『星の瞳』を持つものは・・・
生まれてからずっと私の世界は真っ黒だった、
そんな世界に絶望していた時に私はキレイな金ピカの王さまに出会った。
「はぁ・・・学校・・・行きたくないなぁ」
いつもの様に1人で学校に向かう道のなかで私はため息を漏らす。
学校には行きたく無いけど家にも居たくない・・・家にいるとお母さんやあの人が殴って来て痛い思いをするし、
学校に行けばクラスの子達が私の事を汚いとか幽霊みたいとか言ってくるから行きたくない。
けど・・・他に行ける場所が無いから学校に行くしかない。
「私・・・愛されてないのかな?」
お母さんは私の事を愛してるって言ってくれるけど、一度も褒められた事も無いし何もしていないのに私の事を殴ったり、ご飯もらえなかったり、お洋服も買ってもらった事も無いんだよね。
この間なんて白ご飯の上に割れたガラスの破片を入れられて食べれなかったし、今着ているのもあの人のお下がりでボロボロ。
「お腹・・・空いたなぁ」
お母さん達が起きる前に学校に行かないと2人の機嫌が悪い時はいつも殴られて痛いから少し辛いけど早めに起きて学校へいくのが日課になっている。
「公園で・・・お水飲もう」
学校に行けばまだ給食が出るからそれまで我慢しなきゃダメだけどやっぱりお腹が空くからお水を飲んで誤魔化すのがいつもの日課。
私はいつもの様に公園に寄って水飲み場のある所へ向かって歩いていた。
その時近くに置かれているベンチのある場所に大人の人が座っているのを見た。
その人の髪は太陽の光を浴びてキラキラとまるでテレビで見た宝物みたいに光っていたから私が気づいた時には、
「キレイ・・・」
って呟いていたの。
すると私の声が聞こえたのかその人は私の方を向いて、
「ほぅ・・・我が玉体の美を理解するとは・・・小娘にしてはわかっておるではないか」
ってスっごく偉そうに言ったの。
でも私を見るその目は宝石みたいでそれでいて他の人達と違ってとても優しく見えた。
他の人達は私の事を面倒くさそうに見たり、汚いものでも見る様な目で私を見るのにこの人だけは違った。
でも私の事を小娘って言ったのには何故かムカついて、
「小娘じゃないよ! 私にだって名前くらいあるもん!」
いつもは出さない大きな声で初めて文句を言ったんだ。
「ふむ・・・それはすまなんだ」
すると男の人はキョトンとした後に私に謝ってくれたの。
「ならばお前の名を教えてはくれまいか?」
男の人は私の名前を聞いてきたので、
「星野・・・アイです」
私の名前を言う。
「ふむ・・・星の愛かなるほどな」
男の人は何故か頷いて、突然私の頭の上に手を出したの!
殴られるッ! いつも大人の人達が手をあげると私は痛い思いをするので身体を震わせてギュッと目を瞑る。
この人も私を虐めるの!?
でも・・・
「あれ?」
頭の上に乗せられた手からは痛みは感じず、むしろ何処か気持ち良かった。
「我が意味も無く童を殴るかたわけ」
男の人は何処か困った様に笑いながら私の頭に手を置いて動かす。
後にコレが撫でるという事だと私は知る事となる。
そして・・・
「なるほど・・・コレが星の瞳か・・・」
男の人は私の前髪を捲って私の顔を覗きこんだ。
「美しいな・・・」
美しい?それってキレイって事だよね!?
私は今迄キレイなんて言われた事は無かったから最初は揶揄われているのかな?って思ったけどこの人は私の顔を覗きながらキレイな紅い目で私を見つめる。
「あ・・・あの」
何で私の顔を見るのか聞こうとした時に、
キュルゥゥゥッ!ってお腹が鳴いてしまった。
「うぅぅぁ」
こんな時に鳴かないでよ私のお腹!
「フ・・・フハハハッ! 何だ腹が減っているのか?」
口を開けて私を笑う男の人を私は顔を赤くしながら睨む!
そんなに笑わないでもいいじゃないッ!
せめてもの抵抗にムスーっと顔を膨れさせながら男の人を睨む。
「スマンスマン 何・・・先ほどまでは顔を強張らせていたのに腹を鳴らしたからついな」
まだ笑い続ける男の人を涙目で睨む。
「フフッ 詫びといっては何だが」
男の人が何も無いはずの場所に手を伸ばすと、
「エッ!?」
金ピカの穴みたいなのが出来てそこから紙袋を取り出したの!
「なに 我も朝飯がまだだった故にな 詫び代わりにお前も付き合え」
と言って袋の中から良い匂いのするパンを取り出して私に差し出した。
「お兄さんって魔法使いなの!?」
図書室の絵本コーナーにあった古い絵本の中の魔法使いを思い出して尋ねる。
「フンッ あの様なものどもと一緒にするな」
男の人は何故か嫌そうに鼻を鳴らしながら、
「聞け小娘ッ! 我が名はギルガメッシュッ! 世界最古の英雄にして王! 英雄王ギルガメッシュッ!」
大きな声で自分の名前を言った。
「えっと・・・ギリがナッシュ?」
人の名前を覚えるのが苦手な私は今聞いた名前を言うけど、
「ギルガメッシュだッ! たわけッ!」
間違えたのか大きな声で怒られてしまう。
「ひぅッ! ごめんなさいッ! 殴らないでッ!」
私はいつもみたいに殴られるのかと身体を震えさせて目をギュッと瞑る。
「あ〜なに・・・言い辛いのならば王さまでもかまわんぞ?」
男の人・・・王さまはどこかバツの悪そうな顔で私の頭を撫でながら言う。
「王さま?」
王さまって絵本とかでよく出てくる偉い人だよね?
「それで良い」
また優しい顔で私を見つめながら言う。
「まぁ・・・なんだ・・・とりあえずは腹拵えをせんか?」
王さまはそう言って私に紙袋を向けて言う。
そう言えばお腹空いてたんだ。
「いただきます・・・」
ちょっと恥ずかしいけど紙袋の中のパンから丸くて茶色のデコボコしたのが気になって、それを取って食べる。
「ッ!」
いつも給食で食べるパンとは違って焼きたてなのかあったかくて、サクサクしてて、中の黄色い何かも甘くて美味しいッ!
私はきっとこの時に食べたパンの味をずっと忘れる事は無いと思う。
そして、
「そうか」
優しく私の頭を撫でながら笑う王さまの姿もずっと忘れない。
遂に黄金の王と星の子が出逢いました。
キャラの表現が出来ているか少し不安です、昔のアンソロや賢王を参考にイメージしてます。
アイの幼少期の資料が今は無いのでネットなどで解る設定でイメージしてます。