顎髭お仕置き回です。
出したかったワンシーンがやっとかけました。
「あ、葵さんストップッ! いくら何でもそれはマズイ!」
時臣の頭を叩き割る為に振り下ろそうとしたところを、慌てて雁夜が葵を羽交締めにし、追撃を阻止するが意外にも葵の力が強く雁夜の腕の中で暴れ拘束を解こうと踠く。
「雁夜君離して! この顎髭殺せない!」
目を爛爛と鈍く光らせながらどっかのヤンデレストーカーの様なセリフを吐く葵に、男2人は戦々恐々とするというカオスな状況の中、ギルガメッシュだけが腹を抱えながら笑いを堪えていた。
「待って! あんなクズでも殺したらマズイから!」
何気に言い方が酷いが、やってきた内容が内容故に擁護出来ないものだからしかたあるまい。
「あ、葵!?」
「わかったわ雁夜君…」
顎髭を殺しに掛かるのを止めた葵が、その手に持っていたポットを机に置き時臣に歩みよる。
「時臣…」
「あ、葵…」
ほんの数秒間見つめ合うが、
「凛を連れて実家に帰らせていただきます!」
なんと突如時臣の顎髭を掴み、勢い良く引き千切る!
「痛ったあッ!?」
ブチブチィッ!という聞くだけでも痛そうな音を立てて、引き千切られた髭の残骸が宙を舞う。
もはや視界に収める価値も無いのか、時臣を見る事も無く凛達のいる部屋へと向かって行く葵。
そして痛みに悶えている時臣だが、
「フッ…所詮は魔導の理を理解せぬ愚か者だったか…」
カッコつけてまた外道な台詞を吐く千切れた顎髭が特徴な時臣は、その千切れて中途半端に右側が半分になった顎を撫でながら宣う。予想外の痛みであったのか、その表情は涙目であった…何ともしまらない男であろうか。
「テメェ…ザッケンナコラーッ!」
時臣の葵を貶す外道発言を聞いた雁夜は、勢い任せに殴り掛かる。
「グハッ! 間桐雁夜!? 何をする!?」
突然の打撃に対応できなかった時臣が、勢いそのままに殴り倒され雁夜が馬乗り状態となる。
「俺は! お前が! 泣くまで! 殴るのを! 止めない!」
そして何処かの気高き一族の様な叫びをあげながら時臣を殴り続ける。
「舐めるな!」
だが、時臣もやられっぱなしとはいかず、雁夜の腕を掴み取り縺れ合いながら、馬乗り状態から逃れ自らの杖を拾い構える。
「掛かって来いよ時臣! 魔術何か捨てて!」
お前は何処の
「良いだろう…少々野蛮ではあるが、」
雁夜の挑発に触発されたのか、魔術の触媒となる宝石の付いた杖を捨て拳を構える。
「付き合ってやろう!」
お互いが振りかぶった拳は勢い良く振り下ろされ、互いの顔面を捉えその衝撃で顔面を変形させる。
今男の誇りを賭けた闘いの火蓋が切って落とされる!!
side out
ここで少し場面は変わり、凛達の待つ部屋へ付いた葵はどこか緊張した表情で部屋の扉を開ける。
その際に部屋の中から綺麗な歌声が聞こえて来る。その歌は聞き覚えの無い言語ではあるが、何故か安心感を覚える。
部屋の中を見ると、部屋の中にあるベッドの上で歌う少女…アイと呼ばれる凛達よりも少し年上と思われる少女が、桜を膝枕で寝かせ、傍には歌声に聞き入っている凛の姿が見える。
少女の膝で眠る桜の顔には今まであった怯えや悲しみ、憎しみの表情は無く、ただ安らかな眠りについている。
子供相手に何を…と思うが、その光景に私は情け無い事に嫉妬してしまう。
本来であれば、あそこにいたのは私の筈だった…そう思ってしまう自分の醜い心に嫌悪感を抱かずにはいられない。
桜の幸せを願って行った事の筈なのに、実際はただあの子を地獄に落としてしまっただけ…こんな私が今更桜の母親を名乗れるのか…そう内心で自問自答を繰り返す。
「あ! お母様!」
母親に気づいた凛が声を上げて近づき、葵は凛を抱きしめる。
「凛…この後雁夜くんと王さまの用事が終わったら、お母さんは…実家に帰ろうと思っているの」
「桜も連れていくの?」
凛の質問に対して、今の自分では桜を傷つけてしまうであろう事から即答が出来ずに口籠もってしまう。
「桜が、私を許してくれるなら連れて行きたいけど…」
ふと桜を見やれば、安堵の表情を浮かべて眠る愛娘の姿に躊躇いを覚えてしまう。
時臣の発言は妻としても、母親としても許せるものでは無い、実家の関係での政略結婚に近い形での結婚とは言え、彼を愛していないわけではなかった。
ただ…男としても、父親としてよりも、彼の中では魔術の方に重きを置いていた事に対して失望を隠せない。
「雁夜くん…私はどうすれば良かったのかな…」
幼馴染で、凛と桜の事を可愛がってくれて、桜の為に死にかけてまで頑張ってくれた彼の事を考える。
妻として誠実では無いであろう事は自覚しているが、夫のあの姿を見てしまっては、もう元の形には戻れ無い事だけがわかってしまう。
葵side out
「ぐほぁっ!?」
先程までのシリアスサイドから一転し、狭い部屋の中で組んず解れずの肉弾戦の応酬を繰り返す中年二人組。
そして何故か兜を付け審判服を着たランスロットがレフェリーを務めるというカオスな空間になっており、
「オノレ間桐雁夜! サーヴァントを使っての二人掛かりなど卑怯な!」
「だったらテメェのご自慢のサーヴァントを呼べば良いだろう!」
雁夜の台詞に苛立ちを感じつつも、時臣は直様出かけている自分の契約しているギルガメッシュを呼び出すが、
「フハハハッ! 本日は無礼講だ! 我の口にあうもっと高い酒を持って来い!」
「キャーッ! 社長さん素敵ー!」
「ドンペリお願いしまーす!」
当の本人は冬木市の繁華街の風俗店にて、両脇に女性を侍らせながら上機嫌に豪遊していた。
『陛下! 申し訳ありませんが緊急事態です! どうか陛下のお力添えを!』
そこに時臣の必死の念話が繋がると、
「ハッ 知った事か、その様な雑事でこの我の享楽を邪魔するなど思い上がるなよ時臣! その程度の雑事如き貴様で対処せよ!」
あまりにも雑に一蹴され、
「陛下!? 陛下あぁぁぁぁっ!?」
その後はどれ程念話を送ろうとも反応せず、また令呪も残りの画数が少ない為使う事が出来ないでいた。
己のサーヴァントにまで見放されて哀れなヤツである。
「ザマァ見やがれ! いくぞランスロット!」
「応ッ!」
慌てふためく時臣は無常にも雁夜とランスロットのツープラトン技のクロスボンバーを食らって倒れ、そこへすかさずストンピングを放ち追撃を打ち込むが、
「舐めるな!」
自らの腹に踏みつけられた雁夜の足を躱し、そこから直様立ち上がり、流れる様な動きで雁夜の背後から両足を内側から引っ掛け、両手をチキンウイングで拘束し雁夜を絞り上げる。
「『パロスペシャル』! 打撃系など花拳繍腿!!
どこぞの筋肉男に出て来るスペシャルホールドを使う紳士ってなんだよ!?
強化魔術でも使っているのか、雁夜の関節からはメキメキと骨が軋む音が鳴り続ける。
「グッ! ガァッ!」
関節を締め上げられた事で、満足に動く事の出来ない雁夜の顔色は痛みによって歪んでいく。
「ふっ…所詮は魔導の素晴らしさも理解出来ず、感情だけでしか物事を判断出来ない愚昧…その無様な姿がお似合いだ!」
時臣の言動に反応したのか、雁夜の顔色に少しずつ赤みが現れて行く。
「葵は妻として、母胎としては優秀であったが、所詮は庶民の感覚が抜けない浅はかな女であった故に…凛にはその様な愚か者にはならぬ様に、少々厳しく指導をせねばならないな」
その言動に誰よりも強く反応したのは雁夜であった。
「う、うおおおおぉっ!」
「なっ!? 完璧に決まっているというのに! 私の関節技を強引に力技で外すつもりなのか!?」
完璧に決まっていた『パロスペシャル』だというのに、雁夜は力尽くで時臣の腕を徐々に外していき、
「時臣イィィィッ!」
時臣が動揺した事でほんの僅かな緩みが生まれ、強引に腕を外して振り解き膝蹴りを叩き込む!
「ぽぐぁっ!?」
突如響く時臣の悲鳴!
どうやら膝は腹では無く、時臣の大切な部位に当たってしまった様で、先程までの余裕を見せた表情から一転し…顔は青褪め、目は飛び出さんばかりに見開かれ、表情は正に絶望を体現したかの様な…
敢えて言うのであればムンクの叫びを彷彿とさせる様な表情であったとだけは言っておこう。
あまりの出来事に内股で悶絶する時臣を見て、笑い過ぎて腹筋を痛めたのか、口と腹に手を当てて打ち震えるギルガメッシュの姿があった。
「そんなに関節技が好きなら! くれてやる! 『ボー・バック・ブリーカー』!!」
直様足払いをかけて時臣をうつ伏せにして、片腕と片足を自分の両手で掴み、背中に片膝を当てて相手の体を反らせる。
この技は脅威の肉体のバランスとパワーが要求される難技とされる。
「グワアァァァッ!? 何故!? 何故貴様が関節技をここまで!?」
「フリージャーナリストを舐めるな! 時には戦争中の国に取材に行かなければならない時だってあんだよ! それとこの技はハワイに取材に行った時に知り合った爺さんから教わった技だ!」
技の出所は、何とまさかの予想だにしていなかった人脈であった。
「間桐雁夜! 貴様!」
怒りを露わにした時臣は、強化魔術まで使い先程の雁夜の様に強引に技を外して直様その場から逃れる。
「ゼェ ゼェ…」
しかし代償は大きかったのか、肩を上下させながら激しく呼吸を繰り返す。
「貴様は何処までも目障りなヤツだ!」
「それはテメェもだろがぁッ!」
お互いが拳を振り上げ、殴り合う。
魔術に重きを置いていたせいか体力の限界が近づき、時臣の足が突如鈍り、それをチャンスと捉えた雁夜の拳が迫り来る中、時臣は無理な体勢で回避行動を取るが、
「なっ!? か、身体が!」
どうやら顎を掠めていたのか、突如身体が言う事を聞かず大きな隙を作ってしまう。
「これで最後だぁ! 時臣イィィィッ!」
雁夜はこの最大のチャンスを逃さんと果敢に攻める。
「き、貴様あぁッ!? まさかこ、この技はッ!?」
相手の両股を手で掴み頭上に逆さに持ち上げ、更に首を自分の肩口で支え、テーブルの上に上がり、
「首折り、背骨折り、股裂きと複数の関節を壊す禁断の殺人技! 『五所蹂躙絡み』…またの名を…」
雷鳥の如く激しく飛び上がる!!
「グワアァァァッ!」
side out
葵side
夜も遅くなり、歌い疲れたのか、凛と桜と一緒に眠るアイちゃんに布団を掛け、私は机の上で一枚の紙に記載を終える。
今私は…とある決断をする。 それは凛に寂しい思いをさせてしまうものであり、母親としては最低の行いとも言える。
「少し落ち着いて頭も冷えたから、もう一度時臣と話しをして、決めましょう」
私は書き終えた紙を丁寧に畳んでからポケットにしまう。
「時臣…雁夜くん…」
私は意を決して先程の部屋へ歩いていき、扉の前で深呼吸をして、さあ扉を開けようとしたその時!
「グワアァァァッ!」
突然時臣の悲鳴が響き渡る。
「時臣!?」
私は慌てて、扉を勢い良く開け放ち中へ押し入ると、
「なあにこれ?」
開け放った扉の先にはキン肉バスターを完璧に決めている幼馴染の姿と泡を吐きながら悶絶している夫の姿があり、側では腹を抱えて若干痙攣している王さまの姿が目に入った。
葵side out
「プクククッ! クハハハハッ!」
最初こそ見るに耐えん下らぬ殴り合いであったが、段々と中々に笑える展開となり、遂には我の腹筋を崩壊させるまでに至った。
わ、笑い過ぎて…は、腹が痛い…
まさかのキン肉バスターであるぞ! いや雁夜が使っているから『雁夜バスター』とでも呼ぼうか?
「あ、あの…」
ん? 誰だ? 折角の余興の途中で水を差すのは? と振り返ってみれば顎髭の妻の姿が見えた。
「何の様だ? 我はこの余興にて爆笑しているところであったのだが?」
「え、えっと…一体何があったのですか?」
まぁ、夫と幼馴染がこの様な夜のレスリングをヤッているのが気になるのだろう。
「まぁ良い、今の我は気分が良い故に教えてやろう」
我直々に葵に殴り合いに至った事の経緯を教えてやると、
「そうですか…」
女は何やら怪しげな黒いオーラ的なものを纏い始める。
「して、雁夜よ…いつまでその体勢を続けておるのだ?」
未だにキン肉バスターの状態を維持し続ける雁夜に問うと、
「こ…」
「こ?」
なにやら絞り出す様な声で話す雁夜。
「腰…
我の腹筋が再び崩壊した…
❇︎キン肉バスターは相手も自分も本当に危険ですので、良い子はマネしちゃダメだぞ! 画面の前の君達に言ってるからね! 英雄王とのお約束ダヨ!
そして雁夜の状態を把握したのか、慌ててランスロットが助けに入り、時臣をそのままの姿勢で横に置き、雁夜を担いで直様ソファーに横たわせる。
敢えてそのままの姿勢で横に置いた事に再び英雄王の腹筋が崩壊を起こしたが、
突如ビリっ!と何かが裂ける音が鳴り、発信源を見やると、何と! 時臣のズボンの股の部分が裂け、そこから白いブリーフが見えてしまう。
「ブッハッ!」
その光景は卑怯であろう!?
我が笑いこけていると、突如ユラリと何やら怪しげなオーラを纏った葵が、時臣の前に立ち…
「良く解りました…時臣…」
ポケットから折り畳まれた一枚の紙を取り出し、そのまま手を大きく振りかぶり…
「これが私の決別の一撃だぁッ!」
躊躇い無く股間の上に紙ごと掌を叩きつける!
鞭を打ちつけたかの様なパァンッ!という音が鳴り、見事な鞭打が決まる。
そして次の瞬間…まるで
その光景を前に…先程まで爆笑していた英雄王ですら顔を青ざめ、男3人組は揃って内股となり、股間の紳士を守る様に抑えていた。
「用事も終わりましたし…帰りましょうか」
一仕事終えたかの様な爽やかな笑顔で宣う葵に、
「「「アッハイ」」」
としか言えず帰り支度をする事となる。
この時の男達の心境はシンクロし、思う事はただ一つ…子を持つ母親を怒らせるとひたすら恐ろしいと言う事だけであった。
「とその前に一仕事しておかねばな」
そう言ってギルガメッシュは時臣の額に大粒の宝石を引っ付ける。
「これで良し…精々己の所業を見つめ直すが良い」
その後は速やかに必要な荷物などを運び、童共を起こさぬ様にしつつ、再び間桐邸へと移動する事となった。
なお翌朝…
「オ〜イ帰ったぞ時臣〜 ヒック」
酒の匂いを漂わせたギルガメッシュが千鳥足で帰って来た。
「ん? 何だ〜我が帰って来たと言うのに出迎えもせんとは…時臣のクセになっておらんぞ〜」
そんな様子で、適当な部屋を開けていると人らしき影を見つけ、
「うん? そこにおったのか時…」
何と時臣は逆さになり、顔面は己の口からとめどなく出続ける泡で濡れ、股の部分が破けて汚いオッサンのブリーフがこんにちはしており、ナニカが潰れた様な股間部には一枚の紙が張り付いていた。
その姿を見た瞬間…
「ブッハッ! ブワハハハハハッ! と、時臣! 何だその姿は!? 朝っぱらからフグッ! この我をゲホッ! 笑わせゴッホッ! おって!!」
英雄王の腹筋がものの見事に崩壊した。
「ブハハハハハハッ! わ、笑い過ぎてウプっ 昨日の酒が出そうになってウップ…しまったではないか! ウッ!」
耐えられなかったのか、英雄王は顔を青くしながら何処かへと走り去って行く。
ちなみに時臣の股間には中央部が若干陥没した緑色の紙…離婚届けが貼り付けられていた。
なお補足説明ですが、時臣の頭に貼り付けたのは桜が受けた間桐家での辛い体験の記憶をコピーした物です。
あえて省きましたが、桜の記憶を擬似体験しており、夢の中では桜の味わった蟲地獄を時臣が味わっています。
正直オッサンの蟲攻めとか誰得だと思い省かせていただきました。
なお…時臣の時臣は死にました。
ザマァッ!
遠坂時臣はどうする?
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顎髭を引っこ抜く
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アッー!(笑)
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傀儡化
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時/臣になる
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賢い時臣は逆転の秘策を思いつく
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残念!だが現実は非情である
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処す?処す?
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英雄王に裏切られる
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まぁ…そうなるな
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嫁の怒り炸裂!
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時臣離婚の危機!?
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雁夜と肉弾戦
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からのキン肉バスター!
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またもやうっかりをやらかす!
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ヤローオブクラッシャー!
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優雅たれ(服が破ける)
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時臣アウト〜
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タイキックッ!
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それでも私は
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神砂嵐ッ!