天に輝くは黄金の北極星   作:帝月

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遅い上に短くなってすいません!

長くなりそうなりそうなので分けました




『少女達の冒険《序》』

時は遡り、ギルガメッシュ達がそれぞれの目的で間桐邸を出てからしばらくしての事。

 

「姉さん……」

 

養子に出された事で断たれた家族の縁ではあるが、やはり血の繋がりは完全に断つ事は出来ず、姉の安否に心を締め付けられる。

 

「……」

 

そんな桜の姿を心配そうにアイは見つめる。

 

「お姉ちゃん…」

 

今にも泣き出しそうな表情の桜が、身体を震わせながらアイに抱きつき、声を押し殺して泣いてしまう。

 

「……(王さま…)」

 

今の桜の姿はあの時の自分に似ていた。

 

お母さんが捕まって離れ離れになった時に、私はお母さんの事をずっと心配していた。

 

ずっと寂しかった…会いたかった。

 

お母さんに捨てられた私は王さまに助けてもらえた、それから私の生活は凄く良くなった。

 

お母さんと住んでた時は時々ご飯を食べさせてもらえない日や、ガラス片の入ったご飯を食べさせられそうになったり(そのせいで白ご飯が怖くて食べれなくなっちゃった)と安心出来なかったけど、

 

王さまに引き取ってもらってからは自分の部屋をもらえて、美味しいご飯を食べさせてもらえて凄く良い生活をさせてもらった……

 

だけど……

 

本当はずっと怖かった…寂しかった…もし…私がワガママを言ったり、怒らせたりしたら王さまとお姉ちゃんに捨てられるんじゃないかと…ずっと不安だった。

 

今のこの子はその時の私の姿に似ている。泣きたいけど、泣けなくて、ワガママを言えば見捨てられてしまうんじゃないかって不安で仕方が無い…そう見える。

 

あの時…王さま達の前では平気なフリをずっとしていたけど、王さまに私のウソはすぐバレて怒られちゃった…けど、王さまとお姉ちゃんは…私を受け入れてくれた。

 

王さまには凄く怒られるかも知れない…呆れられるかも知れない…だけど…今の私に出来る事がある…

 

「ねぇ…桜ちゃん…」

 

「お姉ちゃん?」

 

突然桜に話しかけて来たアイに桜は戸惑いを見せる。

 

「桜ちゃんのお姉ちゃんが心配?」

 

「うん…でも…」

 

自分が何を言おうとしているかに気づいて、桜は口を閉ざして二の句を紡ぐ事を止める。

 

「一緒に王さまに怒られよっか?」

 

きっと王さまは怒る、王さまの言いつけを破ってしまう私に…

 

でも…放ってはおけない!

 

「王さまが魔法の絨毯や他の道具を貸してくれたから、街まで探しに行こっか?」

 

「良いの? でも王さまが…」

 

「うん…きっと王さまに怒られる…でも家族なら…会えるうちに会った方が良いよ!」

 

私はもう会えないから…でもこの子はまだ会える…

 

その事が本当は凄く羨ましい、でも…私…お姉ちゃんだから!

 

「うん!」

 

桜は先程までの沈痛な表情から笑顔になり頷く。

 

「じゃ! 行こう!」

 

アイは小さな布袋に手を突っ込み、中から魔法の絨毯を取り出す。

 

これもまた宝具であり、見た目とは違い大量の道具を仕舞える宝具である。

 

指に認識阻害の効果のある指輪を装備して、2人は絨毯に乗り込み、空へと飛び上がる。

 

魔法の絨毯は普段王さまと乗る金ピカの船に比べれば遅いが、それでもかなりの速さでグングンと空へ昇って行く。

 

「わぁ〜! スゴ〜い! 映画みたい!」

 

あっという間に私達は雲に手が届く程の高さへと辿り着く。

 

下を覗けば、街の明かりがまるで星々の様に輝き、とても綺麗で魅入ってしまう。

 

「綺麗だね〜」

 

「うん!」

 

魔法の絨毯はスイスイと飛び、街へと近づいて行く。

 

そして目立たない場所へと降りて、私達は桜ちゃんのお姉ちゃんを探し始める。

 

桜ちゃんに手を引かれて、街を歩いていくけど、見つからない。

 

「人…少ないね?」

 

「うん…やっぱりみんな怖いのかな?」

 

テレビではずっと人が行方不明になっているニュースや、何処かが壊されたとかそんな嫌なニュースが続いている。

 

街中なのに人が少ないのはそれのせいなのかな?

 

「お嬢さん達、ちょっと良いかな?」

 

そんな事を考えていると、突然青い服を着た人、警察の人に呼び止められる。

 

「はい? 何ですか?」

 

「え〜と、こんな夜遅い時間にどうしたのかな? お父さんやお母さんは一緒じゃないのかな?」

 

警察の人は私達だけなのが怪しいのか、大人の人がいないのかを聞いてくる。

 

「え、えっと…その…」

 

桜ちゃんが少し慌てて、答えようとするけど、

 

「お父さんと逸れちゃったの、でも待ち合わせ場所はわかってるから大丈夫だよ!」

 

私は直ぐに嘘をついて誤魔化す。

 

「そうなのかい? 大丈夫? 良かったら私が送ろうかい? ここ最近は物騒でね、子供達が誘拐される事件が多くてね」

 

たぶん王さまが言っていたえっと…きゃすたーだったっけ?のせいだよね?

 

「ううん大丈夫! すぐ近くだから!」

 

「そうかい? さっきも赤い服を着た女の子が1人でいたって連絡があって探していたんだ」

 

「姉さん!」

 

桜ちゃんのお姉ちゃんは、赤い服をよく着ているみたいだから、もしかして…

 

「ねぇお兄さん、その子って何処らへんで見たの? もしかすると行き違いになったかも知れないから教えて欲しいの」

 

私がそう聞くと、

 

「確かあのビルの辺りで見かけたそうだけど、知り合いかい?」

 

「うん さっき逸れちゃったの」

 

「そうなのかい? 本当に大丈夫?」

 

警察の人は心配そうに私達を気遣ってくれる。

 

「うん! 桜ちゃん行こう!」

 

「うん」

 

私達は手を繋いで、警察の人が教えてくれた場所へと歩いて行く。

 

「お姉ちゃん、スゴイね、私…おじさんや王さま以外の大人の人…怖いのに…あんなに堂々と話せるなんて」

 

「えへへ 演技は得意なんだよね、でも…王さまにはすぐバレちゃうの」

 

王さまには私がどんなに上手くウソを言ってもすぐバレちゃうんだよね、でも…本当は嬉しい…ちゃんと私を見てくれてるんだって思うから。

 

「あれ? あれっておじさんじゃない?」

 

さっき警察の人が教えてくれたビルの辺りに近づくと、パーカーを着た…えっとガルマおじさん? だったかな? が何かを探しているのを見つける。

 

たぶん桜ちゃんのお姉ちゃんを探しているんだよね?

 

「おじさーん!」

 

「えっ!? アイちゃんに桜ちゃん!? 何でこんな所に!?」

 

おじさんがびっくりした顔で私達を見る。

 

「桜ちゃんのお姉ちゃんが心配で来ちゃったの」

 

「カリヤおじさん…ごめんなさい…でも…姉さんが心配で…」

 

「桜ちゃん…俺からも英雄王に2人を怒らない様に言っておくよ」

 

桜の心境も理解出来るのか、雁夜は後で執り成す事を決める。

 

「とりあえず2人共、俺から離れないで…ん? 凛ちゃんを見つけた!」

 

雁夜は使い魔から送られて来た映像を、視界を共有して確認する。

 

「本当!?」

 

「あぁ 直ぐ近くにいるみたいだよ」

 

「行こう! 桜ちゃん!」

 

「うん!」

 

雁夜が先導し、桜の姉である凛のいる場所へと足を運ぶ。

 

「見つけた!」

 

薄暗い路地裏へと足を踏み入れようとしていた、赤いコートを着たツインテールの少女の姿が見える。

 

「姉さn」

 

桜が凛を呼ぼうとしたその時!

 

「ひっ!?」

 

路地裏の奥より現れたタコの様な気色の悪い生物、キャスターの召喚した異界の生物海魔が凛に襲い掛かろうとしていた!

 

「させるか!」

 

雁夜は直様魔術回路を起動させて、使い魔である複数の蟲を飛ばして迎撃する。

 

「凛ちゃん!」

 

凛に襲いかかっていた海魔の迎撃に成功するが、

 

「キャアっ!?」

 

なんと、近隣の路地裏やマンホールからも海魔が現れて、アイと桜を攫おうとしていた。

 

「ランスロットッ! 頼む!」

 

「お任せを!」

 

雁夜の呼びかけに応じて、実体化したランスロットがアイと桜に襲いかかっている海魔を斬り殺す。

 

「クソッ! コイツらどんだけ居んだよ!?」

 

使い魔を使って襲い来る海魔を迎撃するも、数が多く、魔力量の少ない雁夜では継戦能力に難があり段々と追い詰められて行く。

 

「カリヤッ!」

 

囲まれた事で焦りが生まれ、背後の警戒が薄れた時に海魔の奇襲が行われるが、

 

「させませんッ!」

 

直ぐ様ランスロットが切り裂き、迎撃する。

 

「キャアッ!」

 

だが雁夜の防御を行なった僅かな隙に、何処からか更に大量の海魔が現れて、アイと桜に襲いかかる。

 

アイは桜を守るために桜を抱きしめるが、無意味とばかりに2人纏めて海魔が巻きつき、路地裏へと引き摺り込む!

 

「嫌あッ!?」

 

そして2人に目を奪われている間に、凛も同じく突如現れた海魔に巻きつかれて攫われてしまう。

 

「しまった!?」

 

「待ちなさい!」

 

雁夜とランスロットの2人は間髪入れずに、3人を助ける為に動くが、海魔の撤退の方が早く、アイと桜と凛の3人を攫われてしまう。

 

「ッ!!」

 

「邪魔をするな!」

 

そして2人を邪魔する様に大量の海魔が壁となって行く手を阻む。

 

「何て事だ…」

 

「カリヤ! 英雄王に報告を!」

 

ランスロットの声に正気を取り戻して、直様念話を英雄王へと繋ぎ、報告を行う。

 

「英雄王! すまない! アイちゃんと桜ちゃんが、キャスターの使い魔に攫われてしまった!」

 

簡潔に状況の報告を行い、先程の海魔が投げる際に咄嗟に追跡をさせていた使い魔の反応を探り、子供達が攫われた場所の特定をすべく、ランスロットに担いでもらって移動しながら魔術の行使を行う。

 

「クソッ!」

 

だが、無情にも雁夜の使い魔は海魔達によって破壊されてしまい、探索が途切れてしまう。

 

「クソッタレーッ!!」

 

雁夜の声が虚しく夜の街に響き渡る。




最近更新が中々できなくてすいません

仕事が終わった後、スマホを触っていたらいつの間にか寝落ちしている事が多くなってしまって遅くなりました。

年末が近くなりましたので、皆様もお身体にお気をつけ下さい。

次話を早く投稿できる様に頑張ります。

遠坂時臣はどうする?

  • 顎髭を引っこ抜く
  • アッー!(笑)
  • 傀儡化
  • 時/臣になる
  • 賢い時臣は逆転の秘策を思いつく
  • 残念!だが現実は非情である
  • 処す?処す?
  • 英雄王に裏切られる
  • まぁ…そうなるな
  • 嫁の怒り炸裂!
  • 時臣離婚の危機!?
  • 雁夜と肉弾戦
  • からのキン肉バスター!
  • またもやうっかりをやらかす!
  • ヤローオブクラッシャー!
  • 優雅たれ(服が破ける)
  • 時臣アウト〜
  • タイキックッ!
  • それでも私は
  • 神砂嵐ッ!
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