天に輝くは黄金の北極星   作:帝月

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遅くなりました!

個人的に書きたかったシーンをかけました!

毎日毎日ホントに馬鹿の一つ覚えと言わんばかりにフル残業ばっかりはホント勘弁して…

書いている最中に何度も寝落ちしてキツ過ぎるッピ!!

今回初めて歌詞を使ってみましたけどこれで大丈夫かな?



『アナタに捧ぐ旋律(ウタ)』

征服王の宝具『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』によって砂漠へと変貌したフィールドには砂塵が舞い、夜であったはずの空は太陽輝く晴天領域へと変貌する。

 

「おい、征服王」

 

「何だ?」

 

「この固有結界はどれ程保つ?」

 

本来ならば個人で展開する固有結界であるが、征服王のは特殊で配下達も全く同じ風景を記憶しており、

 

その心に深く焼きついた記憶を展開しているため普通の物とは異なり、世界の理を強引に歪めそれに対して世界が修正をかける故にその維持に莫大な魔力を必要とするが部下の数が万全であるなら消費は少なく、普通の固有結界よりも長く保つ故にこれから行う事に都合が良い。

 

「ふむ…魔力が万全であるならばそれなりに長く維持出来るぞ」

 

それならば都合が良い。

 

宝物庫を開き、一つの甕を取り出し投げつける。

 

「駄賃代わりにくれてやる『豊穣の神乳(アルル)』だ」

 

神話に出てくる様な不死を与える効果は無いが、飲めば魔力を全回復させる程度の力はある。

 

「ウホッ! こいつはまた極上の酒じゃねぇか!」

 

「それを使い、死に物狂いでこの空間を維持しろ」

 

我はこの世界の我、アーチャーへと向き直り…

 

「さて…真なる王はただ1人我だけで良い、故に…」

 

アーチャーもそれを察したのか、立ち上がり…

 

「フハハハハッ! 自ら死ににくるとはな! 貴様を滅し、あの小娘も我の宝物庫に加えてやろう!」

 

やれやれ…我ながら若気の至りというのは見ていて見苦しいものよ。

 

だがそろそろ邪魔でしか無い故に退場して貰うとするか。

 

「いい加減若造の醜態も見苦しい故に…ここで疾く消えるが良い」

 

「貴様…」

 

憤怒の表情を見せる若造を無視して我はアイの下へと歩み、膝を着き目線を合わせる。

 

「アイよ…これよりお前に命を下す…」

 

あの時目覚めたであろう力の確認も兼ねてこの娘に命令する。

 

それは…

 

「アイよ…周りの雑種共の目などそこらの雑草とでも思え、お前はただ1人我だけを見よ! そして! お前の歌を我ただ1人のためだけに捧げよ!」

 

この娘の想いを込めた歌を我に捧げさせる事。

 

「王さまのために…私が出来る事…わかったよ!」

 

その美しい目を輝かせながら力強く頷くその様子に我は気分を良くする。

 

「フッ…ならば場を整えねばな」

 

指を鳴らすと同時に宝物庫の扉を開き、中からマイクを始めとした複数のアンプと楽器が現れると、更にそこから楽器の数だけ人の姿をした存在『自動人形(オートマタ)』の原典が現れる。

 

「おい征服王、そしてそこな雑種共よ」

 

「あん?」

 

我の呼びかけに反応する征服王に対し、

 

「これより貴様らは真の王の戦いを観戦する事となる、故にその観賞料として死に物狂いでアイを守れ、かすり傷一つでもつけようものなら即殺す」

 

無論傷つけさせるつもりは毛頭無いがな。

 

「ふむ…英雄王よ…」

 

「何だ? 不服か?」

 

「いや…この便利な『北風のテーブルクロス(宝具)』部下達にも使っても良いか?」

 

この状況下…真顔でこんな下らない台詞を吐ける征服王の胆力に驚愕すれば良いのか、それとも呆れれば良いのか…

 

「好きにせい、ただし先程も言うた様にアイに傷一つ付けるでないぞ」

 

「おう! 任せよ!」

 

そして我はもう1人の我、アーチャーのギルガメッシュへと向かい合う。

 

「遺言は済ませたか? これより我手ずから貴様を殺し、あの小娘も我の物としてやろう!」

 

「ハッ! ほざけ若造、その視野の狭さが貴様の命取りとなる事を知れ!」

 

互いに殺意を漲らせ、その身から内包される魔力が解放され大気を震わせる。

 

「「せめて散り様にて我を愉しませるが良い!」」

 

 

ギルガメッシュside out

 

 

アイside

 

初めてだった…初めて私は誰かに必要って言われた。

 

ホントはずっと誰かに必要として欲しかった…

 

王さまが私に歌えって言ってくれた時、王さまは私の高さに合わせてくれて、真っ直ぐな自信に満ちた目で私を見ながら王さまのためだけに歌えって…『私を必要としてくれた』

 

周りには沢山の人がいる…私を見ている…怖い…だけど王さまは、ただ1人自分だけを見ろって言った!

 

だから私は一生懸命にただ王さまのためだけに歌う! それが王さまの命令だもん!

 

アイside out

 

一触即発…まさにその言葉が似合う凄まじい重圧感(プレッシャー)が重く伸し掛かる砂塵舞う大地にて、

 

戦場には似つかわしく無い1人の少女が台に立ち、大きく息を吸い歌い始めると同時に『自動人形(オートマタ)』達の演奏が始まり、戦場に旋律が奏でられる。

 

繰り返す世界 何度手を伸ばしたら

儚い涙は黒い心溶かすの?

 

芽生え出した思いが胸に響いたなら

君の隣でずっと変わらず護るだろう

 

 

また拙くはあるが、その声はとても美しく、年端もいかない少女が出せるものとは思えぬ程に『想い』の籠った力強い美声であった。

 

「ほぅ…幼いのにこれはまた素晴らしい声よな」

 

「これがあの少女の覚悟…」

 

「良い歌声だ…」

 

「素晴らしいですね」

 

征服王に騎士王、双方の王だけでなくこの場にいるサーヴァント達も少女の歌に聞き惚れる。

 

「これがお姉様の歌…それに今のお姉様の姿…凄く…綺麗…」

 

「お姉ちゃん…楽しそうです」

 

姉と慕う少女の歌声と、その楽しそうな表情に2人の少女は釘付けとなる。

 

 

堕ちた希望を拾って明日に繋いでゆけば

絡まった歪な願いだってほどける

 

光をかざして躊躇いを消した

あげたかったのは未来で

泣いてる夜抱いたまま嘆きを叫んで

 

踏み入れた足を遠くの理想が

そっと癒してゆく

確かな絆を強く握り進もうどこまでも

穢れきった奇跡を背に

 

 

「ほぅ…好い声で歌い(鳴き)よるわ! 益々我が財に加えてやらねばな!」

 

「ほざけ若造、彼奴は既に我の(モノ)だ…故に貴様が関わる術は無いと知れ」

 

蒼穹の空を黄金の波紋が埋め尽くし、最早数えるのも馬鹿らしくなるほどの宝具が顔を覗かせ、

 

「「散れッ!」」

 

その全てが流星となり互いに降り注ぐ。

 

それはまるで流星雨の様であり、宝具がぶつかり合う度に火花を散らし天空に無数の花を咲かせる。

 

その美しい見た目とは裏腹に、たった一つでもこの凶星が地上に堕ちれば大惨事は免れない程に凶悪な威力を秘めており、

 

英雄達のシンボルである宝具を黄金の双王は湯水の如く撃ち合い、一進一退の攻防を繰り広げる。

 

「相変わらずあり得ない物量だ!」

 

「ふ〜む」

 

驚きを隠せないウェイバーとは対照的に、征服王は最初こそは観戦気分で酒片手に宝具で出したツマミを貪っていたが、今は打って変わりどこか訝しげな表情で2人の英雄王の戦いを見つめる。

 

「おいどうしたんだよ? そんな真面目な顔して」

 

「ん〜? なぁ坊主、何か気づかんか?」

 

「何にだよ?」

 

創られた想い触れればなによりも

温かくて現実が霞み始める

 

狂い出した世界に問いかけ続けても

答えなんて出ないってもう君は知っていたの?

 

泣いて滲んだ願いは決して揺るぎはしなくて

ただそっと痛みを終わりなく与える

 

「やはりか…」

 

「だから何だよ!?」

 

何かを確信した征服王が顎を撫でながら呟くが、理解出来ないウェイバーは苛立ち混じりに問いただそうとする。

 

「気づかんか? 異世界の英雄王の方だが、あの小娘が歌う度に彼奴から感じ取れる魔力が増しておる」

 

「ハァッ!? マジか!?」

 

哀しみを知って喜びを知った

弱さは君を変えて

立ち止まった時 剥がれすべてを壊した

 

届くはずのない言葉を託して

見えた瞳は

何を感じて遠ざけるの?

心隠すように

 

 

征服王の言葉に半信半疑を抱きつつ、集中してアイの歌に耳を傾けみれば…

 

「ウソだろ…これ歌から魔力を感じる…まさかセイレーンや一部の幻想種とかが使う魔力の籠った歌…呪歌なのか?」

 

 

今ここにいる意味

教えてくれたなら

強くいられる 変わらずいつも

 

光をかざして躊躇いを消した

あげたかったのは未来で

泣いてる夜抱いたまま嘆きを叫んで

 

踏み入れた足を遠くの理想が

そっと癒してゆく

確かな絆を強く握り進もうどこまでも

 

 

フハハハハッ! やはり! やはり我の推測は間違っていなかった!

 

アイが我を想い歌う度に我に魔力が満ちる。

 

やはり子供の純粋な想いは良い!

 

絶好調のギルガメッシュは、敵対するアーチャーの宝具の射出に対し的確に宝具を打つけ叩き落とし、次第に状況を有利な方向へと変えていく。

 

迷いなんて目を開いて

振り払って手を伸ばそう

穢れきった奇跡を背に

 

 

「オノレッ! 何故だ! 何故我の宝具が届かぬ!?」

 

「まだ気づかぬか間抜け…我は貴様よりも未来の我、ならばその分だけ場数を踏んでいると言う事の意味にな」

 

アイの歌による補助を受け、今の我はまさに絶好調!

 

若造の我は状況を理解できず焦りを感じている故に、宝具の射出にばらつきが僅かに出ており、ましてや若い時代の我は若気の至り故に短気で浅慮が目立つ。

 

おそらくこの状況が続けばあの阿呆は『アレ』を使う可能性が高い、故にもう少し状況をコントロール下に置き確実に仕留めねばならぬ!

 

思考の最中に再びアイの歌が聞こえる。

 

 

 

静かに移りゆく 遠い記憶の中

思い出に寄り添いながら 君を想えるなら

 

いつも見慣れてる窓辺に映った沈む君の横顔

涙声さえ冷たく呑み込んだその瞳は明日を向いていた

 

逆らえぬ運命(さだめ)と知っても怖くない

心から信じている

 

「中々に心地よいものよな」

 

アイの歌に乗って込められた感情が我に伝わってくる。

 

自分が求められ、認められた事に対する悦び…

 

静かに移りゆく 遠い記憶の中

君と過ごした証は確かにここにある

溢れ出す気持ちを教えてくれたから

この世界がなくなっても私はそこにいる

 

海に行きたいといつしか話した

君と二人で叶わぬ夢を見た

 

降りしきる雪の中彷徨い

傷つく君はもう独りじゃない

 

どんなに離れても忘れることはない

君が私に光を教えてくれたから

溢れ出す涙は君へのありがとう

あの日交わした約束の空は色褪せない

 

 

アイ side

 

私は今…王さまに教えてもらった歌を全力で歌う。

 

今歌っている歌には、王さまにありがとうの気持ちを込めている。

 

あの時私を見つけてくれた事、私を王さまの(モノ)にしてくれた事。

 

私を守ってくれた事、誰かを好きになる気持ちは解らない…でも…私は誰かに必要って言ってもらいたい…

 

だから今私に出来る事を…私の歌を! もっと聴いてッ!

 

アイ side out

 

 

静かに移りゆく 遠い記憶の中

思い出に寄り添いながら 君を想えるなら

 

どんなに離れても忘れることはない

君と過ごした証は確かにここにある

溢れ出す気持ちを教えてくれたから

この世界がなくなっても私はそこにいる

 

あの日交わした約束の空は色褪せない

 

 

歌から我に対する感謝の気持ちを感じる。

 

「クハハハッ! 良い! 良いぞ!」

 

そうだ! お前はもっと欲張れ! 我を求めよ! そして想いを我に捧げよ!

 

我は思考を続けながらも『仕込み』を行い、両手に『終焉剣(エンキ)』を喚び構える。

 

大体の感覚は掴めた、我に出来ぬ事など無い!

 

恐らくアイの体力的に考えて、後一曲が限界…故にそろそろ決着をつけねばな。

 

連続で歌い続けたせいか、汗を流し、息を少しばかり荒げているアイの姿が見て取れる。

 

それでもなお彼奴は我の命令に従い、息を整えて最後の力を振り絞り歌い始める。

 

その健気な姿に我の勝利という形で報いてやらねばな!

 

我は双剣を手にこの戦いに終止符を打つべく若造の下へと走り出す。

 

「勝負を急いたか!」

 

どうやら若造の目には我がこの状態に焦れ、勝負を急いている様に見える様だが勿論違う!

 

砂の大地を踏み締め、強靭な脚力を生かして距離を詰めていくと同時に宝具の射出も行う。

 

「どうやら貴様の限界も近い様だな!」

 

我に向かってくる宝具の群れを宝物庫から宝具を射出し、迎撃しながら撃ち漏らした宝具を双剣で弾き飛ばし更に距離を詰める。

 

その最中に再びアイの歌声が聞こえる。

 

 

胸の奥深く潜むこの傷は癒されることはない

だから僕たちはこの身捨て去って強くなろうと誓った

 

 

誰もが願い(いのち)ぶつけ合う

迷いはいらない戦うと決めたから

 

 

振りかざす黄金の輝き

閉ざされた夜を拓く刃

答えなど無いと知っていても

理想の果てを求め続ける

 

フハハハハッ! まさに我に相応しい歌よ!

 

「ええいッ! 鬱陶しいッ!」

 

徐々に距離を詰めている我に怒りを覚えた若造は、宝物庫から巨大な剣…かつて我も使った…

 

千山斬り拓く翠の地平(イガリマ)』と『万海灼き祓う暁の水平(シュルシャガナ)』を躊躇い無く射出してくるが、

 

当然我がソレに態々当たってやる謂われも無い故に、飛んでくるソレを跳躍し躱すついでに剣の腹を足場として走り更に加速し柄尻を踏み抜いて跳躍する。

 

「もらった!」

 

それを狙っていたのか、若造が我の着地地点へと宝具の雨を降らせる。

 

僅かな時間とはいえ動きの取れない隙を狙われ、我に宝具の雨が降り注いだ事で爆発が起こり爆煙がその場を包み込む。

 

「「王さま!?」」

 

幼子2人が叫ぶ。

 

「まさか今のでやられたのか!?」

 

ウェイバーも驚愕しているが、

 

「いや! 上空(うえ)だ!」

 

征服王の声に従い全員が上を見上げると、

 

いつの間にか、高高度へと飛び上がりさらには大盾をまるでサーフボードの様に使用しているギルガメッシュの姿が見える。

 

 

あの日見上げた星は今も焼き付いて消えることはないよ

たったひとつの確かなもの始まりの自分追いかけて行く

 

 

その間にもアイの歌声が途切れる事は無く、彼女は王の勝利を信じ命じられた事を完うする

 

 

「アレは! 『逆巻く波濤を制する船盾(プリドゥエン)』ッ!?」

 

騎士王が大盾の存在に気づく。

 

それはかつて自身が使っていた魔法の盾であり、伝承では船にもなるという能力を持つものである。

 

ギルガメッシュは空中で器用にも、バランスを取りながら自身に向かって飛んでくる宝具の群れを 『逆巻く波濤を制する船盾(プリドゥエン)』をサーフボードの様に操りながら弾き、更に盾内部に身体を隠す事で被弾を最小限に減らしながらアーチャーへと飛んでいく。

 

時間は少し巻き戻り…あの瞬間何があったのかというと、『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』から砲撃礼装を召喚し、敢えて地面に撃ち、着弾によって発生した爆煙と爆風を用いての目眩しと跳躍を同時に成し遂げたのだ。

 

結果は目論見通り自身に向かってくる宝具を弾くだけでなく、舞い上がった爆煙によって姿を隠して上空へと飛ぶ事に成功する。

 

 

色腿せた景色 僕たちはそこで微笑むことも忘れて

祈りの数だけ悲しみがあると囁く声を聞いた

 

 

誰かの願い守り抜く度に散り往く者の亡骸が道を成す

 

 

アイ side

 

苦しい…歌い続けるのがこんなに疲れるって知らなかった…

 

でも…少し楽しくもある。

 

王さまがもう1人の王さまに攻撃された、でも不思議と王さまは大丈夫だと思えた。

 

王さま…お願い…

 

勝って!

 

そう願ったその時、私の胸から綺麗な…王さまみたいな金色の光が溢れ出した。

 

 

解き放つ黄金の輝き

終わらない夜を砕く刃

答えなど無いと知ってるから

理想の影を背負い続ける

 

 

上空からの奇襲を仕掛け、我に迫り来る宝具の数々を足場にしている大盾で弾きながら若造の下へと落下していると、

 

「ムッ! これは…フハハハッ! 良い! 実に良いぞ!」

 

我の身体を黄金に輝く光が包み込み、更なる魔力の増強を感じる。

 

そして、それと同時にアイの願いを感じた。

 

我に勝てと! ならば王としてこの願いに答えてやらねばな!

 

 

あの日見上げた星は今も焼き付いて消えることはないよ

たったひとつの確かなもの始まりの自分追いかけて行く

 

運命の 風の中 手を取り合って

 

 

我は足場にしている盾を若造へと蹴り飛ばす。

 

人外の膂力で蹴り飛ばされた盾は猛スピードで迫り来る宝具を弾き飛ばしながら進み、若造へと迫るも同じく召喚された盾系宝具によって弾かれるが…

 

「そうら! 何処ぞの犬ご自慢の槍を食らうが良い!」

 

宝物庫から召喚した紅の魔槍『刺し穿つ死翔の槍(ゲイボルグ)』の柄尻を蹴り飛ばす。

 

その際に何処からか「俺の十八番(オハコ)ーーーーッ!」と謎の叫びが聞こえた気がするが幻聴だな。

 

紅の魔槍は一瞬で音速を超え一筋の流星となりて若造へと一直線に突き進む、当然若造は新たに喚び出した盾で防ぐが我の狙いはこれでは無く…

 

 

振りかざす黄金の輝き

閉ざされた夜を拓く刃

答えなど無いと知っていても

理想の果てを求め続ける

 

 

「ええいッ! 認めたくは無いが、今は貴様の方が強い!」

 

アーチャーは迫り来る大盾と槍を盾で弾きながら、どんどんと距離を詰め、迫り来る別世界の自身に対して、怒り、嫌悪の感情を抱き…そしてこのままでは負ける事を悟る。

 

故に躊躇いがちではあるが、自身の『至宝』を引き抜いたその時、

 

「ガハッ!」

 

突如衝撃と激痛が走り、気がつけば自慢の鎧は背後から突然現れた赤い二股の槍によって貫かれていた。

 

何故? そんな考えが浮かぶが、

 

「言うたであろう! その視野の狭さが貴様の命取りとなるとな!」

 

既に目と鼻の先まで迫っていた別世界の自身によって『至宝』を掴んでいた腕ごと切断され…斬り飛ばされた右腕が宙を舞う。

 

「オノレェェェェェッ!」

 

最後に見た光景は、振り上げられた黄金の刃を振り下ろされる瞬間であった。

 

 

あの日見上げた星は今も

焼き付いて消えることはないよ

たったひとつの確かなもの

始まりの自分追いかけて行く

 

 

丁度アイが歌い終えた瞬間をもって、若造の心臓にある霊核を破壊し戦闘を終わらせる。

 

「オ…ノ…レェ…」

 

なおもしぶとく現界するが、流石に霊核を破壊された事で存在の維持が出来ず消失が始まる。

 

無論此奴の消失と同時に宝具が消えるのて、完全に消滅する前に全ての宝具を回収し宝物庫に仕舞う。

 

そして切り飛ばした右腕に握られていた我が至宝乖離剣を、所有者たる我が保有した事で消失を防ぐ。

 

「貴様は親友(トモ)を亡くしたあの日から…何の進歩もしておらんのだな…愚か者が…己の視野の狭さを呪いながら逝くが良い」

 

「オノレェェェェェッ! このままでは終わらさんぞ!」

 

末期になにやら戯言を吐きながら、ついにその存在を消失させたその時…

 

「これは!」

 

我の中に何かが入る感覚を覚える。

 

どうやら我が並行世界の我を下した事により、偶発的に同一個体である奴の魂を取り込んだ様だ。

 

感覚としては霊基再臨の様なものか?

 

感覚的には魂の全体の3/2ほどを取り込んだ様だ。

 

そのせいか…心做しか宝具が全体的に強化された様な気がする。

 

その頃外野の方はと言うと…

 

「ハァッ!? 何でアーチャーの背中が貫かれてんだ!?」

 

「う〜む…なんとも器用な奴よの〜」

 

「何と厄介な…」

 

「あんな事が可能だとは…」

 

「やはりあの方は規格外の存在ですね…」

 

気がつけば背中を槍に貫かれていたアーチャーの姿に驚愕するウェイバーを他所に、征服王…サーヴァント達はギルガメッシュの行った事を理解し、戦々恐々としている。

 

「おい! 一体何が起こったんだよ!?」

 

「奴はな…あの槍を敢えて目立たない角度から射出した後に、更に複数の宝具を射出してぶつけながら角度を調整して加速させつつアーチャーの知覚範囲外から命中させたのだ」

 

「ハアッ! そんな事が可能なのかよ!?」

 

理解の及ばぬ人外の技にウェイバーは悲鳴を上げる。

 

「恐らくだが…先程から妙な角度で宝具をぶつけておった様子から察するに…ほんの僅かな練習で成功させたのだろう…なんともまぁ器用な奴だのう」

 

そう…征服王の言う通り我が行った事は、盾と槍で若造の注意を引き『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』から射出した槍…『絶望司りし血濡れの槍(ロンギヌス)』に宝具を様々な角度からぶつけて軌道修正し、奴の背後の死角をついて貫いただけである。

 

要はマジックと変わらん、大袈裟に目の前の事に意識を向かせて本命の方から意識を逸らしその際に出来た隙を突いただけの事。

 

無論ぶっつけ本番ではあるが、途中である程度練習しておいた故にそう難しくは無かった。

 

我は過去の我を下し勝利をおさめる。

 

さてアイには後で確と褒美をくれてやらねばな。




毎回遅くてすみません!

何とか頑張って投稿し続けますのでどうか応援よろしくお願いします!

感想や高評価待ってます!

なお前回の『王の軍勢』での没ネタ

気がつけば辺りは障害物の存在しない砂漠へと変化し、それと同時に何処からか武具を装備した兵士達が現れる。
 
「わぁ〜人がいっぱい…」
 
「ウソ…本当にこれ固有結界なの…」
 
「人がいっぱいで怖いです」
 
突然の乱入者に子供達が恐怖し、
 
「こいつら…一騎一騎がサーヴァントだ!」
 
マスターであるウェイバーは現れた乱入者達全てがサーヴァントである事に気づき、驚愕を隠せないでいる。
 
「見よ! 我が無双の軍勢を!!」
 
誇らしげに、自慢げに大声を上げ賞賛する。
 
「肉体は滅びその魂は英霊として『世界』に召し上げられ、それでもなお余に忠義する伝説の勇者達! 時空を超えて我が召喚に応じる永遠の朋友達! 彼らとの絆こそ我が至宝! 我が王道! イスカンダルたる余が誇る最強の宝具『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』なり!!!」

砂漠へと変貌したフィールドを埋め尽くすが如く武装した戦士達が姿を現す

「ほぅ…雑種も数が揃えば見応えはあるな…ところで征服王よ…」

「何だ?」

「所々に紛れているアヤツらは一体何なんだ?」

目を凝らせば軍勢の中には女物の下着を被った変態や、パピヨンマスクをつけた晩餐会に飛び入り参加出来そうな者達か紛れていた。

「えっ? なんだアレ? 余は知らんぞ? 恐ぁ…」

悲報 王の軍勢の中に一部変態が混ざる!







おや?時臣の様子が…

  • 全力でBボタン連打ぁッ!
  • おめでとう!時臣は『 』に進化した!
  • 神砂嵐
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