天に輝くは黄金の北極星   作:帝月

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何とかギリギリ更新!

作者はまだまだエタリません!

頑張ります!


『異変』

聖杯問答から一夜明けて…

 

「とりあえずは聖杯戦争は一時中止になったけど…キャスター陣営が気になるな…」

 

雁夜は新聞を広げながら呟く。

 

「ふん…逃したとはいえ、あれ程の手傷を与えてやったのだ…あの外道共は近いうちに必ずや行動を起こすであろう」

 

優雅にコーヒーを啜りつつも苦々しげにギルガメッシュが語り、

 

「後は…アーチャーを失った時臣の奴がどうするかだな…」

 

その時、突如電話が鳴り響く。

 

「はい…言峰教会? はぁ? 時臣の奴と連絡が取れない?」

 

どうやら電話の相手は教会からであり、時臣と音信不通の状態にあるらしい。

 

「何でオレに…いや確かに葵さん達がいるけど…あぁもうわかった! とりあえず様子を見に行ってやるよ!」

 

電話を少々乱雑に切ると同時に我の方へ顔を向け、

 

「すまん英雄王! 時臣の奴が音信不通になった様で、もしかするとサーヴァントに襲われた可能性があるから調べに行くから葵さん達の事を頼まれてくれないか? 今はランスロットもいないから流石に不安が残る!」

 

ふむ…顎髭はあれでも魔術師としては一流…なれば…相当な腕利きか…サーヴァントの仕業になるな…

 

「待て雁夜…我も同行してやろう。 アイ達に関してはこの屋敷を結界宝具で強化しておる故に籠城してさえおれば問題は無い」

 

まぁ…葵もおる故に短時間なら問題無かろう。

 

「良いのか?」

 

「うむ…何やらまた面倒事の予感がする故、着いていってやろう」

 

どうにも嫌な予感しかせん…

 

「ありがたい…なら今から行こう」

 

なお屋敷を出る際に葵には、我らが帰って来るまでは外出を禁ずる事を伝え待機しておく事を厳命しておく。

 

「時間がない故にさっさと行くぞ」

 

我は直様『二輪英雄王(ギルギルマシン)』に飛び乗り、サイドカーに雁夜を括り付け超スピードで旋風(カゼ)となる。

 

「ちょっ!? スピード出し過ぎいぃぃぃぃっ!!」

 

フハハハハッ! 今の我を止められる者なぞ存在せんわ!

 

旋風(カゼ)となり爆速にて遠坂邸へと辿り着くと、

 

「死ぬかと思った…」

 

「ふん…あの程度で情けない」

 

「スピードが確実に300kmオーバーしている上にパトカー数台に追いかけられたらこうなるわ!」

 

ふん…たかだか少しばかりスピードを出した程度でしつこく追ってきおって、あまりにも鬱陶しい故に、途中で認識阻害系宝具を使って撒いてやったわ。

 

「とりあえず入るか…あれ? 呼び鈴鳴らしても反応が無いな?」

 

「……」

 

少しばかり周りを探ってみれば、前回仕掛けられていた侵入者感知系の結界は機能しておらず。

 

それだけでなく…なにやら僅かであるが…呪詛を感じる。

 

「どうやら少々面倒な事が起こっておる様だな」

 

「オイッ! 英雄王っ!?」

 

困惑する雁夜を放って、我関せずとばかりに門を開け放ち中へと侵入すると…屋敷の中は静まり返り、耳鳴りすら聞こえそうな雰囲気である。

 

人の気配は感じられず、静寂がこの場を支配する。

 

だが…

 

「この感覚…この部屋か…」

 

本当の意味で魔術師になりたての雁夜では理解出来ないのか、我は薄くなってはいるが、最も呪詛を感じられる部屋の前へと移動する。そこは以前顎髭と雁夜が揉み合っていた部屋だ。

 

「やはりか…」

 

躊躇う事無く扉を開け侵入すれば、

 

「なん…だ…よ…これは…」

 

視界に映るのは屠殺場もかくやと言わんばかりの夥しい血溜まり。

 

床に敷かれている高級なカーペットは、一部が赤黒く変色している事からここで何があったかを察する。

 

「ん? あれは…」

 

ふと机を見やれば、中央に座する人の片腕が映る。

 

我は最初、下手人はあの外道共かと思うたが…それは違うな…そもそもあの外道共は我が既に大打撃を与えおる故に、いくらアーチャーが不在とはいえ…あの顎髭は親としては失格だが、魔術師としては一流…逃げるくらいなら出来なくも無い。

 

無論根拠はそれだけでなく…屋敷の中から漂うこの呪詛…特にこの部屋の中が最も濃い…恐らくは呪詛を纏う者が時臣を襲ったのだろう。

 

だが…奴は腐っても魔術師…戦闘の得手は知らんが…部屋の中が最後に見た時と変わらず、大して荒れていない事から戦闘にならず…不意を突かれたのだろう。

 

しかし…この呪詛から感じる性質は大聖杯の納められている山から感じたものと似ている…やはり『この世全ての悪(アンリマユ)』か…まだ情報が足りぬ故に断言は出来ぬが…十中八九大聖杯が何かを呼んだのだろう…我の勘が告げている。

 

「この腕…間違い無い…時臣の腕だ…」

 

机の中央に座す千切られた片腕に残っている服の残骸から雁夜は推測する。

 

「ふむ…どうやら魔術刻印と回路が残されている様だな…」

 

罠の類が無い事は既に確認済みである故に、手に取り観察してみると魔術師からすれば最も重要な情報の塊とも呼べる魔術刻印と魔術回路はそのまま残されていた。

 

さらに妙な話だ…もし魔術師が下手人であるならば、魔術刻印と回路を残す筈など無い…

 

「この血の乾き具合から…多分犯行が行われたのは昨夜…多分俺たちが聖杯問答を行っていた時間から後だな…」

 

気がつけば、雁夜か膝をつきながらカーペットや周りの物を調べていた。

 

「ほぅ? わかるのか?」

 

殺し合いの様な荒事には慣れていない様子ではあったが、意外にもこの男は物怖じする事無く慣れた手つきで辺りの捜査を行っている。

 

少しばかり我は感心しながら聞いてやれば、

 

「あぁ…フリージャーナリストをしていたらさ…結構事件現場とかに出くわす事があるんだよ…」

 

どこか煤けた様な雰囲気を出しながら雁夜は語る。

 

「以前は美術館の取材していたら…某怪盗の3代目一味と鉢合わせして…何故か俺まで警察に追いかけられたり…とある財閥の独占インタビューにありつけたと思ったら白いタキシードを着込んだ怪盗から盗まれた宝石を取り返したり…政府の裏金問題の取材していたら殺されかけたり…新宿でのドンパチに巻き込まれたり、レオタード着た美人な怪盗に預かった絵画を盗まれそうになったり…イギリスで取材していたらまさかの悪魔が関わっていて…解決のため胡散臭い骨董品屋に巻き込まれて異次元に飛ばされたり…ハワイで取材していたら謎の爺さんに格闘技習って、その弟子のマスクマンとレスリングしたり….何故か魔術師の金髪ロールな凛ちゃんと同い年くらいのお嬢様に対抗意識もたれて付け回されたり…無人島に逃げたら大昔の海賊の宝っぽいの見つけたり、最近だと眼鏡かけた死神とよく鉢合わせするなぁ〜」

 

いや待てい! お前の人間関係はどうなっておるのだ!? というかこの世界にあるのかあの街!?

 

そしてコイツは良くそんな魔境から生還出来たな…

 

コイツの半生を本に纏めたら売れそうだな…

 

少なくとも我は興味が湧いたぞ。

 

誰かコイツをハリウッドに連れて行け! 何なら我が金を出すぞ!

 

「良くもまぁその様な魔境から生還出来たな」

 

「あぁ…昔から悪運だけは強くてな…」

 

そこまで悪運が強いのに何故、苗床にされていたのやら…いや寧ろ悪運が強いからなのか?

 

まぁ…それはさておき…

 

「この腕はどうする? 一応家を継ぐのは凛である以上返してやるのが筋であるが…」

 

流石に幼子に父親の腕を渡すのはどうなんだ?

 

コレ…父さんです…って渡すのか? 流石の我でも幼子を揶揄うなら兎も角、虐げて愉悦を感じる様な趣味は無いぞ。

 

「なぁ…英雄王…とりあえずこの腕…預かってくれないか? 一度俺から葵さんに話すよ…流石にいくら時臣がクズでも…凛ちゃんからすれば尊敬していた父親なんだ…だから出来るなら返してあげたい」

 

「まぁ…良かろう…それと雁夜…本来ならば警察共を呼びこの惨状の対処をさせるべきであるが、これは聖杯戦争での出来事…恐らくは神秘の流出を避けるため揉み消されるであろう」

 

「あぁ…そうだな…たく…だから魔術師は嫌なんだよ…」

 

吐き捨てる様に言い放つ雁夜ではあるが、恐らくはその魔術師になった己を含めているだろう。

 

「とりあえず教会へ行くぞ」

 

此処に残っていても大した収穫は無い故にさっさと教会へ行き、奴らに対処を放り投げるとしよう。

 

「ちょっ! またこのパターンかよおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

直様『天の鎖(エルキドゥ)』にて雁夜を拘束し、『二輪英雄王(ギルギルマシン)』へと飛び乗り我は再び疾風(カゼ)となる。

 

なお最初から認識阻害系宝具を起動させておった故に鬱陶しい警察に捕捉されるなどという事は無かった。

 

そして教会へと着くやいなや直様『二輪英雄王(ギルギルマシン)』から飛び降り、重厚な扉を蹴り上げダイナミックエントリーを行う。

 

「ぬぉっ!? な、何だ!? え、英雄王!? またか!? またなのか!?」

 

なにやら喚く神父を他所に、

 

「おい、老耄…貴様に確認する事がある」

 

グッタリとしている雁夜を叩き起こし遠坂邸にて起こった事を説明させる。

 

「まさか時臣君が!? 何という事だ…」

 

項垂れる神父を他所に、

 

「老耄よ…恐らくだが、近いうちにあの外道共も動き出すであろう…故に貴様らは後始末に備えておけ」

 

「承知した…情け無い事だが…此度の聖杯戦争は既に既存のものとは比べ物にならないくらいに異常事態が発生している…今我々教会は事を荒立てるわけにはいかん…下手をすれば時計塔とも争う事態へとなりかねん…故に聖杯戦争期間内に何とか事を納めてほしい…無論協力は惜しまないつもりだ」

 

「ふん…我が扱き使ってやる故…精々励むが良い」

 

「ん? 使い魔? おい! 英雄王! アインツベルンからお前と話をしたいって連絡が来ているぞ!」

 

使い魔に括り付けられていた手紙を差し出す雁夜から受け取り内容を見てみれば…

 

「ほぅ…どうやらあの道化…やっと覚悟が決まった様であるな」

 

そこに記されていたのは、道化が抱いていた中身の無い願いを変更した事と、話し合いの場を持ちたいとの事であった。

 

「まぁ…良かろう…雁夜よ」

 

「何だ?」

 

「これより一度間桐邸に戻り、アイ達を回収したのち…アインツベルンの城へと移動する」

 

「急だな? 何かが起こるのか?」

 

「善は急げというであろう? まぁ…我の勘ではあるが…今宵にでも事が動き出すであろう」

 

「わかった」

 

「おい、老耄…綺礼の奴を先にアインツベルンの城へと寄越せ、女子供共の守護役に使ってやる」

 

「承知した…ではすぐ向かわせよう…綺礼…頼めるか?」

 

今まで沈黙を貫いていた言峰綺礼が口を開き了承の意を見せる。

 

「では雁夜よさっさと帰るぞ」

 

「え"? まさか…」

 

「フハハハハハハッ! 細かい事は気にするで無い!」

 

「またかよぉぉぉぉぉおッ!?」

 

再び疾風(カゼ)となった我を止められる者など存在せぬわ!




文章短くても投稿した方が良いかな?

とりあえずは頑張って更新します!

感想や高評価を頂けますと作者はこれからも頑張れます!

おや?時臣の様子が…

  • 全力でBボタン連打ぁッ!
  • おめでとう!時臣は『 』に進化した!
  • 神砂嵐
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