!」

 

「でも緊急でヒーロー教師が呼ばれているんだよ?マスコミじゃないと思う。これはヴィランが出たんだよ!ここは僕らも戦って目立たないとっ!」

 

「黙りなさい物間。私は拳藤の意見に賛成です。今の私たちに出来ることは何もありません」

「そうですな、セメントス先生もそう仰っていましたし、何かあればまた放送がかかると思いますぞ」

 

拳藤の発言に物間が反論を出すも塩崎、宍戸がそれを抑える

物間の意見に追従するわけではないが、確かにただのマスコミ相手にヒーロー教師を緊急で集めるとは少し考えにくい。ならば考えられるのはなんじゃ?生徒やロボットが暴れたというのならば侵入者とは言わんじゃろう。やはりヴィランか?それともスクールジャック?しかし今回の放送でセキュリティが突破されたとは言われておらん。急に侵入者が現れたと言う事か?

 

うむ分からん。敵が来たらぶん投げればよかろう。

 

 

そのまま現代文の授業が終了し、教室で待機しているとブラドキング先生がやってきて事の顛末を説明しだした

 

A組が施設でレスキュー訓練の授業中にワープの個性でヴィランが侵入

襲い掛かかってきたヴィラン相手に先生と生徒が大奮闘

多少の怪我人を出すも、最後にはオールマイトが強敵をぶっ飛ばし敵のボスはワープで逃げていったと

 

くぅ、抜かった。無理にでもセメントス先生に付いてゆけばワンチャン闘えたものを・・・。こちらを殺す気でくる相手との文字通りの真剣勝負、試合ではなく死合

・・・いかん顔がにやける

 

 

そのあとセキュリティが大幅に強化される事と、明日が臨時休校になる事が通達され本日は解散となった

 

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