天に輝くは黄金の北極星   作:帝月

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喉やられてメッチャ痛い!

体調は悪いですが、負けてたまるか!

感想、高評価お待ちしております!



『暗躍』

深夜の遠坂邸にて月の照らす薄暗い部屋の中に2つの人影が見える。

 

1人は窓辺に立つワインレッドを基調とした仕立ての良いスーツを着こなす紳士…凛と桜の父親である遠坂時臣。

 

「まさか…王が討たれてしまうとは…いや…並行世界の王であるが故にこの結果はある意味必定だったのか…」

 

勝利を確信する程に強力であった筈の自身のサーヴァントだが、此度のイレギュラーな出来事である並行世界からの介入者(ギルガメッシュ)によって討たれた事に意気消沈する。

 

「お気持ちお察しいたします…」

 

暗闇の中もう1人の影が時臣に話しかける。

 

「ああ…ありがとう…『綺礼…』」

 

もう1人の人影…カソックに身を包んだ長身の表情筋が死んでいる男…言峰綺礼が時臣を気遣う様な素振りを見せる。

 

しかし…暗闇で見えないが、その口元は僅かに口角を上げ嗤っている様に見える。

 

「ところで…その痛々しいお姿はいかがなされたのですか?」

 

言峰はさも今気づいたかの様に時臣に問う。

 

今の時臣の姿はというと首には頑丈なギプスが、それ以外にも所々包帯で固定されており、その姿は痛々しいものである。

 

普段から口にしている家訓である優雅たれとは似ても似つかない姿である。

 

特に嫁の鞭打(痛恨の一撃)によって潰された股間の紳士は一時信じがたい程に膨れ上がり、ムスコは折れ曲がり、睾丸は二つとも見事に圧壊し、治療が遅かった故にかなり悲惨(愉快)な事となっている。

 

端的に言ってしまえば、男としての遠坂時臣は完全に終わっているという事である。

 

「魔術の(ともがら)でありながらそれを理解しない愚か者と、魔術師の家計に生まれながらも庶民の感覚の抜けない愚妻が原因だ…たかだかあの程度の発言で当主候補たる凛まで連れて行きおって…こうなれば…あとは海外に留学していた時に産ませた子を使うしかあるまい…」

 

この男…自分に非は無いと信じているのか、ナチュラルに浮気発言と何も反省していないのか外道発言を連発する。

 

吐き気を催す邪悪とはこの様な奴の事を言うのだろうか?

 

「しかし…まさか聖杯が汚染されていたとは…だが、多少の被害が出たとしても魔術師としての本懐を遂げるためにはやはり聖杯を使わねばならない…」

 

「フフフ…そうですな…無論私も弟子として協力いたします」

 

「頼りにしているよ綺礼…しかし君の策略には驚かされたよ…まさかアサシンを使って君に化けさせて潜入させるとはね…」

 

「恐縮です」

 

仰々しく礼を返す言峰の姿に気を良くしたのか…

 

「予定は少々狂い気味ではあるが…今他陣営は王を失った事によって戦力を無くした我が家を敵と認識していないこの期間を上手く使い、他陣営のサーヴァントを奪う…差し当たり…ライダーのマスターは魔術師としては三流だが、サーヴァントは一級…そこを突くか…君の働きにも期待しているよ…綺礼」

 

今後の動きについて上機嫌で話し出す時臣。

 

この時言峰に面と向かって話すのでは無く、背を向け窓から見える月を見上げながらまるで舞台俳優か何かの様に語り出すその姿は如何に己に酔っているのかが知れる。

 

それは哀れな道化の様に…

 

「君には親子二代で我が遠坂家に貢献してもらっている事に感謝するよ…」

 

「いえ…感謝は不要です…導師(マスター)…」

 

ゆらりと立ち上がり足音一つ立てず時臣の背後へと接近し…

 

「えっ?」

 

「もとより貴方の為に動いていたわけではありませんので」

 

心臓部は言峰の鍛え抜かれた貫手によって貫通させられる。

 

「嗚呼…師よ…貴方はいつもそうだ…」

 

「綺礼?」

 

未だその身に起こった出来事が信じられないのか、己を貫いた弟子の方へと振り返り、現状を把握できていない間抜け面を時臣は晒しながら見たものは…

 

今まで見た事の無い、清々しい程の笑顔を見せていた。

 

「貴方はいつも詰めが甘い…」

 

「グハッ!」

 

ポタポタと血が滴る腕を抜くと…

 

時臣はついぞ弟子の思惑を…本質を最後まで理解する事が出来ずに血溜まりへと沈む。

 

「失礼…師よ…あまりにも貴方が隙だらけだったのでね…手癖で心臓を貫いてしまいましたよ」

 

腕から滴る血の雫を、腕を高速で振うその姿はまるで刀の血払いの様であった。

 

「り…ん……あ…おぃ…さ…く……ら」

 

魔術回路と魔術刻印によって僅かな延命がなされるも、焼け石に水であり…もはやその命は風前の灯であった。

 

「ククク…貴方の今の御姿には普段からの謳い文句である優雅な姿など何処にもありませんな…」

 

愉悦を含んだ声で、ゆっくりと時臣の元へと歩み寄り、時臣から流れた赤い血溜まりを踏みしめるたびに僅かな水音が鳴る。

 

「嗚呼…貴方は本当に愚かだ…弟子であるからと…無条件にこの私などを信じた結果がこれだ…その様に無様に倒れ伏す御姿は中々似合っておられますよ」

 

どこまでも見下し、冷徹に嘲笑する外道の姿がそこにはあった。

 

「しかし…私は僅かな期間とはいえ貴方の教えを受けた弟子…恩がある…恩に報いるのは人としての定め…故に(弟子)から貴方()へと最高の贈り物を差し上げましょう…」

 

その時言峰に変化が起こる。

 

先程まで短髪であった髪と身長が突然延び始め、黒髪は白髪へと変貌する。

 

そして徐に服のボタンを外していき、その鍛え抜かれた身体を惜しげもなく晒す。

 

身体の中央部には黒い穴が空いており、本来なら先の光景が見えるはずのその黒い穴の中には黒く煮え立つ『ナニカ』が蠢いている。

 

「ふむ…私とした事が忘れていた…師への恩に報いる前に兄弟子として、妹弟子である凛にも施しをくれてやらねばな」

 

言峰は何と時臣の死体から…魔術刻印と魔術回路の宿る右腕を意図も容易く捥ぎ取り、部屋の中央に座すテーブルの上に置く。

 

「さぁ…師よ….これが貴方の求めた聖杯の力の一端…ただし呪われた黒い聖杯の…ですがね」

 

ゴポリと言峰の胸の穴からまるで這い出て来るかの様に、コールタールのようなドス黒いスライムの様な液体が溢れ出す。

 

言峰から溢れ出した液体…聖杯の泥を一掬い手に取り、

 

「さぁ…『この世全ての悪(アンリマユ)』の祝福をお受け取りください」

 

掌に掬われた聖杯の泥を時臣の穴の空いた背中に注がれる。

 

「フフフ…ハハハハ…ハーハッハハハッ!」

 

その光景が可笑しいのか、箍が外れたかの様に嗤いだすその姿は狂気そのもの。

 

「この世界の聖杯によって呼ばれて召喚に応じてみれば…随分と私の知っている世界とは異なる様だな….まぁギルガメッシュが二人もいる時点で異常ではあるが…」

 

何やら顎に手を当て考える素振りを見せる。

 

「しかし…『この世界の私』は随分とツマラン選択を選んだ様だな…」

 

その時言峰の胸の穴がまたもやゴポリと蠢く。

 

「フフフ…わかっている…私だけは君の誕生を祝ってやろう…」

 

まるで意思があるかの様に蠢く泥に対して、それを見守る親の様に言峰は応える。

 

「だが…そのためには聖杯戦争をもう少し続けさせねばな…せめてあと一騎分の魂が必要か…」

 

その時、窓辺を照らしていた月が雲に隠れ闇が世界を包む。

 

「いや…うってつけの者がいるな…ならば私は裏方に徹しよう」

 

 

 

今聖杯戦争の裏側で闇が蠢く。

 

 

 

 

 

 

とある下水道にて…

 

「おぉぉ…リュウノスケ…なんと無惨なお姿に…」

 

「ダ…だんなぁ〜俺…死ぬんだよね」

 

全身を貫かれ、片腕が吹き飛び無惨な姿を晒すリュウノスケに対し、キャスターは哀れむように、愛しむかの様に介抱を行う。

 

「だ、だんな…俺もっと作品をだんなと一緒に作りたい…」

 

「私もですよリュウノスケ!」

 

「だがら….どうせ助からねーんだったらもっと最高にcoolな事をやろうぜ」

 

血を吐き、無理やり延命させられている事で激痛を感じているにも関わらず狂気を孕んだ瞳でキャスターを見る。

 

「リュウノスケ!? おお…貴方は何と強い…えぇ…ええ! そうですね! 私から聖処女を奪い! あまつさえ貴方に重傷を負わせた愚物を赦してはなりません!」

 

キャスターはそれに同調する様に、巨大な眼球を飛び出させ賛同し覚悟を決める。

 

「へへ…だんなぁ…俺の残りの命全部使って…魅せてくれよ…最高のcoolな世界ってやつをさ…」

 

「お任せくださいリュウノスケェェェェッ! 必ずや貴方に見せましょう! この世で最もcoolな光景を!」

 

臭気漂う薄暗い場所にて、外道達もまた何かを行うべく動き出す。

 

 

 

 

戦いの果てに待つ結末は如何なるものだろうか…

 

舞台裏にてそれぞれの陣営の暗躍が、思惑が…そして闇が蠢く。

 




やっと物語も半分が終わった!

更新は遅いですが、完結目指して頑張るゾイッ!

原作の方が終わりそうだけどこの作品も無事終わらせられる様に作者も頑張ります

感想や高評価は励みになりますのでいつでもウェルカムッ!

おや?時臣の様子が…

  • 全力でBボタン連打ぁッ!
  • おめでとう!時臣は『 』に進化した!
  • 神砂嵐
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